ではどうぞ。
前回の戦場の走り方を三行でまとめてみよう……
基地に来たら酷い有り様。
そこにデストロイヤーが到着するも撤退したので一号車と二号車で追跡。
謎の急襲勢力な黒い車が襲来し、一号車を追う。
以上。
果たして、あの黒い車は何者か。
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鉄血製の小さなP50モドキを運転するデストロイヤーからしたら、突然すぎるこの状況はまさしく困惑必須と言える状況であった。
何せ鉄血では噂の『グリフィンのドライバー』は現れるわ、逃げたら謎の黒い車が来るわ、不幸にもデストロイヤー自身はあまり想定していなかったほだ。
「あら?ドライバーのやつ、変なのと一緒に居なくなった…」
『どうしたのデストロイヤー…何かあったの?』
「ドリーマー、グリフィンのドライバーと遭遇したわ!基地に先に来てたのよ!でもあいつの人形たちに囲まれちゃって…ねえ、仕掛けておいた味方の人形兵たちはどうしたの?ちっとも出てこなかったじゃない!」
『それが連絡がなくてねぇ、ほかのグリフィンの人形に襲われたかもしれないわ』
「なによそれ!?」
『兎に角、今は目の前の問題を片付けたらどう?あのグリフィンのドライバーと似たようなのが迫ってるわよ。ちょっと立て込んでて支援は出せないわ…なんとかしてね?』
「うう…わかったわよ…」
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一号車にて。
「黒い車はお友だちか?」
問いかけに対してドライバーは、『さあね』と言いたげなジェスチャーを返してきた。
「そういや、デストロイヤーの車は大丈夫なのか?」
―大丈夫だ。そうだ軍人、やつの車、グレネードランチャーが付いてたよな?―
「え?ああ、車体の後方のキャビン部の両サイドに付いてたあれか?」
―そうそれだ。あれ、さっき撃てなくしておいたから―
軍人の表情が一瞬真顔になった。
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その頃…
「じゃあ、早速足止めとして発射!……あれ?おかしいわね、発射!ええ!?車載しても発射できる様にしていた筈なのに…!?」
デストロイヤーのP50に備わっているランチャーが反応しない事に気付く。出てくるのはエラーメッセージ。
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「……何だって?じゃあ、そのためにハイエンドモデルを相手に、あんなダル絡みして来たってのか…?」
―これも陽動ってやつだよ軍人―
そして、揺れる車内でタブレット越しに二号車のオンボード映像を見たが、前の小さい車から何かを発射してる様子は見受けられない。
ドライバーが基地の司令室からスッと消えたのは、素早く回り込んでデストロイヤーの車についたランチャーに細工するためだったとは……。そんで意識をそらすために思い付きかダル絡み。
しかし、堂々姿晒してる以上、下手すれば自分が殺されかねないだろうに…よくこんなことをやり出すよな…。
「なんて無茶苦茶な…」
―しかしだ、あれで、あの車自体はもう脅威ではなくなった。ランチャーを撃ちたきゃ一度停めて付け直さなゃならない。でも後ろにはM4たちが追ってくる。デカい車に追われるからメンタルに圧力や懸念が降り掛かり、安易に速度は落とせない。後は、今モールス信号で伝えた作戦通りにやれば概ね大丈夫……問題はこっちの方だ―
鉄血のハイエンドモデルを追うよりもこちらを優先するということは、それなりの訳があるのだろうか。
ドライバーは相変わらず。『ギアが上がっている』と感じるけど、変に慌ててる様子でもないし、そもそも、バイザーの奥で何を考えているのかは、相変わらずこちらではわからない。
ただ…分かってることは、追ってきた黒い車と対峙している。そして、離れされてはいないこと。
相手も中々やる奴のようだ。
「何処のメーカーだろう…あれも鉄血製か?ここからじゃ分からない…つか、どこからこんなのが出てきた…? 」
ピッタリとケツに張り付いてる。
―さあてなぁ…だが、ネゲヴたちの報告からして、基地の周辺で待ち伏せしていた可能性がありそうだが…―
俺はそこで嫌な予感がした。
「まさか……あれがお前の話してた、不審死事件と関係あるやつなんじゃないのか?」
―…うーん…暗殺しに来たにしては、あまりに堂々とし過ぎてないか?こうしてAR小隊共々巻き込むってのは、殺る側としては不利にも程がある筈だ。それに、そんな事したら、直ぐあちこちにバレるし、16LABのM4たちも、本部からのネゲヴも、そんでうちの基地に属してるスコーピオンたちもいる。途端に大捜索が始まる。ネゲヴから情報が本部に渡ることもあるだろうし、本部としても犯人は邪魔だから、徹底的な特定作業が始まる筈だ。上層部もいい加減、あの事件には頭を悩ましているそうだからな―
「お、おう…すまん、俺の早計だった様だ…」
まぁ、確かに…
