いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

32 / 55
今回やっと瑞稀が過去を思い出します
それに伴い瑞稀の秘められた力が一部解き放たれます


神々の黄昏、至りし覇王

神界最大戦力ロイヤルガードと戦いながら、バロムは焦燥感を募らせていた

 

(まずい、いくら瑞稀様とワルキューレ様といえど、不利だ。夜宵様の復活は想定外だが、それでも絶対神の方が数段上だ。それに…今の瑞稀様は何かおかしい…確かに激情家ではあるが、あれほど感情を剥き出しにするタイプじゃない。絶対神の何があれほどの激情を抱かせるのかは分からんが、明らかに冷静じゃない。さっきから凄まじい数の魔法を行使しているが、あれは出鱈目に使っているだけだ。いつもの計算され尽くした使い方じゃない。絶対神の発言も気になる。瑞稀様が彼女の弟子?そんな馬鹿な、彼女は弟子を取る様なタイプじゃない。何よりも瑞稀様は()()()()()を使えないはず。仮に絶対神の言う通り瑞稀様が彼女の弟子なら、まずい事になる。彼女を封印したのは絶対神のはず。瑞稀様は彼女が殺された瞬間を見ていたという事。あの方の性格を考えたら白龍神王が出て来かねない。そうなったら…誰も瑞稀様を止められない…何よりも─奴が深層から解き放たれてしまったら…)

 

バロム、刻龍、斬鉄にはいざという時の奥の手がある、あるにはあるが使った所で3()()()()()()()()

それでは二覇龍は止められない

むしろ火に油を注ぎかねない

それに─暴走して瑞稀の自我が曖昧になった機に乗じて、奴が瑞稀と白龍神王の魂を喰らい尽くしたら─

二覇龍どころの騒ぎじゃない

例え彼女が生きていても、奴は止められない

間違いなく全ての次元が滅びる

 

「下らない。最強の魔王と言うには弱い。魔法も威力は大したものだが、使い方が出鱈目だな。隙が多く、見切るのは容易い。速度もあるが、攻撃力が足りない。何よりも─」

 

絶対神が神器を手放して、一気に加速し、瑞稀の腹に強烈な拳打を打ち込む!

瑞稀は冷静さを欠いている事もあり、反応が遅れ、防御すら出来ずに吹き飛ばされる

 

「ガハッ!!馬鹿な…なんだ、この攻撃力は…」

 

血反吐を吐き、立ち上がる事すらままならない瑞稀に、絶対神は神器を手元に戻し、歩み寄る

 

「私を相手にするには脆すぎる。夜宵時雨の防御力が無ければすぐにでも殺せる。貴様は速度、魔力総量、魔力コントロールは抜きん出ているが、物理攻撃力、防御力が足りない。

根っからの魔法型だな。対して私は物理型でな。貴様とは相性が悪い」

 

そう、瑞稀と絶対神では絶望的に相性が悪いのだ

魔法は瑞稀が冷静さを欠き、出鱈目に行使している事もあり、ロンギヌスの魔素停止能力で無力化され、物理攻撃や影の太刀は、瑞稀の攻撃力不足と、絶対神の高い防御力故に、有効打になり得ない

それに対して絶対神は、瑞稀の攻撃を無力化しつつ、瑞稀に匹敵する速度で接近し、高い物理攻撃力にものを言わせた攻撃で瑞稀を追い詰めている

 

「黙れ!!貴様だけは殺してやる!!」

 

「吠えるだけなら容易い。それに期待外れだ。まさか()()()()()が使えないとはな。あの女は貴様に何を教えていたのやら…ああ、そういえば貴様は覚えていないのだったな」

 

瑞稀が地に伏せながらも、未だ殺気を放ち続けるが、絶対神は最早瑞稀に興味を失いつつあった

 

「天空扇・乱れ桜吹雪!!」

 

そこにワルキューレが、剣山で出現した無数の天空剣を魔力で操り、一斉に天空扇を放つ!

