いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

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永らく失踪しておりました
申し訳ない


敗北

「さて。我が騎士達は貴様の思惑通り、貴様の部下に足止めされているわけだが。まさかたかが絶対神如きに、理の神である私の相手が務まると思っているのか?」

 

「思ってるさ。そうでなければこの場には居まい」

 

瑞稀がこれ見よがしに肩を竦めて見せる

挑発しているのだ

 

「なるほど。貴様は私が思っていた以上に頭が悪いようだな。貴様の神器、守りに特化しているな?その神器、見た所保有魔力は破格の様だが、空間を斬り裂く我が神器の力には及ばない。大層な神器を持っていても、守りだけで戦に勝てるわけがない」

 

理の神セレスも憐れみをたっぷり含んだ目線を送りながら瑞稀を挑発する

おそらく負けず嫌いなのだろう

 

「頭が悪いのは貴様だろう?力は大したものだが、技術がお子ちゃまレベルだ。空間を斬り裂く神器だかなんだか知らんが、大層な玩具を振り回してチャンバラしてる子供にしか見えんぞ?貴様の頭の悪さに神器が泣いているぞ?いやはや、それすら理解できぬとは、貴様のおつむの程度がよく分かるな。単なる世間知らずか、もしくは理の神などと言う分不相応な力を持ち、さも自分は全能にでもなった気になっている阿呆─」

 

瑞稀の言葉は最後まで言い終わる前にセレスの斬擊で止められる

結果セレスと瑞稀は自然と鍔迫り合いになるが、それでも瑞稀は余裕を崩さない

わざとらしく殺気を弱め、申し訳無さそうな表情を作る

 

「─すまぬ。図星であったか。事実とは言え、デリカシーが無さすぎた」

 

「吐いた唾は飲めんぞ。その無駄口、首を落としてすぐにでも黙らせてやる」

 

先程までの余裕など無く、セレスは殺気を滾らせている

瑞稀の挑発が効いているようだ

対称的に瑞稀は余裕を崩さない

徹底的に相手の神経を逆撫でしていく

 

「出来るならやってみろ。ほらどうした?殺気で俺は殺せんぞ?首を落とすと言うのなら、その刃を届かせねば落とせんぞ?」

 

「黙れ!!不快なその口、すぐに塞いでやる!!」

 

セレスは息つく暇無く瑞稀を斬り付けるが、全て瑞稀に防がれている

セレスの攻撃を防ぎながら瑞稀は挑発を続けた

 

「どうした?塞ぐのではないのか?理の神とはこの程度か?餓鬼の遊びでは無いんだぞ?本気で殺しに来いよ」

 

「黙れ!!絶対神如きが!理の神である私を侮辱するなど!身の程を弁えろ!!」

 

瑞稀の挑発にセレスの理性は加速度的に削られていく

しかし、その分セレスの攻撃は熾烈を極めた

瑞稀もまた、表面上は余裕を気取っているが、内心では余裕など全然無くなってきていた

 

(クソが!!なんだこの馬鹿げた身体能力は!出来る限りの最善手で捌いてるのに、腕が持ってかれそうだ!!太刀筋が乱雑だから捌けるが、そうじゃなきゃ何回か死んでる!!ここまで能力の差が大きいとはな!挑発に乗って冷静さを失ってくれて助かった!)

 

以前、魔王の頃より白龍神王の力が身体に馴染んで基礎能力が向上している瑞稀ですら、能力の差が大き過ぎる

冷静さを失い、攻撃が雑になっているからどうにかなってはいるが、完全に押されてしまっている

 

(覇龍化(ジャガーノートドライブ)さえ使えれば押し返せるものを!!魔法を使う暇すら無いんじゃ焔を使う事すら出来ん!)

 

(マスター!私が影の太刀で隙を作ります!その間に魔法を!!)

 

瑞稀の周囲に膨大な量の影の太刀が展開される!

その全ての切っ先がセレスに向けられ、音速を超える速度で射出される

これにはセレスも距離を取り防御に専念する他無い

 

「今だ!!」

 

瑞稀は右手に炎纏わせ、地面に特大の魔法陣を展開

手のひらを地面に叩き付け、特大の火柱が魔法陣から噴き出す!

 

「天扇劫炎界!!!」

 

噴き出した炎は紅蓮の炎よりも紅く、美しく透き通った真紅の耀きを放っていた

それの炎は、創世神話に語られる創造神が扱っていた、真紅に光耀く紅蓮の焔だった

その炎はどこまでも延びていき、天すら焼き尽くす勢いを魅せ付けた

 

『殺ったか?』

 

「いや直撃とはいえ、そう容易く終わるとは思えん」

 

「マスター。今の内に神格覚醒(ディバインブレイク)の準備を」

 

瑞稀と夜宵が魔力を溜め始めると同時に、瑞稀ごと魔法陣が真っ二つに斬り裂かれた!

