いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

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いつものことですが時間飛びます
しかも今回は新キャラ多数登場です



集う王、束ねる嵐

神界との開戦から早1年が過ぎた

最初の襲撃こそ最下級ばかりだった戦神も、度重なる襲撃が瑞稀によって悉く撃破され続けた事で、今では本腰を入れはじめている

 

他の世界は戦神が劣勢と言っているが、実際は劣勢を強いられているのは魔界の方だった

度重なる襲撃により市民は地下シェルターに避難

その影響で経済はストップ

瑞稀率いる魔王軍も戦い通しで疲労困憊

しかも戦神は上級神も戦線に出ているとはいえ、最大戦力である絶対神はおろか、最上級戦神すら未だ戦線に出ていない

 

さらに襲撃が繰り返される現状では、天界の時の様に直接瑞稀達が攻め入る事も出来ない

故に──瑞稀はある策を巡らせた

 


 

「瑞稀様、各魔界の魔王達が魔王城に到着したそうです」

 

「分かった、俺も魔王城に向かう。防衛線は任せるぞ」

 

「任せて、襲撃があっても戦線は必ず死守するわ。瑞稀君も御武運を」

 

「私は反対です、バロムさん1人しか護衛を付けずに別魔界の魔王達と会合など」

 

「…私じゃ不満かよ…でも確かに護衛はもう少し連れて欲しいもんだがね」

 

「まあまあ、バロム、刻龍。旦那なら大丈夫だよ、なんたって最強の魔王だからな」

 

「そう言う事だ、心配などせずとも良い。むしろ相手の心配をしてやれ。下らぬ事を宣うなら消し炭にしてやる」

 

そう言って防衛拠点をセシル達に任せ、瑞稀はバロムに乗って魔王城に向かう

瑞稀が巡らせた策とは──別魔界の魔王との共同戦線の構築である

 


 

現在魔王城の会議室には10名の魔王が集っていた

皆、言葉を発する事もなく静かに覇気を漂わせている

まさに一触即発の雰囲気である

それも当然、本来別魔界の魔王達が顔を合わせる時など、互いに殺し合う戦争時のみ

今この瞬間、この場が戦場になってもおかしくない

魔王城警護のメルフェレスの魔王軍は恐怖とストレスで吐きそうである

 

そんな中、筋骨隆々の魔王が口を開く

 

「こうして我等魔王が集められた理由をそろそろ聞きたいのだが?」

 

不死者王・ブラムス

格闘戦を得意とし、その拳はあまねく敵を打ち砕くと言われている

かつて愛する妻を神に奪われ、それが切っ掛けで神々と小競合いを繰り返している

厳つい見た目とは裏腹に愛情深く、思慮深い

臣民にも慕われ、自身も魔界の民を大事に思っている

 

「そうですね。何より人様を呼びつけておきながらこの場に狂嵐がいないのは解せませんね」

 

絶刀瞬刹・火皿

日本刀による抜刀術、居合を得意とし、その速度は相手に死を悟らせず絶命させると言われている

彼女は元は魔王の奴隷として飼われていた人間だったが、魔道に堕ち人間をやめ、先代を殺し自ら魔王となった

別魔界からはひどく恐れられているが、実際は義理堅く、友愛に満ちている

一部では彼女の扱う剣術の流派は、失われた創造神が残した流派とも言われている

 

「そんな事より狂嵐てイイ男って聞いたけど、本当?私はそっちの方が気になるわぁ。イイ男なら食べちゃいたいわねぇ」

 

斬華双影・ルーシア

双剣を主とした遊撃戦を得意とし、隠密能力も高く暗殺術も使用する様は、さながら血化粧を纏った蠱惑の死神と言われている

サキュバスでは珍しく純粋な戦闘能力で魔王にのしあがった程の実力者

言動はサキュバスらしく痴女っぽいが、実は恋愛面に関しては真面目で一途そのものという、サキュバスとはなんぞや?みたいなお方

 

「…あのさハルちゃん、私がここにいるの場違いだと思うんだけど…帰ってもいいと思う?帰っていいよね?ね?」

 

魔導の姫君・真央

広範囲魔法を用いた殲滅を得意とし、本気を出せば都市群を滅ぼす事も可能とさえ言われている若き魔王

実力はあるがまだ若く気が弱い。積極的に戦いに加担するタイプではない

 

「真央、帰っちゃ駄目よ。ぶっちゃけ私だって来たくないのに来たんだから、帰ったら許さないわよ」

 