 

「無駄な足掻きだな…」

 

しかし、絶対神は紅蓮の炎を纏わせた羽々斬の一閃で、全て相殺してしまう

攻撃力の違いがあり過ぎるのだ

 

「そんな…天空扇が効かないなんて…」

 

「戦乙女、貴様も私を相手にするには役不足だ。天空扇の威力は申し分ないが、それだけでは不足だ。我が槍、ロンギヌスで無力化し、羽々斬の攻撃力で捩じ伏せてしまえばどうという事はない。安心しろ、お前は殺しはしない。狂嵐を殺した後は私の妻となるのだ。一生飼い殺してやる、今の内に覚悟しておけ」

 

瑞稀もワルキューレも絶対神の持つ神器、ロンギヌスの魔素停止能力を前に、為す術もない

加えて絶対神のもう1つの神器、羽々斬もまた、非常に強力な攻撃力を持っていた

2つの神器は同時覚醒により、能力は飛躍的に上昇しており、その出力は天空剣や夜宵に匹敵するほどに高い

 

「さて…狂嵐の魔公子・瑞稀よ。まだ抵抗するか?」

 

「知れた事!この身は未だ砕けてはいない!!ならば俺はまだ戦える!!それにここからが本番だ!!」

 

夜宵と自身の魔力で身体を支え、立ち上がる瑞稀は、さらに魔力を高め続ける!

そして上空に巨大な魔法陣を描き始める!!

 

「馬鹿の1つ覚えか…下らない…広範囲の魔法なら、停止させれないとでも思っているのか?」

 

絶対神はロンギヌスで魔法陣を構成する魔素を停止させようと構える

しかし、違和感に気付いた

魔法陣が大気中の魔素を吸収し始めたのだ

 

「これは…まさか魔導?いや、だが大気中の魔素を吸収するなど…どうやって…何よりこの規模の魔導を1人で行使するだと?常軌を逸脱しているぞ…まさか!?」

 

魔法陣に膨大な魔素が充填され、今まさに解き放たれようと絶対神に狙いを定める!!

 

「もう遅い!!ロイヤルガード諸共に滅びろ、絶対神!!」

 

今、瑞稀最強の魔法が放たれる!!

 

最終超越技(ファイナルイクシード)天扇雷劫界(ライジングメテオ)!!!」

 

極太の鈍色雷が無数に放たれ、絶対神に降り注ぐ!!

その破壊力は凄まじく、敵のロイヤルガードどころか、敵の前哨基地が完全に消し飛び、巨大なクレーターになっていた!

魔王軍や師誓将達は、バロムが転移魔法で避難させたので無事だが、敵の戦神は確実に全滅である

 

「おいおい…旦那の最終超越技(ファイナルイクシード)、ヤバ過ぎだろ…こんなに破壊力あるとは思わなかったぞ…」

 

「確かに、これほどとは…バロムさんが転移させてくれなければ、確実に我々も全滅してましたよ…」

 

「私は事前に聞いていたからな、瑞稀様にも発動前に転移しろと言われていたよ。流石にこの破壊力は予想外だがな」

 

「ヤベーよ…もうみーちゃんを怒らせない様にしよう…マジでこれうたれたら死ぬ…」

 

「流石に瑞稀様も夫婦喧嘩でここまではしないですよ…」

 

バロム、斬鉄、刻龍、唯、ワルキューレは予想以上の破壊力に驚きを隠せず、他の者達は放心状態に陥っていた

 

「とにかく、瑞稀様の下へ向かいましょう。天扇雷劫界を使えば、あの人は魔力の過剰消耗で動けないはず」

 

いち早くワルキューレが我に返り瑞稀の下へ向かう

そう、この魔法はあまりにも強力過ぎる故に、瑞稀が1度に使える魔力の許容量を遥かに超えている

それを無理矢理使い発動しているのだ

そもそも、この魔法は瑞稀自身が考案、開発した魔法だが、開発段階で魔力消耗の問題が分かったものの、対絶対神戦のために威力と効果範囲を突き詰めるために、敢えて瑞稀は無視した

それだけならまだ辛うじて瑞稀の許容範囲内だが、その術式に最終超越技(ファイナルイクシード)の術式を追加して、さらに威力を上げている

代わりに消耗が増しているのだ

結果瑞稀の許容範囲を超え、魔力の過剰消耗で、オーバーヒートを起こし、動く事が出来なくなるのだ

 

「いた!旦那だ!!」

 

斬鉄がいち早く瑞稀を見付け走り寄るが、バロムが斬鉄を腕で制す

 

「おい!バロム、なんの真似だ!?」

 

「…待て、よく見ろ…あれは…絶対神か!?馬鹿な、あれだけの威力で仕止め切れないなんて!」

 

