戦場の走り方   作:ブロックONE

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お久しぶりです。

今回は車以外に好きなもの詰めたため、長いっす。


ではどうぞ。


Vol.17 その男、オブザーバー。 ii

前回の『戦場の走り方』は…

 

 「私の事はオブザーバーと呼んでくれ」

 

 そう名乗った彼は、顔面大破系男子(キズメン)。なんと正規軍のPMC監視・監査チームの一人らしい。そしてあのドライバーの友達…。

 

 

 「――得意な戦術は?」

 

 「敵の寝床に早朝バズーカ(物理)」

 

 

 以上。

………………………………………………

 

 

 …ええと、何でこんな事になってるんだ?

 

 

 

 

 

 この俺軍人と、ドライバーの友人ことオブザーバーは、木々の生い茂る山中を徒歩で移動していた。単なる平和なハイキングやピクニックなどではないぞ。モコモコのギリースーツに素顔を隠すためのフェイスマスク、その他ゴツゴツした装備を携えているからな。人形?生憎居ないんだよコンチクショウ…。

 

 「…よしこっちだ 、落ち着いて私に着いて来い」

 

 「了解…」

 

 同じ格好のオブザーバーがいる。あんにゃろう、やけに似合ってるじゃねえか…!

 

 取り合えず付いていこう。はぐれるとマズイ…

 

………………………………………………

 

 それは数時間前の事。

 

 

 

 オブザーバーの提案で、一緒に行くことになった。堅物そうな面構えして、『敵の寝床に早朝バズーカ(物理)』とか言い出すからすごい不安だ。

 

 そりゃそうだろ、早朝バズーカって、それ戦闘じゃなくてドッキリだからな?しかも物理ってそれ危険極まりないじゃないか。再現するとなるとカールグスタフだよ?携行可能な榴弾砲だよ?自爆込みのドッキリってどんだけサービス精神高いんだよ!どんだけ至れり尽くせりなんだよ!?

 

 

 …と突っ込みたい所、オブザーバーは寒波入れずに軍本部にヘリを要請しており……

 

 

 「行くぞしんへ」

 

 

 ……と、クールに言い放ってきた。きっと映画なら、壮大なクラシック的なBGMが流れて勇ましく出陣するシーンになってる。

 

つーか『しんへ』ってなんだよ!それじゃまるで特殊部隊ゲーの動画に使われてるスラングじゃねえかよ。俺もう立派に兵卒だぞ?

 

 

 「了解だ。今行く。それに一応、俺はとっくに兵卒だからな?」

 

 

 

 

 おい、今『え!?』って顔したのは何でなんだ!?

 

 

 さて、後方幕僚のカリーナに言付けをして、出発する。カリーナは『人形を付けますか?』と聞くが、『すまない、お気遣いは嬉しいが、今回は結構だ』と、きっぱり断っていた。軍は軍で、PMCはPMCでやるっていう棲み分けのつもりだろうか?そもそも現役軍人がPMCの指揮官兼任するとかいう時点で盛大に矛盾しているとは思うが。

 

 

  

 その後、ドライバーの基地のヘリポートに、要請に応じたとされる軍のヘリがやって来ていた。機種は乗り慣れてるもの。というか、軍があっちこっちに兵士やら物資載せてるのと同じものだ。操縦していたパイロットは人間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こいつこの前二日酔いしてたパイロットじゃん…。

 

 

 途中で何故か機体がフラついたりするので…まさかの操縦不能からの墜落、そこから脱出…だなんて、かの昔から続くFPSでありがちな展開は無いよなぁ!?