死眼の姫君・ハル

死眼と言われる最強クラスの魔眼を持ち、視線だけで対象の魔素を停止させ、死に至らしめる力を持つ若き魔王

真央とは逆に気が強く、冷静沈着

真央と同じく積極的に戦いに加担するタイプではない

 

彼女と真央は互いの魔界が近く、同い年というのもあり、幼い時から仲が良く同盟を組んでいる

 

「下らぬ。余は暇ではない、あまり待たせるようなら帰るぞ」

 

赤薔薇の魔王・ロザリンド

魔導銃、双剣、魔法を用いオールラウンドに力を発揮する絶大な戦闘力を誇る魔王

見た目こそ若いがかなりの年月を積み重ねた歴戦の魔王

性格は尊大かつワガママ、でも寂しがり屋、子供である

 

「…見た目通り中身も子供か…貴女も王ならば駄々をこねず、黙って待てばいいだろう…」

 

斬魔瞬閃・マリー

日本刀を用いた斬術を主とした接近戦を得意とし、どんな傷を負おうと倒れないと言われる程の高い生命力を誇る吸血鬼

元は人間の貴族の令嬢だったが吸血鬼に咬まれ、吸血鬼に変じた下級吸血鬼だが、高い戦闘技術を用いて魔王にまでのしあがった

元は人間の貴族の令嬢だけあり、礼儀正しく、所作は気品に溢れている

普段は物腰柔らかで慈悲深いが、ひと度戦場に出れば苛烈を極める

 

「まあまあ、ここは穏便に。狂嵐の魔公子殿は戦線にいるのですから、到着が遅れるのは道理でしょう」

 

音断のレヴ・マデュラ

日本刀を用いた魔法剣を得意とし、その斬撃は音を断ち斬ると言われている

彼女は出自、経歴、魔王になった経緯など、過去の殆どが謎に包まれており、突然現れ、実力の高さと美しい白銀の長髪と抜群のスタイルも相まって瞬く間にその名が広まった

 

「兄さんも一緒との事なのでもうすぐ到着すると思いますがね。あと瑞稀様の前ではあまりふざけない方がいいですよ、キレるとかなり怖いですから」

 

白き神喰狼・アルディルア

フェンリルとしての高い身体能力と、膨大な魔力から繰り出される強力な魔法を用いた殲滅戦を得意としている

バロムの義理の妹にして妻でもある

彼女が治める魔界は、メルフェレスが治める魔界と昔から友好条約を結んでいる

ちなみにバロムは戦争が始まる前は、毎日アルディルア魔界に帰っていた

夫婦仲は悪くない

しかし、魔界ではよく知られているが、バロムはかなりの女好きで、性欲旺盛、浮気は日常茶飯事である

それでも夫婦仲は悪くない、少なくとも表面上は悪くない

 

「ふははははは!!一体なんの用があってぇ、我等魔王を呼びつけたのかはぁ、知らぬがぁ、我輩を待たせるとは。狂嵐めぇ、死にたい~らしいなぁ!!まぁ寛大で偉大な我輩はその程度の些事を許すだけの度量も持ち合わせているがな

 

魔帝・ロイヤルキングダーク3世

祖父の頃から魔王として別魔界を統べる所謂七光り

途轍もなく偉そうにしているがぶっちゃけかなり弱い、間違いなく並みいる魔王の中では最下層と言っていい位には弱い

最初は偉そうに喋っていたにも関わらず、後半はガチビビりしながら小声でガタガタ震えている

プライドは高いが誇りはない故に、

魔王としての体裁などないに等しい

代わりに金はあるので財力にものをいわせた、最高品質の武器、防具を装備しているので魔王としての体裁はギリギリ保たれている

いや保たれてなかった、他の魔王は心の中で嘆いた

(狂嵐、なんでコイツも呼んだん?何するにしても邪魔にしかならんやん)

魔帝、ナメられまくりである

 

以上の9名+1名が瑞稀の召集に応えた魔王達である

 

「おい、瞬閃、誰が子供じゃ。喧嘩を売っておるなら、買ってやるぞ。むしろ今すぐ剣を抜け。余が実力の差というやつを教えてやろう!!」

 

「別に喧嘩を売っているわけではない。王ならば少しは落ち着きを持つべきだと、言ったのだ、殺り合うつもりはない。だが貴女がその気なら相手をしよう」

 

赤薔薇と瞬閃が臨戦態勢を取り始める

他の魔王は溜息を吐いて口々に外でやれだの、我関せずとだんまりを決め込んだりと収拾に回っているのは白狼と音断だけである

どれだけ人格者であろうと、流石に魔王だけあって皆我が強く、周りに合わせる事などあまりない

 

