戦場の走り方   作:ブロックONE

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二ヶ月くらいぶりに更新。

停滞して申し訳ないですorz

走行テスト回。
ドライバーからの課題(テスト)に挑むM4たちのご様子をご覧下さい。
大丈夫、RO635も何処かで出てるよ!


UMP9
「UMP9です!この作品はフィクションだから、劇中のカーアクションシーンはリアルじゃ危ないから真似しないでね。つまり何が言いたいかっていうと、皆これからは家族だっ!」

UMP45
「無理やりまとめたわね」


では始まります。



Vol.22 テストの時って見回りの先生来ると身構えるよね。

ーよーしM4、ここで一度停まってくれー

 

ドライバーのジェスチャーで車は一旦停止。この日は基地のM4A1の運転する二号車に相乗りしていた。この日は約束通り、M4たちの走行テストが行われ、最後はM4の番であった。ドライバーは期待半分、不安も半分だが、ここはM4たちの指揮官として、そして、人形たちの運転の師として堂々振る舞い不安を取り除き、運転に集中させることにした。でもやはりヘルメットの奥は不安げなのは確かで、M4に勘づかれないように『安全確認だ』と伝え、Hansデバイスやシートベルトを入念にチェックし、その間は何時ものようにジェスチャーして他愛もない会話で不安なのを上手く不安を誤魔化す。

 

 

 

 

 

 

 

 

(指揮官が隣に乗ってる…ここは頑張らないと!)

 

M4は今一度呼吸をゆっくり行いメンタルを安定させる。シフトを一速に入れて、赤のランプが青に変わるのを待つ。

 

 

 

ースタート五秒前。4、3、2、1…行け!ー

 

 

ドライバーの合図と同時に青のランプに代わり、二号車はけたたましいエキゾースト音を響かせスタートを越えていった。

 

 

 

「いよいよM4の番ね……」

 

待機所であるピットエリアにて、AR-15は一言。

 

「そうだね!でも…指揮官とM4、無事だと良いな…」

 

不安げな表情のSOP II。

 

 

 

 

 

「どうかこれが、指揮官とM4の最期にならんことを祈ろう…」

 

 

M16が突如不穏なことを言い、真顔にさせる。

 

 

 

 

「なーんてな!はっはっはっは!」

 

M16は突然パアッと笑い飛ばした。

 

 

「もう、M16ったら!!」

 

「不安になること言わないでよぉ!?」

 

思わず憤慨するAR-15とSOP ii。ジョークにしてはかなりブラックである。

 

「いやーすまんすまん!だがな、不安なのはM4も同じなはずだ」

 

憤慨する二人をなだめつつ言う。それには同意できた。M4の場合は隊長であるゆえに責任が大きい。普段から寝静まったときに一人作戦を入念にチェックしていたり、その作戦が成功し、その祝杯で呑んだくれ泥酔しているM16を抱えて部屋まで送ったり…SOP iiが分解しちらかった鉄血兵の部品を怖がりながらも一緒に片付けたり…AR-15のマイペースさに丁寧に対応したり。何かと面倒を見ている。稼働のストレスに重圧や今の様な不安も積れば、本人が可愛そうになる位である。

 

 

 

「何よりも指揮官を乗せている。私達も、さっき感じただろう?」

 

M16たちも走行テストに参加表明したために、先ほどまで一人ずつ指揮官を隣に乗せて運転していた。誰かを隣に乗せる。しかもそれが人間で、指揮官。止めに彼本人はそれで生計を立てていたプロドライバーなために、チェックは半端じゃなく厳しく、それでもいつも世話になっているために安心とは言え、プレッシャーはその分とても大きいものであった。

 

分かりやすく言うならば、裁縫の針の糸通しから厳しくチェックされている様な感覚。

 

尚、結果発表はM4の番が終わってからという、なんとも心臓に悪いやり方であった。指揮官の性格がアレなのか、それとも手の込んだ自殺か…最悪の場合ドライバーの基準のテスト故に合否が永遠にわからなくなるという事になる。そうなると、その人なら…と考えているうちに自分達の妥協が入りやすくなるために曖昧になってしまう。それはよろしくない。

