戦場の走り方   作:ブロックONE

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どうもです。暑中お見舞い申し上げます。

遅くなりましたが、(祝)ドルフロ一周年!

筆者の司令部にMDRとジェリコがやって来ました。

資源なんかねえよ(虚化)




それではどうぞ。




Vol.23 ご褒美タイム…?

前回の『戦場の走り方』は…

 

 

 

 

AR小隊、無事全員合格。

 

軍人は軍の方が忙しいそうでまたも呼び出されて帰還。

 

 

以上。

 

 

…………………………………………………

 

 

この後は反省会と打ち上げ、そして各自のご褒美の時間がやってくる。

 

 

 

ドライバーは約束通りに、SOP iiに約束通りアイスクリームを、AR-15にはイチゴショートを奢る。

 

この時AR-15は、まさか冗談のつもりで言ったのに本当に戴けるなんて…と驚いてた様である。

 

 

 

 

 

 

その後はM16のお願いを聞くことに。

 

 

 

約束通り、その夜M16とバーで話をする事になり、スプリングフィールドに頼むと空気を読んでくれたのか、その日の夜は貸しきりにしてもらった。M4は特に褒美を考えていなかったそうで、ドライバーは折角なので考える時間を与えることに。

 

 

 

「悪いな、指揮官…酒まで奢ってもらえるとは」

 

-良いって。約束だしな。ああ、それで話って?-

 

「ああ…」

 

 

 

 

 

 

M16は少し間を開け、話を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官、昔、私を乗せて走ったことあるか?」

 

 

 

 

 

 

唐突な質問。まさかの話にスプリングフィールドもドライバーに、まるで少女マンガや恋愛小説にときめく少女の様な熱い視線を向けて来た。ドライバーは呆気に取られた素振りをしてこう返す。

 

 

 

ー…いきなり何だ…?つーか、それって普通男から持ちかける話だろ。何処かで会った事あるよな?みたいにさ。これなんてエロゲ?スプリングフィールド、原作の年齢制限っていくつだっけ?ー

 

「12歳以上対象とされてますね」

 

カウンターのスプリングフィールドは、ドライバーの奢りというおつまみや酒をM16に出しつつ、その問いに答えた。

 

 

しかもアプリストアの説明欄には、『性的なほのめかし』と記されている。

 

「うわ、ホントだ…」

 

ーPEGIでいうと12+以上で、CEROだとBから上に相当か。何だよ『性的なほのめかし』って。確かに12歳過ぎてても直視できない様な格好とか、直視したくない形相になってる奴もいるが…-

 

「格好は分かるが、形相って何だよ?形相って…」

 

M16が突っ込む。スプリングフィールドもこれには苦笑い。

 

-んで?本題に戻ろう-

 

「そうだな。…昔、運転が上手いやつと戦場で出会ってさ…ほんの一時だが、作戦で急いでた時に隣に乗せていってくれたんだ。しかもオブザーバーさんから指揮官とは同じレーシングスクール出身だと聞いたもんだから、何か知っているかもってね」

 

 

しかし、ドライバーはそれを無言で頷きつつ…

 

ーほほう。願わくば、ソイツとバトルってか?ー

 

「ははっそれも悪くないな!ただ、急ぎで大事な用事に付き合わせてしまったものでさ、しっかりとお礼も言えてないまま時が過ぎてしまったんだ…」

 

M16はその乗せてもらった運転手に恩義がある様だった。

 

-良いねぇ、律儀だな。しかしM16、なにせ今は紛争やらテロやら革命、果てはERIDの対応で激動の真っ只中にある。それだけ動きも激しい。それ故、そいつは生きてるかどうかはわからんぞ。それに、もし同じスクール出身であったとしても、必ず俺とスタイルが同じだとは限らんー

 

「そうなのか?」

 

ーああ、癖だったり、標的にしてる奴の真似をしたり、得意なカテゴリーに熱中したりとかして、その経験からどこかで変容する。昔遅くても今速くなってたり、マシンの特性に合わせたり、走らせ方は千差万別。似ているのはいるが、100%完璧な瓜二つはいない…で、そいつの特徴は?-

 

「あー、特徴か…覚えているのはこれだな…」

 

メモリーの画像をドライバーの携帯端末に送った。ドライバーは少し無言で眺めつつ、ジェスチャーを始めた。

 

