戦場の走り方   作:ブロックONE

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AR-15
 「指揮官こんにちは、コルトAR-15よ。本作のカーアクションを真似すると大変危険だから、絶対に真似しちゃだめよ?実際に運転するときは、交通ルールを守って安全運転に努めてね☆」
 
 
 M16・M4・SOPii
 「…」
 
 AR-15
 「ちょっと!?なんで無反応なの!?」
 
 
 
 RO635
 「…という訳で読者の皆さん、お待たせ致しました。Vol.3です」
 
 はじまります。
 


Vol.3 出走開始

さて、ショップでカリーナに支払いをした後、ドライバーたちは武器庫へ行って装備などの準備を済ませ、車に詰め込んだ。

 FALは後部座席へ座り、シートベルトとなる六点式レーシングハーネスを着ける。しかもロールケージが張り巡らされている車内を良く見ると、後部座席となる位置には、バケットシートの様なものが三つも取り付けられていた。ドライバーはM4A1を乗せれば満席になると話しており、その状態で、先程基地まで連れてきてもらう道中に見せた様な走行をしたら、一体後ろはどうなってしまうんだろうか…と内心不安がる。ドライバーはそれに対して脳天来そうに『心配するな。クラッシュには気を付ける』とジェスチャーで伝えた。ショップで見せた慌てっぷりはどこへ行ったのやら。彼は元気である。

 

 

 「もっと気を付けるべきところがあるだろ!?」

 

突っ込む軍人に、ドライバーは、「もしかして搭乗員数分の重量による変化のことか?』と思い訊ねる。しかし、ドライバーからしたら、今FALたちの体重なんて聞いたら120%殺されかねない。そもそも人形は脂肪が付かないので太らない。だが、重量と聞いて、もしや体重の話をされてるのかと感付いたFALからの鋭い視線が地味に痛い。

 

 「い、いや違う。そうじゃないって!?」

 

 検討違いな方へ行ってしまった。軍人は、ドライバーに二度目の突っ込みを入れるものの…

 

 ―大丈夫だ。ルートはしっかり確保出来ている。さあ、行くとしよう―

 

 

 押しきられた軍人は諦めて助手席へ座った。

 

  

 そして、基地を出ようと近道のために基地の飛行場の方へ出た。格納庫やら倉庫やらの角を左折する時、四輪ドリフトさせていた。

 

「おい!?」

 ―済まん。タイヤを新しく変えた分、温度がまだ低くてな― 

 

 

 そんなのやる前に言って欲しかった…そう軍人は思った。けど、やはり運転は手慣れている。ステアリングを回しても指揮官とは役職柄、もっと自陣の司令部で引きこもってるイメージが強い。本当に単なる指揮官なのか?もしかして指揮官っていうのは偽装名分じゃないのか?などと考え出す軍人。

 

 

 

 その最中、ドライバーは再度テールスライドで右に曲がっていった時、コーナー時のGと衝撃で押し付けられ、軍人の思考は中断させられた。

 

 

 

 基地を出ようとしたその矢先、仲間の部隊とはぐれてしまったいうステンMk-iiに出会った。

 ドライバーはそこで思い付き、これから任務なので協力してほしい、と交渉を始めた。ステンは「お役に立てるなら!」と喜んで引き受けてくれた。

 

(輸送班の人かな…?一先ず乗っちゃおっと!)

 

いざドライバーの車に乗り込もうと視線を車に向けた途端、なんだか不穏なもの感じつつ、恐る恐る後部座席へ座り、ドアを閉めた。ロールケージの張り巡らされた異様な車内に戸惑うステン。

 

 「座席、詰めた方がいいですか?」

 ―あ、そこでいいぞ。重量配分の問題でな。―

 「そ、そうなんですか…。ええと…シートベルトは…」

 

 ―あ、FAL~教えてあげて~―

 

 「了解よ。じゃあ先ずは、これをこうして?」

 「えっと、こうですか?」

 「そうよ」

 

 FALは六点式ハーネスの着け方を丁寧に教えていた。ステンが着け終わったと合図を送り確認すると、ドライバーは車を発進させた。

 

ステンはその加速の早さに驚き、気付いた。

 

(この人、只の輸送班じゃない……!?)

