いずれ真理へと至る王の物語   作:Suspicion

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鬼神将と瑞稀が戦います
でも鬼神がなんで魔王やってるんですかね?
後々分かるとは思います




燃え盛る紅蓮、迎え撃つ天剣の王

「俺はゴリラじゃねえ!!!」

 

叫び、斬りかかる鬼神将

その様はまさに、怒り狂う鬼神であった

2メートルを超える鬼神将の巨体を、さらに超える大刀を軽々振るい、瑞稀に凄まじい速度で上段から斬りかかる

 

「馬鹿の一つ覚えだな…」

 

それを呆れて溜息を吐きながら避ける瑞稀

それをかれこれ既に30分ほど繰り返していた

 

「ちょこまかと鬱陶しいなぁ!!黙って斬られろ!!」

 

「流石に、何度も繰り返せば目を閉じても避けれるぞ。天空剣…いい加減もう良いか?飽きてきたんだが…」

 

瑞稀は天空剣に問う

天空剣はまず様子を見てからやれ、と言って瑞稀を止めていたのだ

 

 

(まぁ待て。実は儂、あいつら魔王とは古い知り合いでな。儂に気付いとらんのが気に入らん。何で気付かんの?あのゴリラ脳味噌まで獣に退化したか?)

 

そう言う天空剣に瑞稀がさらに、溜息を吐く

 

「…面倒だな…」

 

「俺の相手は面倒だってか!?いい根性してやがるな!?コンチキショー!」

 

瑞稀の呟きを勘違いして、鬼神将がさらにキレる

 

「…お前じゃねえよ…」

 

瑞稀がさらに、呆れる

悪循環である

戦場のど真ん中で、現在殺し合いをする2人とは思えないやり取りである

 

「…鬼神将、いい加減に俺が持ってる刀が天空剣だと、気付いてやってくれんか?この髭、いじけて面倒なんだ」

 

我慢出来ず、瑞稀が告げる

もう面倒くさくて嫌になった、早くこいつを仕留めたい

瑞稀の頭の中はそんな感じだった

 

「アァン!?天空剣!?ホントだ!天空剣だ!」

 

何故か嬉しそうな鬼神将

瑞稀は思った

そうしてると本当に赤いゴリラにしか見えないと

 

「久し振りだなぁ!懐かしいなぁ!元気だったか?」

 

大変フレンドリーな魔王である

これには流石の瑞稀も脱力してしまった

 

(気付くのが遅すぎるんじゃ!このボケが!儂ほどの神器、普通一目で分かるじゃろ!?どんだけアホなんじゃ!?ぶった斬っちゃるけえ、かかってこんかい!!)

 

「誰がボケだ!?ボケてんのはてめえだろ!この髭爺!!俺の方こそ担ぎ手もろともぶった斬ってやる!!」

 

…やっとか…

瑞稀は脱力してしまっていた身体に、気合いを入れ直し、改めて天空剣を構える

 

「天空剣が居るなら、本気で殺りに行くぞコラァ!!」

 

叫び、いきなり鬼神将が上空に跳ぶ

 

「防げるもんなら防いで見やがれ!!鬼神斬!!」

 

高速で落下し、その速度を乗せたまま振り下ろされる斬撃!!

 

「!!!」

 

あまりの速度に瑞稀は一瞬、反応が遅れる

 

「天空扇!!」

 

一瞬の遅れは致命的だった

天空扇を放つも鬼神斬に斬り裂かれる!!

瑞稀が咄嗟に地面を転がる様に避ける

瞬間、大地が割れる!

 

「避けたか!大したもんだな!だが魔法ならどうだ!?」

 

瑞稀の周囲に3つの火柱が立ち上る!!

 

「三天の劫火!!」

 

火柱が一斉に瑞稀を襲う!

それを天空扇で薙ぎ払う!

 

「…この程度の魔法でどうにか出来ると思うなよ」

 

「なら次で、最後だ!!」

 

鬼神将の身体から、とてつもない炎が溢れ出す!!

 

「天空剣!!」

 

(いつでもいける!!)

 

「剣山・桜並木!!」

 

無数の天空剣が地面から出現し、瑞稀の周囲を浮遊する!!

 

「準備はいいな!?泣いても笑っても最後だからな!?」

 

「いつでもいいぞ!」

 

互いに駆け出す!!

 

「奥義・爆炎鬼神斬!!!」

 

「天空扇・桜吹雪!!」

 

燃え盛る鬼神の一刀と天をも扇ぐ無数の刃がぶつかる!!

 

「たかがゴリラに負けてたまるか!!!」

 

(そうじゃ!ゴリラに負けてなるものか!)

 

「お、俺は!!ゴリラじゃねえ!!……あっ…」

 

鬼神将の集中力が乱れ、魔力が霧散していく

纏う炎は消え、鬼神斬は天空扇に押し負けた

そして瑞稀の天空扇が鬼神将を薙ぎ払う!!

 

「チキショー!!覚えてやがれ~!!」

 

鬼神将が捨て台詞を吐いて吹き飛んでいく

 

ここに、魔王・鬼神将斬鉄と瑞稀の一騎討ちは瑞稀の勝利で幕を下ろした

 

そして、今度は巨大な氷塊が落下してきた

 

「まったく…斬鉄さんときたら情けない。では瑞稀さん、次は私が相手です」

 

氷の中から出てきたのは、黒い氷の鱗を持った龍だった

 

「…次は凍ったトカゲか。バラエティー豊かだな、魔王動物園は」

 

「誰がトカゲだ!?失敬な!!俺は魔王・氷龍鱗の刻龍。あんなゴリラと一緒にするなよ!!」

 

瑞稀は思った…

同類だ、ちょっと挑発しただけで素が出てる

そして魔王達はマジで動物園でも開く気か、と

 

 

 




はい!ゴリラ飛びました!!
次は凍ったトカゲです
実際龍ですが…
瑞稀の毒舌が冴え渡っていますね!


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