いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

10 / 55
瑞稀の力の秘密が今回一部、明かされます
後、銀狼について謎が増えます



駆け抜ける銀狼、目覚める最悪の龍

「最後の確認として私の相手を願おうか」

 

銀狼が穏やかに告げる

瑞稀は連戦による体力の消耗と急激に魔力を消費した影響で膝をつき、立ち上がる事もままならないでいた

 

「はぁ、はぁ」

 

息を切らし、滝の様な汗を流し、意識さえ朦朧としながらも立ち上がろうとする瑞稀

が、脚に力が入らずふらつき、再び膝をついてしまう

 

(…あれだけの魔力を放ちながら、今は欠片ほどの魔力も感じない?)

 

銀狼は今の瑞稀を観察し、魔力が感じられない事に気付き、怪訝に思う

 

「…天空剣!」

 

『今行くぞ!』

 

瑞稀が天空剣を呼ぶ!

呼び声に応えた天空剣が真っ直ぐ瑞稀の元へと飛翔する

 

「まぁいい、始めようか」

 

天空剣の助けで体力を多少回復させた瑞稀が立ち上がり、銀狼に突っ込んでいく!

 

「剣山・桜並木!!」

 

走りながら剣山を発動し、浮遊させ斬りかかる!

 

「いきなり桜並木か。いいでしょう。本気で来るがいい」

 

「天空扇・天扇!!」

 

奥義を初手から放ち、一気に仕留めにかかる瑞稀!

 

「天扇か…結界で受けるのは悪手か。まあ避けるだけですがね」

 

銀狼が凄まじい速度で動き、天扇を避ける

そして魔力を溜めて、魔法を放つ

 

「ブラスト!」

 

口から細目のレーザーの様な魔法が放たれた

絶大な威力を秘め、真っ直ぐ瑞稀に迫る!

 

『避けろ、受けてはならん!!防げる威力ではない!』

 

「っ!!」

 

天空剣の声に反応し、辛うじて回避に成功する

放たれた魔法は後続の人界軍を貫通し、吹き飛ばした!!

 

「……マジかよ…どれほどの威力だ…」

 

「避けたか…まぁいい。ではスピードにはスピードで対抗するとしますか。私もそちらが得意分野ですし」

 

また銀狼が凄まじい速度で駆け出す!

 

「瞬月狼」

 

魔力を纏い、瑞稀に突進する銀狼

辛うじて紙一重で避ける瑞稀

しかし、速度によって発生した衝撃波で吹き飛ばされる

 

「っ!!速すぎる!」

 

『魔法の威力、そしてあの速度故に、奴は最強と言われている!』

 

「休んでいる暇はありませんよ?」

 

瞬間、空中に百を超える魔法陣が展開される!

 

「さて、一つ一つは大した魔法ではありませんが、はたして避け切れますかね?」

 

「数が多すぎする!!」

 

瑞稀を全力で回避に専念し、時に天空剣を振るいながら、魔法の対処にあたった

その間にも魔法陣を追加で展開しながら、銀狼は瑞稀をより深く、観察していた

 

(…なるほど、封印を施されているのか。しかもかなり強力な封印だな、私でもこのレベルの封印は一人で行使するのは無理だな。先程は一時的に封印が綻びを起こしただけか…だが…どうやら封印はまだ完全に元通りと言うわけではなさそうだな。しかも…随分と厄介なモノまで宿しているな…目覚めると殺られるな…)

 

銀狼は瑞稀の状態を正確に見抜き、表情を曇らせた

瑞稀の中からとてつもない力を感じ取った様だ

 

「一気に仕留めるか…」

 

銀狼は魔力を一気に最大限高まらせ、その身に纏う

そして銀色の閃光を放ちながら、神速の突進が瑞稀に迫る!!

 

「銀月狼!!!」

 

それは銀狼・バロムが誇る最速の奥義だった

瑞稀は為す術もなく直撃し、吹き飛ばされる

 

「っ!?がはっ!!」

 

大量の血を吐き、全身の激痛で動く事すら出来なかった

そして一気に追い詰められた瑞稀の内から強烈な憎悪を滾らせながら、龍王戦で語り掛けてきたあの声が響いた

 

『殺せ!!あの憎き犬畜生を!!跡形も残さず消し飛ばせ!!』

 

その声は龍王の時の様な、厳かで、誇り高い声ではなく、怨嗟にまみれていた

 

『あの忌まわしき()を!!()()()をこんな惨めな姿に()()()()を!!殺せ!!さぁ、瑞稀!!謳え!!我が怨嗟を!!唱えろ!!奴に捧げる怨嗟の祝詞を!!!』

 

瞬間、瑞稀の内から強烈な憎悪、憤怒が溢れ出す!

