いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

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今回瑞稀はシリアスやったり、馬鹿やったり、ブチギレたり、忙しい…



闇照らす炎、光喰らう闇

魔界合併から2ヶ月余り、瑞稀率いる魔王軍は、度重なる戦神の侵攻を悉く退け、防衛線を押し上げ、その勢いは止まる事を知らず、まさに破竹の勢いである

都市防衛に戦力を割かざる得なかった瑞稀達は、今や神界への転移門を守る戦神の前哨基地の目前まで迫っていた

 

「瑞稀様、斥候の報告では現在、奴等は基地にかなりの戦力を集結させている様です。数は約50万、指揮官として最上級戦神多数、構成部隊員も上級戦神ばかりです」

 

「そうか、奴等是が非でも神界に我等を行かせぬつもりだな。バロム、師誓将に通達、明日の明朝、攻め込む。転移門を確保、そのままの勢いで神界に攻め入る。各部隊万全の態勢で挑め。明日が勝負所だ」

 

「かしこまりました。ではすぐに野営の準備を行います」

 

バロムが去った後、瑞稀は転移門を睨む

 

「…待ち侘びたぞ…やっとだ…やっと絶対神、貴様を殺す事が出来る…ああ…どれほど焦がれた事か…全身の魔素が疼く…昂り過ぎて魔力が抑えられない…」

 

瑞稀の呟きに呼応する様に、瑞稀から魔力が溢れ出す

言い知れぬ高揚感と、抑え切れない怒りを覚えると同時に、胸を締め付ける様な焦燥感が募っていく

 

瑞稀自身、自らの感情が理解出来ないでいる

何故これほどまでに怒りを感じている?

何故これほどまでに昂る?

何故これほどまでに焦りを感じている?

自身の心が分からない

狂おしいほどに絶対神を殺したい

王としての在り方だとか、矜持だとか、誇りだとか、何もかもどうでもいい

理性だとか、知性だとか、そんなもの全て捨て去りたいほどに、狂おしい殺意が沸いてくる

絶対神を前にしたら、この狂おしいほどに沸き上がる殺戮衝動を抑え切れないかもしれない

それほどの感情を抱きながら理由が分からない

何が自分にこれほどの激情を抱かせるのか

その瞳は瑞稀の溢れ出た魔力に呼応し、透き通る真紅に輝き、瞳孔が金色がかった輝きを放ち、肉食獣の様に細長く変化していた

 

決戦を前に、瑞稀は自分の心を理解出来ず、戸惑いを隠せずにいる

 


 

「天乃様、只今魔界の実働部隊から報告が上がってきました。狂嵐の魔公子共が転移門の防衛拠点まで辿り着いたそうです」

 

きらびやかな白銀の神殿、その頂きに艶やかな黒髪の美男が瞳を閉じて、玉座に座っていた

その男からは眩い光が発せられていた

傍らには真っ白な鞘に納められた日本刀、全体に魔法式が描かれた赤い槍

 

「ほう、思っていたより早いな。2ヶ月程前に配下に加えた師誓将とやらの影響か…」

 

絶対神・天乃

かつて最盛期のバロムすら退けた最強の神

開かれた瞳は右目は血の様な赤い色を宿し、左目は淡い金色の光を宿していた

 

この世界において赤い瞳は力の象徴とされ、赤い色が濃く透き通っているほど、神格が高いとされ、黄金色の瞳は創造神の系譜に連なる者の証とされ、神瞳と呼称される

特に右目に神瞳を持つ者は、理の神と呼ばれ、世界を司る魔素を支配する力を持つと言われている

 

絶対神の様に左目に神瞳を持つ者は、純血の神にまれに生まれ、あまねく全ての魔素を見通し、あらゆる罪を見抜き裁くとされる

 

「天乃様、如何致しましょう?あちらの数は20万にも満たず、こちらの半数以下と言えど、師誓将と呼称される者達は一騎当千の強者揃い。万が一突破される可能性はあります。何よりも魔王、狂嵐の魔公子は紅蓮の炎と鈍色雷を自在に操り、未知の能力を持つ神器を使用し、影の太刀と呼称される、神器の能力と思われる魔法を使用するとの事です。非常に危険だと愚考致します。更なる戦力の投入を行うべきかと」

 

