ソユーズ少佐の皇国軍戦記   作:kuraisu

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気づいている人もいると思いますが主人公を含め、オリキャラの名前はその辺の作品からパクっています。
中身は別物になってますが。


メロエ攻略

午前七時四十八分。

リウナン丘陵の占拠に成功した皇国軍だが、メロエを守護する朱雀軍の抗戦を前に戦況は膠着状態になりつつあった。

 

「やはりメロエにはそれなりに纏まった兵力を配置していたか」

「朱雀側に援軍は?」

「イスカ地区のリンボス要塞からの部隊が来たがそれ以外からの増援は確認されていない。【隼】作戦の連中が上手く各地の方面軍をかく乱しているようだな」

「それにリンボス要塞には『ミレニアム』を特攻させましたからね。その増援も東に置いている2個軍団で十分対処できている」

「うむ。ならば東への対処は今のところ不要だ。となるとメロエに更に部隊を投入すべきか?」

 

将校たちの軍議で様々な議論が交わされていたが、やがて部隊の追加投入が決定した。

 

「では、何処の部隊を出撃させるのだ?」

「それでは我が指揮下の装甲師団を投入するか」

「それだけでは足りん。他に行こうという者は?」

「ならば私の指揮下の選抜連隊も行かせようか?」

 

ハーシェル中佐の提案にメロエ攻略を【津波】作戦の最高責任者であるクザン大将から任されたペンウッド中将が苦言を呈する。

 

「帝都防衛旅団の方の力を借りるにはまだ早いかと思いますが・・・」

「いや、ここまでの勝利は朱雀軍の虚をつき勝利したに過ぎない。つまりこのメロエ攻略戦が我が軍と朱雀軍との本格的な激突なのだ。緒戦で勝利しておけば兵の士気も上昇するだろう」

 

ハーシェル中佐の言葉に将校たちは再び議論を交わした。

選抜連隊という精鋭部隊を投入するべきか否かについて。

最終的に1個装甲師団をメロエの西に、2個歩兵大隊と選抜連隊に所属している第四大隊をメロエに東に動員する事で決定した。

 

「そういうわけで、出撃だソユーズ少佐」

「はっ!」

「抜け駆けとはずるいねソユーズ」

「満面の笑みを浮かべて言われても説得力がないぞルーキン」

 

軽口を叩き、私は自分の指揮下大隊が駐屯している場所へ行く。

すると部下のイネス大尉と話しかけてきた。

 

「いかがなされました?」

「ああ、前線にでる。メロエの東に展開している朱雀の2個魔導連隊を蹴散らし、市内に突入する」

「こちら側の戦力は?」

「既に1個装甲師団が交戦中で、我等と共に2個歩兵大隊がその援軍として出撃。同時に西にも1個装甲師団を出撃させて東西から圧力をかける。既に南門は朱雀軍の必死の防戦でなんとか堪えている状態だ。そんなに損害を出さずに済むさ」

 

それを聞き、同じく部下のベルファー大尉が発言する。

 

「それに今のところは連戦連勝で兵の士気は高揚しています。まぁ圧倒的な兵力差によるものですが士官以上でもないと理解できていないことが多いですからね。司令部の想定以上に損害は少なくなるでしょうな」

「ああ、二十分以内に我等は前線にいなければならん。可及的速やかに準備を整えよ」

「「はっ」」

 

二人は敬礼すると急ぎ足で準備をしにいった。

さて、私も急がねば。

午前八時九分。

メロエの東の平原に3個大隊が援軍として到着した。

十分ほどの戦闘の後、朱雀軍が動き出す。

 

「朱雀軍が徐々に後退していってますね」

 

ベルファー大尉が双眼鏡を覗きながら報告する。

 

「ああ、流石に兵力差が厳しくなってきたからメロエの防衛は無理だと踏んだんだろう。市街戦に持ち込む気だな」

 

そう言っていると通信兵からも報告が入る。

 

「伝令。メロエ周辺に展開している朱雀軍の市街への後退を確認!各部隊は追撃せよと司令部からの命令です!!」

「少佐の考えが正しかったようですね」

 

通信兵の報告でイネス大尉がソユーズ少佐の考えが正しかったことがわかった。

 

「よし、市街戦に移行する! 全兵に東の2個軍団に対抗できるだけの朱雀側の援軍が来ないうちにメロエをおとせと伝えろ!!」

「「はっ!!」」

 

 

 

 

 

SIDE ヴィレール少尉

自分は帝都防衛旅団第四大隊第二中隊第三小隊隊長のヴィレール少尉だ。

あ、今は帝都防衛旅団じゃなくて選抜連隊だっけ?