 

 

……っと不安に思いつつ、ヘリは基地に到着。ハラハラしたぜ…。それでも、パイロットはしっかり仕事をしたのだから責められない。だが二日酔いは気を付けてほしいものだ。

 

 今度はオブザーバーが運転する車に乗って、ある場所まで更に移動する。空路から陸路…何処まで行く気だよ?つか目的の場所からおもっくそ逆方向じゃん。

 

 尚、運転しているオブザーバーは『普段から多忙でな。つい癖が…』と、話しているが、流石にこのライトバン(商用車)で高速道路を他所の民間企業かなにかのものと思われるライトバンたちと一緒になって飛ばすのは流石に勘弁してほしいと思う。

 

 というか正規軍の者なら、基地からジープやら借りて行けば良いだろうと指摘したのだが、下手にそんなので乗り入れれば、いざって時に基地の車が足りなくなったりすると大変だから別の車を使えとのお達しが来たため、ならば誰も乗りたがらない商用車を使うことにしたとか。しかも珍しいAI無しの車。あれ?防弾処理とかしてんのかこれ?え?純正で皆無なの!?嘘だと言ってよオブザーバー!

 

 

 

 ……そして、着いたのは郊外の地下駐車場跡地。薄暗い。うん、廃墟マニアとか居たらきっと狂喜乱舞しそうだなこれは。しかし、よくみると廃墟っぽくしてあるだけで中身は綺麗だった。

 

 車で奥へと入って行き。下層のシャッターの並ぶ所まで来て停車。どうやらここは個室型駐車場と呼ばれるところだそうだ。どこかの空港近くにもこんなのがあった様な…

 

 

 「ここだ」

 

 オブザーバーの一言の後、一度降りる。さっきの走行中の振動で痺れたのか歩きにくい。すると、察知したオブザーバーが肩を貸してくれた…。見掛けによらず、優しいんだな…。

 

 

 彼は装備をここに保管してあると言う。一々寄り道するのは、オブザーバーの立場上の問題らしく、使うものはここに保管してあるという。

 

 しかし、オブザーバーはシャッターの鍵を開けて中に入り、ハンドサインでこっちに来いと伝えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 きっとそこには素敵な装備が………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …何も無かった。

 

 

 

 

 「無いんかい!!何年かぶりの少年のハート返せよ!!」

 

 「まぁ落ち着いてくれ」

 

 表情を変えず手を前に出し俺をなだめる仕草をしたオブザーバーは、もう一度、何もない個室型ガレージの奥の壁を触る。何かあるのか?

 

 

 まさか、この壁……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ガラッ

 

 

 

 

 引き戸でした。

 

 

 

 (ええ………)

 

 思わず困惑する俺を尻目に

 

 「来てくれ」

 

 オブザーバーが手招きしている。

 

 

 懐疑的になりつつも入っていくと………。

 

 

 

 中は奥行きが広く、武器や弾薬等が置かれており、更に中央にはカバーの掛かった車とおぼしきものが二つある。一つは流線型で平べったいスポーツカーみたいなものであるのは判別できる。問題はもう一つの方だ。何故かシルエットがわからない様にしているのか、車の四方にポールが立っており、その上にカバーが掛かっていた。

 

 オブザーバーは装備の入っているクレートから何かを取り出しこちらに渡してきた。何とスナイパーが使うギリースーツと装備一式。訓練とかでよく着たなぁ…結局兵科としてスナイパーは選ばなかったんだが…

 

 オブザーバー曰く、今回のエリアは汚染区域ではないものの、いろんな意味で危険が一杯とのこと。服装だけみても、スカウトスナイパー同然の装備であった。ライフルは狙撃用とアサルトライフル。重装備?当たり前だろ、スナイパーは狙撃だけが仕事じゃないのさ。斥候やら偵察もやるぞ。訓練時に貰った教本にそう書いてあった。

 

 となると、今回は久しぶりに兵士らしい任務になりそうか?…なんか怖いけど…。

 

 

 「で?車はどうするんだ?」

 

 「ああ、これを使う」

 

 オブザーバーは二台のカバーの掛かっている車の間に立ち…

 

 シルエットが分からない方のカバーを取る。そして、俺は目を疑った。

 

