Fate/まどか☆ゼロ   作:西渡学

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言峰綺礼回


まど☆マギ勢・降☆臨⑤

「あなたが私のマスターね」

 

艶やかな長い黒髪。

黒色をイメージさせる装飾過多な服。

この女がサーヴァントか。

 

「ああ、いかにも。私がマスターの言峰綺礼だ。君の名を聞かせてもらおうかな。お嬢さん」

「私の名前は暁美ほむら。クラスは………アサシンね。それとお嬢さんはやめなさい」

「ふむ、分かったよ。アサシン。それとこれは君の物で相違ないか?」

 

そう言って私は黒ずんだリボンをアサシンに見せる。

それを見て彼女は目を見開く。

 

「どうしてそれを………? いえ、それよりも………。とにかくそれは私のよ。ありがとう」

 

ふむ、どうやら時臣師の采配は正しかったようだ。

 

 

 

 

 

 

時臣師はアーチャーとして鹿目まどかという異世界の神を呼び出した。

そして、私がたまたま拾ってきたこのリボンを見てアーチャーが見覚えがある、と言ってきたのが始まりだ。

 

『神………いえ、アーチャーこれについて何かご存知で?』

『はい、これ、きっとほむらちゃんに渡した私のリボンです』

『ほむら、ちゃん? その御方は?』

『私の大事な友達です!』

『友達、ですか』

『はい! それにとっても強いんですよ! 私なんていつも助けてもらってばかりで………』

『なんと………。綺礼、そのリボンを使って英霊を召喚しなさい。神と同列の者を召喚出来るかもしれない。これで遠坂の勝利は磐石だ………!』

 

 

 

 

 

最終的に時臣師も打倒しなければならない私としてはここは悩みどころだったが、すでに見せてしまった以上、違う遺物も使いにくい。

それに神と同列というのならば是非もない。

最初はアーチャーと共闘し、他陣営を全滅させ、最後は令呪の力でアーチャーを殺せば良い。

アーチャーの言葉通りならば、力関係ではアーチャーの方が劣るようだし。

 

それにアーチャーは圧倒的な力を持ってはいるが、性格面においては気弱な様子だ。暁美ほむらとの関係も上下関係だった可能性がある。

ならば、一対一の状況になっても勝てる目はある。

 

これからは見極める。

このアサシンは果たして最後にアーチャーを殺せるのか。

 

「アサシンよ。君とアーチャーとの関係を教えてほしい」

「アーチャー? 私は誰がどのクラスなのかすら知らないのだけれど………。私の知り合いでも参加しているの?」

「鹿目まどか」

 

ビクッとアサシンの体が一瞬震える。

分かっていたが、やはりアーチャーと関係があるようだ。

 

「あの子が参加しているの!? 何故!?」

「落ち着いてくれ。何故と言われても時臣師が呼び出したからとしか言えん」

「嘘よ………。私がまどかと戦う?殺し合う?無理よ、絶対にそんなの耐えられない………。そんな………そんな………」

「安心しろ。鹿目まどかを召喚した時臣師は私と同盟を結んでいる。戦うことはない」

 

そういうと彼女は世界の終わりだとでもいうようか顔から一転して安心したように息をつく。

 

―――これは駄目だな。

どうやら、私は外れを引いたようだ。

このサーヴァントはアーチャーとは戦えない。

上下関係などとんでもない。

これはアサシンがアーチャーに依存しているだけだ。

 

神父としての仕事はしてこなかったが、死徒を多く始末してきた私だ。

残された者の顔ぐらいは多く見てきた。

大事な人間が死徒として私に殺される時に浮かべる絶望の表情。

それをアサシンは浮かべていた。

 

つまり、このアサシンにとってアーチャーは大事な人間なのだ。

暁美ほむらにとっての鹿目まどかとはそういう存在なのだ。

 

困った。

これでアーチャー陣営殺害に関しての相談がまったく出来なくなった。

令呪による命令に頼るしかなくなった。

最低でも二つの令呪は必要になった。

鹿目まどかを殺害、又は足止めのための令呪。

それにアサシンを自害させるための令呪。

使える令呪は一画まで、だ。

 

「それではそろそろ行こうか。鹿目まどかの居るところへ」

「え、ええ。そうね」

 

ソワソワしている。

まるでこれから逢い引きでもしに行く女のようだ。

そして、それは我が妻が浮かべていたかもしれない表情。

 

今となってはあいつがどのような表情で笑っていたのか。どのように私を慈しんでいたのか。

思い出せない。

あの聖女のごとき女はいったいどんな表情で私と接していたのか。

思い出せない。

 

娘のことを思う。

妻の代替品として見ているだけかもしれない。

しかし、今の私には娘に会いたいという願いしかない。

これまで何かに対して望むなどしなかった。

 

欲望とは未熟なこと、不遜なこと、敬虔ではないこと。

神など信じてもいないくせに敬虔であるかのように修練を重ねてきた私に芽生えた唯一の欲望。

これを満たさずにはいれない。

 

そのためには、たとえ何を犠牲にしようと構わない。

アサシンのアーチャーに抱く思いを踏みにじることになったとしても。

アーチャーの浮かべていたアサシンへのあの笑顔を絶望に塗り替えることになったとしても。

 

私は止まらない。

聖杯戦争は私の勝利以外では終わらない。

 




愉悦以外の欲望を手に入れてしまった元・外道神父。
今回のマスター枠としてはかなりの上位に食い込む実力者の彼ですが、おつむの方も優れているのか?
悪いことを企める=頭が良い、ではないという考え方でお送りします。

ああ、あと今回召喚したのは黒い魔法少女『暁美ほむら』です。

言峰綺礼&暁美ほむら(アサシン)

以下ステータス

筋力E
耐久E
敏捷C
魔力B-
幸運C-
宝具EX

クラススキル
・気配遮断B
…気配を断つ技能。隠密中であれば発見は困難であり、行動中であっても、発見には時間を要する。
元々ストーカー体質だったので、適正があるかといえば、そうでもなく時間停止頼りだったので、Aランクには至らなかった。
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