「ふむ、未知の神器か。確か人界の役立たず共の報告ではアルジュナ、ネピリムと、狂嵐が呼称していたとか。それに影の太刀か、聞いた事もないな。三流の神器か、もしくは今まで封印宮すら発見されなかった危険な神器か。まあ良い。どちらにせよ、数を増やした所で此方の被害が増えるだけだ。我が親衛隊ロイヤルガードの出撃準備を進めよ。私が出る」

 


 

「瑞稀様、どう攻めますか?正面から行くのは危険かと。包囲するにしてもこちらの数では難しいですね」

 

バロムが険しい顔で瑞稀に問う

日が上りはじめ、いざ攻めようにも数の違いがありすぎる故に、瑞稀達は攻めあぐねていた

 

「ふむ、任せよ。俺に考えがある」

 

そう言う瑞稀の目の下には隈が出来ていた

一晩中作戦を考えていたので寝ていないのである

徹夜明けの瑞稀は自信満々に笑いながら、どこから出してきたのか、帽子を目深く被り、段ボールを持ちながら1人敵基地の正面に回り、馬鹿でかい声でこう言った

 

「ちわー!宅配便でーす!判子お願いしゃーす!」

 

宅配業者に変装して潜入、内側から一気に潰せば良い!!

俺ってば冴えてる!

これが瑞稀の作戦だった

ぶっちゃけナチュラルハイである

冷静な判断など出来ていない

 

「なんだ!?宅配便だと!?そんなわけあるか!なんで魔界から宅配が送られるんだよ!っ!!よく見たら貴様は狂嵐の魔公子!?敵襲だ!!全員迎撃開始!!」

 

即バレた

当たり前である

魔王軍がすぐに合流し、結界で戦神の攻撃を防ぐ中、皆瑞稀に呆れ果てていた

正確には師誓将は呆れ、魔王軍は徹夜明けの瑞稀を憐れんでいた

魔王軍は皆、寝てないからおかしくなっただの、一時撤退して瑞稀様に睡眠を取らせろだの、戦神の奴等はノリが悪いだの、好き放題である

 

「…瑞稀様…貴方はアホですか…」

 

「おいバロムお前、失礼な奴だな…でも今回は強く言えんな…すまん…マジすまん…詫びは奴等の首で頼むわ…」

 

謝りながらも瑞稀は片手で数百もの魔法を瞬時に行使し、戦神を蹴散らしていく!

今や魔法技術で瑞稀に敵う相手は、全ての世界を含めて、多く見積もっても5人いるかいないかである

その技術は凄まじく、攻撃魔法、補助魔法、召喚魔法、強化魔法、妨害魔法、回復魔法、結界などあらゆる魔法を扱い、属性魔法も雷、炎、水、氷を中心に、土気以外の全ての属性を扱えるという万能性を誇る上に、保有魔力総量は無尽蔵に等しいとさえ言われている

特に攻撃魔法と、幻影魔法と呼ばれる人や物質を複製する魔法においては、他の追随を許さない

その代わり結界との相性が悪く、強度が通常の半分程度しか出力が上がらない

根っからの脳筋なのだ

 

「…少しでも早く終わらせて…!休ませましょう…!」

 

「そうだね…みーちゃんはさ…働き過ぎなんだよ…休めよ、マジでさ…」

 

ワルキューレと唯は涙を堪えて呟きながら前線に躍り出て、戦神を蹴散らしていく

 

「この戦が終わったら瑞稀に休暇を与えるべきだな…」

 

「そうですね…彼が大人しく休んでくれるかが問題ですが…まあ無理矢理にでも休ませましょう…」

 

ブラムスと火皿は最前線で、最早自棄っぱちとばかりに高笑いをしながら、とうとう数千単位で魔法を同時に行使する瑞稀を見て、休ませなければヤバい、と危機感を募らせる

 

「ていうか瑞稀さんヤバくない!?どんだけの数の魔法をいっぺんに発動してんのよ!?」

 

「…瑞稀さんだからね…ハルちゃん、ツッコんだらキリがないよ…」

 

「あら、突っ込むだなんて真央ちゃんたら、戦場のど真ん中でヤラしいわね。そういうのはサキュバスである私の役目よ!取らないで!それとね、ダーさんは私達の共有なんだから!1人占めは許さないからね!それに、私達はどちらかと言うとダーさんに突っ込まれる側よ!」