 

 

 

 

 目的となる地区まで向かう途中。

 街の道路の横では、ある鉄血人形がに新入りの鉄血人形兵にドローンの使い方を得意気に教えている所に遭遇する。

 

 

 「このドローンは、攻撃だけでなく対象のスピードを計測することもできますわ。使い方は簡単。先ずドローンを道路に向ける。そして通りすぎるまで待機 わ ぶ っ ! ! ? 」

 

 

 

 それは一瞬の出来事だった。言い終わる前にドライバーの車が走り抜けていった途端、ドローンはショートする音と共に爆ぜ、風圧により吹き飛ぶ。それは堂々と操っていた人形も巻き込み、後ろへ倒れ込んだ。人形の口元を保護するマスクも外れてしまっている。

 

 

 

 

 よろめきつつ立ち上がった人形は、新入りの鉄血兵のところへ歩きつつこう言った。

 

 

 

 「だ、だけどまぁ、初めは…中古のモデルで練習するといいですわ…」

 

 

 

 

 その走り抜けていった後の車内では、それを垣間見たFALがドライバーに問いかけている最中であった 。

 

 「ねぇ指揮官、今のって鉄血のスケアクロウよね…?」

 

 ―さぁな。古い交通整理用ロボットか何かだろ?―

 

 「いや今の絶対スケアクロウでしたよ!?」

 

 これにはステンも突っ込む。

 

 ―となると、恐らくダミーだな。いつも見るアイツなら、こんな間抜けなザマは晒さない筈だ―

 

 

 通りすぎてしまったため、もう確認は出来ない。

 

 しかし…残念ながら、先程の人形ことスケアクロウは、ダミーではなく本体(メインフレーム)であった。

 

 

 ドライバーは気にせず差し掛かる丁字路やらコーナーに対し、勢いを殺さず慣性ドリフトで次々クリアしていく。しかも速度が乗ったままで。途中で基地の司令部からカリーナが『指揮官様、良いペースですよ!区間タイムを更新中です。オーバー!』と嬉々として連絡を入れてきた。ドライバーは表情はわからないが、何だか嬉しそうであった。彼女はスポッターか何かのつもりだろうか。というか、近道と言ってたし、やり取りでの言葉は色々アレでも、走りなれてるのは本当だな、と感心できなくもない。

 

 さらに、通り抜けた後に、路肩で並んで待機していた鉄血機械兵たちが、その風圧でドミノ倒しになっていたり、咄嗟に避けようとして姿勢を崩し、ひっくり返って動けなくなってしまってたりと、機械の癖にまるで喜劇を見ているかの様な面白い動きを見せている。

 

 そんな中で軍人は、現在地からして、ふと思い出したのだった。

 

 

 (ここ戦場だったわ)

 

 

 

 

 

 ………

 

 

 一方、目的となる地区にある工場地帯、そこにM4A1の姿があった。ビデオログの撮影中に鉄フラし、やり過ごして移動したり、排除したり、色々と大忙しであったためか、弾薬の消耗もあるが、少し服も破れてたり汚れてしまっている。

 

 

 

 

 『ハーッハッハッハーッ!』

 

 突然、M4の背後から大声で笑う何かが現れた。

 

 

 

 「ベタな悪役の笑い方ね…」

 

 

 『うっせえ!余計な世話だ!ゲフン!』

 

 振り向き様にM4がそこに突っ込みを入れると、それに反応する声の主。

 

 咳払いをして、颯爽と姿を現した。着地の時に少しよろけたのは見なかったことにしよう。

 

 「処刑人(オレ)、参上っ」

 

 そう、鉄血のハイエンドモデル、みんな大好きエクスキューショナー(処刑人)。決めポーズを取るが、空気がシラけてしまう。

 

 「……」

 M4も無反応。 

 

 

 「おまっ…何で無反応なんだよ!!そこは盛り上がるところだろうがぁ!!」

 

 

 「ヒールなのかヒーローなのか、どっちかにして。そもそも、ポーズが違うわ…!」

 

 銃を向けつつ処刑人に指摘するM4。そもそも、お互いそんな余裕を見せている状況なのだろうか。

  

 

 『処刑人、大変です!』

 

 処刑人に向けて、部下の人形たちから通信が来た。

 

 「ああ!?何だよ…今やっと出番が来た所なんだぞ…?」 

 

 『そんなことより!グリフィンのマークの車が!ってうわちょっとこっち当たって……』

 

 突然ノイズが走り、無線が途絶えてしまった。

 

 特に爆撃されたとか、大軍が襲ってきたとか、そういう大したことではなく、ドライバーの車を発見してカーチェイスの末、追跡用車両がクラッシュして宙を舞ったり、撃ったら避けられた上に運悪く居合わせた味方に弾が当たったりなどして発見して追い掛けた者の大半は自滅していた。

 

 その現場では、正面衝突した車の上に、引っくり返った車が乗っかり、それを避けきれずまた突っ込んできたりと、カオスであった。

 

 

 

舌打ちしながら通信を切る処刑人。

 

