いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

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前回より話の中の時間が飛びます
今回は瑞稀の王としての頑張りのアピール回です

ちなみに短いですし瑞稀本人の登場も無いです



王の奮闘、歩み寄る確執、燻る疑心

 

魔王との戦いから五年程の月日が流れた

この五年で人界は大きく発展を遂げていた

 

理由は瑞稀が王として、ある政策を行ったからだ

その政策とは

 

《人界に住まう他種族との和解、及び魔族に対して、正式に魔法研究の協力を仰ぐ》

 

瑞稀はこの政策を宣言すると同時に魔族一人一人に協力を仰ぐため、自ら対話のために赴いた

 

そして魔族だけでなく、人界に住まう人間以外の種族の将来を、少しでも良き方向にするため、教育機関に他種族への理解を深める様、教育体制の変更を最優先で行う様、王命を下した

 

瑞稀の努力が形となり他種族への差別は少しずつ無くなりつつある

が、未だに大多数の人間達は差別を行っているのが現実である

人間達の人間至上主義による差別は非常に根深いものだった

 

それでも魔族の大半が瑞稀の度重なる対話により和解し

「この王になら協力を惜しまない」と瑞稀への協力を申し出てくれた

 

魔族は産まれながら人間とは比べ物にならない膨大な魔力を保有し、不死に等しい長寿でもある

故に魔法の知識も豊富であり、技術も人間とは比べ物にならない

 

魔族の協力の下、魔法研究は飛躍的に進み、瑞稀の方針により魔力が産まれながら乏しい者も、知識は持つべきと教育方針を変更した事で、魔法への理解も更に深まり、魔力が無くとも知識が豊富な研究職の者が増えた事で、魔法知識、技術共に発展を遂げ続けている

 

そのお陰でなんやかんや文句が出ながらも国民からの支持は増える一方であった

 

政府の者達は政治に関しては、無能だと思っていた瑞稀の王としての才覚に、表向き称賛を送り、内心では苛立ちを募らせていた

 

「くそっ!瑞稀め!忌まわしい他種族と共に歩むなどとぬかしおって!人間の王としての自覚があるのか!?」

 

「全くだ!特に王宮に魔法研究のために魔族を度々出入りさせるなんて!あの馬鹿な王は何を考えているんだ!?魔族なんて穢らわしい!奴等の穢れが高尚な人間である我々に移ったらどうするんだ!!」

 

大臣達は口々に文句を吐く

元粛清部隊の瑞稀を早く王座から引き摺り降ろしたくてしょうがない様だ

そこに諜報班の者が音も無く入室する

 

「…大臣、探って参りました。陛下の血筋を調べた結果、母方に魔族の血が入っております。陛下に魔力が無いのは封印されているからの様です」

 

それを聞き、大臣達が沸き立つ

 

「フフフフ!素晴らしい情報だ!この事を国民に公表すれば奴は失脚間違い無い!魔王との戦いも奴が仕掛けたものだと捏造してやれば完璧だ!」

 

人界はまだまだ荒れそうだ…

 

 





主人公の登場2話連続無いって…我ながら酷いと思う
さて、大臣達が良からぬ事を企んでいますね
次こそ瑞稀を出したい…

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