 

「下ネタに持ってかないでもらえますか!?」

 

ハルや真央は瑞稀の魔法の同時制御数に驚きと呆れを浮かべ、ルーシアはいたっていつも通り

 

 

「…のう、マリー…ここって戦場であるな?余が言うのもなんだが…緊張感無さすぎんか?」

 

「ロザリンド、今更だな。我々師誓将に緊張感など無いさ。この2ヶ月いつもの事だろ」

 

「確かに!おぬしと余も含めて緊張感など無いな!」

 

マリーとロザリンドは周りの緊張感の無さに嘆くが、自分達にも無かったと開き直る

そもそも王からして緊張感など無い

 

「…アルディルアさん…」

 

「…なんですか…レヴさん…」

 

「…私は単なる同盟で、この戦争が終わったらさようならなのでいいんですが、貴女はアレらと同僚なんですもんね…心底同情しますよ…大変ですね…」

 

「分かってくれますか…!大変なんですよ!皆さん危機感が無さすぎて…!危機感が無いから緊張感も無いんですよ…!そもそも瑞稀様からしてアレですもん…嫌になりますよ…」

 

アルディルアは魔王の中では比較、常識的故に周りのノリについていく事に苦労していた

レヴ・マデュラも常識枠として同盟を組んで2ヶ月余り、酷く苦労していた

 

そして彼女は何故か変装していた

長く腰まであった金糸の様な髪は、肩まで短くなり黒髪に、顔も見られない様に仮面を着けていた

スラッとした長い脚も、豊かな胸も今では、少女の様に小さくなっていた

 

「…セシル様…これ…俺らいります?」

 

「…私を含めて…いらないわね…」

 

瑞稀と同じ魔王であるセシルすら置いてきぼりにされ、その魔王軍も瑞稀の力に畏怖しながらも、自棄を起こしている瑞稀に同情を禁じ得ないでいた

 

「ほれほれどうした戦神共!こちらの倍以上の数がいながら、この程度で手も足も出ないか!?自らを神だとほざくなら、凌いで見せよ!俺もようやく目が醒めてきたのでな!ここからが、本番ぞ!」

 

戦っている間に目が醒めた瑞稀はとうとう数万単位で魔法を行使し始める!

それでも尚、衰えぬ魔力は、確かに最強の魔王に相応しい

発動された魔法も数の凄まじさは言うに及ばず

何よりも恐ろしいのは1つ1つの魔法の質だ

数万の魔法、その全てが上級以上の魔法なのだ

その威力は凄まじく、2つ名通り、まるで荒れ狂う嵐の様

 

瑞稀と言う嵐の前に、さしもの戦神も為す術もなく蹂躙されていく中、遂に神界への転移門が見えてくる

 

「見えたぞ!転移門だ!このまま一気に雪崩れ込め!!瑞稀様の道を切り開け!」

 

バロムを先頭に師誓将と魔王軍が一気に転移門へ向かう

 

「っ!!バロム!止まれっ!!」

 

「っ!?」

 

瑞稀がバロム達を静止させると同時に、紅い火柱が転移門から燃え上がっていく!

 

「…大人しく焼かれていればよかったものを…」

 

「絶対神天乃!!」

 

転移門から瑞稀と同じ紅蓮の炎を纏いながら、絶対神・天乃が自らの親衛隊、ロイヤルガードを率いてとうとう戦線に現れた!

 

瑞稀と天乃の視線が交わり、お互いの存在を認識した瞬間、瑞稀は激しい頭痛に襲われ、天乃は眼を見開き驚愕した

 

「っ!?」

 

「貴様…まさか、あの時の…そうか、そうだったのか…なるほど奴が相手では、最上級戦神でも相手にならぬわけだ。なんせ奴はかの討伐神・琥牙奏女太刀乃神  の唯一の弟子だからな。まあ本人は記憶の封印を施され、覚えていない様だがな」

 

激しい頭痛に襲われたが故か、はたまた別の理由か、瑞稀には天乃の声が届かない

代わりに血が沸騰しそうな程の激情が吹き出し、全身から鈍色雷が放電し始める!

