戦場の走り方   作:ブロックONE

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お久しぶりです。

先ず、更新がめっっちゃ遅くなり申し訳ありませんでしたm(_ _)m

台風19号が通りすぎましたね…こちらは何ともありませんでしたのでご安心を。

さて、ヴァルハラコラボは一先ずE1-8まで走り終えて終了です。高難易度のは時間の都合上不可能でした…orz

ではどうぞ。


Vol.31 消えた四号車の行方

前回までの戦場の走り方は…

 

 ドライバーは、任務の後拠点指揮官へデータチップを渡すために病院へ。

 

 『曲線の少ないナース服の女』に遭遇。

 

 車に戻ったらさっきナース服だったはずのアイツが居た。

 

 

 以上。

 

 

………………………………………………

  

 …一号車の車内…

 

 

 

「もう!人を化け物みたいに扱わないでよ指揮官~」

 

―わかったから大人しくシートに座っててくれ…―

 

 

 

「あ、そこ真っ直ぐ行って?」

 

―はいはい…ところでUMP45―

 

「なぁに?デートのお約束なら今度にしてよ―――」

 

 

 

そんなこんなで目的地へ到着し、その後ドライバーは基地に向けて走らせていった…。

 

 

…………………………………………

 

 

その二日後のこと。

 

 

 

軍人はドライバーの基地へ調査任務の相談でやって来た。そして話が終わり、気分転換にガレージの前まで来て世間話をしていた。

 

何時もの所に一号車。隣に二号車が停まっている。これはM4たちが現在別の基地の要請で出向いているため、必要な時以外はここに置かれているのだと、ドライバーはジェスチャーし説明していた。

 

すると、軍人はこの様な質問をした。

 

 

「そう言えば……いつも乗せて貰ってる一号車の他にも車があるのか?SUV以外の速い奴…」

 

 

―あるぞ。見てみるか?―

 

そんなこんなでガレージ探訪。

 

 

一号車と二号車については言わずもがな。

しかし、幾つかスペースが開いていたり、シャッターが閉まってたりする。

 

 

 

「ここ、閉まってるけど…」

 

 

―それは三号車があるガレージだな。あれは今調整中なんだ―

 

 

 

 

ということでその隣にあるガレージを見てみると、そもそもそこには入庫されておらず、風通しが良くなっていた。

 

 

「まさか…馬鹿には見えないってのじゃないよな?」

 

 

―あー…いやその…そういう訳じゃないんだ軍人―

 

 

 

「じゃあ何故ここに無いんだ?元はお前のなんだろ?まさか…壊さ」

 

 

―借りパクされたんだ…―

 

 

「え…」

 

 

―これでは語弊を生むか。結構前に、ある人形にどうしてもってことで貸したんだよ。そうしたら、何だかんだあって先延ばしにされてこのまんま…―

 

 

「良いのかよそれ…」

 

―ついこの前借りてるやつに会ってな、ちょっと話を聞いてきた―

 

 

 

 

 

…………………………………

 

それは先日の運転中に遡る。

 

 

 

 

「なぁに~?デートの約束なら今度にしてよ~?」

 

 

―そうじゃない。そろそろうちの『四号車』を一度返してくれないか。もう点検時なんだが…―

 

 

四号車、ドライバーは確かに後部座席のUMP45にジェスチャーした。

 

 

「もうちょっとの間でいいから貸してくれない?細かいことは言えないのだけれど、またすぐ使うのよ~」

 

 

―実は壊れてて修理代稼いでるってのは無しだからな?―

 

 

「や、やめてよ指揮官…416が運転してた訳じゃあるまいし…」

 

 

―ほう?自分なら壊さないとか言う気か?随分自信がある様だ。だが過信は禁物だぞ。それにお前よ、何だかんだ返却するのいっつも延ばしてるじゃないか―

 

 

「ギクッ…」

 

 

後部座席からビンビン恐怖を煽って見せた45が、ドライバーのジェスチャーにびくりと動く。

 

 

 

―えーと?この前は…任務の通信ログを消し忘れた、だったか?そしたら、次の仕事があるから返せなくなった…とか言ってたよな?そもそもだ、簡単でもメンテはしてるのか?歪んだ車体や劣化した消耗品はどうしてるんだ?― 

 

「そういうメンテならしてるわよ?うちの人形整備士がね」

 