 

 すると、突然工場の出入り口から大きな音が物凄い勢いで近付いてきた。それはドライバーが運転する車だった。車はM4の目の前に止まった。

 

 ―乗れ!―

 

 「でも!」

 

 ―そいつは放っておけ!さあ早く!―

 

 ドライバーは、自身の方を見たM4に向かってそう伝えた。M4は何かに気付いたのか、咄嗟にボンネットに飛び乗って処刑人に発砲。FALとステンに加え、軍人も援護し弾幕を張る。あくまで牽制だ。当たればいいな程度である。軍人は必死で当てようとしてるが、狙いは外れていた。

 

 処刑人が一瞬怯んだ隙に、ドライバーに車を出すように伝え、ドライバーは車を360ターンを行い工場の出口へ向けて走らせた。

 

 「コラー!逃げるなぁぁぁ!!!」

 

 処刑人は吠えつつ、拳銃を数発撃つが、ドライバーの反応が早かったため、ドライバーやM4おろか、車にすら命中することはなかった。

 

 すると…

 

 「………ん?」

 

 突然顔に何かが降りかかった。 その頭上を見た途端、大きな音が聞こえてきた。

 

 「え?なんだ?まさか崩落か…?嘘だろ、え、ちょっとまっ……うわああ!?」

 

 逃げ遅れた処刑人は、崩れた屋根の下敷きになってしまう。どうやら経年劣化によるものだった。処刑人の真上にピンポイントで崩れたのは偶然起こった『お約束』である。

 

 

 

 

……

 

 ドライバーは一度安全な場所まで待避させることを考え、速度を上げた時、M4は振り落とされないようにピラーやボンネットのダクトに手を引っかけしがみついていた。となると、M4の体は窓にべたっと引っ付けており…特にガラスに覆い被さるようになっているため、後は…お察しください。

 

ドライバーと軍人は紳士の表情でそれを拝むのだった。というより、ドライバーからしたら視界が狭まり運転しにくい。そして背後からの視線が地味に痛い。

 

 またM4は、遠心力で顔面もガラスにぐにっと押し付けられていた。下手すると彼女の髪の毛が隙間に入るかもしれないのでぶっちゃけ危ない。

 

 

 

 (M4ってあんな顔もできるのね…?)

 (す、すごい絵面です…!)

 

 今ここで映り込むM4A1の有り様は、まるでロケで女を捨てた女性タレントの様であった。

 

 

 ドライバーたちは、極力今のM4と目を会わさないようにしていた。

 

 それは、現在のM4の表情は、あまりに腹筋への破甲性能が高かったからである。しかし、M4は、あれ?どうしたの?まだ止まらないの?ねえ?と車内に向けて目で訴えていた。

 

 

 こう言うときは下手に止まるのは危険ではあるものの、このままハードなアクションをさせたまま帰ると色々とマズそうなので、工場地帯を出てから少し進んで、建物の影に停めてから乗せてあげることに。

 

 M4はボンネットから降り、FALとステンが一度降りて周囲を警戒している

 

 「詰めれば良いじゃないか」

 ―まあまあ、カタいこと言うなって!―

 ジェスチャーで返すドライバー。

 

 そして全員が乗り込んだのを確認すると、ドライバーは再び車を走らせた。

 

 

 「たっ助かりました…ありがとうございます…」  

 

 ―ああ、無事で何よりだ―

 

 「ああ…そうだな…」

 

 軍人と後部座席に座っていたFALとステンも苦笑いしつつ頷いている。M4は六点式ハーネスを戸惑うことなく着けていたのを見ると、FAL同様、こういうことには手慣れているのだと気付く軍人。しかも、指揮官と呼んでいた事からドライバーとは知り合いの様だ。

 

 

 「それにしてもM4さん…さっきの…」

 「スゴい顔してたわよ…?」

 「そ、それは…加速Gが凄くて…必死で…はうう…お恥ずかしい…」

 

 

 赤面し顔を手で隠す。

 

 

 ―しかしM4。ハリウッド女優も真っ青なスーパーアクションだったぞ。あれは誰にも真似できん!―

 

 「やめてやれよドライバー…」

 

 「そ、そうですか…?えへへ…!」

 

 照れ笑いM4。そこ照れるところか?と皆が言おうとした矢先。ドライバー途端に何かに気付いた。

 

 ―後ろに付かれてる―

 

 どうやら追っ手がやって来ていた様だ。ドライバーは、基地まで真っ直ぐの全開アタックは叶わなそうだ、と残念がっている。

 

 背後には鉄血マークの追跡用車両が複数。

 