 

「っ!?」

 

「─油断したよ。私としたことが冷静さを失い、まさか傷を負わされるとはな」

 

セレスは所々火傷を負ってはいるが生きていた

それ所かあまりダメージを負っているようにすら見えない

しかも攻撃を受けた事で冷静さを取り戻している

先程までと違い、油断無く構えている

 

「見事な魔法だった。まさか、真紅の焔を見れるとは思わなかった。謝罪しょう。貴様は単なる神ではない。理の神である私が殺すに値する神である。ここからは私も全力で戦おう」

 

「死んではいないとは思ったが、まさか殆どノーダメージとはな。自信を無くしそうだ」

 

これには瑞稀も驚きを隠せない

殺せるとはハナから思っていなかった

それでもそれなりのダメージは与えられると考えていた

直撃させた天扇劫炎界は、かつて天乃戦で使った天扇雷劫界を改良して作った魔法

瑞稀の基礎能力向上により、あの頃よりも威力は上昇しているにも関わらず、大したダメージを与える事が出来ていない

しかも紅蓮の炎じゃなくて、絶対神になってから目覚めた真紅の焔を使用した

真紅の焔は創造神が扱っていたとされる歴史上最強の炎なのだ

それでも、そこまでしてなお理の神には届かない

しかも夜宵が咄嗟に影の太刀を幾重にも展開し防いでくれたおかげで致命傷には至っていないが、肩から腹にかけて袈裟懸けに斬られてしまっている

威力の違いを見せ付けられ、精神的にもキツい

 

「今さら私との実力差を理解したか?ならば諦めろ。足掻く事を止め、大人しく死ぬがいい。私への暴言の責は貴様の死をもって償ってもらおう」

 

「いいや、まだだ。まだ抗わせてもらうさ!夜宵!!」

 

「イエス!マスター!!」

 

瑞稀と夜宵が膨大な魔力を放出する!

 

「「神格覚醒(ディバインブレイク)!!!」」

 

「「禍衣・夜宵(まがごろも・やよい)!!」」

 

神格覚醒(ディバインブレイク)?なんだそれは?」

 

セレスは本来有り得ない疑問を口にする

神器を持ち、自身も絶大な力を持ちながらも神格覚醒を知らない

そんな馬鹿たれは今まで聞いた事すら無い

 

その疑問に瑞稀は、担ぎ手として侮蔑を覚えた

 

「神器の担ぎ手であり、理の神でありながら、神格覚醒すら知らないとはな。担ぎ手のくせに神器の本領を知らないとはとんだ大馬鹿だな。神器との対話すらしていないと見える。まさか神器の名すら知らぬわけではあるまいな?」

 

「神器と対話?何を言っている。道具に何を語れと言うのだ?それに神器の名だと?そんなものを知ってどうする?神器は武器、道具だ。道具に必要なのは性能だ。性能さえ分かれば名など、どうでもいい」

 

「貴様…本気で言ってるのか…それでも担ぎ手か…!!」

 

神器は武器、道具

事実ではある

 

それでも彼女達には心がある。魂がある

例えば、美味しい物を食べれば喜ぶ

何か気に触る事を言えば怒りもする

哀しみにうちひしがれ涙も流す

楽しげに笑う事だってある

神器だって時には誰かを愛する事だってある

神器だって時には誰かを怨む事だってある

神器だって人と何も変わらない感情を持っている

 

神器は武器、道具ではあるが生きている

故に担ぎ手は彼女達を理解しようと努める

1つの命として接する

お互いに理解し合い、信頼関係を築き上げる

使うのでは無く、共に戦う

神器との契約はただ魔素核を共有し、所有権を得るわけではない

魔素核を共有するとは、命を共有すると言う事、人生を共有すると言う事だ

 

「そう言えば前にバロム達も同じような事を言っていたな。こいつ程露骨ではないがな。ここまで神器を軽んじるクズは初めてだ…!それでよく契約出来たものだな…!!」

 

「契約?何の事だ?それに担ぎ手とやらも知らぬ」

 

「─なるほど。貴様、呪い手か。しかも神器を聖剣や魔剣の類いの様に魔力を注いだだけで使えると思い込んでる大馬鹿か。知りもせず呪い手になるとはな。本物の馬鹿だな」

 