―あの坊やがやってるのか?四号車も一応レーシングマシンだ。機械触れるからって、そう簡単にはいかないぞ?―

 

 

 

「むー…信用してくれないのね…」

 

 

 

―寸分の一の時間を削ってく様な車からな。それを維持するための整備ってのは、そんな誰でもすぐ出来るような簡単な話じゃないんだよ。走れるようにするのは前提だが、なにより走る場所…そこの気温…その時の車のリアクション…乗り手の癖。そりゃもう多くのことを考えていく訳だ。幾つかは妥協は必要かもしれんがな…―

 

 

「妥協…この場合だと、想定外の事態が起こるけどそれを飲み込んだ上で様々な意見盛り込んでマシンセットしたり、それを乗る人同士で百歩譲り合って決定するってニュアンスでいいのかしら?表現めちゃくちゃだけど…」

 

 

―そうだな。この場ではそう捉えてもらっても構わない。それにだ!フィクションみたいに、『あーこいつなら平気だ』…とか、『直接会わなくてもこれを見ればわかる』だの、あと『目を見ればわかる』…とかいうのがあるが、残念だが、俺は基本的にそんなもの信じてないんでね。むしろ不安要素に目を背ける事になる。それに、『お前たち』と『お前たちのバックボーンやその他もろもろ』とでは、話が変わってくるんだよ―

 

「そうなの?」

 

 

ドライバーはただ黙って頷く。

 

―まぁ、説教染みたことはここまでにしよう。話を変えようか。この前ある峠道でM4と走ったか?確かその日はオブザーバーが基地に居た時だ―

 

 

「あら!ご明察!見た?あのオーバーテイク!ドライバー指揮官とオブザーバー指揮官が教えてくれたやつをやってみたの!ミゾオトシってやつ!でもM4も甘いわねぇ」

 

 

―ああ、イン側の溝にタイヤを引っ掛けてコーナー曲がると、バンクコーナーを曲がった時みたいにコーナーの外側に引っ張られにくくなるからな…となると足回りが心配だな。あれ下手にやるとアームとかやられるし…―

 

 

「大丈夫よ!地上高は少し高めにして走ったから!」

 

 

―そういう問題じゃないんだけどな。下手なことすると修理代とか請求するからな?月額で…―

 

 

「それはやめてよ!?」

 

 

―冗談だ…そうだ。お前のミッションに幾つか同行させてくれないか。報酬代わりに4号車を持ち帰る―

 

 

「幾らなんでもそれはダメ…巻き込めないもん…」

 

 

―お優しいんだねぇ…?あ!メンテしたらまた貸してやれないこともないぞ?作戦能率考えたら、足は必要だろうし。ウチ以外の余所から借りたって、追跡装置やら爆弾やら付いてるかもしれないしな。なら扱いが難しいが速くて無駄なものがない四号車は、お前たちにとっては惜しい…違うかい?―

 

 

「ぐうの音も出ないわね。貴方の所の四号車借りる前は、追跡装置とか変なの付いてて焦ったことあるし…ま、考えとくわね…あ、そこ右に行って?その廃工場のところよ」

 

 

―ここか?はぁ、俺間もなくミンチにされちゃうのかなぁ…―

 

 

「やぁねぇ指揮官、そんなシリアルキラーみたいな事はしないわよ?」

 

 

 

一号車を停める。エンジンは掛けたまま。

この廃工場は、どうやら今回の合流地点として使っている模様。ここを使っていた会社は、現在は別の土地に移転しているが、ここはそのまんま残しているらしい。そうなると、流れの鉄血人形が拠点にしてそうに見えるが、所々に45たちが飛ばしていた監視ドローンが飛び交っているのを見掛ける。任務中に敵した者たちの襲撃に備えているのだろうか。迎えにUMP9たちがシャッターから出て来た。

 

 

 

 

 

「そうだ指揮官!これをあげる」

 

 

 

鞄からあるものを取り出した。

 

 

―なんだこれ…―

 

 

 

 

 

 

 

「 ア カ マ ム シ ィ ~ 」

 

 

 

 

その声に気が抜けてしまう仕草を取ったドライバー。

 

 

 

―……。そんなんで俺が買収されると思ったら大間違いだ。こういうのって怪しいもん混入してそうだよな?飲んだら寝ちゃうやつ。そんで寝てる間に拉致られてキングベッドの上で何故かヘルメット以外ひんむかれてる所まで想像するのに1秒は掛からなかったぞ!―