「魔帝、貴方普段から我々魔王相手でも偉そうにして役に立たないんだから、こんな時くらいあの2人の喧嘩を止めて役に立ちなさい」

 

絶刀が魔帝に皮肉をたっぷり込めて話を振る

魔帝、顔面蒼白である

しかしそこは腐っても魔王

気合いで震えながら止めに入る

 

や、止めるのだ、2人とも。こ、ここで殺り合えばきょ、狂嵐や銀狼達、この魔界の魔王達が黙っていないぞ。そんなに殺り合いたいならば後日ゆっくり2人だけでやりたまえ

 

震えてるし、目線は泳いでるし、しかも言ってる事は完全に他力本願である

魔帝にプライドなんて無かった

しかもそれは完全に火に油を注ぐ事になってしまった

 

「「黙れ!!三下!!!」」

 

ひぃぃぃぃぃ!!

 

赤薔薇、瞬閃、マジギレである

余計な事しかしない、それが魔帝クオリティ

 

「他の魔王が黙っとらんじゃと?望む所じゃ!!なんならこの場の魔王を皆殺しにして余が最強であると証明してやる!!」

 

赤薔薇のこの言葉でこの場の魔王全員が席を立ち、殺気立ち始めた瞬間──

 

「─面白い、では試そうか」

 

全員の体に絡み付き拘束する様に、漆黒の刃、影の太刀が全方位から出現し、いつでも殺せると言わんばかりに何千もの魔法陣が室内を埋め尽くす!!

 

「なんじゃ、これは!?」

 

「体が動かない…」

 

「私の膂力でも砕けぬだと!?」

 

「あらあら?そういうプレイ?」

 

「…この異常な数の魔法陣、噂通りですね…」

 

「ハルちゃ~ん!助けて~!!」

 

「無茶言わないで、真央!私だって動けないのよ!」

 

「何で私まで!?理不尽です!?」

 

「そんな馬鹿な、この刃は!?」

 

「ひぃぃぃぃぃ!!我輩は悪くないぞ~!!」

 

全員が動きを止められ、自らの力で振りほどけない事に驚きを隠せずいる中、会議室に1人の魔王が傍らに巨大な白銀の狼を引き連れ入室する

 

その者、狂嵐の魔公子・瑞稀

1年に及ぶ神々の襲撃を悉く退けている、間違いなく現在最強の魔王に最も近い男

紅蓮に燃ゆる煉獄の炎と鈍色に煌めく破壊の雷という、最強の破壊力を用いた魔法は、正に災厄そのものの具現の如し

黒塗りの二刀を携え、神々を斬り刻む姿は、さながら死神の如し

高らかに謳うは絶対的な神殺しによる魔界の勝利

狙うは絶対神・天乃の首、それ以外などただの有象無象

彼の者を屠り魔界に勝利をもたらすまで、この魔王は止まらない

 

傍らに控えるは、かつてメルフェレス率いる魔王の中で最強と謳われた生ける伝説

銀狼・バロム

蒼穹に輝く風を操り、戦場を駆け抜ける姿は白銀の流星の如し

彼が放つ魔法は戦場を切り裂く嵐の如し

バロムはかつて、神々との戦争で数々の武勲を立てるも、今代の絶対神・天乃に敗北、惨めに生き永らえ敗走するという、魔王として最大級の屈辱を受ける

故に今回こそは彼の者を屠り、かつての屈辱を払拭する

今までにない程の気迫を纏い、魔王の座を堕とされながら、その姿は正に伝説の魔王そのもの

 

「さて、赤薔薇殿、瞬閃殿、少しは落ち着いてくれたかな?他の魔王方も呼びつけておいて遅れた事、申し訳なく思う。なにより同じ魔王として敵対してもおかしくない俺の招集に応え、こうして集まってくれた事、心から礼を言う」

 

「…むう…もう良い、余が悪かった。この拘束を解け、これでは落ち着いて話も出来んではないか」

 

「そうだな…私も非礼を詫びよう、すまなかった」

 

赤薔薇、瞬閃両名の謝罪を受け、影の太刀と魔法陣が消失する

 

「さて、聞かせてもらおうか、我等魔王をこうして呼び集めた理由を」

 

「単刀直入に言うと共同戦線、同盟を組みたい。知っての通り今我が魔界は神界と戦争中なのだが、使い物になる魔王が少なすぎてな、守りはいいが攻めあぐねている。そこで貴公等と同盟を組み、戦力を増強させ、こちらから神界に討って出たいと考えている」