 

 

 

どちらにせよ、人形たちはいざってときに指揮官たちの辞世の句を聞き届け『無茶しやがって…』の一言を添える準備だけはしておこうと考えておくのだった…

 

にしても、運転席の様子から聞き慣れた不気味な笑い声が聞こえている。特にARー15とSOPiiは聞こえた直後に冷や汗を掻いていた。どうか気のせいであってほしいと願う。

 

 

 

 

一方、M4は順調に攻め込む。以前までのぎこちなさが消え、しなやかにコーナーを抜けていく。

 

ドライバーは心地良さを感じつつチェックする。それでも最後まで平静を保てるかはM4自身のメンタルに帰属するので最後までわからない。M4の場合は、興奮してテンションがおかしくなった時点で地獄のドライブへ早変わりするリスクもある。そうなるともうテストどころではなくなる。今回は課題というキチンとした面目もあるので落ち着いているのもある。おまけに練習の成果もあって挙動が暴れだすこともなく安定している。感覚は乗ってみなければ判断がわからない。タイムの数字や三者の目線では当人の状況なんて考えてやりようがない。そのためにも、ドライバーはこうして助手席へ乗ってチェックしているのだが。

 

振り子の置物の動きからして、ここまで速度を上げられているのはドライバーも驚いた。タイヤもそこまで鳴らしてはいない。オブザーバーの水入り紙コップのお陰もあるようだ。

 

M4はというと、ドライバーの風貌から溢れる無言のプレッシャーとも戦っていた。彼はM4や人形たちにとって、走りの世界においては立ちはだかる壁。彼の領域はここに所属する人形たちの目指すべき領域。

 

そんな彼でも手こずる事はある。しかし、それは厳しいレギュレーションの中でコンマ1秒、1ミリ単位を削って戦っている世界。その熾烈な中で鍛えた丁寧な車両のコントロールは、未だに人形たちには真似できていない。例え、替えの利く身体であったとしてもだ。

 

だからこそドライバーは採点基準が高い。

 

 

(うん、効果は出ている。どうかフィニッシュライン越えるまでは壊れてくれるなよ…いや、出来ればずっと壊れないでお願い…!)

 

 

不安がぬぐえない助手席のドライバー。

 

その横でM4は繊細なコントロールを続けていく。こういう時に途端に乱れると一気に崩れてしまう。それだけは起こらない事を願うのだった。

 

そして最後のコーナーを抜けた後、フィニッシュラインを通りすぎる。

ピットに入れて停車すると二号車。

 

指揮官とM4の無事を確信したM16たちは、総出で歓声を上げて駆け寄ってきた。ドライバーは車内でテストの結果を伝えている。ジェスチャーをするドライバーに頷くM4。少し長い。内部でのやり取りは当人同士でないとわからない。

 

 

(え…?なになに…?)

(まさか………)

(おいおい、ここでまさかそれは…)

 

まさかM4だけ問答無用の再試とかいうのは止めてくれ…M16達はそう願う。

 

-----------

 

二号車の車内にて

 

ーお疲れ様。上手くなってたぞー

 

「はい…有難うございます…!」

 

ー後は、いつでも冷静に。夢中になりすぎてコース幅をギリギリに使い過ぎない様に。崖から落っこちて死んだら、元も子もない-

 

「…?はい…気を付けます…」

 

一瞬記憶になさげに疑問符を上げるM4A1。

理由としては荷重を意識しすぎてコース幅を使いすぎていることにあった。そこは注意が必要だと感じていた。場合によって位置関係上、回避するための余裕が無くなることがあるからであった。

 

 

-おい…まさか今まで自覚なかったのか…?-

 

「…みたいです…」

 

 

ー………。ま、まあ、結果発表するから降りようか…ー

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………

 

 

【攻めのSOPii】

 

では、その時までのM16達の様子をお送りしよう。

 

先ず最初に誰かやるかについて話し合うが中々決まらず、結局ドライバーがくじを作り、それを引かせた結果、スタートを飾るのはSOPiiと決まった。

 

