いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

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遅くなり、申し訳ございません!

さて!天界と魔界の戦争も今回で最後となります!




終結 終末戦争、神々を滅する力

エルラザクを討ち滅ぼし、大天使長を滅するために瑞稀は1人、大天離宮に向かっていた

魔王軍とバロム達4人は瑞稀を先に行かせるべく残りの天使兵長達の足止めを行っている

 

(瑞稀、気を付けるんじゃぞ。メルディエズは以前から名前を聞いていた。天界の虎の子、魂を砕く槍、ソウルブレイカーの担ぎ手と聞く。ソウルブレイカーはかつて理の神の1柱が造り、担いでいた神器。力は儂に匹敵する)

 

「分かった、いざとなったらアレを使うさ」

 

(…そうならん事を祈るよ、儂は。アレは負担がかかり過ぎる)

 

「…見えた!大天離宮だ!一気に突っ込むぞ!!」

 

純白の宮殿を肉眼で捉え、速度を上げる

そしてその勢いのまま宮殿の扉を跳び蹴りで吹き飛ばす!

 

「…来たか、狂嵐の魔公子…」

 

「貴様が大天使長メルディエズか?」

 

「如何にも。私が天界の長、大天使長メルディエズである。魔王風情が頭が高い。跪き、赦しを乞え。神々に従わぬ愚者よ」

 

6対の純白の翼を広げる大天使長

手には天界の虎の子、神槍ソウルブレイカーを携える

その偉容は凄まじく、エルラザクの比ではない

 

「神々に従う事でしか生きれぬ半端者が偉そうにほざくな。貴様こそ大天使長風情が図に乗るな。地べたに這いつくばり、無様に命乞いをしろ。クソ天使」

 

瑞稀もまた魔力を放出させる

魔力に呼応して周囲の魔素が紅蓮の炎になる

その偉容は大天使長に劣らない

 

「…紅蓮に燃ゆる煉獄の炎か…大した力だ。まあいい、魔王風情が我が天界に逆らったのだ。ここで死んでもらう、それによりお前の罪は浄化される」

 

「死ぬのは貴様だ、クソ天使。魔界の民に手を出したのだ。その身、その命、痕跡残さず我が紅蓮の炎で焼かれて朽ちろ」

 

ここに天界と魔界、大天使長と魔王、世界の絶対正義と絶対悪の最終決戦が始まる!!

 


 

「浄化せよ。セイクリットアロー」

 

メルディエズが無数の光の矢を放つ!

屋内での戦闘というのもあり、逃げ場など無く隙間無く瑞稀に降り注ぐ!

 

「小賢しい!!焼き尽くせ!爆炎陣!!」

 

広範囲に及ぶ瑞稀の魔法が光の矢をあまさず焼き尽くしていく!

その炎は留まる事を知らず、メルディエズに襲いかかる!

 

「…ふん…下らぬ…」

 

メルディエズはそれを結界で受け止める

互いに様子見にも関わらず、凄まじい力のぶつかり合いを繰り返す!

神聖魔法による聖なる裁きと、紅蓮の炎による地獄の業火が幾度となくぶつかり合う!!

 

「…まわりくどい…」

 

メルディエズが空中に巨大な魔法陣を描く!

 

「あれは…召喚術か!!」

 

「…来い…光天聖龍アルマ…」

 

魔法陣から現れる、白い身体に青いラインの走る聖なる龍!

 

「グオオオオォォォ!!!」

 

咆哮と共に放たれる魔力により瑞稀が纏っていた紅蓮の炎が剥がされる!

魔王である瑞稀と聖なる龍は相性最悪だった

 

「チッ!天空剣!!」

 

(ああ!!解き放つとするか!!)

 

瑞稀と天空剣が膨大な魔力を放出し始める!

その魔力は桜色と紅蓮の二色に染まる!!

 

「「神格覚醒(ディバインブレイク)!!!!」」

 

「ほう…天空剣の覚醒か…ならば」

 

神格覚醒(ディバインブレイク)

 

互いに神器の力を解き放つ!!

その余波で大天離宮が崩壊し、砂埃で二人の姿が見えなくなる

…砂埃が収まり互いの姿が視認出来る様になると、そこに君臨するのは莫大な神威を振り撒く神器を携える二人だった

瑞稀は淡い桜色だった刀身の彫刻が紅蓮に染まり、放出された魔力により足下が燃えている

メルディエズは4メートルはあるだろう長大な槍を持ち、光天聖龍を傍らに従えている

 

「「天空剣・紅染天散桜(べにぞめあまちりざくら)」」

 

「スピリットブレイカー」

 

互いに己の神器の解放状態の真名を告げる

互いに戦意を最大限まで高まる!!

 

「滅せよ!!クソ天使!!」

 

「滅するのは貴様だ!!魔王!!」

 

互いに相手を滅するために魔力を滾らせる!!

 

「天空扇!!」

 

桜色の斬撃がメルディエズ目掛け放たれる!

瑞稀自身の魔力を上乗せされたその威力は、かつての瑞稀とは比べ物にならない程に高まっていた!

 

「無駄だ!」

 

それを絶大な聖なるオーラを纏わせた槍の一振りで相殺する!

 

「ただの天空扇では効かぬか…ならば!」

 

天空剣が纏っていた桜色の魔力が瑞稀の魔力により紅蓮に染まり、刀身が炎に包まれる!

 

「天空扇・火花吹雪!!」

 

さながら舞い散る桜吹雪が燃えているかの様な斬撃が周囲を焼き尽くし ながらメルディエズに襲いかかる!!