呪い手とは担ぎ手と違い、契約を結ぶ事無く、自身の魔力だけで神器を無理矢理従わせる者を言う

呪い手に使用される神器は自我を封じられ、性能以外では通常武器と変わりはない

呪い手になるメリットとしては契約を結ばないので使用者の魔素核への負担は少ない

自身の魔力さえあれば固有能力を行使する事が出来る

通常の武器と同じように持ち替えが楽に出来る

一度契約した神器との契約解消は双方の魔素核に負担がかかる

故に普通は契約解消など有り得ないのだ

かつて天空剣と契約し、夜宵と契約し直す為に契約解消した瑞稀と天空剣はしばらくの間、魔力を行使する事すら出来ない程に疲弊した

そして一番のメリットは、自身と契約を結ぶ事を拒んだ神器でも、膨大な魔力さえあれば無理矢理従わせ、固有能力を行使する事が出来る事にある

神器は契約相手を選ぶし、気に食わなければ契約拒否するのは当然だ

しかし、神器は武器単体として見た場合の性能も高い上に、固有能力を保有しているので、単なる武器として使う事が出来るだけでも、破格の性能を誇るのだ

 

当然デメリットも有りはする

契約を結んでいない以上、神器の魔力を必要とする神格覚醒を行う事が出来ない

神器の魔力を行使出来ない以上、出力も担ぎ手よりも劣る

損傷してしまった箇所の魔力での再生は出来るものの、神器への負担が担ぎ手よりも大きく、神器自身の能力低下を引き起こす

そもそも膨大な魔力が無ければ神器を抑え込む事が出来ず、暴走しかねない

当然だが強力な神器である程、抑え込むのにはより多くの魔力を必要とするなど、かなりのデメリットは有るが、それでも呪い手になる者は少なからず存在する

 

「何の事を言ってるのか知らんが、どう足掻いた所で貴様は私に勝てない」

 

「ほざけ。無知蒙昧な貴様如きに負けるものか」

 

瑞稀が右手を掲げた途端、上空に1万を超える影の太刀が展開される!

 

「我等が影の太刀にて、蜂の巣にしてくれる」

 

「「影の太刀・流殺刃!!」」

 

無数の影の太刀がセレスに襲い掛かる

絶体絶命の中、セレスは焦る事もなく刀を腰溜めに構え、横一閃

影の太刀を全て叩き斬るという、文字通り神業を魅せ付ける!

 

「たった一太刀で影の太刀全てを!?呪い手でありながらこれ程の威力かよ!!」

 

「斬鉄閃。我が奥義に斬れぬものなど無い」

 

「クソが!!こうなれば!!」

 

瑞稀が膨大な魔力を放出し始め、巨大な魔法陣を上空に展開する!!

 

最終超越技(ファイナルイクシード)!!天扇界・双天門(ライジングフレア)!!!!」

 

極大の鈍色雷と真紅の焔が同時に地上のセレスに向けて放たれる

今の瑞稀に出来る最強の魔法だ!!

 

「斬鉄閃」

 

しかしそれすら、瑞稀の最強の魔法すらたった一太刀でセレスは瑞稀ごと斬り裂いた

 

「……嘘だ……俺の…最終超越技(ファイナルイクシード)だぞ…それを一太刀で…」

 

何とか最終超越技(ファイナルイクシード)でセレスの一太刀の威力を減衰させれたが、最早戦闘続行は不可能な程のダメージを負ってしまった

あまりの実力差にとうとう膝を折る瑞稀

そして、戦場では巨大な火柱がいくつも出現していた

 

「あれは…!みんな!!まさか、負けたのか…?」

 

理の騎士と戦っていたワルキューレ、唯、天照三姉妹が戦闘不能

バロム、斬鉄、刻龍、ゼルガノン、リューンも重症、これ以上の戦闘は難しい

そして、瑞稀自身も戦闘不能

完全に敗北である

 

「終わりだ。私に刃向かった事を冥府で悔いよ」

 

セレスが刀を振り上げ、瑞稀の首目掛けて振り下ろそうとする瞬間

その場に居た瑞稀を含む戦神全員が転移魔法で何処かに飛ばされた

 

「あらあら。あの子ってば随分派手にやられたのね」

 

「ふん…どうでもいいが目的は達した。さっさと退くぞ」

 

いつの間に現れたのか、2人の女性が戦場に居た

1人は戦場に居るにも関わらず、笑みを浮かべ穏やかな雰囲気を醸している

1人は剣呑な雰囲気を醸しているが、どこかそわそわしている

 

「…貴様等、何者だ。名を名乗れ」

 

セレスが2人を敵と認識して殺気を飛ばす

しかし2人はどこ吹く風、特に怯んだ様子を見せない

 

「私はリア。何者だなんて、分かり切っているでしょ?彼の味方で貴女の敵よ」

 