 

「天乃様、あの雷はまさか…」

 

「間違いない、鈍色雷だ。なかなかの出力だな、少しは楽しめそうだ」

 

絶対神も全身から紅蓮の炎を溢れさせる

その出力は瑞稀の雷に勝るとも劣らない

 

「天乃おぉ!!!」

 

瑞稀は全身を焼き尽くす様な熱に駆られ、膨大な魔力を撒き散らす!

 

「…来るか、忌まわしきあの女の残り火。今度こそ吹き消してやろう」

 

絶対神もまた、刀と槍を構える

 

「アルジュナ!ネピリム!やるぞ!!」

 

「「イエス!マスター!!この身は御身のために!我等の全てを御身にお捧げします!!」」

 

アルジュナとネピリムの言葉を聞き、瑞稀がありったけの魔力を叩き込む!

瑞稀の魔力に耐え切れず、アルジュナとネピリムの刀身が砕け、周囲一帯を覆い尽くす程の闇が溢れ出す!

 

「馬鹿な、この魔力は!?」

 

「おいバロム!この魔力まさか!?」

 

「…驚きましたね…」

 

バロム、斬鉄、刻龍が溢れ出した闇に覚えがあるのか、驚愕をあらわにする中、ロイヤルガードが馬鹿を見る様な視線を瑞稀に向けながら吐き捨てる

 

「狂嵐め、なんのつもりだ?自ら神器を破壊するとは。それにこの闇はなんだ?セイクリッドブレイクの影響か?」

 

セイクリッドブレイクとは、神器を破壊する事で、神器が内包する魔力を爆発させる事

その威力は凄まじく、弱いものですら最上級魔法に匹敵する

強力な反面リスクが大きく、破壊された神器は一部を除く修復不可能となり、永久に失われる

 

(いや、違う。これはセイクリッドブレイクじゃない。魔力こそ発したが爆発が起こっていない。何よりも神器から放たれた魔素が霧散せず集束し始めている。面白い、これは予想以上に楽しめそうだ)

 

ロイヤルガードが嘲笑をあげる中、絶対神だけは冷静に出方を伺っていた

絶対神は左目の神瞳によって闇を構成する魔素が急速に集束していっているのが視えていた

やがて闇は晴れ、闇を構成していた魔素は1本の日本刀になっていた

その刀は全体が闇夜の如き黒で統一され、鍔の無い直刀

膨大な魔力を撒き散らし、禍々しく闇を溢れ出させる

 

『これよりこの身は貴方のモノ。全ての闇は貴方の刃であり盾と成る。我が主よ、私の全てをお望みのままに御使い下さい』

 

響き渡るのは艶やかな女性の声

透き通る様に美しく、それでいて慈しみを感じさせる声

刀身から漏れ出る闇とは裏腹に、神々しさすら感じる

 

『今こそ偽りの身と名を捨て、我が真名を告げよう』

 

この場の誰もが注目する中、アルジュナとネピリムが1つとなった神器は、その名を高らかに告げる

 

『我が名は夜宵。始源の神器が一振り、夜宵時雨。あまねく全てを宵闇に沈め、あまねく厄より主を護る者』

 

瑞稀がずっと追い求めていた神器、夜宵時雨

神話だけでしか存在を確認出来ず、本来は存在しない創作物と言われていた神器

実際は母たる創造神が世界から去り、世界に希望を見出せず、自らを砕き、封印宮にて眠りに就いていたが、封印宮を満たしていた夜宵の魔素が、長い月日で再構築をはじめ、アルジュナとネピリムの2本に別たれ再生した

そして別たれた2本を瑞稀の魔力で再び砕き、再結合し、瑞稀の魔素と同調させる事で、夜宵時雨へと元に戻したのだ

 

「復活早々で悪いが…はじめよう、夜宵。行けるか?」

 

『イエス、マスター。魔素核同調率、魔力共鳴率、マスターからの魔力供給、私からマスターへの魔力還元、全て問題ありません。全ての敵を我が闇に沈めてご覧に入れましょう。マスターはなにも憂う事無く存分に威を御奮い下さい』

 

「では行こうか!!」

 

瑞稀と夜宵から膨大な魔力が放出される!

 

「『神格覚醒(ディバインブレイク)!!!』」

 

闇が瑞稀を護る様に覆い尽くす!

 

「『禍衣(まがごろも)・夜宵』」

 

夜宵は刃から姿を変えて、瑞稀を護る衣となる!