 

 

「ひどいわ指揮官~そんな人聞き悪い~。それと、これは院内の売店にあったやつよ?それに運転ご苦労様♪ここで飲んで一息ついたらどう?」

 

 

―断る。プロのレーサーの体力は早々切れないぞ―

 

 

「遠慮しないでいいのよ?」

 

 

― し て な い か ら な 。お気持ちだけで十二分に充分だ。早く行きなよ…この辺りは鉄血製の追跡車両も走ってるそうだぞ?止まってたら囲まれて袋小路かもしれんぞ?ここマトモな道が少ないし―

 

 

「はーいはい、分かりましたっ…あ、そうそう、四号車はまた借りてくから。それじゃまたね?ばいにー☆」

 

 

―はいはい、ばいに~―

 

 

45は一号車から降りていった。

 

 

 

 

UMP45は工場の奥へと入っていった。9たちも手を降っている。

 

ドライバーは勧められたアカマムシの精力剤が気になったが、未開封にしたままで45と別れ自分の勤める基地に帰ることにした。帰還して書類仕事をしていると、ヘリアンから回収が無事に完了したと連絡が来た。45が車に乗り込んできた事は敢えて知らない振りをしておいたが、どうやら知っていたそうだ。迷惑をかけた…と彼に対して珍しく詫びるヘリアンに対して、ドライバーは気にしないでくれと返したのだった。

 

すると、ヘリアンは詫び石ならぬ、『詫び燃料引き替えチケット』を追加報酬として送ってくれるとのこと。今後の任務のために燃料を調達をするには嬉しいところ。喜んで受けとることにした。

  

拠点指揮官本人からもお礼の連絡が来ており、基地は解体し、基地を移転して復帰するという。壊されてしまった人形は、回収されたボディからチェックし、回収可能な範囲で集め、戦闘に置いてはデータを統合し…という形で新ボディに入れて貰うことになったという。

 

 

 

ドライバーは連絡が終わると、自室にて先程の書類仕事の続きやらメールやらのチェックを行っていた。ふと思い出して先程45から貰ったアカマムシドリンクを取り出した。妙な感じがしたので、ひとまず瞬間冷却させておく。

 

 

特に意味はない。

 

 

 

………が、ここであることに気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

―よく見たらマカビ○ビンじゃないか…―

 

 

 

 

………………………………………………

 

 

 

―という事があってだな…―

 

 

 

「そういうことか…そう言えば、オブザーバーと動いた時、UMP45に会ったよ。お前のファンだってさ」

 

 

―そうか…オブザーバーからも出先の話は聞いたが…ありがた迷惑だな…―

 

 

やれやれ、とドライバーは皮肉っぽくジェスチャーした。

 

 

「あ、それで?そのマカビ○ビンはどうなったんだ?」

 

 

ドライバーはマカビ○ビンの入ったパッケージを見せた。

 

 

―カリーナたちに調べさせるために送ろうとしたが、物が物だし、下手するとセクハラで訴えられかねないからな。しかし、その必要はなくなった。瓶の底を見てみな―

 

軍人は瓶の裏を見た。

 

 

なにやら文字が印字されている。

 

 

 

………………………………………………

 

 

S06地区の大都市エリアに続く、長い自動車道にて

現在は疎開により無人化が進み、ここも交通量は24時間皆無に等しい。

 

 

『~♪~♪』

 

その人間の真似をして口笛を吹きつつ、鉄血人形が運転する輸送車が走っていく。

 

目的地はS06地区の中心部に設定されていた。

 

 

 

『さーてここは…無理して通るとぶつかるし、荷物壊れるから回り道し―――』

 

 

その瞬間、輸送車が爆発した。

 

 

 

 

 

―よっしゃ、狙い通りだな―

 

「ホントだ…」

 

 

爆発の起こったところから少し離れた高台となる所にドライバー一行は潜んでいた。

 

 

 

―人形部隊の諸君、車両を押さえるんだ―

 

 

指示を出して止まった輸送車両に向かわせる。

 

 

「まさかマカビ○ビンの瓶の底に…ここの座標が印字されてたなんて…」

 

 