絶対神は流石に無傷ではなく、満身創痍ではあるが、未だ地に伏せず、全身から血を流しながらも立ち、魔力の高まりは衰えていない

これには精鋭たる師誓将も愕然としていた

 

「大した威力だ。流石に私も駄目かと思った。しかし、これで勝負はついた」

 

「……くそ…」

 

瑞稀の最強の魔法、天扇雷劫界でも殺せず、瑞稀も動けない

いくら満身創痍といえど、力の差があり過ぎ、自分達では太刀打ち出来ない

最早敗北は必至と思われたが、瑞稀にあの声が、白龍神王が語り掛けた

 

『諦めるのか?あの人の弟子であるお前が。あの人の仇を討たず、屈するのか?』

 

(お前は…白龍神王?あの人の弟子?誰の事を言ってるんだ…)

 

『そうだ、私は白龍神王、凛音。お前は奏女姉さんを覚えてないのか?ああ、そうか。お前は記憶を封印されているんだったな。覚えていないなら教えてやる。お前は全次元最強と称された討伐神、琥牙奏女太刀乃神(こがかなめたちのがみ)の唯一の弟子。あの人が唯一愛した者だ』

 

(琥牙奏女太刀乃神(こがかなめたちのがみ)?)

 

瞬間、瑞稀の記憶の封印が解け、思い出がフラッシュバックする

 

奏女様!嫌だ…俺をおいていかないで!立って!一緒に逃げよう!?

 

…私が…護る…この子をあんた達なんかに傷付けさせやしない…

 

さらばだ。遍く厄災を焼き尽くした無双の神よ

 

強く在れ、瑞稀。私は…ずっと…貴方を愛している

 

(そうだ…思い出した。奏女様、俺の師匠であり、母親の様な人であり、俺の初恋の人。誰よりも強くて、すぐキレるし、口が悪くて、凄く厳しいけど優しくて、いつも俺を思いやってくれた、大好きだった奏女様。絶対神が俺から奪った俺の大切な人)

 

『やっと思い出したか。そうだ、奴が殺した。仇をとれ、奴を許すな。謳え、お前の怨嗟を。他ならぬ奏女姉さんの弟子だ、私が力を貸してやる。上手く使いこなしてみせろ』

 

──そして、瑞稀の口から、白龍神王の声と共に、呪文(うた)が紡がれる

 

「『我、目覚めるは、覇の頂きに君臨せし白龍神王なり

理を喰らい、王と成る

我、白銀の龍の覇王と成りて、汝を虚無の闇へと沈めよう!!!』」

 

「『覇龍化(ジャガーノートドライブ)!!!!』」

 

瑞稀から膨大な魔素が溢れ出し、瑞稀の背には白銀の翼が現れ、全身から白銀の雷が放電されていた!

 

「覇龍化だと!?そんな馬鹿な、白龍神王を手懐けたというのか!?ふざけるな!!」

 

絶対神が怒りのあまり怒鳴り散らす

先ほどとは違い、凄まじい殺気を伴った魔力を放ち始める

 

「ふざけるなよ…またしても私の邪魔をするか!?おのれ!忌々しい過去の遺物が!討伐神といい、白龍神王といい、遥か太古の遺物共が、我が栄光の邪魔をするな!!!」

 

絶対神は怒鳴り散らしながら、瑞稀にロンギヌスを突き立てる

しかし、瑞稀に届く事は無く、白い雷を纏った夜宵の一閃でロンギヌスは半ばから斬り裂かれる!

 

「覚悟はいいか、絶対神。世界を自分勝手に支配し続けたツケを払って貰う。何よりも、奏女様の怨み、晴らさせて貰うぞ!!」

 

 




大切な師匠との思い出を取り戻し、秘められた龍の力を解き放った瑞稀
そして白龍神王が目覚め、本格的に瑞稀に協力します
瑞稀が師匠、奏女様を思い出し、白龍神王が目覚めたので彼女達のプロフィール、設定を説明したいと思います