 

「なるほど!つまり我輩に力を貸してください!お願いします!と言う事だな!?」

 

魔帝、大興奮である

ちなみに他の魔王は魔帝と瑞稀に呆れている

 

「…いや、お前は呼んでないんだが。なんでいるの?バロム、お前が呼んだのか?」

 

「いえ呼んでません。こんな雑魚呼びませんよ。役に立たんでしょ」

 

魔帝、実は呼ばれてないのに来た

 

「この馬鹿はどうでもいいとしてだ。狂嵐、それは絶対神の首を我々に譲ると、神殺しの栄光を我々に譲るという事か?それとも奴を討ち取った我々を、貴様が討つという事か?」

 

「不死者王ブラムス、歯に衣を着せぬ物言いだな。まあいい、はっきり言って貴公等の首に興味はない。絶対神の首を譲るつもりもない。敢えて言うなら奴の首を取る機会を貴公等にも与えると、そう解釈してくれて構わない」

 

「与える、ですか。随分と余裕ですね?」

 

「絶刀瞬切の火皿、そりゃ余裕だよ。絶対神に負けるつもりも無ければ、貴公等に遅れを取るつもりも無い」

 

瑞稀の物言いに魔帝を除く魔王達が殺気立つ

魔王達は瑞稀が自分達を見下していると判断した

しかし、先程の事もあり、誰も動けない

先程のはあくまで牽制だったが、仮に瑞稀が殺すつもりだったなら、不意打ちというのもあり、確実にこの場の魔王全員を殺せた

魔帝を除く魔王達はそれを理解していた

 

「だがあくまで俺が望むのは同盟だ。故に従えとは言わない、協力して欲しい。ああは言ったが貴公等が絶対神の首を取ろうが構わない、俺が望むのは奴の死であり魔界の勝利だ。俺の勝利や栄光などいらない、魔界が勝ち、民と愛する者達が無事ならそれでいい。そのためにも今より強大な戦力がいる。だからどうか、協力して欲しい。望むのであればこの戦争の後、俺を貴公等の部下にしてくれてもいい!首を寄越せと言うのなら差し出そう!だからどうか!どうか絶対神を殺すために、貴公等の力を貸して頂きたい!!」

 

瑞稀が土下座をしながら魔王達に懇願する

バロムもまた瑞稀に倣い、頭を下げる

瑞稀もバロムも魔王としてのプライドは誰より高い

瑞稀は魔界の王としての自身を誇りに思っている

だがそんな誇りをかなぐり捨ててでも魔界に勝利をもたらしたい

 

全ては魔界のため

 

「…貴様の覚悟は理解した。だが貴様も私も魔王だ。言葉だけでは足りない、力を示してもらおう。何よりも魔王ならば協力してくれなどと、軟弱にも程がある。魔王ならば力で従わせろ。その覚悟に免じ、力を示したのなら狂嵐、いや瑞稀よ、この不死者王ブラムス、お前に従おう」

 

先程までの殺気や疑心を捨て、不死者王が瑞稀を見据える

その眼は本気の闘気に満ちていた

 

「不死者王、貴方だけ良いトコ取りはダメよ?私だってこんなイイ男が頼んでるんだもの、力を貸すわ。まあでも一応私も魔王だからねぇ?力は示してもらいましょう。貴方が私に勝ったら私は貴方に従うし、なんなら女として貴方の傍に居たいわねぇ♥️ちょうど嫁の貰い手もいなかったし…

 

斬華双影が舌舐りをしながら、乙女の顔をしながら、闘気を纏い始める

いくら魔族が不老に等しい寿命を持っていようと、いくら魔族が魔力の活性化で見た目をどれだけ若く保てようと、いい加減結婚したいのだ

 

「双影…悲しくなるので止めてください…嫁の貰い手がいないのは貴女だけではないんですよ…この場の女性は白狼を除けば…全員いないんですよ…」

 

絶刀瞬刹が悲しみに暮れながら自棄っぱちで魔力を纏う

小声で私だって…私だってなぁ…!結婚したいんだよ…!と呟きながら

 

「…ハルちゃん…結婚…したいよね…結婚…出来るかな…」

 

「…無理ね…真央も…私も…!この際、狂嵐にまとめて面倒見てもらいましょう…それしかない…これを逃せば…一生独身…!」

 

魔姫と死眼がよく分からない強迫観念に押され魔力を纏う

その眼はヤバイくらい血走っていた

 

「余も!余も交ぜろ!!良い!許す!!狂嵐よ、余を娶る事を許す!!」

 