 こんなところに隠匿してる様に置かれているくらいだから、てっきり変形したりもっと未来的な物を想像していた自分がどうかしていた様に思えてしまう。

 

 

 

 何だったのかって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライトバン(商用車)だったんだよ……

 

 

 

 

 

 「何かの間違いだろ…?あっちじゃないのか?」

 

 俺はスポーツカーの方を指差した。

 

 「ああ、こいつか?期待させて済まんな。これはちょっと危険なやつで、走ってる途中で少しでもバランスを崩すと盛大に滑り出す。というか、反応が早すぎて真っ直ぐ走らない。そこで今度ドライバーの奴に乗せて検証させるために、一先ずここに安置してある」

 

 

 なるほどな…ドライバーの普段乗り回してるあの車よりも低いし、荷物も乗っからなさそうだしな…。一応、レーダー欺瞞機能があるらしい。というか、何に使うんだよこの車…。

 

 

 オブザーバー曰く、隣のライトバンも改造を施してあるらしい。見たところそんな風には見えんが…

 

 そんなこんなで準備を済ませ、荷物を車に積んで出発した。うん、乗り心地はそう変わらない。つか、もう慣れたよ…。

 

 

 そんなこんなで駐車場を出る。あの隠し扉だった引き戸とシャッターの戸締まりをする。どうやら勝手に戸締まりしたりとかしないらしい。

 

 

 

 そして、都市部を出て、目標の調査エリアへと向かうことになった。また長いドライブだ…ドライバーだとあの何時もの陽気なノリに乗せられ、気が付いたら鉄血と戦場となっている区域まで来ていたりして、驚く事があったのだが、オブザーバーのノリって神妙な感じだからもう戦場にいる感じがしてならない。

 

 そんなこんなで都市部から随分と離れていく。オブザーバーはこのエリアについて、調べたいことがあると話していた。その理由は…

 

 「軍人、指揮官殺しの噂は聞いたことはあるか?」

 

 「!?」

 

 思わず驚いた。だって上司曰く、情報部から聞いたって話してたし、上司と情報部を除けば、ドライバーと俺だけくらいしか知らないはず。なのに何故?

 

 「ほう、その様子だと…既に耳に入っていたと見受けられる。私はPMCの監視と監査役。その辺の噂は知っている。あと、恥ずかしながら、情報部に知り合いがいてな…ちょっとしたお節介として情報提供を受けることがある」

 

  俺は思わず沈黙しまう。ドライバーに口外するなって言われてるし…。けど…

 

 「この前、ドライバーは交通事故により潰れた車を偵察中に回収したそうだが、あまりにも不自然だった…となると、もうアイツにも手が及んでるかもしれないな…」

 

 あ、感付いてる?

 

 「あのアホは狙われても仕方がないかもな。普段からヘルメットを付けて顔を隠しているから、要らぬ誤解だって受けるだろう…………今から言う事は、君が同胞だから話せることだ。私とドライバー以外には口外するな」

 

 俺は頷く。

 

 オブザーバーは間を置いて話しだした。

 

 「私も業務中にもあの不審死のことは色々と調べていたんだ。顔馴染みのグリフィンの社員が何名も殺されてるので、どうしても気になっていてな。上への報告のためにと銘打って漁っていた。情報部からのデータ提供を受けて更に確信したよ。そして、今回調査する地区だが……………実は、その被害が起こった司令部が存在する所でもある」

 

 

 うげ、マジかよ…しかし、軍の人間としては知っておきたい事だ。いくらPMC任せにしてる時代だからって不祥事を発見したならば、野放しには出来んものな。いくら軍が強力っつっても、よく分からん奴には誰だって弱いものだ。万一の犠牲を少なくするためにも、調べることは必要になるよな…。

 

 

 「その基地は…指揮官が亡くなった後どうなったんだ…?」

 