ー…装備からは正規軍だな。顔をマスクとゴーグルで隠しているからよく分からんな…にしても、このマシンはレアだ。軍の技術者が趣味が興じ、開発してたのがきっかけで生まれたマシンだよ。ダウンフォースを意識した車体と可変翼型リアスポイラーは、足回りの良さも相まって安定したコーナーリングフォースを実現する…あと、軍事技術者が手掛けてるのもあってアタッチメント次第でラリーレイドの様にもなる。ウェポンベイが幾つか付けられるから、重量増加を覚悟するなら、マシンガン、小型ミサイル、EMPダーツ、TOWランチャー等、正規軍が保有する火器や装備を搭載できるー

 

「結構詳しい様だな、指揮官…」

 

-ここでの配属が決まる前、一時、オブザーバーに頼んで関係者筋から一台借りてきてもらったことがあってな…他にもあるぞ?……ってすまない。これではM4が喜びそうな話になるよな。話は戻すが、つまり、灯台もと暗しだ-

 

「灯台もと暗し…?」

 

-そうだ。俺たちは戦場を駆け巡る。それに今後は軍との合同作戦だって予想されるし、そこらでもたまに軍の車を見かけるしな。既に間近などこかでニアミスしてるかもしれないってことさ。慌てて探すと離れすぎて見落とすこともある-

 

「そうか…近くか。それなら良いさ!」

 

ドライバーのジェスチャーに、M16は満足していた様子である。

 

 

「ところで指揮官」

 

ーん?ー

 

「前から気になってたんだが、そのボトルと細長い管はなんだ?」

 

 

ーこれか?これは、ヘルメット付けてても飲み物が飲めるスグレモノ。お前さんもジャックダニエルを飲む時にでも使うかい?-

 

 

「すまない…私は慎んで辞退するぞ…」

 

ドライバーは『そうか…』とジェスチャーを返す。

どうやらM16はコップに注いで飲む派であったようだ。尚、ドライバーがヘルメットにくっついているチューブを使って飲んでいるのは、スプリングフィールド特製の栄養補給ドリンクである。

 

 

満足したのか、そのあとはM16との他愛のない談笑タイムとなる。途中、自室の戸締まりやらでドライバーが席を外す事があったが、それでも戻ればまた談笑が始まるのだった。

 

話の内容では、妹たちの事。特にM4の話が中心となる場面が度々あった。それだけM16は彼女を心配している現れなのだろうか。

 

ーもっと信じてやりな。お前の言う万一の時が来たって、きっと上手くやっていけるよー

 

ドライバーはこの時、M16にそうジェスチャーを送り励ますのだった。

 

 

 

…………………

……………

………

……

 

 

その翌日、M4A1がドライバーの後に続いて演習路のショートコースで走行する姿があった。

 

どうやら、一晩考えた結果、一緒に走ってほしいというのが、彼女の欲しいもの、即ち『ご褒美』だった。

 

 

一号車と二号車によるバトルになるかと思いきや、なんと選んだのはレーシングカート。

 

 

ドライバーや整備クルーは「遠慮は要らないよ?」とか、選んだ理由を思わず訊ねたが、遠慮等ではなく「師の原点で…」と控えめな笑顔で答えており、ドライバーは『やれやれ…』と苦笑いしている素振りをして見せていた。恐らくこの前16Labでぶっちぎられた影響か。それを根に持っていたのか。というかこれ以何を見てくれというのか。

 

しかしM4曰く、まだ動機がある様で、

 

「愛読しているレース漫画の主人公がアーケード版で『今度は別のところでやろう』って言う台詞に憧れて…」

 

とはにかみながら答え、ひっくり返らせた。

 

『16LABの時に言えば良かったろそれ』とドライバーはジェスチャーするも、一号車と二号車で勝負しても面白くないかも…ということらしい。

 

正直、普通に考えたら一号車と二号車というセットが同じもの同士の同車種でやるべきだし、第一にレーシングカートは身体全体を使うために疲れる。そんなことを言っていたら、一号車と二号車でやり合ったらもっとスゴいことになるのは車の大きさ的にも想像するのは容易である。

 

 

しかし、今回はM4の褒美ということもあり、おまけに何かの任務や作戦前に車輌が整備中で使えなくなるとまずいと考え、了承するに至った。おまけに同じ性能のカートなら基地の練習コースの保管庫に何台か置かれている。

 

 

 

 

「しっかし、M4も隅に置けんよな?」

 

