今回も会話パートです
投稿遅いくせにダラダラと申し訳ないm(_ _)m
「今後の方針はある程度固まったな。さて、どうしたもんか…」
『どうしたもんかって言ってもなぁ。どうせお前の事だ、
凛音の言う通り、瑞稀は課題の殆どを会議を開いた時点で、既に終わらせていた
夜宵時雨と神器同調率の上昇訓練も必要無い程に高い
紅爪桜花は恐らく、かつて瑞稀の師、琥牙奏女太刀乃神が封印された地に出現した火の玉の中にあると思われるが、火の玉は魔法で展開されていて、出力が高過ぎて瑞稀でも手が出せないと判断したのだ
「確かに今すぐやれる事はほぼないよ。でも相手は理の神だ。やり合って分かったよ。今の俺じゃ多分何をしても勝てない。最後の手段にはなるが…」
『まさかマスター、
白龍神王が全次元を滅亡の一歩手前まで追い詰めたのは遥か太古の伝説とはいえ、その名はあまりにも多くの恐怖を集め過ぎている
そんな存在と知られて尚も神、ましてや絶対神で在り続ける事など、到底不可能なのだ
そして夜宵の言う通り、現状の神々には瑞稀の代わりに絶対神を務められる神などいない
瑞稀の理想である、あまねく全ての生命を庇護する事も神以外では難しい
神界は確かに敵が少ないとは言えない。しかし、それでも尚、次元の中心的存在であり、様々な意味で調和を担うバランサーである事は否定出来ない
「分かってるさ。あくまでも最後の手段だ。それでも使わざるを得ない可能性も否定出来ない。だから跡を継げるだけの実力を持ってるあいつを迎えに行くのさ。まあ、本人が引き受けるかどうかは分からんが」
『へえ?お前の跡を継げるだけの実力者がいるのか?てっきりめぼしい奴はもう声を掛けたと思ってたのに。まさか隠し球があるとはな。で?誰なんだ?』
「それは会ってからのお楽しみさ」
バロムが最高神に魔界との共同戦線を張る事を提案した翌日、最高神から今すぐに魔界に向かえと指令が下された瑞稀は、戦神を率いて古巣である魔界に降り立った
一先ず魔王城にてメルフェレス様に謁見して、互いに情報交換を行う必要があると判断した瑞稀達は、師誓将や魔王軍も交えて魔王城の会議室に集まった
「メルフェレス様、師誓将の皆様方、御無沙汰しておりました。救援要請に迅速に対応出来なかった不手際、まことに申し訳御座いません。本日付けで正式に魔界と神界の共同戦線をお願いしたく、馳せ参じた所存です。救援要請に応じなかった我々に対する不審感は拭えないとは思います。しかし大変厚かましい事と承知しておりますが、どうか轡を並べる事をお許し願いたい」
かつての主君に、置き去りにしてしまったかつての友、愛する妻達に最大限の礼を尽くす瑞稀
瑞稀の意思ではないが、神界は魔界の救援要請を拒否、1度は魔界を見捨てている
裏切り者、卑怯者と謗りを受ける覚悟で頭を下げる
「あはは!絶対神に敬称で呼ばれるとか!敬語使われるとか!面白過ぎる!」
メルフェレス様、大笑い
この御方、全然気にしていないのだ
「むしろこちらからお願いしたいわ!貴方達と一緒ならあのドグサレ女になんか負けたりしないもん!あの女、魔界の街を滅茶苦茶にしやがったのよ!?許せないわ!今まではあの女との直接戦闘は避けてたんだけど、今度こそ絶対ボコボコにして後悔させてやるんだから!!」
大変御立腹である
「はい。城に来る前に少し街を見て参りました。酷い有様で、見るに堪えませんでした」
瑞稀も御立腹である
2人が怒りを露にするのも無理はない
魔界の首都はセレス率いるディアレストの進攻により、家屋は崩れ、商店街などの商業区画も崩壊し、市民達の生活は完膚無きまでに破壊されていた
魔界を統べるメルフェレス様が怒り狂うのも道理である
瑞稀もまた、かつては魔界を統べる王の1人として君臨し、魔界の人々を分け隔て無く愛し、護ってきた
そして今も魔界に対する狂信的な情愛は変わらない
むしろ魔界を離れた事で表には出していないが、情愛は深まり続けるばかりだ
「瑞稀、お前はセレスと一戦交えたと聞いたが、実際どうなのだ?勝ち目はあるのか?」
不死者王ブラムスが神妙な顔付きで問う
「はっきり言うと無いに等しい。相手は理の神だ。基礎能力が違い過ぎる。理の騎士共も同様だ。とにかく基礎能力が別次元だ」
「ダーさんですらそこまで差があるの?」
斬華双影ルーミアが驚愕を露にする
当然だ。彼女達は神魔戦争の時に瑞稀の本気を間近で見ている
間違いなく、この場に集う実力者の中で、彼こそ最強だと知っている