 「関係者筋では、統制を失い混乱。そこを鉄血に狙われ交戦。統制なしではうまく対処できず被害が出て、非戦闘員のスタッフは皆待避した。鉄血も、そこに旨味がなかったのか、そして抵抗も受けて損耗したか、占領せずにそのまま帰っていったそうだ。その後はどうなってるかは中に踏み行ってみないとわからない。犯人が人形の疑いはこのご時世のため無論浮上してるのだが、その人形がどんなタイプなのかすら掴めていないんだ。そいつが犯行現場から去ってしまってるのは確実だが……」

 

 

 オブザーバーは少し間を置き…

 

 「軍としては、PMCとの関係に亀裂を入れたくないという考えだそうだ。私も正直そう思う。いくら戦争とは言えど、それを利用し不正を無かったことにしようとするのは、放ってはおけない」

 

 PMCと軍は、かなり親密な関係だったりする事もある。グリフィンの場合はIOPとの提携が強いが、もとを正せば、軍の兵器の一つを卸している企業だ。武器だったり、他の物資だったり、融通できるのもさほど訳無い筈。軍からだと払い下げ品の購入…という扱いか?

 

 まぁ、どちらにしろ、物資を渡した先のPMCが何か不祥事を起こすと、皺寄せは供与した軍や企業にも遅かれ早かれやって来る。こんなやつらに任せていいのかってね。いざ訴求されてみろ、なにも知らないPMCの警備兵や人形たちは困惑必須だ。全体に影響は出る。隠蔽すれば更に酷くなる…。

 

 かといって、俺たちは軍。企業はどうするかは知らんが、こちらは公務員、建前上は飽くまでも奉仕者だ。そんな俺たちが確たる証拠も、警察の様に礼状もないのに、不祥事を立件するのは許されない行為だ。だからこそ、そんな不祥事を起こさせないように、起きても証拠を元に是正を促すために、こうしてオブザーバーみたいな奴等が送られてくるわけだな。

 

 しかし、職務中はトラブルもかなり多かったろうな…彼はドライバーとは旧知の仲故に、互いに関わり易い分、意見しやすかったのだろう。にしては相変わらず車でかっ飛んでいたけど……ドライバー、お前ホントに是正してるのか?まぁ、ドライバーはあれでも職務はこなしてたし、俺も隣に乗って同行したからそれは証明出来る。

 

 他所だったら、軍は軍でも、オブザーバーみたいなのが監査だ監視だとやって来たとしても、他人の家のことに口出すなって門前払いされてしまう事もあり得そうだよな…。そう言うところって後ろめたい事があったり、単に探られるのが嫌ってだけもある。

 

 ピンキリすぎるからドライバーとは比較しようがない…。

 

 

 あれ?というか、俺普段からめっちゃドライバーとかにツッコミまくってきたけど…もしや俺って厚かましいのか?やべぇ、俺、元々よそ者だし自重すべきかも……

 

 

 

 

 

 「そうか?君とアイツは、いいコンビだと思うがね」

 

 「!?」

 

 オブザーバーはふふふ、と胡散臭そうな笑みを浮かべる。

 

 こいつ読心術でもあるのか?俺そんな素振りしてないぞ?

 

 「不思議そうな顔してるな?なら当ててやろう。『自分が厚かましいかもしれないから自重すべきかも』的なことを 考えていただろう?」

 

 「まさか…今の顔に出てたか?」

 

 「ハッキリと」

 

 オウフ…いかんいかん。

 

 「だが心配いらんよ、アイツはお前を嫌ってはいないさ。君はアイツのペースノートを読まされたそうだな。それが証拠だ」

 

 雪山でのアレか。なるほど、信頼されてるわけか。俺何かしたっけ…?同行してるうちに芽生える信頼感ってやつか?