それに呼応する様に瑞稀の内から魔力が際限なく溢れ出し、白い雷が迸る!!

…瑞稀の口から瑞稀の意思とは関係なく、呪文が紡がれる

 

「我に宿りし救われぬ白龍よ…

怒りのまま解き放て…

我が内に眠りし銀光の白龍よ…

再び天へと君臨せよ…

全界を創造せし神々よ…

我を封じた理の神々よ…

汝等に封じられし我が真の力を思い出せ!!

汝等、我が銀幽たる雷にて悉く滅せよ!!」

 

そして最後の一節が瑞稀とあの声が重なり紡がれる!

 

「『愚かなものなり!!理の神よ!!』」

 

 

「『完全覇龍化(ブレイカブルジャガーノートドライブ)!!!!」』」

 

瑞稀の身体が輪郭を失い、 徐々に人の姿から巨大な龍に替わっていく!!

それは巨大な白銀に耀く四足の龍だった!

2対の翼を持ち、その背には光を放つ巨大輪を浮遊させて、白い雷を滾らせながら天を舞っていた

 

「…やはり、目覚めたか…マナスヴェイン…史上最強最悪のドラゴン。二覇龍、白龍神王…!」

 

「──!!!!!!」

 

とてつもない咆哮を上げ、白龍神王は天に君臨する!

その力は咆哮1つで周囲一体を消し飛ばすほどだった

 

「…まずい…白龍神王相手では勝ち目なぞ無い…」

 

白龍神王がその身に迸る雷を銀狼に向けて放つ

銀狼は強力な結界を張るが一瞬で砕かれ、雷が直撃し吹き飛ばされる

最強の魔王と伝説に語られる銀狼すら、禍々しい力を放つ白龍神王を前に、為す術なく蹂躙されていく!!

 

「くそ!やはり強すぎる!しかもあの様子じゃ宿主の意識がない、暴走してるな…」

 

白龍神王は銀狼だけでなく手当たり次第にその身から雷を、口から強力な火炎弾を放ち、破壊の限りを尽くしていた!

その目は怨嗟にまみれ、咆哮は憤怒を撒き散らしていた!

 

「最終手段だな、我が最強の魔法にて迎え撃つ!!」

 

銀狼はその身に宿す、全ての魔力を口に溜め始める!!

その魔力はとてつもなく、大気中の魔素が呼応し、空間そのものが震えていた!!

 

白龍神王もまた、銀狼の魔力に反応して迎え撃つがために魔力を口に溜めていく!

同時に背中の輪が高速で回転し、周囲の魔素を吸収し始める!!

 

「ブラスタルニクス!!!」

 

銀狼が周囲を吹き飛ばしながら、天を舞う白龍神王目掛け、魔法を放つ!!

白龍神王もまた、口から絶大な力を込めた白い雷を伴ったレーザーの様な魔法を放つ!!

 

中空で2つの魔法がぶつかる!!

が、一瞬の均衡すらなく銀狼の魔法が掻き消され、白龍神王の魔法が銀狼に向かっていく!!

 

銀狼に魔法が当たろうとする刹那、魔法が唐突に消え、白龍神王の内側から深紅に燃える巨大な炎の刃が白龍神王の身体を斬り裂いた!!

 

「──!!!!」

 

悲痛な叫びを上げ、白龍神王はその身を魔力に霧散させ消える

白龍神王が居た場所には、傷だらけの瑞稀が意識を失い横たわっていた…

 

「……何が…起きた?」

 

銀狼もまた、それだけを言い残し力を使い果たして意識を失い地に倒れた

 

…工程はどうであれ、魔王達は倒れ、人と魔王の戦は人の勝利に終わった…

 

 

 

 




白龍神王・マナスヴェイン
あれは何故瑞稀の中にいるのか?
銀狼がどの様な形で関わっているのか?
近々明かされると思います

完全覇龍化に関しては元ネタはD×Dの擬似龍神化ですね
感覚的には二天龍の覇龍を遥かに超える覇龍みたいな感じです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。