「ああ。騎士共なら一対一で戦えば勝てる。複数でも最悪相討ちには持っていける。しかしセレス、理の神相手では相手にならなかった。単独で勝てる相手じゃない」
事実、瑞稀は1週間ほど前に一騎討ちで敗北したのだ
誰がやろうと単独でセレスを討ち取る事は出来ないだろう
「それは、覇の理を使ってもですか?」
絶刀瞬刹の火皿が問う
覇の理。それは覇龍の力であり、瑞稀の最大戦力でもある
究極の破壊、白色雷。創世の炎、真紅の焔。最強最悪の力の権化、
火皿は勿論、絶対神になった瑞稀がその力を使えないだろう事は、聞かなくとも理解している
それでも聞かざるを得ない
それすらかの理の神は凌駕すると言うのなら、どう転んでも我々は滅びるしかないのだ
「……それは…」
瑞稀が言葉に詰まる
口に出してしまいたい
"勝てる"と言ってしまいたい
それでも立場がそれを許さない
神が覇の理を謳うなどあってはならない
神が示すべきは慈愛であり、恐怖であってはならない
神が歩むべきは王道であり、覇道であってはならない
故に言葉にする事は許されない
「いえ、ごめんなさい…今の発言は忘れて下さい。それよりも現存戦力でどう対処するかを話し合うべきですね」
火皿は瑞稀の思いを察して、話を切り替える
「…そうだな。とにかくお互いの知り得る全ての情報を共有しよう」
「
蹂躙暴殺セシルが瑞稀のもたらした情報に目を丸くする
「だってアイツは神器の能力を使用してたわよ?あれだけの戦力があるのに、そんな初歩的な事を知らないなんて有り得る?」
当然の疑問だ
常識的に考えて有り得ない
神器を保有しながら、その真価を知らないなど宝の持ち腐れだ
仮にも世界の理の1つを司る神がそれを知らないなど、有り得ていい筈が無い
「俺も驚いた。奴は俺が
瑞稀が沈痛な面持ちで言葉を濁す
これまでの瑞稀の感じた不自然さ
セレスは絶大な戦闘力の持ち主だが戦闘技術はほぼ無く、また知識も無い
指揮能力も低く、軍全体を見ても、まともに戦えるのは理の騎士とセレスだけ
軍を構成するドラゴン達も、戦闘力そのものは高いが、力押し以外能が無く、対処は容易い
普通に考えればどれだけセレスが強かろうと、理の騎士が強かろうと無謀である
実際、仮に瑞稀が神ではなく、今も魔王だった場合、セレスに勝ち目は無いかもしれなかったのだ
にも関わらず、ディアレストの者達は今回の侵攻を止めなかった
世界の要である理の神が討ち取られる可能性が高いにも関わらずである
これは何がなんでも不自然だ
「…まさか、セレス達は捨て駒?有り得ないでしょ!理の神が死ねば、魔素のバランスが崩れて世界が滅びるかもしれないのに!?」
瑞稀の言わんとした事を察したメルフェレス様が驚愕を露にする
「確かに。理の神を捨て駒にするメリットはありませんが、逆にそうでなければ、セレス達の不自然さに説明がつきません」
瑞稀自身、確証は無いが、では何故ディアレストはセレス達を止めなかったのかという疑問が残る
ディアレスト全体が戦慣れしていない故に、セレスの拙さに気付けないという可能性は無いわけでは無いが、可能性は限り無く低い
セレスが神器を保有しているという事は、過去ディアレスト内でも争いがあったという証明でもある
何よりディアレストはかつて、瑞稀の師、琥牙奏女太刀乃神に完全敗北を喫した過去がある
確かにセレスは奏女様が不在である事を知った上で攻め込んできたが、それでも普通なら奏女様ほどでは無いにしろ、それに準ずる実力者が存在する可能性を警戒すべきだ
考えれば考える程にセレスの行動には不自然さが際立つ
ここで今まで沈黙していた夜宵時雨が突然人型になった
「マスター。失礼ながら発言をお許し下さい」
「良い。何か気になる事があるのなら言ってくれ」
瑞稀の許可を得た夜宵はとんでも無いことを言い出す
「恐らくディアレストはセレスが邪魔になったので、我々に排除して欲しいんじゃないでしょうか?」
これには一部を除いた皆がきょとんである
「どういう事だ?」
瑞稀が皆を代表して問う
「今回の戦争、セレス自ら前線に出ています。恐らくですが、ディアレストはこちらの次元の様に、理の神が最低限以下しか世界に干渉しないのではなく、セレスが直接統治もしくは管理しているのではないかと思います。そうでなければ直接理の神が攻めて来るわけがありません」
「それは有り得るだろう。だが何故それでセレスが邪魔になる?何故自らが滅びるかもしれないのに、セレスを排除したがる?」