パドックにてM16達がその様子を見に来ていた。軍人も誘われるままにパドックに来ている。

 

「そうね、でも…今のM4にとって、あれが『欲しいもの』なら、それは悪くない選択だと思うわ」

 

「これなら私たちも後でお願いしてみる?」

 

 

「君たちって、ドライバーとレースをしたのか?」

 

 

「と言っても、指揮官は飛び入りでしたけどね…」

「遥か後方から猛烈な勢いで来てな…一瞬ワープしたのかと…」

「あ、そうだ、よかったら軍人さんも参加します?結構身体にキますよ?」

 

「げっ!?お、俺は遠慮しておくよ…」

 

誘いの言葉をかけるSOP iiに、一瞬ドライバーが猛烈に追い上げてくる様を想像して思わず遠慮する軍人。そんな中で、二台の音が近づいてきた。

 

ドライバーが先行して引っ張っていく形でM4も続き、ホームストレートに突入していた。二台はコントロールラインを過ぎた所から同時に加速し、良いスタートを切っていく。尚、各ポストではRO635とそのダミーが旗を降っている。

 

 

 

 

この時、周囲から見えたM4はどこか楽しげであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………

 

 

 

実はM16と談笑タイムになったばかりの頃。

 

 

「そのチューブを見て思い出したんだけどさ」

 

M16がドリンクのボトルとチューブを指して話題を振る。

 

「この前指揮官がオブザーバーさんと引き継ぎして帰ってくるまで間、M4がー同じようなのを使って水分補給していたのを見たんだが…」

 

 

 

ドライバーはそこで一瞬固まる。

 

 

ー……何だって?-

 

 

「え、ああ、指揮官のそれと同じようなのを使ってたって…って指揮官、いきなりどうした!?」

 

-すまん。少しの間席を外す。今日は俺の奢りだ-

 

そうジェスチャーすると、ドライバーは立ち上がり、血相を変えた様にバーを後にした。

 

「…行かれてしまいましたね…」

 

「まあ、奢りって言うのならば…それじゃあスプリングフィールド、これ、まだあるか?」

 

メニュー表を指して注文する。

 

「はい、ございますよ。今お出ししますね」

 

………………………

 

 

ドライバーの部屋

 

「うーん…指揮官、まだ帰ってきてないのかな…」

 

と言って、M4はドライバーのものと同じカラーのボトルを持っていた。チューブに口を付け、中のドリンクを飲む。今日のお礼を言いに来たが、待っていたらセンサーが検知したのか扉が開いてしまった。そして好奇心に負けて入り込んだ。そう、つまるところ出来心で。どうやら、M4にもそういった冒険心はあったようである。なんて言ったって開かずの間であるが故に。

 

もっと埃っぽいものをイメージしていたが、掃除は行き届いているし、書類も綺麗に纏まっている。これは以前に指揮官に提出したレポートであった。きっと確認のために閲覧している途中だったのだろうか。

 

 

 

そこで不意に後ろを振り向くが、誰もいない。

 

 

気を取り直して再び中のドリンクを飲む。

 

(何だろう……?)

 

飲み物を吸いつつ、ドライバーが使っているデスクに置かれた分厚いA4サイズの本を見掛け、手に取った。それは鍵が掛けられており、開くことができない。ここまで厳重にしてあるというのは、人間で言う、卒アルと呼ばれるなのだろうか。ドライバーの少年時代であるのなら、少し見てみたい気がしなくもない。

 

鍵を開けるわけにもいかず、見るのを諦め、ファイルをもとの位置に戻した。

 

次の瞬間、不意に肩をポンポンと叩かれる。

 

 

もしやと思い、その方向をゆっくり向くと、そこには『真に無言』状態のドライバーが腕を組んで立っていた。

 

 

 

 

「っ!?し、しきか ゲホッ ゲホッ ゲッホッ!!」

 

 

驚いたショックでむせてしまった。すかさずM4の背中をさするドライバー。すると、彼女は落ち着いたのか、「もう大丈夫です…」と小さく呟き、それを聞いて彼は手を退けた。一応後日ペルシカ曰くM4たちは飲み物が入ってむせても問題ないらしい。

 

 

が、ドライバーの立場からしたら、上官の部屋に堂々入室とはまさしくも大胆不敵な犯行というに相応しかった。

 

「す、すみません…これはその…」

 

目の前に立ち塞がるドライバーは、悪役怪人めいたオーラを引き立てている。

 