―…通りで変だと思ったんだ。瓶の全長がカリーナの店で買った同じ物と比べて0.15mmほど長かったのも頷ける―

 

 

わざわざここまでやるのか…45は偽物を作り上げて梱包までやっていたのだとすると、ゾッとする。いろんな意味で。

 

ドライバー曰く、ここは以前から怪しいと感じていたが、杞憂かと思われた矢先のこと、45の送ってきたこの瓶の底の暗号文から、それが杞憂ではないことを確信したそうで、そうなると動きは早かった。

 

 

人目が無くなったことを良いことに、鉄血はそこを選んでいた。

 

何時もの武力行使によるパワープレイをせずに。まぁ、元より人や人形がいないのだからそこを通ってくるのは当然…と考えるべきだろうけど、彼らはベターな決断を賢く選んでいるようだった。こんな大きな車両で物資を運ぶというからには、何かしら企みがあるからに決まっているはず。それが例えダミーの作戦だったとしてもだ。

 

 

ドライバーは基地の人形たちを編成し、検問装置やらロボットを手配し配置するためにも、こうしてここまで来て、敵の輸送経路を割り出して塞いで見せた。俺は何時ものノリで装備一式を携えてドライバーの一号車に乗り合わせたに過ぎないのだが。

 

話によると、決まったルートを通っているようで、その証拠に削れたタイヤカスみたいなものが付着しており、そこからうまいこと仕掛けたトラップにより鉄血の輸送車たちは停車。

 

人形部隊は鉄血人形を倒して制圧。車両も押さえ終える。

 

 

 

―これで鉄血人形たちはどう出るかだな……さてGSh-18、輸送車の中身はどうなっている?―

 

 

『こちらGSh-18、中身なんやけど…特に危ないものっていうわけではないみたいですよ?』

 

 

―ほう?詳しく聞かせてくれ―

 

 

『自動車用のタイヤと…バッテリーみたいなのが多数あります~』

 

 

戦術人形GSh-18が輸送車の中身を報告をする。

 

 

 

『こちらAK-47!こっちも部品みたいだぞ?車体のフレームか何かが対衝撃コンテナの中に入ってた。中身は無事みたいだぞ』

 

続いてGSh-18と手分けして車列を調べたAK-47から連絡が来た。

 

 

 

 

ドライバーのバイザーと軍人の手に持っているタブレットに、人形のアイカメラからの視界をリンクさせて表示してもらう。

 

 

「敵は届けた先で何かしら組み立てる算段をつけてたわけか」

 

―その様だ。形状からして……溝がないな。あのタイヤはドライ用のスリックタイヤだな…メーカーは…P社だ…―

 

ドライバーは、バイザーと軍人の持っているタブレットを介して映るGSh-18が見ているタイヤを言い当ててみせる。

 

『ホントこれだけでよう分かりますねぇ?正解ですよ、指揮官』

 

『確かに、これでダートなんて走れそうもないな?楽しそうだけど!』

 

―ああ、せめてオフロード用に履き替えてからだな―

 

「なぁドライバー…鉄血はフルカウルのLMPマシンかフォーミュラカーに…レーザー砲か何かを搭載して走らせようってのか…?」

 

―鉄血の奴等じゃやりかねないな。何にせよ、ここで食い止めて正解だったと言うことだ―

 

 

 

 

すると、ドライバーは大都市の中心部がある方を向いた。何を考えてるのかはさっぱりだが、そこで何かあることはなんと無く分かる。

 

 

 

尚、GSh-18たちは止めた輸送車に安全確認と処置を行いつつ警戒中。

 

 

すると、また通信が来る。

 

 

『こちら回収チームのPPSh-41、ただいま到着しました~』

 

 

―了解だ。中身の回収作業を開始しろ―

 

回収チームの作業が始まり、コンテナを積み込む。それが終わると回収チームと、制圧していた人形部隊たちと共にドライバーと俺は基地へと帰ったのだった。

 

 

 

………………………

 

 

その頃。また別の場所にて。

薄暗い建物の中にUMP45たちは入っていくと、そこにカバーの掛けられた車らしきものと、その近くのデスクでテレビゲームをして遊んでいる少年がいる。

 

「デール、車の方はどう?」

 

UMP45は少年ことデールに話し掛けた。

 