「煩わしくなったのではないでしょうか。どんな世界でも、ある程度の知識と力があれば、単一の存在からの永続的な支配を、不満に感じる者が一定数は存在し得ます。普通は何らかの対処をするものですが、セレスは対処を怠ったのかもしれません。結果、積もり積もった不満がディアレスト全体に広まり、セレスを排除しようとしているのかもしれません。そして恐らくですが、ディアレストは世界の成り立ちや、世界の理に関する知識が欠如しています。理の神は各々、魔素の加速、魔素の炎焼、魔素の氷結、魔素の物質化、魔素の結合崩壊などの魔素そのものに対する干渉能力を備えていますが、彼女はそれらを使用した形跡がありません。もしかしたら自身の力もよく理解していない可能性もありますし、干渉能力が弱すぎて使えない可能性もあります。そんなセレスが治めるディアレストが、理の神の存在意義を、理の神が死した場合世界がどうなるのか、理解しているとは考えられません。だから排除しようと考えたのでは?と私は考えます」
「…確かにそれなら説明がつくかもしれん」
夜宵の説明を聞き、瑞稀が納得したのを見計らってバロムが続けて意見を述べる
「私も夜宵様と同意見です。実際こちらの次元でも、過去に似た様な事が起きた伝承もあります。更にディアレストは討伐神様に1度、世界ごと焼き尽くされていますから、世界の理に関する知識が失伝していても不思議ではありません」
バロムの発言に斬鉄は怒りを感じていた
「するってぇとなにか?セレスは自分の次元のためにあんな事をしてんのに、ディアレストはセレスを殺したがってるってことか!?おいおい!そんなふざけた事があってたまるかよ!確かにアイツは理の神だよ!でも生きてんだ!考えるし、感じるんだ!ディアレストのためにって考えて!護りてえって感じたから!自分の命を危険に晒してこんな事してんのに!ディアレストのヤツらはアイツを見殺しにするのか!?焼き尽くされた次元を頑張って元に戻して!頑張って護りてえだけなのに!そんなバカな事が許されてたまるか!!」
「斬鉄、今の話を聞いて、君はセレスが可哀想だと思ったんだろう。助けたいと思ったのも分かる。でもね、ここでそれを嘆いても何も変わらないよ。助けたいのなら直接セレスにその思いをぶつければいい。今は堪えたまえ」
怒りを露に怒鳴り散らす斬鉄をゼルガノンが宥める
もしも夜宵の予想が当たっていたのなら、セレスはむしろディアレストにいい様に利用されているに過ぎない
セレスを討ち倒しても根本的解決には至らない
ならばいっそ、セレスをこちら側に引き込めれば、被害は最小限に抑えられるかもしれない
「…セレスが素直にこちらの話を聞くとは思えんが。とはいえもしも夜宵の言う通りならば、憐れな女1人助けるのも一興か。部下の思いを踏みにじるのもよろしくない。何より、個人的にはディアレストの馬鹿共の思い通りになるのも気に入らん。可能ならばセレスを説得するとしよう。まあ、話を聞かない様なら、瀕死になるまで痛め付けてでも、話を聞かせるがな」
瑞稀の発言に異を唱える者はいない
皆、少なからず夜宵の予想に納得して、セレスを憐れんでいるのだ
助けられるなら助けたいし、それが被害を最小限に抑える最善策であるとも考えている
「よぉし!なら方針は決まりましたね!まずはセレスをボコボコにして言う事を聞かせる!ですね!」
「リア…間違ってはいないが、言い方ってもんがあると思うぞ…」
フェリアの発言に冬史がドン引く。なんなら全員ドン引きである
とはいえ、今後の方針は概ね決まった
まずはセレスを倒す
そして助ける
戦力差は未だに埋まらず、具体的な対策は練られていないが、皆の気持ちが決まったのは大きい
もしもセレスが捨て駒として見捨てられたのならば、絶対に助ける
皆がそう心に決めた
『刃を向けた相手すら助けたい…か…甘っちょろい考えだ。しかしらしい考えだ。さて、あの紛い物は救いの手を取るか、払い退けるか。どちらに転んでも、あの御方の好意で生き延びていたディアレストの運命は、決まったも同然だな。どういう終焉を迎えるか…面白くなりそうだ』
セレスは利用されているだけかもしれない!
だから助けたい!
斬鉄さんはこんなに優しいのに、なんで魔王なんてやってたんだろう…
他のみんなも優しいのになんで魔王やってたんだろう…
まあ、魔王だから悪者じゃないと駄目なんて決まりはないから、
別に良いか
さて、瑞稀が絶対神の後釜にとある人物に狙いをつけました
一応、既に名前は出てる人物なんですが…
もうちょい伏線をしっかり入れて、ある程度分かるようにすれば良かったなぁ、と反省してます…
多分、次辺りで登場するとは思います
拙いストーリー構成で申し訳ないです…