 「逃がさん!」

 「覚悟ー!」

 「大人しくお縄についてもらうぞ!」

 

  

 

 ドライバーは、まあいいか!バトルの相手が欲しかった所だと言いたげに車を加速させていく。途中、町中を右へ左へ迂回して鉄血の車を撒こうとした。

 

 しかし…その更に後方から

 

 「ただで返すと思ったか?」

 

 先程瓦礫に生き埋めになった筈の処刑人だった。

 

 あの後、何とか部下を呼びつけて、助け出してもらい、直後にM4を乗せた車の追跡と確保を命じていたのだ。

 

 「よーし、お前ら!!見事捕まえたやつには、もれなくゴールドカラーのパーツをプレゼントだ!」

 

 

 

 

 

 

 (((((いらねぇ……))))))

 

 部下の鉄血人形たちは、処刑人からのご褒美に困惑の様子。何故なら、貰ったやつ曰く、ただ綺麗に塗っただけのパーツであったため。因みにこの前は代理人の着ているのと同じメイド服。そんなのどこから持ってきたんだと聞きたい。

 

 

 

 

 

 「指揮官、この車に武器とかは付いてませんか?まきびしとか!オ○トジャッキとか!ミサイルとか!」

 

 M4が聞いてきた。というかオー○ジャッキとかそんな古いネタをよく知っているよな、とドライバーは思っていた。というか、オート○ャッキは武器ではない。

 

 ―悪いなM4、生憎『Aボタン』は壊れてしまってるんでね―

 

そうジェスチャーでM4に伝えたドライバー。というより、そもそもドライバーの車には『Aボタン』自体搭載されていないし、そもそもこの車はボ○ドカーですらない。多分メカニックたちに頼めばそれっぽいのを作ってくれるかも知れないが。

 

この地区はさほど道幅が広いわけでもないのに、追跡車が押し寄せてくる。これではまるで突いた蜂の巣だ。

 

 前方から銃座に付いた鉄血人形が撃ってくるが、ドライバーは車体を反らし咄嗟に避けていく。直後に、荷重をしっかり掛け、まるで、ジムカーナでパイロンとパイロンの間をぐるぐる回るかの様な鋭いコーナーワークで狭い道やら交差点を素早く走り抜けていく。

 

 「おいドライバー、さっきみたいなドリフトはしないのか!?」

 

 軍人はてっきりドリフトを行うものかと思って身構えていたのだった。

 

 ―シチュエーション次第だが、こういうところは下手に滑らさない方が、安定して速く走れる事だってある―

 

 「決め手は荷重移動ですね!指揮官!」

 

 また突然M4が話し掛けた。ドライバーはその発言に、そうだ!とジェスチャーを送った。

 

 背後の鉄血兵たちも狭い道まで追ってくるが、ぶつかりそうになって減速が多くなったりして出遅れてしまう。撃とうにも揺れてバランスを崩して転倒しかけたり、明後日の方向に弾が飛び、外してしまう。終いには待ち伏せして撃った弾が仲間の車両に当たり、避けようとして横転したり、正面衝突してしまったりと散々遊ばれていた。

 

 後はドライバーに指示をもらった人形部隊が駆けつけるのを待つのみ。

 

 

 川沿いの道に出ると、処刑人の乗る追跡車両が追って来た。鉄血のマークが入っているのはさる事ながら、カラーが全部真っ黒である以外は変わらない。ひょっとしたら微妙に性能が違うかもしれないが、『ここに展開してる親玉なんだから、せめて赤いライトにボンネットにツノでもついてりゃ、まだ絵になるのにな』、とドライバーはジェスチャーで伝えてたが、その意味を理解出来ていた者は、頷いていたM4A1くらいであった。

 

 

 

 

 (見付けたぞ!!M4A1も同乗してるな…?それにありゃ『グリフィンのドライバー』だな!散々可愛がってくれた様だが…ここでまとめて一網打尽にしてやる。このまま逃がしでもしたら俺のプライドが許さねぇ…)

 

 不適な笑みを浮かべつつ、車を走らせる。二台とも速度が乗っている。車内から拳銃でドライバーの車を数発撃つもまた外れてしまう、再び撃とうとするもカーブに差し掛かったり、追ってきた部下の人形やら、その人形が運転している車や障害物を避けるなどして撃つに撃てなかった。

 追うのに夢中になっている処刑人。『何処だろうと、ぶつけてでも止めてやる』と思いつつ前方を睨む。

 

 すると、突然目の前を走るドライバーの車が急減速。処刑人の車を左に避ける様にターンを決めていった。すると、処刑人の車は横から抜き去る形で離れていく。驚きながらドライバーたちの車を見て、再び前を見ると、目の前には道が無い。下は大きな川。止まろうにもブレーキが間に合わない。ここで処刑人は悟った。

