2人が帰る途中で見かけた公園のベンチで座っていると鈴音が口を開いた。
「ア、アノ……小宙サンハ、親ガイナイッテ言ッテマシタケド……」
「ん?あぁ、俺は小さい頃に孤児院の前に捨てられていたんだ……
名前と一言【この子を頼みます】って……」
「ソウダッタンデスカ……小宙サンハ……「武昭」エ?……」
「小宙って呼びづらいだろうから武昭で良いよ
「友達ッテ……私ガデスカ……ケド……私ハ……」ポロッ
「転校生だとか、中国人だとか関係ないよ……俺は凰さんと友達になりたいと思ったから……」
「本当ニ……私ト友達ニナッテクレマスカ?……」
鈴音は泣きながら武昭に尋ねた。
「あぁ……俺が凰さんの日本での
武昭が優しく抱き締めると鈴音が泣いたので武昭は、そのまま胸の中で泣かせた。
暫くして……
「アノ……ソノ……ゴメンナサイ……」
泣き止んだ鈴音は顔を赤くして照れていた。
「気にしなくて良いよ……泣きたい時に泣くのは当然の事なんだからさ……」
「ア、アリガトウゴザイマス……アノ……ソレデ……サッキノ話ナンデスケド……」
「あぁ、孤児院の前に捨てられていた話か……俺は親を恨んじゃいないし、会いたいとも思わないかな……」
「ナンデ……デスカ?……」
「うん……手紙は濡れてたんだ……多分だけど涙の跡だと思う……」
武昭の話を聞いた鈴音は黙っていた。
「だから俺は思ったんだ……親は俺を危ない目に合わせない為に離れたんだって……
それで俺が会う事で何か迷惑になるなら俺は会わないって……」
「武昭……」
「さてと、これ以上居たら遅くなるから帰るか
「エ?今……私ノコトヲ鈴ッテ……」
「あぁ、友達だからアダ名を考えてたらパッと浮かんだんだけど……嫌だったら何か違うのにするけど……」
「イエ……鈴デ……鈴ガイイデス!……武昭ガ私ノタメニツケテクレタカラ……ソレガイイデス!!」
「あ……初めて鈴の笑顔を見たけど、そっちの方が良いじゃん」
「フェッ!?ナ、ナニヲキュウニイウンデスカ!?」
「ハハハ!ほら、早く帰るぞ鈴」
「ハイ!ワカリマシタ!武昭!!(日本ニキテハジメテ友達ニナッタノガ武昭デヨカッタデス)」
鈴は武昭から出された右手を握って心が暖かくなっているのを感じていた。
その後、武昭が鈴の家に行くと中華料理屋だったので、そのまま夕食をご馳走になっていた。
「俺もたまに料理をするけど、やっぱりプロには敵わないですね」
「ハハハ、そりゃ俺は何年もやってるんだからな!」
「それにしても……まさかウチの鈴音が、同級生を……それも男の子を連れて来るなんてねぇ……
ねぇ、武昭君よね?良かったらウチの娘を貰ってくれない?」
「ナッ!?
「おっ!それは良いや!!俺も武昭君になら跡を継がせられるぜ!!」
「モーウ……
「別に変じゃないだろ……2人が、それだけ鈴の事を思ってるって事だからさ……
ご馳走さまでした。 えっと、いくらですか?」
「あぁ、別に良いよ今日はウチからの奢りだ」
「そうよ、折角の鈴音の初めての友達なんだから」
「でも……「武昭……今日ダケハ……」分かりました、じゃあ、ありがとうございます」
「あぁ、いつでも来てくれよ」
「えぇ、私たちは待ってるから」
武昭は3人に見送られて店を出た。
その帰り道……
「父親と母親か……ううん、俺には孤児院の皆が家族なんだ……」
武昭は星空を見ながら何かを考えていた。
その頃……
「どうやら彼は少しずつ力に目覚めつつあるみたいだな……」
「そうだな……それに彼は優しい人間だ……」
「だからこそ、あの力を使えるのです……」
白い空間で2人の男性と1人の女性が地面に合った泉の周りで話していたが、その水面には武昭が映し出されていた。