これはオブザーバーの捜査の進展度合いにも依りそうだが、俺の立場では聞くのは些か野暮だ。そういう任務を与えられてるわけではないし…。
―そんなことはない。誰だって疑問に思っても不思議じゃないからな。それを確かめるためにも、あの黒いやつをどうにかしないとな…―
連続コーナーに対し、勢いを殺さず素早く駆け抜ける一号車。背後の黒い車もそれに続いてくる。
―離れてくれないな…このままもう暫く走るぞ―
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『車のバッテリー残量が尽きる前になんとかなさいよ?エネルギーは有限なんだから』
「そうね。今度からは満充電にした予備のバッテリーも持ってくことにするわ
!」
『偉~い♪反省できるなんてイイコイイコ♪』
「褒めるタイミングかしら…?あ、それで、どこに逃げれば良いの?」
ここは一本道。
出てもはぐれた味方の鉄血人形たちに援護してもらえるかも不明。呼び掛けても反応がまるで無い。後はグリフィンの人形たちによるパトロールがある。
『一先ず街に向かいなさい。そうすればアイツらも町中であんな風に走ってきたりはしないでしょうしね…』
「そ、そうよね…やってみる」
単純にながら、グリフィン側として考えると、警護してる市街地での暴走行為は、自分の首を絞める行為にもなる。暴走行為により死亡事故はかねてから多い。だからこそ町に逃げてしまえば、ご自慢の運転も意味を為さなくなると考えた。
あれだけのはみ出し者だ、きっとそう評判も良くない筈…ならば傷を広げたがらない。人間とは保身に走りやすい。後ろめたいことがある時はそう……。特に人形部隊が事故を起こせば…
デストロイヤーは、その様なことを思考しつつ、進路を近隣の市街地に指定し、MAPからルートを検索、早速行動に出た。その前に捕まらなければの話だが…
背後からはM4たちの乗る二号車が追い掛けて来ている。車の大きさ的に、その二号車からは、強い圧迫感を感じる。
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「良いわM4。しっかり食い付いてる!」
二号車の助手席に座っているAR-15が運転席のM4A1に向け、そう一言告げる。距離感はピッタリ維持しており、接触は無し。
「妙だな…他の鉄血のやつらはどうしたんだ?ダイナーゲートの一匹でも出てきたっておかしくない筈だが…」
「気付いた後、途中で事故ったとかかな?」
M16とSOP iiが後部座席で思考を巡らせる。
「ははは…それを祈りたい所だな…」
「それにしても…タイヤ三つでよくグリップさせられるよね…前の片輪浮いてたし」
あのモデルは後ろに一つ、前に二つ。そのため、荷重が掛かった時、微妙に曲がっていく方向側のタイヤが浮いていることを発見。
あれは運転してて絶対怖そう……そうSOP iiは思うのだった。
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一方、一号車は謎の黒い車とのデッドヒートが続いている。ここで、ドライバーは相手の動きを見るために車体を揺らしたりブレーキランプをわざと点滅させている。
「何してるんだ?」
ドライバーは『後ろを見てみな』と ドアミラーを見るように指差した。
どうやら、ドライバーがわざとやっている車の動きに回避しようとしているのだとか。嘘だろ?と思ってよく見ていると、点滅させたブレーキランプに反応して車間距離を取ろうとしていた。
それでも我慢してるのか、すぐに詰めてくる。すると大きな橋の上に二台は来た。すると途端、一号車はそこでスピンターンする。すると黒い車も少し遅れてターンを行い停車。対面する赤色と黒色。
どちらも毒々しく悪役が乗るような車のカラーリング。ドライバーのはグリフィンのカラーの為、グリフィンのエンブレムも付いてるためまだマシには見えるのだが、相手のは正真正銘の悪。車体もどうやら少し前の『ハイパーカー』と呼ばれた車みたいな、ケレン身の強いデザイン。フロントマスクのダクトも大きく、フロントライトがどこにあるのか分からない。
どちらも速そう………いや、先程の追い掛けられてる立場からして、ありゃマジで速かったぞ…
何せドライバーの車は、ドライバーと技師と整備クルーの結晶と言えるようなレースマシン。シートは後ろにも付いてるが無駄がない。黒いやつはそれを追撃してきたのだ。
すると、黒い車のドアが開き、そこから誰かが降りてきた。
何だかSFシューターとかに出てくる様なメカメカしい強化スーツらしきものを着用した、全身真っ黒で、また黒いヘルメットを被った人物だった。何だこの怪人…ドライバーも配色的に悪役怪人のタチの悪そうな奴にも見える。
タイヤの摩擦によって生じた煙が晴れていくと、道の先となる架橋の先が無いのがはっきり見えてきた。なるほどなそれで工事中だったのか。迷わず入ったドライバーはこれを狙ったそうだ…
黒い車は間一髪と言ったところか。
ドライバーも、そして目の前に立っている黒い奴も、無言のまま……
すると
『イキテイタトハナ…コレマデノセツジョク、ハラシニキタゾ…!!!』
