いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

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今後の瑞稀達の拠点にお引っ越しです



死にかけの王、安らぎの眠り

「ここが奈良橋家が保有する精霊邸…ですか…」

 

「うん…プラエトーリウム・ソムヌス。別名、眠りの館。おばあちゃんや紗矢彦の言ってた通り、スゴく濃い魔素を宿してるね」

 

今、瑞稀の嫁であるワルキューレ達は、激しい消耗により目を覚まさない瑞稀を連れ、奈良橋別邸に赴いていた

 

瑞稀は絶対神に勝利し、戦争は終結。神界相手に魔界は初の勝利を掴み取った

 

瑞稀は絶対神との戦いで覇の理に目覚め、覇王として名乗りを上げた

しかし、戦いは長引き、限界を迎えた瑞稀は、師・琥牙奏女太刀乃神の封印を力ずくで振りほどき、暴走

絶対神を終始圧倒、絶大な力で跡形も残さず消し飛ばす

その直後、瑞稀は突然、炎に包まれ、暴走は鎮静化

 

鎮静こそしたが暴走の影響で体内魔素を多量に消耗

暴走による覇の理の浸食で魔素核が損傷

このままでは二度と目を覚ます事は無く、このまま死に至る、非常に危険な状態

治療のためには超高濃度で膨大な量の魔素を必要とする

 

終戦から3日たった今も瑞稀の魔素は回復の兆しすら見せない

現状出来る事は瑞稀の嫁が交代で自らの魔素を注ぎ、最低限の生命維持を保つのが精一杯

 

そんな現状を打開するべく、唯とワルキューレは奈落一族に助力を求めた。しかし奈落一族宗家はこれを拒否

瑞稀は人王失脚、その後の魔王就任により奈落一族から勘当されていた

奈落一族は代々、魔の力を用いて人界を裏から護り、神々を支える立場にあった

今でこそ虐げられ、宗家は隠れ里から出ず、分家も奈落一族である事を隠しながら生きているが、生き方そのものは何一つ変わっていない

故に魔王であり、絶対神を討った瑞稀を助ける事などあるはずがなかった

 

しかし、奈良橋家現当主は秘密裏に協力を申し出てくれた

現当主の名は紗矢彦。元は宗家の者であったが、次期当主でもあった瑞稀が勘当され、瑞稀の養母が戦闘力を持たぬ故に養子となり、当主となったのだ

彼は19歳とまだかなり若いが、高い戦闘力、膨大な魔力量、なにより非常に聡明な頭脳の持ち主であり、既に奈落一族の中でも高い地位を築き上げていた

そして彼は幼い頃から瑞稀を慕い、憧れていた

 

「瑞稀さんが死にかけ?そりゃヤバい!魔素核がズタボロ?超高濃度の魔素が必要?ならプラエトーリウム・ソムヌスで療養してもらえばいいんじゃね?あそこスゲエ魔素が濃いし」

 

「紗矢彦の言う通りだねぇ。あそこなら瑞稀を治せると思うよ。ド田舎の山ん中だから今じゃだぁれも近付こうともしないし、使い道も無いからね。大変かもしれんけど転移魔法かなんかで、魔界に持って行けば楽だと思うよ」

 

紗矢彦も瑞稀の養母も快く申し出てくれた

 

「ああ、そうだ。この事、真奈のジジイには内緒だぜ?」

 

口に指を添え、そう言う紗矢彦の顔は愉しげで、何処かイタズラを思い付いた時の瑞稀に少しだけ、似ていた

 


 

「この部屋が一番魔素が濃いですね」

 

「だね。見た感じ一番広いし、ここがみーちゃんの部屋で決定!とりあえずベッドに寝かそっか」

 

瑞稀を静かにベッドへ寝かせる

ずっと血の気が引き蒼白だった瑞稀の顔色が、少しずつ血の気が戻り、赤みが差していく

 

「凄いですね、ここ。比較的高濃度の魔界の魔素でも回復には足りなかったのに…」

 