 

 「そうか…はは、どうやら杞憂だったよ。でも、一行読み飛ばしてしまったけどな…」

 

 「プロでも読み飛ばすミスはある。気にすることはない……それと、その調査任務、該当エリアの司令部についても言及されてたな。立ち寄るから覚悟を決めておけ」

 

 「え…?」

 

 行くの!?いきなりなに言い出すのオブザーバー!?それって……

 

 

 

 ん?ちょっと待て…資料を……

 

 

 

 

 

 

 

 『――該当地区の司令部の内部に入り、可能な限り状況確認も実施せよ――』

 

 

 

 

 

 本当に書かれてました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 かくして、現在に到る。車を麓で停めた後、カバーを軽く掛けて秘匿し、装備を確認して山中へと入っていった。森をのそのそと移動し、見晴らしのいいところへと来やって来た。しかし、こんな森の精霊的な格好して、しかもこんなコソコソやる必要があるのか?すると、先行しているオブザーバーが突然しゃがみこみ…

 

 

(伏せろ。ほふくして、ここに来い)

 

 オブザーバーが俺にハンドサインを送りその場に伏せた。俺はほふく前進し、伏せているオブザーバーの横に移動した。オブザーバーは下前方を指す。

 

 

 「あれを見てみろ…」

 

 オブザーバーが指しているその方向を見ると、警備用の小型ドローンが数機飛んでいた。

 

 「あれは?」

 「IOP製の警備用ドローンだな…似た様なものを職務中に見掛けた事がある」

 「人はもういない筈だろ?ということは、グリフィンからのサポートが間に合ったのか?…だけど、あのドローン汚れてるな…」

 

 「もしくは、放置されたまま指揮官の死に気づいていないのかもしれん。どっちにしろ関知されると不味そうだ。やり過ごそう。奴等は簡易センサーの筈だから、ここから身動きしなければ気付かれない筈だ」

 

 一先ずじっと待つ。ギリースーツになにか細工がなされてるのか、ドローンをやり過ごせた。こうも防犯設備が鬱陶しく感じるのは初めてだった。

 

 そしてゆっくりと移動すると、フェンスと建物が見えてくる。グリフィンの基地だ。

 

 「やけに静かだなぁ…」

 

 フェンスの奥は人の気配がなく、人形すらも見当たらない。サポートが間に合えば基地は稼働している筈なので、『サポート間に合った説』の線はなくなった。

 

 ドライバーの基地と比較すると変だけど、スタッフたちが作業していたり、人形が警備で巡回してたり、もっと賑やかである。

 

 鉄血が攻めてきた時に生じたのだろうか、一部建物に弾痕が残っていた。奥の司令部と思わしいところは無事だったが。

 

 

 

 

 

 「ここまで静寂に包まれていると、逆に気味が悪いな。現時刻より、ガサ入れ(状況確認)を開始する。軍人、背後を頼む」

 

 オブザーバーは淡々と告げてきた。俺は元々の調査任務と怖いもの見たさで了解するが、半分『マジかよホントに入るの?』とビビりつつも、その後ろに続き、警戒しながら一緒に進む。つか、ガサ入れってなぁアンタ…

 

 中は無人だ。どうやら基地は誰も訪れてはいない。運が良いのか…ならこのご都合主義に乗じて先に行かない手はない。電源設備はどうやら生きているので、

 

 そして、監視カメラの映像を確認するため、あちこち回るも壊れてたり電源が付かなかったりで結局警備室へ向かうことにした。監視カメラが有ってビックリするが、何と壊されていた。

 

 

 

 

 「着いたな、早速カメラの内容を確認するぞ」

 「そんなことして大丈夫か…!?」

 

 「証拠集めとしてちょっとコピるだけだ」

 

 オブザーバーは、そう言ってUSBを懐から取り出し、ポートに差し込んだ。

 

 

 「さて、後はここでデータが壊れていれば復元しダウンロードを…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「……」」

 

 

 

 

 