「あ、おかえり~UMP45。メンテは終わったには終わったよ。シーアがこのエンジンの純正ブループリントのデータを持ってきてくれたんだ。それをもとに、ね」

 

 

「そう…」

 

「そんな難しいものではありませんでした。飽くまで純正の…ですが…」

 

眼鏡を掛けた銀髪の少女、シーアが伝える。

 

「まぁ、動くようにはしたけど、初めて45が持ってきた時と比べて10パーセントほどロスしてる…取り戻すには人形整備とはまた別の知識が必要でさ…本物の再現って難しいね…」

 

 

「なるほどね…」

 

UMP45は出来そうだから、という理由でこの少年にお願いしたに過ぎなかった。理由としては自身は任務で立ち合えないためだ。

 

 

「これを整備維持してた人なら、限りなく100%に近くなるとは思うよ?借り物なんだっけ?」

 

「そうよ。元々はドライバー指揮官の車。…9、そっち持って?」

 

「わかった、45姉」

 

 

掛かっているカバーを外す。

 

 

そこには黄色と黒のカラー。空力パーツで武装したボディに『4』の算用数字が入ったハッチバックのラリーカーがそこに置かれていた。

 

 

そう。もしかしても、もしかしなくても、これがドライバーが返却を要求していた四号車なのである。

 

 

この車は現在、 404小隊の使っているセーフハウス内で密かに整備されていたのだった。

 

 

「とにかく、もうこれは…かっ飛ばして良い状態かしら?」

 

 

「勿論!タイヤも新しいのに替えておいた。注文通りにはしてあるから、後は様子を見ながら調整だね」

 

「そう、わかったわ。ありがとう」

 

 

 

 

その後、45たちは自身のチェックし、また別の依頼で乗って出ていった。

 

 

どうやらドライバーの手に戻るのは当分先の様である。

 

 

 

…………………………

 

 

 

あれから数日。

ドライバーの勤務する第○○地区の基地にて。

 

司令室では、ドライバーがヘリアンからのビデオチャットに応じていた。

 

『指揮官、そちらの基地から来た検問装置や増員等の要請についてだが、よくそこが分かったな?』

 

―前々から変だと思っていたんだよ。鉄血のやつら、手薄なところを堂々と自分達の輸送経路に使っていた様だ。そこをタイヤ痕から辿って封じただけさ。鉄血の輸送車を調べたが、あのS06地区の中心部に設定されていたぞ―

 

『あの辺りは近頃戦力が集っていると偵察員から報告が来ている』

 

―そうか。どうやら、また出鼻を挫いてしまったか?―

 

『今回においてはタイムリーだったぞ。これ以上の戦力拡大を防ぐには有効だ……ご苦労だったな。この件については後程ボーナスを送る。では、また何かあれば連絡させてもらう』

 

―ああ。こちらも平常運行に戻るよ―

 

 

ここで通信は終了した。その後、自分の執務室兼自室に戻りパソコンを見るとボイスメッセージが一件入っているのを見つけた。

 

 

『ああ、ドライバー指揮官?ペルシカよ。この前送ってくれた鉄血の車両のパーツなんだけど…結構ぶっ飛んだ代物だったわ。フォーミュラカーみたいな軽いモノコックの車体に音響兵器を取り付けた様な物だった。音響兵器自体は分解されていたから照射はされていないから安心して。こんなのが鉄血のAI制御で彷徨いていたら大変なことになってた…本当に危なかったわね。それじゃ、また連絡するわ』

 

 

ボイスメッセージはそこで終わった。

すると、今度は技術クルーからの連絡が入ってきた。

 

 

 

『指揮官、マシンの準備が整いました。ガレージでお待ちしております』

 

 

―分かった。今から向かう―

 

 

ジェスチャーの後、ドライバーは戸締まりをして、何時もの様に自室を出ていった。

 

 

 

 

To be Continued…?




閲覧ありがとうございます。

今回言及されたのはメンテ中の『三号車』。
ドライバーから借りた『四号車』。

実は四号車については既にどこかで登場済みでして、これからどう出てきてどの様に使われていくのか、お楽しみに。

では、また次の更新で。


代理人「君の心に、ブーストファイア!」

今後、【戦場の走り方】内で見てみたいものは?(もしかしたら反映されるかもしれません)

  • 劇中に世界の名車を登場。
  • AR小隊vs404小隊のレース対決。
  • スオミを走らせよう。

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