「ホントスゴいよね。外からでも魔素が濃いなぁ、て思ったけどさ、中は別格だね。魔素が濃すぎて別世界みたいだよ。いや、実際別世界みたいなもんなんだけどね?」

 

プラエトーリウム・ソムヌス

別名、眠りの館とも言われる、奈良橋秘蔵秘匿の精霊邸

 

精霊樹と呼ばれる膨大な魔素を内包する特殊な樹木で建てられ、永い年月を経て、館自体が精霊と呼べる程に超高濃度な魔素を生成するようになった非常に稀有な館

代償に高濃度な魔素は毒にすらなり得る

元より強大な魔素を保有する瑞稀達には問題無いが、魔素核の強度、最大保有魔素量が少ない者では最悪、死に至る可能性すらある

 

「でも唯的にはこんな館に住み込みでメイドさんが居たのはビックリだけどね…しかも、まさかの精霊…」

 

そう、プラエトーリウム・ソムヌスには専属の住み込みメイドが5人居た

しかも、全員真っ当な存在ではない。永い年月と人々の想いによって力を宿した動物、物体、自然現象。精霊と呼ばれる者

 

「あらあら。奈良橋家の財力、この館の規模と特殊性、これらを鑑みれば妥当かと存じますわ~」

 

狐の精霊、メイド長、フィン

常に浮かべる微笑み、柔らかな発声、喋り方、滲み出る母性

金髪、緑色の瞳、平均より少し大きめの身長で細身ながら出るとこ出てる、しかも未亡人。バロムのどストライク美女

 

「いや!普通は誰でも驚くにゃ!フィンはやっぱり天然にゃ~」

 

猫の精霊、雑用係、エリカ

鈴を鳴らしたような高い声、テンション高めで人懐っこい

赤い髪、黄色い瞳、身長は小さめだが猫らしくちょこちょこ動き回る。やっぱり出るとこ出てる。バロムのどストライク美女

 

「ですよね~…普通は精霊がメイドやってるなんて思いませんよ~…」

 

狼の精霊、庭師兼戦闘メイド、マージ

のんびりとした喋り方、人見知りが激しく、オドオドと挙動不審

銀髪、灰色の瞳、平均より少し大きめフィンと同じ位の身長。彼女もまた、出るとこ出てる、けど隠し切れない残念臭。そしてバロムのどストライク美女

 

「私としては瑞稀様、ご主人様にお仕え出来るのなら文句はない」

 

アンティークドールに宿った精霊、戦闘メイド、アメリア

美しくも、感情を感じさせない無機質な声、変わらぬ無表情

紫色の髪、青い瞳、並の男より大きい高身長。愛想こそ皆無だが、文字通り人形の様に整った容姿を誇る出るとこ出てるバロムのどストライク美女

 

「私はこんなオトコなんてどうでもいいんだけどね。マムがコイツに仕えるって言うから、仕方なくいるだけだし。でも…コイツ死にかけだけど本当に大丈夫なの?」

 

狐の精霊フィンと人間の男の間に産まれた半精霊、フォニーム

勝ち気で気の強さが表れた人を見下し小馬鹿にした態度

金髪、緑色の瞳、まだ子供故の愛らしさ

今でこそちんちくりんなれど、母親はセクシーダイナマイトボディ、将来が楽しみなバロム的にアウトな美少女

 

「しかしさぁ、バロムさんて実はスゴいんだね。こぉんな大きな館を魔界まで転移させれるなんてさ、ビックリだよ」

 

「ですね…おそらく魔力や魔素の量は私達の方が若干上ですが、魔法技術ではバロム様が数段上ですね。見直しましたよ」

 

「…いやぁ…これくらいの事…瑞稀様なら容易くやってのけるかと…私は死にそうですがね…過剰消費(オーバーヒート)ですよ、マジで…」

 

プラエトーリウム・ソムヌスは小さな山1つ分の広大な敷地を有する館である

それらをまとめて魔界に転移させたのでバロムは死にかけ、その様を見て刻龍と斬鉄は大爆笑

 