 端末から発せられる謎の効果音に沈黙する俺たち。端末を操作するオブザーバーと思わず顔を見合った。

 

 嫌な予感がした。

 そう、もしかしなくても、端末のモニターからはエラー文が記されたウィンドウが表示されていたのだ。

 

 「エラーとか氏ねばいいのに……」

 

 オブザーバーが冷静ながら一言漏らしながら作業を行う。カリーナが居てくれるとこういう時助かるが、非戦闘員の彼女を連れてこられるほど、ここは安全とは言えない。

 

 「よし、ふう…ちょっと焦ったが、なんとか復元し、ダウンロードは成功だ…」

 

 「監視カメラの録画か?」

 

 「ああ、指揮官が死ぬ前からのを、あるだけ全部。幸いデータは生きていた様だ。消されたと思ってたが復元可能な状態で良かったよ…あと、その他のログのデータ諸々…」

 

 鑑識のヨ○ザワさんみたいな人が居てくれたらな…とこぼすオブザーバー。

 

 そういや、あの人降板したんだっけ?

 軍の同僚に昔放送された刑事ドラマが好きな奴がいて、そいつがよく話していたのを思い出す。

 

 

 「では、参りましょう、軍人くん」

 

 「…?はは、了解です、オブザーバーさん…これでいいか?」

 

 「上出来だ」

 

 こんなやり取りをしているが、俺たちは軍の人間。そして、一応ドライバーはPMC。そしてここは、いつ敵対する物が侵攻してくるか分からないエリアである。

 

 さて、程よく肩の力が抜けたところで、次は指揮官の部屋とされる執務室に向かうことにした。大半の指揮官は執務室と自室を兼用している事があるとのこと。それを信じて執務室の部屋。オブザーバーと俺は扉にトラップがないことを確認してから入る。ん?職業病だよ。もしかしたらブービートラップが敷かれてる場合もあるかもってね。何もないので、そのまま入ったが、遺体は無かった。騒乱が収まった後、誰かが持ち出した可能性があるとして、オブザーバーは実行犯か、もしくはその仲間がここに立ち寄った可能性があると睨んでいた。証拠として、血痕と思わしきものがある。こういうシチュになるとかなり生々しいと感じる。オブザーバーは部屋の状態を端末のカメラで撮影し、現場の状況を記録。物的証拠はあの血痕だけ……かと思いきや、オブザーバーは何かを発見。

 

 「見てみろ軍人…」

 「何だ?」

 

 床に溢れている何か。砂、或いは粉みたいなもの。

 

 「…アロマサンドか」

 

 「アロマキャンドルじゃなくてか?」

 

 「ああ、こいつは、火を必要としない砂タイプの芳香剤だ。グリフィン指揮官の間で流行っている嗜好品さ。……まて、嗅ごうとするな軍人。毒物が混ざってる可能性がある」

 

 「なっ!?すまん…」

 

 

 

 オブザーバーに止められ後退りする俺、いっけねぇ…危うく現場荒らすとこだったよ……ふう

 

 オブザーバーはというと、散った砂状の芳香剤の写真を取り、考え出す。

 

 「揉み合った形跡ってやつか?アロマサンドとやらを……実行犯か被害者、どちらかがどちらかにぶっかけたとか?」

 

 「可能性がないとは言えんな。採取していこう。何も無いよりは良い…」

 

 ポーチから採取するための小袋と、小さいスプーン、あと簡易検査キットを取り出し、溢れたアロマサンドの一部を入れる。軍人は荒らさぬようにその場で待機。オブザーバーの作業を手伝う。というか、ギリースーツの男二人組が現場検証紛いなことをすることになるとは…つーかオブザーバー、あんたそんなの持ってたの!?