―ほう?この俺に?ご丁寧に車の無線機に繋げてブロードキャストしてやがらぁ―
「マジかよ…ホントに居るんだなそんなやつ…」
アニメで悪役にありがちなエフェクトがかったデスボイス。
するとドライバーは…
―差し詰め、やつは『べ、別にあんたの事が気になって来たんじゃ、ないんだからねっ!そう!挨拶回りって奴よ!』って言いたい訳か…―
「待て待て、どう見ても今のアイツがツンデレぶちかましてる様には聞こえなかったぞ?つかなんか持ってるぞ!こっち向けてる!」
すると、黒いヘルメットは腰から銃を抜き、スライドを引こちらに向けてきた。
「やべぇ、あれ銃じゃん!!」
―そうみたいだな。………良いだろう、止められるもんなら止めてみな。軍人、行くぞ―
「ああ!…っうおおっ!?」
ドライバーはシフトをリバースにいれて急発進。そして360ターンで方向転換し、フロントノーズが来た方向に来た途端にシフトを入れ直し走らせた。
弾はこちらに当たっていなかった。それもその筈。発砲を諦め、こちらを追うべくあの黒い車に乗ろうとしているのが一瞬見えた。
しかし、橋が途端に崩壊。
黒いヘルメットは、乗り込んだ黒い車と共にボッシュート。目を疑うが、ドライバー曰く、ここは老朽化してるのだとか。老朽化にも色々あるだろうけど、この運を拾えたのは俗にいう神様に感謝だな…まぁ、神様なんていたらWW3なんて起こってないだろうし。
一先ず、離脱するべく来た道を戻る事になった一号車、来た道というか、そこしかもう道がなかったのが正しいか。
『ドライバー指揮官、聞こえる?こちらネゲヴ、基地の周囲にめちゃくちゃに壊されたグリフィンと鉄血の人形を多数発見』
―そりゃご苦労さん。こっちも一段落だ―
ドライバーは車体後部についたカメラをちょくちょく見つつネゲヴの問いに答えた。
『そう…ねえ指揮官、あの黒い奴は何だったの?あなたの現役時代のライバルとか?』
それについて、ドライバーは『さーてどうだろうな』と、ジェスチャーで返している。知っていたらとっくに答えてるぞ…とでも言いたいのか。俺は立場的にもこの状況じゃ何とも言えない。
―そっちはどうだ?―
『さっき話したグリフィンと鉄血の人形が見付かった以外は、変わりないわ』
―そうか…ご苦労さん。今から確認に向かう。―
『AR小隊は?きっと寂しがってるわよ?』
―既に指示は出してあるから平気だよ。じゃあ後でな―
そこで通信を切る。
『ドライバー指揮官、こちらM4A1…』
M4からの通信。
―よう、そっちはどうなってる?―
………………………………………………
「はい。指示通りに行いました…」
M4たちの二号車は、街の前に停車していた。
「デストロイヤーが街の中に…」
追跡していたデストロイヤーは街中に逃げ込んでしまった。
………………………………………………
―良いんだ。下手に刺激してはならん。奴は後の祭りさ―
ドライバーはジェスチャーする。
『どういうことですか?』
―その内わかる―
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(あっはっはっは!ざまぁ見なさい!私だってこれくらいは出来るわ!さーて、予定を戻して月餅買いにいこうっと)
デストロイヤーは勝ち誇った様な顔をしていた。小さい車体を活かして路地を巡り、撒いたところで市街地の駐車場に停め、外の空気を吸う。
「ああ、 こんなところに…おーい手を貸してくれー」
「ういーす」
背後で作業員たちが何かを行っているのを尻目に、デストロイヤーは月餅を買いにその近くの店に向かっていった。
その数分後……
「さて、月餅買ったし司令部に帰ろ…って車がないいい!?」
戻ってみると、なんとSP-TYPE-P50の姿がなかった。目の前を走り去るトラックの荷台にはまさにその車が積載されていた。
「待って!?撤去しないでええええええ!!!」
………………………………………………
鉄血司令部にて…
「……これもグリフィンのドライバーってやつの仕業なんだ」
街の様子からデストロイヤーをモニターする代理人は呟いた。
「いやそれはどう見たって間違えられて撤去されただけでしょ!?」
代理人に突っ込むドリーマーであった。
to be continued.
閲覧ありがとうございました。
えーと、今回はなんと特に後書きで何を書くかまで思い付きませんでした…というわけで、さっぱりと行かせていただきやす…m(_ _)m
それでは、次回の更新をお楽しみにください。
代理人「君の心にブーストファイア!」
今後、【戦場の走り方】内で見てみたいものは?(もしかしたら反映されるかもしれません)
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劇中に世界の名車を登場。
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AR小隊vs404小隊のレース対決。
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スオミを走らせよう。