プラエトーリウム・ソムヌスは転移させたが、3つの理由から一部の関係者以外にはその存在を明かしていない

 

1つはプラエトーリウム・ソムヌスに元々備わっていた霧の結界と呼ばれる広範囲結界が原因

この結界は非常に特殊な性質を持ち、空間を歪曲させ、敷地内を幽世(かくりよ)にして、資格無き者が結界の内部に侵入するのを防ぎ、仮に結界内に入っても内部は常に濃い霧がかかっており、まともに歩く事すらままならない。そして彷徨い歩き、知らず知らずのうちに結界から弾き出される

バロムですらこの結界を完全に解除する事が出来ず、プラエトーリウム・ソムヌスの高濃度な魔素が強制的に発動させてしまっているらしい

 

2つ目はその稀有な存在そのもの、希少価値

現存する精霊邸は全ての世界を含めても希少であり、存在が確認されているのは、人界の鬼崎宗家の邸宅、奈落一族宗家の邸宅、そして霊界に存在し、今は断絶し血筋が途絶えた貴族の邸宅、そしてプラエトーリウム・ソムヌスの4つだけ

当然欲する者は数知れず、鬼崎は強大な戦闘力を誇る鬼神の末裔として恐れられ、奈落宗家は所在が知られておらず、知られても返り討ちにしてしまうが故に狙われない

霊界の貴族邸は現在は霊界が直接管理している上、霊界自体が幽世(かくりよ)に存在するので容易には辿り着けない

プラエトーリウム・ソムヌスも霧の結界の特性上、容易には辿り着けない上、所在が知られておらず狙われなかったが、魔界に存在する、魔王・瑞稀が保有していると露呈してしまえば、それを奪おうとする者は魔界の内外問わず多くいるだろう

 

そして3つ目、瑞稀の生命線になり得る可能性が高い

これこそプラエトーリウム・ソムヌスの存在をバロム達が隠す最大の理由

瑞稀の魔素核の損傷は通常の手段では、もう完全に手遅れで、本来なら緩やかに、しかし確実に死に至る様な状態

プラエトーリウム・ソムヌスの規格外の魔素で、回復し始めているが、おそらく瑞稀の魔素核を完治させるには至らない

プラエトーリウム・ソムヌスからの魔素供給を半永久的に受けなければ、魔素の回復が追い付かなくなる可能性が非常に高い

プラエトーリウム・ソムヌスを失えば瑞稀は確実に死ぬ

それを世間に知られれば瑞稀を亡き者にするため、プラエトーリウム・ソムヌスを破壊しようと企む輩が現れかねないのだ

 

「しかし、本当によかったですよ。何とか回復の目処がついた。今瑞稀様を喪うわけにはいきません。何より…部下として主をお救い出来たのは幸いでした。ちなみに斬鉄、刻龍。めっちゃ笑ってるけどてめえら今回なんもしてねえからな!」

 

「いや、だってさ、魔法ならお前の専門分野じゃねえか。俺は焼くか斬るしか出来ねえし」

 

「私も凍らせるか殴る蹴るしか出来ませんし」

 

バロム以外は戦場以外では役立たずだった

バロムはそんな2人に呆れ果て、溜め息を残し、ワルキューレ達に挨拶だけして2人を連れて帰っていった

 

「取り敢えず私達も少し休もう?」

 

「ですね。皆さんお疲れですし、お食事をして、お風呂に入って、各自部屋を決めて休みましょう」

 

「お風呂は個室に備え付けのがあるらしいけど、大浴場もあるってフィンさんが言ってたからみんなで入ろう!」

 

瑞稀の回復の目処がついて、安心して瑞稀の嫁達は久々に和気藹々と談笑しながら体を休めた

 




まただらだらと説明ばかりで申し訳ないです…

バロムさんは巨乳な女性なら人妻だろうと、何でも良しの変態、クズ野郎です
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