 

 「これでよし。毒はないようだな…だが、簡易キットだから、持ち帰ってからもう一度細かく見てみよう…」

 

 他には荒らされた形跡は無さそうなので一度片付けてから部屋を出る。簡易検査キットの処分は彼がキチンと片付けた。

 

 その後も基地の中を散策する。備蓄や設備はどうやらそのままで、補給用の物資も箱詰めされたまま。

 

 すると、通路の窓の部分に足跡を発見した、オブザーバーが取り出した端末を使って調べる。見た感じは外の土のような跡が残っている。実行犯はここから侵入したのだろうか。しかし、遺体を持ち運ぶならば、ここからでは持ち運べない。ならどこかしらに痕跡だってある筈。広いところから出る必要がある。となると、表口か裏口から出てった事になるのか?表口からは絶対にばれるだろうし…それか片付けた?訳が分からない。しかし、似たような足跡があると、オブザーバーは端末であちこちスキャンしたり、また出入り口小さな霧吹きを吹き掛けたり鑑識めいた事をして調べている。今の状態では警察だってろくに入ってこれないこんな所故か、思いあたるところは何でも調べている。そこまでやって後で上に怒られないのか…?

 

 すると、突然オブザーバーが何かを発見したのか、こちらに声を掛けた。

 

 「軍人、これを見てみろ」

 

 「どうした?」

 

 俺に端末を渡してきた。これを通して見てくれってことらしい。 

 

 見てみると、端末のカメラ越しに映るの裏口の床や周辺に、なんか色がついている。

 

 「誰かが掃除をした後だ。薬品を使った痕跡がある」

 

 「薬品?遺体を運んだからか?」

 

 「かもな。恐らく、鉄血の攻撃が済んだ後に遺体を移動…その後に移動させた証拠を隠滅するためか…どうやらまだ新しい。こちらの調べによると、あの事件以降、ここにグリフィンは増援を一度も送ってはいないそうだ。物資リストの中にも、この薬品は入っていない。それに人や人形を送ってるのなら、もっと綺麗になってる筈なんだ」

 

 便利だなこの端末って…さて、ということは裏口からこっそり遺体を持ち出して行ったのだろうか。

 

 「薬品が足りなくなったとか?」

 

 「うーむ…む?」

 

 オブザーバーは警戒しつつ裏口から出ると…

 

 「軍人、どうやらその薬品の入れ物が見つかったぞ」

 

 おお、すげー俺!

 

 オブザーバーはその入れ物を証拠品として押収する。形状は霧吹き型。

  

 

 そして再び屋内に戻ろうとしたその時、車が近付いてくる音が聞こえてきた。俺とオブザーバーは建物の中へ戻った。音からして通路の窓から。 

 

 

 「マズイ状況だな軍人」

 「全くだよ…オブザーバー」

 

 

 

 「もう少し調べたいところではあるが、証拠を一度持ち帰らないとならんな…それと軍人、ここからは銃を降ろして進むぞ」

 

 突然オブザーバーは言い出す。

 

 「え、それはどうして…?」

 

 「二世代戦術人形たちは、個体差はあるが、離れたところの銃口の向きを関知出来る。最悪はそこから位置を割り出されてしまう。御祈り程度だが、今は下に向けておくんだ」

 

 「了解…」

 

 銃をそっと下に向ける。っていうことは……

 

 「もしや…なぁオブザーバー、人形……来ているのか?」

 

 「無論だ。丁度そこにいる…少し観察してみよう」

 

 オブザーバーの指示通り、銃口を下にして、物影からひょっこりと観察してみる事にしたのだった………。

 

 

 

 

 To be continued…




長くて申し訳なかったです…



ていうかプロットを作った後、自動車要素どこ行ったのよ…ってなり掛けましたので今回の様になりました(殴



さて、また次話に続きます。


お楽しみにっ

今後、【戦場の走り方】内で見てみたいものは?(もしかしたら反映されるかもしれません)

  • 劇中に世界の名車を登場。
  • AR小隊vs404小隊のレース対決。
  • スオミを走らせよう。
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