因みに朱雀との国境付近の部隊に所属したことがないので朱雀との戦いは本作戦が初めてだ。

ついさっき後退する朱雀軍を追撃し、メロエに突入したところだ。

朱雀軍の防衛線は装甲師団に任せ、自分が所属する大隊は各中隊ごとに敵の防衛の手薄いところに突撃を仕掛けて後方に侵入した。

 

「気をつけろ!何処に敵が隠れているか分からんぞ!!」

 

そう言いながら自分は銃を構え、周りを警戒しながら進む。

持っている銃は【四一式自動小銃】といって、1年前に採用されたばかりの新型小銃だ。

ドラム式の弾倉を採用していて装弾数は以前の形式と比べると大幅に増加している。

口径は15mmで対人用としては過剰だが、朱雀の召喚獣や玄武の鎧が相手では威力不足だ。

 

「少尉!奴等坂の上でウォールでこちらの攻撃を防ぎながら遠距離魔法で弾幕を張ってきます!!」

「そうか、対人ロケット砲兵はうちの中隊にはいないからな、どうしたものか・・・」

 

対人ロケット砲兵とは【三八式155mm対人無反動砲】を装備した兵士のことだ。

朱雀の兵士との戦闘を考慮して設計されたロケット砲は朱雀軍のウォールやプロテスといった防御魔法に威力で対抗できるだけの攻撃力が備わっている。

因みに【無反動】と正式名称に書かれている割には反動が少なからずあるので兵士達の間でネタにされてたりする。

 

「鋼機で突っ込むには数が足りないし援軍を待つか・・・?」

「その必要はない」

 

声が聞こえたほうに振り返ると中隊長のアトラス中尉がいた。

 

「突撃兵部隊に先行させる。突撃兵の防護盾ならば魔法の弾幕を防ぎきれる」

「・・・耐え切れるでしょうか?」

「突撃兵の装備が新しくなったのを忘れたのか?」

「・・・・・・・・そうでした」

 

今の突撃兵の持っている盾とは【試製四二式防護盾】のことで開戦直前に開発が終了し、制式化を待たずして量産、実戦配備された為に実戦配備されているにも関わらず【試製】という文字が入ったままになっている。

防護盾の性能は制式化を待たずに配備しただけのことはあり、ほぼ完璧な防御性能を持っており朱雀の兵士のウォールよりも遥かに性能が高く、玄武王の鎧に迫る性能を誇っている。

欠点としては片手が塞がってしまう為に銃がもてない事だ。

その為片手で操作できる【四二式電斧】を装備し、近接攻撃を行うのが基本的な戦闘形式になる。

 

「まったく・・・まぁお前は朱雀戦が始めてだから仕方ない事だな。突撃兵部隊の後にストライカーが続き、その後ろから兵が援護する」

「了解しました。ストライカーに乗っている奴等に連絡しろ!突撃兵の後に続けと!!」

「はっ!」

 

ストライカーとは【コ-二四二陸戦鋼機】という鋼機である。

攻撃方法は155mm榴弾砲による砲撃と体当たりだがあまり砲撃の命中率が高くない。

それでも朱雀兵を屠るには充分な性能を持っていて、このシリーズの鋼機は840年に制式化されてから何度もリニューアルされている。

 

「行け行け行け行け行けッ!!!」

 

突撃兵が防護壁で朱雀兵の魔法を防ぎながら近づき、斧でウォールを詠唱している朱雀兵を攻撃する。

そして銃撃を防いでいたウォールが消失した。

 

「伏せッ!」

 

突撃兵部隊の隊長がそう叫ぶと一斉に突撃兵がしゃがむ。

そして後ろに控えていたストライカー五機による一斉砲撃によって坂の上にいた朱雀兵は一掃された。

 

「今だ!!進めェェッ!!」

 

アトラス中尉はそう叫ぶと自分の直属部隊を率い坂を駆け上る。

そして自分も慌てて突撃命令を出す。

 

「アトラス中尉に続けッ!!」

「「「「「オオオオ!!!」」」」

 