 

ドライビングスタイルはかなり粗め。しかし、攻めの走りは定評がある。

 

「指揮官さん、合格したらご褒美くれます?」

 

-アイスクリーム奢ってあげるぞ-

 

「わーい!」

 

「ずいぶんと安いわね!?」

 

ーまぁまぁ、そう言うなAR-15。下手に大きいもん得ようったってプレッシャーだろ?ー

 

「そうですか?私なら堂々イチゴショートくらいはねだっちゃいますよ?」

 

ーほう……?ー

 

「にしても、どっもスイーツだな…?」

 

AR-15のジョークに突っ込むM16。一方M4は…

 

「SOPII、気を付けてね」

 

と、オーソドックスに声を掛けていた。

 

「ありがとう!じゃあ皆、行ってきまーす!」

 

支給されているレーシンググローブとシューズを身に付け運転席へ座ったSOPiiは、楽しげな顔でクラッチを繋いで出発していった。

そしてスタートラインで転回。ランプが赤から青に代わりスタートしていく。普段の狂気溢れる戦闘に対する姿勢から、かなり乱暴に振り回していそうなイメージを持たれがちな彼女がステアを握るため、ドライバーは少々身構えていたが、すんなりとコーナーを攻略。

 

 

 

(え?本当に戦場で鉄血人形解体ショーを行うSOPii?)

 

車体の傾きを意識して荷重移動をマスターして見せていた。結果は合格なのだが、ここでは褒める言葉だけ。

そうしてピットへ向かい、停車。SOP iiの気合いを感じとるドライバー。

 

「ただいまー!」

「おかえりSOPii。次はAR-15だな」

 

「え、ええ…あの、指揮官、よろしくお願いしましゅっ…」

 

ーAR-15、緊張してるのか?ー

 

「してましぇんっ…あう…」

 

そんなこんなで準備を終えたAR-15と交代。カミカミである。

 

 

 

……………

 

【守りの走り(?)のAR-15】

 

「よし!行ってくるわ!!」

 

運転席に座った途端、AR-15はやったら張り切った様子で走らせ、スタートラインへ向かっていった。ドライバーは冷静かつ完璧主義で生真面目な彼女が一瞬見せたカミカミな一面にどこか微笑ましさを感じつつ、テストが開始される。車のキャパとラインに余裕を持たせた守りの走り。荷重の位置を考えているが、どこか攻めにもみえる走り方。

 

タイヤのグリップ力もしっかりと使えている。

 

及第点と判断し、SOP iiに続き合格。

 

しかし……

 

ーよくやった。お疲れさまー

 

「おっしゃああ!……コホン…指揮官、ありがとうございました」

 

無事走り終えた嬉しさで一瞬大きく喜ぶ。

AR-15は比較的優しくブレーキを踏むタイプであった。

 

 

ーそうだ…よし、一旦車体チェックも兼ねてインターバルを挟む。M16とM4はその後だ。整備クルーのみんな、チェックを頼む-

 

 

ドライバーの号令で整備クルーと整備ロボットたちが、待ってましたと言わんばかりに二号車に狂喜乱舞し飛びかかる。

記録係として推参したRO635は、記録をタブレットに入力している。

 

「M4、私達はインターバル後だそうだ……ぞ…?」

 

と、ここで声をかけるが、M4は半目でステアリングとシフト操作の仕草をして最後のチェックをしていた。

 

 

(ふふふ、私も集中するかな…)

 

 

次はM16A1。ここで姉キャラの威厳を見せられるか否かは、彼女に掛かっている。

 

 

 

 

…………………

 

【安定感のM16】

 

インターバル後。二号車点検は終わり、テストの続きが始まる

 

「私の番だな。では指揮官、よろしく頼む」

 

ーああ。早速乗ってくれー

 

 

意気揚々と運転席へ座っていくM16。黒い羽織は今回脱いでROに預けた。ROの雑用感が否めないのは何故だろう。

 

そして、この時見せたM16の背中から滲み出る本気出す感が格好いい。ドライバーは一応車内にジャックダニエルが持ち込まれていないことをチェックし、その後運転席へと座るように指示した。