 

 

 (あ、終わった)

 

 それと同時に、一句読む。

 

 

 

 オレたちは

 そう簡単には

 消えないぜ

 

 …字余り

 

 

 

 

 

 

 

 ドライバーの車の背後で水飛沫が上がった。

 後を追ってきた鉄血人形の車も、止まりきれずに次々とダイブしていく。後は襲ってくる気配がないため、ドライバーたちはそのまま地区を離脱する事にした。

 

 『SV-98から指揮官へ、指示通り、配置につきました。どうぞ』

 

 増援としてやって来た人形部隊たちの一体からであった。RF人形は目が良いので遠くから地区を眺めている。丁度ドライバーの車が走り去っていくのを確認していた。

 

 ―こちら指揮官、了解した。こちらは今がチャンスだ。後は頼む。建物の中には崩れやすい物があるか注意しろ。それと、鉄血の追跡車両とかデータベースがあっても、"対策もなしに無闇に触れたり、アクセスしない様に"な―

 

 『了解!』

 

 SV-98との通信はここで終了。ドライバーたちは基地へ向かって走り去っていく。

 

 その後、地区ではドライバーの指示でやってきた先程のグリフィンの人形たちが入れ替わるようにして展開している。鉄血人形が先程のカーチェイスで消耗していたためか、早めに制圧することが出来た。

 

 そして現在警戒する中で…

 

 「鉄血のやつらの車がスゴいことになってますね…」

 

 「一体どうすればこんな悲惨なことになるのやら…」

 

 「なんか芸術的…」

 

 

 ドライバーを追跡していた鉄血の車両がクラッシュした際に、引っくり返ったりして見事に積み重なっていていた。

 

 

 「誰でも良いから…たすけて~!」

 『ダズゲデー 、ダズゲデー 、オウフ…』

 

 

 途中、車から出られなくなったままの鉄血人形兵と巻き込まれた機械兵たちを発見する。そして、川には処刑人と連れていた人形兵たちと追跡車両数台が発見される。力尽きてしまったのか、水面にうつ伏せの状態で浮かんでいる。

 

 

 

 

 

 

 これらのシュールな光景を目にしたグリフィンの人形たちは、「どういう事なの…」と困惑を隠せなかったそうな。

 

 …だが、今回の報告書に書くネタには、ある意味困る事はなさそうである。

 

 

 

尚、ステンは基地で改めて入隊手続きをした際、ドライバーが正規の戦術指揮官であること知り驚いていたのは、言うまでもない。

 




そんなこんなでVol.3でした。

六点式レーシングハーネスとか、単にハーネスって聞くとピンと来ないかもしれませんが、一応シートベルト事です。市販車の純正は三点式です。一応、四点式や五点式とかいうものもあります。
作者もある車に乗った時にその類いのものを着けたことがありますが、結構がっつり身体が締まりますww

ステンがシートベルト着用で戸惑ったのは、恐らく単に見慣れてなかったためという設定。FALとM4はなぜ慣れてるのでしょうかねぇ…それはまた後々に。

(米軍の軍用車は7点式とか言うのがあるらしいですね)


散々な目に遭ってる鉄血の追跡用車両は、一応FJクルーザーみたいなクロカンをイメージしております。

ちょくちょく『ドライバーの車』と表現してる彼の車は、今時のWRCのWRカー或いはラリークロスのマシンの様なものです。具体的なモデルはありません(何




さてさて、カーアクションも戦闘も、とにかく動きのある描写って普通の描写よりも難しいなと痛感…

ただ、あまり長くやってもグダるんじゃないかな、と判断したので短めになりました…。

もしかしたら短スギィ!と感じるかもしれません…モウシワケナイ…

それでも楽しんでいただけたのなら、こちらとしては救われる思いです。


ていうか、M4A1はどうしてこうなった(^ω^)

地区の設定はこちらの捏造も入ってます…

※注意点※
日本の法律では、公道の運転時は3点式をしっかり着けないと捕まりますのでご注意ください。理由は公道の場合、エアコンやオーディオの操作や、バックする時に身体を捻ったりするのに支障があるため。併用すれば捕まらないようです。ですが、しっかり着けましょう。


長くなって申し訳ありません…

では、改めてまた次回!

今後、【戦場の走り方】内で見てみたいものは?(もしかしたら反映されるかもしれません)

  • 劇中に世界の名車を登場。
  • AR小隊vs404小隊のレース対決。
  • スオミを走らせよう。

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