そうして坂を上りきり、朱雀軍との乱戦となった。

朱雀兵は剣やナイフなどを装備し、それで接近戦を行う。

近距離で魔法を放つと自分まで巻き込まれかねないからだ。

最もそれは末端に限った事で魔導院から軍事訓練で来ている候補生ならば武器も魔法によって生成し、近接でも普通に魔法を使う。

正直何故それほど有能な者たちを軍に組み込まず、魔導院でひたすら勉強をしているのか理解に苦しむ。

そんなどうでもいいことを考えていると目の前で味方が炎の弾にぶつかって燃え上がった。

周囲を見渡すが朱雀兵と皇国兵が戦闘中でこちらを狙い撃ちできるような余裕があるような者はいない。

ならば流れ弾か?と思っていると上から再び炎の弾が飛んできた。

だがそれを紙一重で回避する事に成功する。

強化服をきていなかったら危なかった。

強化服とは装着する事で反射神経と身体能力が強化される装備だ。

皇国軍内では配備にはかなりのばらつきがあり、帝都防衛旅団では尉官と一部の下士官に与えられる装備である。

そして魔法が飛んできた上を睨む。

ベランダに朱雀兵がいた。

すぐさま銃を構え、その朱雀兵を撃つ。

撃たれた衝撃でその朱雀兵はベランダから落ち、地面に横たわる。

だが、まだ息がるようだ。

だからすぐにその朱雀兵に近づき、

 

「この朱雀のガキが!!!」

 

その朱雀兵の胸を銃剣で何度も突き刺さす。

すると地響きと共に何十台もの鋼機がやってきた。

続いて皇国兵が次々やってくる。

 

「装甲師団が防衛線を食い破ったか!!」

 

その後、皇国軍によってメロエの朱雀軍は壊滅的打撃を受けた。

 

 

 

SIDEベルファー大尉。

午前八時三十四分。

通信兵から聞いた情報をソユーズ少佐に報告する。

 

「現時刻をもってメロエの朱雀軍の掃討が完了。我が大隊の損害は軽微とのことです。ソユーズ少佐」

「そうか。ベルファー大尉は司令部に我が大隊の状況を報告しろ。それとイネス大尉は戻ってくる鋼機に異常がないかどうか部下達と一緒に調べてくれ」

「「はっ」」

 

軽く敬礼すると私は通信機を司令部に繋ぐ。

 

『選抜連隊第四大隊指揮官補佐のベルファー大尉です』

『選抜連隊隊長のハーシェルだ。ソユーズ少佐の隊はどうなっている?』

『損害は死人は23。怪我人は戦闘不能な者が3人います。ストライカーが2台大破。ですがまだ充分に戦闘は可能な状態です』

『そうか、ならそちらに中型艦載挺を3つ送る。これから我等選抜連隊は東のリンボス要塞に攻勢をしかけるのでな。貴官及び大隊の首脳部は指揮管制型中型艦載挺に乗るように』

 

中型艦載挺。

本来は空中戦艦が地上や他の空中戦艦との連絡用に開発されたものだが、大きさが手ごろで内部の装備を大きく変えて地上部隊にも多数配備されている。

本来の艦載挺ならば後部は格納庫として空になっている。

だが地上部隊の兵員輸送用は座席が備え付けられているし、指揮管制用なら通信機や通信兵の席を設けてある。

もちろん内部の装備によって正式名称も異なり、

艦載型は【三三式中型艦載挺二二型】。

兵員輸送用は【三三式中型艦載挺三一型】。

指揮管制用は【三三式中型艦載挺三四型】となっている。

他にもバリエーションはあるのだがこの辺で割愛する。

 

『了解しました』

 

私はそう言うと通信を切った。

しかし都市を落としたら今度は要塞攻略か。

リンボス要塞は朱雀の西部方面軍司令部がある場所だから一筋縄ではいかないだろうが損害を覚悟すれば制圧は可能だろうと思いながら私はソユーズ少佐に報告した。

この時、私は知らなかった。

西部方面軍に限らず朱雀全軍が魔導院からある命令を受け、自分の予想がある意味裏切られることになろうとは。




試製四二式防護盾:原作なら開発が完了したのは開戦直後だが、メロエ攻略に出したかったので改変。


作者はこれから定期テストの勉強に入り、その後は不老不死の暴君の方を更新したいので次話更新はかなり遅くなると思います
あと最後に・・・誰か感想くれーーーーーーーー!!!!
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