何が出るのか楽しみです。
さて、今回のお話は特別編です。Xが付いててもこれは話が出来た順です。
牡丹餅(ぼたもち)とおはぎの違いは、一般的にはあまり変わらず、食べる季節が違うだけだそうです。
因みに私はこしあんもつぶあんも好き(両刀使い)
ではどうぞ
3月21日。
スプリングフィールドは朝早くから基地のカフェの厨房にて調理を始めていた。
指揮官が何処かで入手してきた、あまり馴染みのない食材を取り出す。
「よいしょっと…ふう…」
大きな米袋と小豆の入った袋。米袋は重量があった。
ある日ドライバーがどこかで持ってきたお米の中にそんなものが含まれていた。どうやら復興の一環で農家が栽培したものを、お礼として譲り受けてきたのだという。人形たちは馴染みの少ない穀物と豆類に興味津々だった。無論、スプリングフィールド本人も。偶々カフェの品をどうするか悩み、世界のことを調べていた際に、ある国の御菓子が目に入り、さらに調べ続けると、その国では、それを食べて過ごす日があることを知ったのを思い出し、行動を起こしたのだった。
………………………………………………
数日前
―ふー…お、ただいまースプリングフィールド―
食料倉庫に何かを車から荷卸しているドライバーとスタッフたち。本日副官を担当していたスプリングフィールドは、気になって声をかけに向かった。
「おかえりなさいませ指揮官。あら?それ、どうされたんですか?」
―ただいま、スプリングフィールド。実はこの前の警備の依頼をしてきた、あのエリアに住む農家の人たちから、余ってるのをお礼として頂いてきたんだ。復興の一環で栽培されたそうだぞ。これがお米、もち米。それで、こっちは小豆(あずき)。ああ、安心しろ?全て汚染されてないところで栽培されたもので、検査もパスしてあるから―
戦争以前から作物の検査等は厳格化されている。今となっては、さして特別な事ではなく、当たり前のことであった。栽培テクノロジーの進歩もあり、基本的な農法は変わらずとも、屋内外問わず色々と作られるようになった。それがMRE等の加工品の原料にもなっている。グリフィン印の缶詰も原材料はその食材から作られていたりする。
―にしては、結構もらったな~…良かったら、お前のとこのカフェで、なにかに使ってくれ―
「まあ♪それでは早速…こちらをいただいても?」
ドライバーは『どうぞ』とジェスチャーする。
「よいしょっと…結構重いですね…」
―にしては軽々と持ってる様だが…?―
「そ、そう見えますか?身体のセンサー曰く、10kg以上はありますよ…ええと…」
―台車を貸そう。持ってくよ―
「有難う御座います!」
ドライバーは米袋10kgを軽々持って台車に載せる。小豆の袋を乗せて、スプリングフィールドと共にカフェの方へと向かっていった。
それを見守る整備士クルーたちは、まるで休日に買い物に来たレーサーの夫と、その妻の様な構図となっているそんな二人に、ニヤニヤが止まらない様子であった。
ドライバーの立場からしたら、それはもう役得感MAXであることだろう。世界の指揮官諸君も一度は夢見ること間違いない。
しかし、ドライバーはヘルメットで顔を覆っているため、この時の下心が100%無いとは判断できず、お礼としてドリンクを一回分無料にしてもらおう…とか
『あーんスプリングフィールドぉ~運転疲れちゃったよぉ~』
とか言い寄って
『あらあら仕方ないですねぇ指揮官』
…と言う感じで膝枕してもらおうとか
『直接当たってないからセクハラにはならんだろう…』
……とか、そんなゲスい考えをしているか否かは、ドライバー本人のみぞ知る。
というか、ヘルメット着けたままで感触なんかわからないと思われる。
それでも何だかんだ言って、彼は指揮官として、人形との必要な距離を保とうとしているのだが。
………………………………………………
そして現在に至る。
カフェでは、小豆の餡ともち米の下準備が整い、後は仕上げを施すのみ。一先ず大きさはレシピや情報にあるようなぼたもちの大きさで作ることにした。
炊飯器のもち米をすりこぎ棒で軽くついたものを、一定量を手で千切って、ボウルに入れた餡でくるむ。
端からすれば、手つきはあくまでインストールした作り方のデータを出力しているにしかすぎないのだが、スプリングフィールドは出力しているとはいえ、完成度を高くするように仕上げていく。
一つ目が完成。そしてまた一つずつ完成させていく。要領を掴んだ後は、それを必要数作り上げた。
そして、調理した者の特権、試しに一つ味見をする。ほんのりした甘さを感じ取る。そして米の甘さと食間が混ざる。
「美味しい…!」
思わず一言。人形らしい表現ならば、メンタル抜きにしても味のスコアは非常に高かった。
これなら、皆は気に入ってくれる筈…指揮官も…!
スプリングフィールドは牡丹餅たちの収まったトレーをラップでくるみ、冷蔵庫へ。
牡丹餅は人気を博し、限定メニューになった。
カフェもバーも片付いた後、彼女はそれを二人分お皿に盛り付け、それと食器を載せたトレーを持ち、ドライバーの部屋へと急ぎ足で向かった。そして扉をノックする。
「指揮官、いらっしゃいますか?もしよろしければご一緒に…!」
……END
あとがき
今回も読んでいただき有難う御座います。
あのドライバーが誰かと並走してやがる…!!
…と思ったそこの方、おめでとうございます!(何がだよ)
あれもまた彼の一面…なのかもしれないですね。
短いながらも駄文でごめんなさい orz
今回は運営からの春分の日のメールを読み、思い付いたのをここまで書いてみました。結果的には、展開はメール内のものとはある意味別物になってしまっていますが…。
生まれて初めてこういう落ち着いたのを書いたかも知れない…。
だが後悔はしていない(飽くなき挑戦)。
読者のみんな、止まるんじゃねぇぞ…(創造力的な意味で)
それでは、次のお話をお楽しみに。
今後、【戦場の走り方】内で見てみたいものは?(もしかしたら反映されるかもしれません)
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劇中に世界の名車を登場。
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AR小隊vs404小隊のレース対決。
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スオミを走らせよう。