まずは白龍神王
本名、如月 凛音。女性
生前の渾名、夢幻の爆神
種族、ドラゴン。しかし元は人間
人型の見た目は20代後半。腰まである癖毛の銀髪。170程の長身。巨乳美人
龍の見た目は、白い体毛に覆われた細長い身体に、巨大な白銀の翼を3対、計6枚持つ
性格は非常に好戦的であり、強者と戦う事が何よりも楽しみという戦闘狂
しかし、非戦闘時は非常にフランクでサバサバしていて、親しみやすく、女性らしい包容力も発揮する
ちなみにバツ3。経産婦であり、生前は6人の子供がいた
夫は皆若くして死別、基本的に不幸体質
拳打による物理魔法を主体とした、超破壊力を誇る零式夢幻流という流派と、白夜に煌めく白銀の雷、通称白色雷という固有の雷を用いた魔法を使用し、格闘戦を得意としていた
戦闘力の高さは常軌を逸脱しており、生前は人間でありながら、最強クラスの強さを誇っていた
ある事件に巻き込まれ、ドラゴン化し暴走、後に二覇龍、白龍神王と呼ばれる最悪の厄災となり、理の神と呼ばれる5柱の神に人の魔素核に宿り、転生し続ける封印を施される
これは仮に普通に封印した場合、二覇龍の力なら内側から容易く打ち破れると考え、宿主の魔素と魂を楔にした方が、確実に封印出来るからである
彼女達二覇龍は生前、瑞稀の師匠である琥牙奏女太刀乃神に、一時期育てられた恩があり、彼女を姉と慕っていた

続いて瑞稀の師匠
本名、不明。女性
生前の渾名、討伐神、琥牙奏女太刀乃神
種族、神?ドラゴン?詳細は不明
見た目は30代前半。肩まである直毛の明るい茶髪をポニーテールにしている。170半ばの長身。かなりの巨乳美人
性格は非常に気性が荒く、キレやすく口が悪い。思った事は、脳ミソと口の間にフィルターが無いので、すぐ口に出る。かなりの健啖家であり、食事となると周りがドン引きする位食べる
基本的に周りに合わせる事は無く、誰の言う事も聞かない。唯我独尊、我が道を往くを素でやるお方
しかしその一方で、思慮深く、頭の回転が早い。気に入った相手には優しく寛容。母親の様な厳しくも優しい包容力を発揮し、愛情深い
ちなみに男性経験は無く、恋をした事も無い。討伐神になる前、戦神時代は同僚の女神が、次々結婚していく事に一時期危機感を覚えていた
日本刀による魔法剣を主体とした、斬式夢幻流という流派と、血の流れより紅き紅蓮の焔、通称血の焔という固有の炎を用いた魔法を使用し、無敵を誇った
その強さは正しく最強であり、斬撃はあらゆるものを断ち斬り、その炎は次元すら焼き尽くすと言われ、あらゆる者から恐れられていた
最高神に次ぐ程の最古参の神であり、戦神においては間違いなく最も古株である。しかし、性格が災いし、緊急時以外は、厳重に封印を施された封印宮に閉じ込められていた、にも関わらず上司である絶対神の言う事を聞かず、付き合いの長い最高神の言う事しか聞かなかった事から、天乃に神の座から堕とされ、命を狙われる
彼女は生前の二覇龍を育て、姉と慕ってくれていたにも関わらず、彼女達の暴走を止める事が出来ず、全次元を滅亡の危機に陥らせた責任を感じており、以来二覇龍が宿主を喰い尽くし、封印が解かれそうになる度、彼女達を殺し続けていた
今から10数年前、以前から付き合いがあった瑞稀の養父、徹平に請われ、瑞稀を弟子にとる。約2年ほど共に過ごす内に、自らを一切恐れず、ありのままを受け入れてくれた瑞稀に、惹かれていく。その頃は瑞稀はまだ子供だったので、大人になるまで待ち、告白しようと思っていた
そんな産まれて初めて過ごす幸せな時間は、彼女を、自分の絶対神としての栄光の邪魔になると考えた天乃によって、終わりを迎える
彼女は自身が封印される中、瑞稀が白龍神王の完全覇龍化を発動させた事を察し、瑞稀の力と、自身と過ごした日々の記憶を封印する事で、完全覇龍化を止める
現在は肉体を冥府の最下層に封じられ、力の大半を瑞稀の封印に使ってしまった事で、封印を振りほどく事が出来ないでいる

以上です
長々とすいません
巨乳美人なのは作者の趣味です
多分この作品に登場する名前ありの女性はほぼ全員巨乳になると思います
ちなみに唯はAカップの貧乳です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。