肉声を発しているわけではないのだが、何処か威圧感を感じる。

 

そんな中でドライバーはジェスチャーを送る

 

ー俺の部屋に土足で上がるとは…良い度胸だなァ…-

 

「ちゃ、ちゃんと靴は脱いで入りましたよ…?初めの頃は…それにボトルだって使ったのは綺麗に洗浄して補充もしておきましたから…」

 

 

-用意が良いな…って、そういう問題じゃない-

 

すると、間を置きジェスチャーを始めた。

 

 

 

ー…………で、動機は何だ?…まさか……

 

頑張ったのに、指揮官が私と寝てくれなーい!だからお宅訪問(アンブッシュ)の時間だオルァァ!!

 

…とか言うんじゃないんだろうなM4ちゃんよぉ?ー

 

 

ドライバーは部屋を閉め、ジェスチャーしながら詰め寄る。

 

「ち、違いますっ!…って、なんで急に残念がってるんですか!?」

 

否認の台詞に何だ違うのか…と急にアンニュイな仕草を取るドライバー。M4はそれに突っ込まざる得なかった。

そして経緯を説明する。

 

「という事です…」

 

ーそうか。俺が不在時に大した事をしてくれちゃって…何故よりによって俺のドリンクボトルとチューブを?ー

 

「いつも指揮官が飲んでいらしたので…気がついたら…ふふふ…」

 

ー何が気がついたら…ふふふ、だよ…どんだけ大胆不敵なんだよお前。いくらセンサーが誤検知したからって、あれか、気になる女の子のリコーダーしゃぶってる男の子か!ー

 

「お、おお、女の子だってそう言う時あると思いますよ…?」

 

-ほう?…お前もしや思春期か?人形にもそんなのあるんだなぁ…待てよ?うちのM1911とかMk-23は思春期どころかいっつも発情期みたいなも「ブフォッ」ああああ!!?ー

 

 

 

M4は顔を赤くし吹き出した。

 

 

 

 

 

※しばらくお待ちください。

 

 

 

 

ー散らかってる部屋で悪いな…ー

 

床を拭き取った後雑巾を片付けつつ、ジェスチャーを行った。

 

「そうですか?結構お部屋綺麗だなって」

 

-結構ってどういう意味だよ。散らかってそう…とか思ってたのか?-

 

「あの、その…そう言うことではないんですよ…?普段の指揮官を知らないもので、つい…」

 

-そうか。…………………俺のプライベートを知ってどうするつもりだ?-

 

突然ピリッとした空気になる。主にドライバーが普段からジェスチャーのみで肉声を発しないのもあってやはり相応の緊張感が走る。というか、そもそもどうして声を発しないのか、何故に人形や人間にここまで上手く意思疏通できるのかが不思議なのにM4はそこについてはノータッチであった。

 

 

「それは……」

 

 

答えに困るM4。

 

-ははは!悪かったよ。一先ずそれは今日のご褒美の一つとして君に差しあげよう。…美味しいか?ー

 

 

 

 

するとM4はちょこっと口に含み、味わいを今一度確認する…

 

 

 

 

 

 

「うーんー、あんまり美味しくないですね…なんか味が薄いと言うか…」

 

-そこは美味しいって言おうよ!?-

 

 

そんなこんなで、本日は遅いので返すことに。ご褒美は一先ず休んでスッキリしてから考えることにしたそうだ。

 

 

「本日はありがとうございました、指揮官。おやすみなさい」

 

ーああ。ほんとにご苦労さま。あ、そうだ……ー

 

「はい…?」

 

ーお前が俺の部屋で見ようとしたものは、どこの誰だろうと許可するまで他言無用だー

 

 

「…!?」

 

 

狙い済ましたかのようにジェスチャーを繰り出され、M4は動揺する。

 

「か、重ね重ね申し訳ありません…」

 

ー良いんだ…俺にも落ち度はある。すまなかったな。だが気を付けてくれー

 

 

ドライバーは特に激昂する様子は無かった。

 

 

「了解しました」

 

 

M4は一礼して退室した。

 

 

 

 

 

そしてその後、しっかり施錠してからM16の酒の席に戻るのだった。

 

 

ー突然出てしまって悪かったなー

 

「何かあったのか?」

 

ー何でもない。ちょっと戸締まりの確認になー

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

……これは、M16のお願いを聞くためバーへ向かうその少し前のこと。

 

