ウロボロスの教え{製作打ち切り}   作: alice

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足りないもの

ハルス「父さん・・・」

 

 父の写真に花を添えるハルス。

 

 あの列車事故から、一週間。

 

 ハルスの心は、海の底に落ちていた…

 

ウィンリィ「ハルス。あなたにお客さんよ。」

 

 こんな時に我が家を訪ねる人がいるのか。

 

 バタン!

 

 急に扉が開かれた。

 

ウィンリィ「大将!家のドア壊れるからやめて下さい!」

 

大将「おっと、すまん。ハルス・エルリックだな?」

 

 母さんの近くにいた自分を見ていう。

 

ハルス「・・・軍人が何の用ですか。ていうか、だれですか?」

 

大将「そうか。鋼のから聞かされてなかったか。

   私はロイ・マスタング。

   地位は大将で焔の錬金術師だ。よろしく。」

 

ロイ「しかし、残念だ…

   アレをもう背負わせる気か、鋼の…」

 

 一通り事件のことを聞いたロイは、

 アルのとなりに飾られたエドの写真を眺めていた。

 

 一瞬、ほんの一瞬だったが、写真のエドが笑ったように見えた。

 「託してくれ、」ということを訴えたように見えた。

 

ロイ「---分かった。託すよ。お前の息子に…」

 

ハルス「渡すものって何ですか?」

 

 ロイに連れられ、一本の木の前に来たハルス。

 何度も問うハルスに一言も返答しないロイ。

 

 

 パン!

 

 手を合わせ、地面に手をつくロイ。

 

ハルス「何やって…」

 

 大きな錬成陣が、足元に現れた。

 

ハルス「た、大将!それって・・・錬成陣なしの錬成って…

    どうやったんですか!」

 

 エドの人体錬成を何一つ知らないハルス。

 

 多少驚いたロイだったが、すぐに気が付いたらしい。

 

ロイ「これは・・・

   神の領域とやらを犯した罪だ。」

 

ハルス「神の・・・領域・・・」

 

ロイ「いつか分かるさ。

   さて、ハルス。お前の父は挑戦状を残した。

   やってみるかい?」

 

 足元の錬成陣。いつしか読んだ本に書いてあった図柄。

 よし、やれる。

 

ハルス「・・・やって見ます・・・」

 

 地面に手をつくハルス。

 

ハルス(自分と錬成陣の間に力を・・・・)

 

 やがて、大きな扉が地面から現れた。

 

ロイ(驚いた・・・まだ10歳の子供がこれを錬成するとは・・・

   鋼のの血か?いや違う。何をした…鋼の・・・)

 

 ギギギィ・・・

 重い音を立てて扉が開く。

 

ハルス「これって・・・」

 

 いち早く入っていたハルスが声を上げる。

 

 幾つかの箱が連なった上に、手紙が置いてあった。

 

 

『ハルス

 

 

  これを読んでるってことは俺はもういないな。

  もうちっと生きたかったなあ・・・

 

  さて、あの錬金術を解けたんだな。

  ここにあるものはハルスのもんだ。持ってきな。

  あんたは、絶対に出来ると思う。だから託した。

  

  ごめんな、ハルス。父さん先逝っちまって。

  待ってるぞ。 

 

                      エドワード』

 

 

ハルス「父さん・・・託すものってなんだよ・・・」

 

ロイ「おい、これじゃないのか。」

 

 血にまみれた銀時計。

 軍の戌の証。

 

 『お前が、今日から「鋼の錬金術師」だ。頑張れよ。』

 

 大学ノートにこう書かれて破り取られたそれは、

 エドが、ハルスに代わりを務めるように訴えていた。

 

ロイ「・・・。お前の父がそうしたのだ。

   私ら軍人に止める資格はない。

   ただ、私ができるのは、国家錬金術師試験の受験資格を与えることだけだ。

   やるかね?」

 

ハルス「ああ!背負ってやるよ!試験も受ける!」

 

ロイ「分かった。大総統に取り合おう。日にちが決まり次第、連絡する。」

 

 ああ、

 と返事したハルスは、家に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 ハルスが見えなくなったのを確認したロイは、ハルスがわからないところに

 隠してあった手紙を開いた。

 

 

 

『クソ大佐

 

 

  よう、中将くらいになったか?

  あーあ、大佐にこれ読まれてるってことは、大佐のほうが長生きしてんだな。

 

  最後に一発かましてから死にたかった・・・

  

  なあ、大佐。

  俺が逝ったら、ウィンリィとハルスのことよろしく頼む。

 

  あと、ハルスの国家錬金術師試験の受験資格証を一緒に入れといた。

  受けたいときもってきゃいい。でも、このことは誰にも言うな。

  

  本当に・・・ありがと、たいさ。

 

                                鋼の錬金術師』

 

 

ロイ「鋼の・・・おまえは最後までちっとも変わらなかったな。

   私こそ・・・ありがとう、鋼の・・・エドワード。」

 

 

 この手紙を軍服にしまい、あの部屋を元に戻す。

 

 

 それから泣き崩れ、降り始めたばかりの雨と涙が頬をぬらした。

 

 

 

 遠くの家でウィンリィはそれをみていた。

 道行くものは誰一人、彼を止めようとしなかった。

 




ロイエド書きたかった作者。

次はエドの話です。

さらば(^^)/
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