赤薔薇もなんかよく分からんないテンションになって便乗する

ぶっちゃけ仲間外れは寂しいのだ

 

「…これ、私も…負けたら嫁ぐパターンか?」

 

「「「「「うん」」」」」

 

「……そうですか…まぁ…どうせ、吸血鬼の身だ。貰い手などいないから、良いのだが…」

 

瞬閃はなんか周りの勢いに負けて了承しちゃった

だが自分より弱い男に嫁ぐ気など無いと言わんばかりにやる気を出す

 

「私はもう同盟組んでるし、1抜けでお願いします。ぶっちゃけ瑞稀様とやり合いたくねえ、マジで命がいくつ有っても足りねえよ。て事で帰ります!」

 

白狼はさっさと自分は関係ないと主張しながら、瑞稀の実力を知っているので自分の魔界に帰還、避難する

バロムはさもありなんと言わんばかりである

 

「我輩はなぁ、勝ち目の無い戦いはしないからなぁ。絶対神と戦って勝てると思えんしなぁ。協力は出来な─」

 

「いやだからお前はお呼びじゃねえんだよ。てかまだ居たのか?帰っていいよ、何しに来たの?」

 

「うわぁぁぁぁぁん!!!ママ~~~~~!!!」

 

断ろうとしている魔帝に瑞稀が止めを刺した

魔王とは思えないこの上なく情けない泣き方をしながら走り去る魔帝

威厳、体裁、プライド、その他諸々なんて彼には無かった

 

そんな中、沈黙を貫く魔王がいた

 

「………」

 

音断である

彼女は瑞稀の携えた二刀の神器をじっと凝視していた

 

(えっ?さっきの魔法って影の太刀?なんで?どうして?有り得ない、だってあれはあの方の固有能力のはず。昔あのクソ髭が訳知り顔で語ってたし、間違いないはず。て事はあの方の系譜?いやそれも有り得ない、じゃあ本人?えっ?だってあの方は既にその身を砕いてしまったはずじゃ?でも本人じゃなきゃあれは何って話になるし、じゃああの魔法が影の太刀に似た何か?いやそれも有り得ない、あの強度、何より闇を操り隷属させて形作ってた。間違いなく影の太刀の特徴だわ。ていうかいつの間にか狂嵐とやり合う話になってる?!しかも負ければ結婚?!ヤバイヤバイヤバイ!だってこの魔界にはあの髭がいるし、会いたくないし、何よりバレる!私のせっかくの魔王ライフが!でももしもあれがあの方本人だったら勝ち目なんてあるわけないし…でもでも!同盟拒否ったら自分の魔界に無事帰れる保証もないし…よし!決めた!)

 

この思考過程、約1秒のスピード思考である

表に出していないが今彼女は確実にテンパっている

 

「私は戦いませんよ。相手の実力くらい見れば分かります。狂嵐、貴方は私が力を貸すに値する者でしょう。神界との!戦争中に!か!ぎ!り!力を貸しましょう。では私はこれで。詳しい話は後日使者を送りますのでその者に」

 

滅茶苦茶強調して同盟了承して滅茶苦茶急いで帰っていた

内心冷や汗ダラダラである

 

「音断はなんだったんだ…急に帰りやがった…」

 

これには瑞稀も呆気に取られていた

 

「それよりも始めようか、お前が勝てば同盟なぞ安い事は言わん。我等の魔界はこの魔界と合併してお前の部下になろう。さあ!下して見せろ!!」

 

魔王達がもう待ち切れないと言わんばかりに闘気を放つ

これには瑞稀も本気の魔力を纏い始め、やる気満々である

 

「ああ、始めよう。その言葉、忘れるな。必ず下して見せよう」

 

「「「「「「「望むところだ!!」」」」」」」

 

こうして前代未聞の魔王同士の戦いが始まった

 

ちなみに後日メルフェレス魔界に7つの魔界とアルディルア魔界の計8つが合併し、瑞稀率いる魔王軍は数を百倍の30万にまで総数を増やし、戦力を一気に増大させた

 

そして瑞稀は自らの魔王軍の中でも強大な力を持つ元魔王達とワルキューレと唯を師誓将と呼称を決め、将軍として新たな魔王軍から精鋭を集め再編成

1人頭1万、総数13万の魔王軍を再編成

この戦力をもって神界を制圧、絶対神討伐に乗り出す

 

 




魔王大集合!
魔王達の戦闘シーンは割愛させていただきました
申し訳ない
いつか番外編とかでやれればいいなと思っています
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