瑞稀が纏う夜宵はその名に相応しく、禍々しい闇を漂わし、周囲に無数の影の太刀を生成する

 

「では私も使いましょう。天空剣さん、はじめましょう」

 

『やっと儂の出番か!待ち侘びたぞ!ワルキューレよ、しかと儂を使いこなして見せよ!行くぞ!!』

 

「『神格覚醒(ディバインブレイク)!!』」

 

天空剣は瑞稀と契約破棄した後、ワルキューレと契約したのだ

ワルキューレと天空剣の相性は非常に良く、出力は瑞稀と契約していた時を凌駕する

 

「『天空剣・白無垢桜』」

 

純白の花弁の様な魔力を放ちながら佇むワルキューレは、宛ら花嫁の様に美しく、戦場の只中にも関わらず、皆がその姿に見惚れ、息を呑む

 

『夜宵、久方ぶりの戦じゃ、戦い方を忘れとらんか?大丈夫かの?』

 

天空剣が夜宵をからかう

夜宵はうざったそうに溜め息を吐く

 

『…髭、黙れ。喋るな。我が影の太刀で蜂の巣にしてやるぞ。それが嫌ならワルキューレ様の為に黙って力を奮え』

 

『…はい…『』

 

先ほどまでの優美な声はどこへやら、辛辣な毒舌を炸裂させる夜宵

天空剣はしょんぼり、意気消沈

天空剣は夜宵に嫌われているのだ

 

「無駄口は後にしよう。あちらさんもやる気のようだ」

 

「かの伝説の夜宵時雨、まさか実在しようとはな。しかも始まりの2振りと、こうして共に相見えるか、流石に荘厳だな。殺るぞ、ロンギヌス、羽々斬」

 

そう言うと絶対神も膨大な魔力を放出し始める

 

「『『二重神格覚醒(ダブルブレイク)』』」

 

「馬鹿な、神器の二重契約!?」

 

バロムが絶対神が口にした呪文を聞き、驚愕をあらわにする

 

通常、神器との契約は、担ぎ手1人で神器1つが限度

理由は神器との契約方法

神器との契約の際、互いの魂を半分ずつ交換すると言われる

だが正確には互いに半分ずつではなく、神器は自身の魂を半分、担ぎ手に関しては神器から与えられるのと同質量

当然神器と担ぎ手の魂が完全に同じ質量なわけがない

そして魂とは、正確には生物が存在する為、自身の魔素を生み出す魔素核と呼ばれるもの

この魔素核の質量が大きければ大きいほど、潜在魔素や保有魔力量が多くなる

そして神器は膨大な魔素が宿った武具

その性質上魔素核の質量が大きい者が多い

対して人の魔素核は一部を除いて、それほど質量を持たない

結果神器との二重契約は非常にまれである

強大な力を持つ神器なら尚更だ

 

「『『天乃羽々斬・魂殺槍(あめのはばぎり・たまごろしのやり)』』」

 

2mはあろう長刀とそれを超える長槍を携え、絶対神が紅き炎を纏う

2つの神器と絶対神から放たれる魔力は、瑞稀すら凌駕していた

 

「いくら始まりの2振りの担ぎ手が居ようと、私には勝てん。魔王風情が、身の程を弁えよ。貴様等の魔力や魔素なぞ、私から言わせれば有象無象と大差無い」

 

『儂等を前に有象無象とはな…大きく出たな、小僧』

 

『左目の神瞳で私達の魔素を視た様だが…所詮は童の1人遊戯。身の程を弁えるのはお前だ、井の中の蛙。魔力や魔素だけで優劣を付けるなど、素人め』

 

絶対神の言葉に天空剣と夜宵が反論する

魔力や魔素だけでは戦闘力は測れない

まして、それが伝説の始源の神器ならなおのこと

 

「神器の二重契約には驚かされたが、その程度の力では自慢する事でもあるまい。2対1といえど、悪く思うな。確実に…殺してやる…!」

 

瑞稀の殺気が一気に膨れ上がり、溢れ出す!

天界との戦争から待ち焦がれた絶対神殺し

焦がれ焦がれた激情に駆られ、今、瑞稀が絶対神目掛け、駆け出す!!

 




アルジュナとネピリム、実は夜宵時雨だった!
そしてまた色々出てきた…
面倒で申し訳ない…

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