 

 

「そうだ、指揮官…」

 

ピットを出発し、スタートラインに到着すると、M16はドライバーを呼ぶ。

 

「全員のテストが終わったらで良いんだけどな、あんたと話がしたい。だめか?」

 

ーほう…随分ウェットなおねだりだなM16~……良いだろう。しかし条件がある。先ずは走り切れ。合否も褒美も、話はそれからだー

 

「ふふっ…了解だ!上手いからって惚れるなよ?これでも負けじと走行練習はしてきているんでな!」

 

-惚れてほしけりゃ今は自分の事に集中しておくれ-

 

「了解だ」

 

 

そしてスタート。

 

M16の物怖じしなさと堅実さは安定感のある走りへとつながると言ったところか。ガサツな面はあるので多少走行ラインにはラフさがあるものの、リカバーも出来ている様であった。マシンはトラブルなく動いている。

 

今回の採点項目は荷重移動。さあどうだろうか。荷重を急に加えず安定させている。全コーナーを綺麗に曲がっていく。

 

及第点で合格。そしてM16は無事にピットへと戻るのだった。

 

「姉さん…!」

「M4、皆、戻ったよ」

 

そしてM4の出番が来る。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

そしてM4のテストも無事終了した………

 

やり取りが終わったのか、車内でM4とドライバーはハーネスを外し、ドアを開けようとしたのを確認したM16たちは、一旦二号車から下がる。

 

降りた後、いよいよ合否発表。

 

ドライバーのジェスチャーを整列して待つ

 

 

 

 

ー結果から行こう。見事、全員合格だ。ー

 

 

 

喜びの声を上げるAR小隊の人形たち。

 

 

ドライバーはペルシカから「M4は特別」という事を聞いたのもあり、よりアドバンスドな領域へ踏み込めるようにする必要があったため。突然暴走ぎみの走行スタイルをすることもあり、それにばかり頼らぬ様にするためにも、車体さばきについては厳しめにチェックしていた。

 

あの雪山でのM4の状態はまさしく『特別』なものだが、そういう意味までも含まれていない事を思いたいところ。

 

 

…しかし、上達はしていた。今後もぶっ壊れることがないように。ぶっ壊れても、しっかりコントロールできるくらいにはなってもらいたいと願うドライバー。今回は走り慣れていてしっかりとコンディションを知っている上でのトライ故、しかもコース幅いっぱいに寄せるなとも制限を設けていないしこれはこれでOKであった。今回に限っては。

 

M16たちが改めてM4を褒め称える。あの恐怖のドライビングがついに是正されたのか、と。

 

ROも拍手を送っていた。

 

 

 

 

 

ーさて、どうだった?……軍人ー

 

 

車内に向けてジェスチャーする。すると、後部座席から工学迷彩マントを被った軍人が降りて来た。まさかの登場に驚くM4たち。

まさかずっと乗っていたのか。どんだけタフなんだこの人…と思うにふさわしい。

 

「ふ~…良いんじゃないか?」

 

マントを脱いで畳む。すると、思い出した様に小さい声で申し訳なさそうに言い出した。

 

「M4の時、運転席でうっすらと笑い声が聞こえたんだが…」

 

「…え、笑ってました?」

 

ーま、まあな…ずいぶん楽しそうだったぞ?ー

 

 

(((あ、やっぱり……)))

 

AR-15たちは確信した。自分達の聴覚モジュールは正常であった様だ。

 

 

 

 

 

 

to be continued...

 




軍人はタフ過ぎた(確信)
多分ドライバーのせい。


っていうか、人形が銃使わない回となりましたね…(殴

この作品中において、M4達も上手く速くなって貰わないと今後のドラマは追えないと思いますので……(蹴


次回に続きます。


処刑人「醒めちまったこの街に、熱いのは俺たちのDRIVING……」

今後、【戦場の走り方】内で見てみたいものは?(もしかしたら反映されるかもしれません)

  • 劇中に世界の名車を登場。
  • AR小隊vs404小隊のレース対決。
  • スオミを走らせよう。
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