リアと名乗る女性は鈴を鳴らす様に可愛らしく笑う

見た目は20代前半位か、桃色の髪を腰下まで流し、白い法衣の様な服を着て、腰には1本の日本刀が携えられている

 

「冬史。あいつの味方になった覚えはないが、貴様の敵であることは間違いないな」

 

冬史と名乗る女性はどこか不服そうに答える

見た目は20代半ば位か、腰まである長い銀髪をポニーテールに結わえ、黒いコートを来て、両手にトンファーを携えている

 

「私が理の神セレスと知っての事か?」

 

「勿論!そこまで馬鹿じゃないわよ!失礼しちゃうわ!そうは思わない?冬史さん!」

 

「お前はお気楽過ぎるからな。馬鹿だと思われたんじゃないのか?リア」

 

「酷い!!」

 

2人が言い合いを始め、セレスは苛立ち始めた

戦場のど真ん中で、敵の大将を目の前にして、いきなり現れて、いきなり仲間同士で喧嘩し始めれば、そりゃ誰でも苛つく

 

「絶対神達を逃がしたのは貴様等か?奴等を何処に飛ばした?答えろ。答えなければ叩き斬る」

 

「あら?逃がしたのは勿論私達だけど、何処に飛ばしたかなんて言うと思う?」

 

「ふん…素直に言うわけないだろう。こいつ、理の神のくせに馬鹿だろ」

 

「ならば死ね」

 

セレスが刀を横一閃に振るう!

 

しかし2人はそれを危なげ無く避ける

 

「私達は貴様とあいつの戦いを最初から見てたんだ。何度も同じ技を見れば避けるのなんて簡単だ」

 

「そうねぇ。でも私達2人だけじゃ貴女には勝てないから逃げるね!バイバイ!!」

 

「待て!!」

 

2人は転移魔法で何処かに消えていった

 

「逃がしたか。まあいい。次は殺す」

 


 

「瑞稀!しっかりしろ!!すぐに医療班をまわせ!!他の者達も重症だ!!急げ!!」

 

神界は大混乱に陥っていた

瀕死の重症を負った部隊長と絶対神が突然、最高神の社に転移してきたのだ

しかも瑞稀達が転移してきてすぐに、正体不明の2人組まで現れたのだから、混乱して当然だ

 

「そなた等は何者だ。瑞稀達を転移させたのはそなた等か。何が目的だ」

 

最高神が2人を封印結界を幾重にも展開し閉じ込め、矢継ぎ早に問う

 

「おいリア!警戒されてるぞ!だからいきなり神界に転移するのはやめろって言っただろうが!」

 

「ええ?だって面倒臭いじゃん。冬史さんだって面倒だから良いかって言ったじゃん」

 

「言ってない!!」

 

またしても喧嘩し始める2人

 

「貴女は…そうか。そう言う事か」

 

最高神が何かに気付いたのか、勝手に1人で頷き納得し始める

そして結界を解き、2人に歩み寄り、頭を下げた

 

「絶対神達を助けて頂き、感謝する。そして先程の無礼を深くお詫び申し上げる。本当に申し訳ない」

 

いきなり最高神に頭を下げられ、困惑気味な2人

 

「そんな!頭をお上げ下さい!私達が勝手にやった事です。お礼を言われる程のものではありません。それに戦時中に突然の訪問です。警戒するのは当然の事です」

 

リアがわたわたと慌てふためく

 

「その通りだ。警戒して当然だ。むしろこちらこそ、この馬鹿が申し訳ない」

 

冬史も一緒に頭を下げる

リアの方を見ながら馬鹿を強調するのは忘れない

 

「そんなに馬鹿って言うこと無くない?!」

 

「事実だ」

 

また喧嘩をし始める2人

最高神を前にフリーダムである

 

「とにかく瑞稀達を助けてくれた事、礼を言う。お2人共、かなりの実力者とお見受けする。良ければ対ディアレストにおいて、協力して頂けると助かるのだが」

 

「ええ。元より協力するためにこちらに訪問させて頂いたんです。喜んでご協力させて頂きます!」

 

「まあ、そうだな。協力するさ」

 

瑞稀達はセレス率いるディアレストに大敗を喫した

しかし、新たに2人の協力者を得る事が出来た

 

果たしてこの2人は何故瑞稀達を助けたのか

何故瑞稀達に協力するのか

 

謎はあるが戦力が増える事は、決して悪い事ではない

 

 

 

 

 




瑞稀、敗北
勝てないですね、無理です
瑞稀の最強の魔法すら一刀両断ですからね。あんなん勝てませんよ


そしてまたしても女性キャラが登場!
勿論巨乳美女です!!

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