 

「紅蓮の炎か…それも無駄だ!アルマ!!」

 

メルディエズを庇い光天聖龍が前に出る

天空扇が光天聖龍に直撃する!

だが、直撃と同時に魔力が霧散する!!

 

「!?」

 

あまねく万象悉くを焼き尽くす紅蓮の炎を込めた天空扇が霧散する

これには瑞稀も動揺を隠せない

 

「驚いたか?アルマは神の御使いとして力を授かった。その力とは、地獄の業火たる紅蓮の炎の無力化だ」

 

「馬鹿な!?」

 

(有り得ん!!紅蓮の炎は実質最強の炎だぞ!?それを無効化だと!?最上級戦神すら焼き尽くす炎だぞ!?聖龍としての範疇を逸脱しているぞ!?)

 

瑞稀が扱う紅蓮の炎は正式名称を、紅蓮に燃ゆる煉獄の炎と云われ、歴史上2番目に強力な炎とされている

創造神が振るった創生の炎、真紅に光輝く紅蓮の炎が創造神と共に消失した今、実質最強の炎が紅蓮の炎

それは神々すら焼き尽くしかねない地獄の業火と言われている

 

「アルマは数万年を費やしこの領域に至ったのだよ。先に言っておくがアルマにも天空扇は効かんぞ、アルマの龍鱗はかの守護龍、白龍王すら超える。さて…天空扇も効かず、紅蓮の炎も効かない以上魔法も意味がない。打つ手なしだな…諦めて裁かれよ」

 

「…………」

 

瑞稀が顔を手で覆い俯く

 

「理解したか?魔王風情が勝てる道理など、元より無いのだ。絶望し、己の罪を悔やみ裁かれよ」

 

「…くっくっく…」

 

瑞稀が俯きながら笑い始める

 

「ははははははは!!あっはははははははははははは!!!」

 

「…絶望のあまり気でも狂ったか…」

 

「あっはははははは!!これが笑わずにいられるか!!あまりに滑稽に過ぎて笑いが止まらぬ!!」

 

「…どういう意味だ?何が言いたい…」

 

「確かに天空扇も効かず、紅蓮の炎も効かない。大したものだ。だが…炎が効かないからといって魔法の全てを無効化されたわけじゃない。一言も炎魔法が俺の扱う属性で最も強力だと言った覚えはない」

 

「馬鹿な…紅蓮の炎を超える力を持っているとでも言うつもりか!?有り得ない!!出鱈目だ!!」

 

今まで取り乱す事無く無表情を保っていたメルディエズが初めて焦燥を露にする

 

「出来れば使いたくなかった…この力は…

神々を滅するための力なのだからな!!!

 

瑞稀から灰褐色の雷が放たれる!!

その力はとてつもなく、天界全土を駆け抜けた!!

駆け抜けた雷はあまねく万象悉くを貫き滅する!!

メルディエズに迫る雷を庇い、光天聖龍すら貫き、消し飛ばす!!

 

「アルマ!!!これは!?そんな馬鹿な!?鈍色雷だと!?」

 

鈍色雷とは、正式名称を鈍色に煌めく破壊の雷と呼ばれる現存する最強の雷だった

そもそも魔法の属性で雷は最も威力に優れた属性

その雷の中でも最強の威力を誇る鈍色雷の威力は想像を絶する!

 

「なんなんだ!?貴様は一体なんなんだ!?アルマすら跡形も無く消し飛ばす程の力を持つなど、魔王の範疇を逸脱している!!いや、生物としての常軌を逸脱しているぞ!?」

 

「俺が何なのか、だと?分かり切った事を問う。俺は魔王!!争乱と暴力を司る魔王、狂嵐の魔公子である!!!」

 

(瑞稀!鈍色雷はまだコントロールが不完全だ!!一撃で仕留めよ!!)

 

「元より二撃などいらぬ!!」

 

天におぞましい程に精密な魔法陣が描かれ始める!!

 

「有り得ない!!有り得ない!!!紅蓮の炎だけでも生物が扱える限界の力だぞ!?にも関わらず更に鈍色雷まで扱えるなど有り得ない!!!!」

 

メルディエズは動揺と恐怖のあまり動く事さえ出来ない

瑞稀の魔力が天界全土を駆け抜け、雷となり天界を蹂躙していく!!

 

「天を駆け抜けるものよ!満ちよ!束ね、降り注げ!我が意に従い我が怨敵を滅せよ!!」

 

瑞稀の詠唱をもって魔法が完成する!!

 

「撃滅刧雷!!!」

 

「こんな事があってたまるか!!!魔王に!!魔王風情にこの大天使長メルディエズが敗けるなど!!有り得ない!!!」

 

「跡形も無く消し飛べ!!!クソ天使!!!!」

 

瑞稀が放った魔法が天から無数の極太の雷を降らせる!!

その威力は凄まじく、メルディエズと周囲一帯は跡形も無く消し飛んでいた!!

 

天使と魔王の終末戦争はここに魔王の勝利により幕を閉じた

 

…ちなみにコントロールを誤り、瑞稀も一緒に吹き飛ばされた…

 




瑞稀の扱う力の説明をさせて頂きました
設定的には伝説級の力は、1つ極めれば魔導師として極致に至ったと言える程、強力な力
そんな設定です
それを2つ使える瑞稀は正に化け物と言えるでしょう
何故瑞稀がそんな力を持っているのかという理由は後々明かされます

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