 

 

ドライバーはあの後、ヘルメットのバイザーと端末を使い、今回のテストの結果と使用した二号車のオンボード映像を自室で一人再確認していた。比較しても一目で変わっていた。

 

それを終えると、今度はそれとは異なる別のデータを表示させた。

 

 

『勢力図を表示』

『グリフィン、鉄血と交戦し、またも勝ち星。S09地区等においての脅威度が低下。兵站等も現時点では問題ありません―――』

 

それは勢力図や作戦が行われた位置を示すデータ。と言っても中には単に敵対する勢力の目撃情報も一緒に出ている。殆ど鉄血のマークで埋められているものの、グリフィンや鉄血に対応しているPMCの動きもあって侵攻を抑えられている。それでも、彼らは未だに脅威であることには変わらない。

 

しかし、ドライバーはそこから鉄血とグリフィンやPMCのものだけを除外して再表示させる。

 

すると、『UNKNOWN』と記された部位が表示された。それは未確認の勢力。グリフィンには都市運営と防衛のためにそう言った危険な存在の情報が各所から提供されている。しかし、このファイルのデータは、そのデータベースには載っていない。新興勢力か否かは不明。しかし、日付が古い写真データには、それらの確認された証拠やシンボルマークが表示されている。

 

そこで、あるシンボルマークの組織のスタッツを覗くと『一部生死不明』との一文が。他にも指揮官不審死の起こった場所が表示されているが、『関連性は不明』と出ている。また、グリフィンはこれらUNKNOWNに対して何らアクションを起こしてる気配がない。というより、気づいていない様にも見える。ドライバーは自陣から最寄りのS09地区をはじめとする周辺地区にUNKNOWNの存在が確認されたか調べる。

 

 

『該当する勢力に関する動きは、現在確認されておりません』

 

どうやら基地周辺には手が及んでいない様である。

 

そこで、ドライバーは引き出しから分厚い書物を手に取った。それは、データが当たり前となって以来今では珍しい。

中身はアルバムかと思いきや、その中身はのUNKNOWNに関する情報があった、ヘルメットのバイザー内に投影されていたそのエリアで確認された事がそこに写真と共に書き込まれている。もっとも古い写真には、倒れた兵士の身体やグシャグシャになった乗り物のボディに、傷でつぶれてしまっているが、サークル状のマークが記されている。

 

それは、PMCでも、ましてや鉄血工造でもなければ、周知されているテロ組織のものでもない。

 

 

見終わったのか、それを机の中に仕舞い鍵をかける。

 

 

 

……が、それを中断した。ふと端末を操作し、自室の監視カメラにアクセスする。

 

すると自室の監視カメラの映像の録画データがあり、それをドライバーが基地に不在で部屋を開けている間だけの録画されていた映像を再生した。するとそこにはM4が部屋に入り込んでおり、部屋を物色している様子が映し出されていた。

 

 

 

ボトル以外のものは手を付けられていなかった。

 

そこで、ドライバーは映像を見終え、次に先程見ていたその書物をわざと机の上に置き、デスクの引き出しを閉じて鍵をかけた。

 

そして、次に部屋の扉の施錠システムを確認する。解錠対象は自身とオブザーバー、そしてM4A1と記されている。

 

尚、軍人はゲスト枠なのでその気になればドライバー或いはオブザーバーの裁量判断で立ち入り可能に設定していたが。本日はもう軍人は帰ったため、解放する必要はなくなった。しかも、殆ど司令室など別の部屋でやり取りするためにあまり使わない事が多い。

 

 

ドライバーは設定をそのまま変更せず、表示してるタブを終了させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、M4は誤検知と話していたが、これは最初から誤検知などではなかったということになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドライバーは部屋の扉を何時もの様に施錠すると、また何時もの様子で、約束していたバーへと向かって行ったのだった…。

 

 

 

 

 

 

Vol.23 END.




閲覧いただき有難うございます。


やはり(この作品における)M4はM4だった(^ω^)


飲み物ブホォさせるタイミングって難しい(コラ)



そしてドライバーの思惑とは…?


また次回をお楽しみに。




代理人「君の心に、ブーストファイア!」

今後、【戦場の走り方】内で見てみたいものは?(もしかしたら反映されるかもしれません)

  • 劇中に世界の名車を登場。
  • AR小隊vs404小隊のレース対決。
  • スオミを走らせよう。

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