カードファイト!!ヴァンガード 全ての物語のReLive   作:先導

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お待たせしました・・・ReLiveシリーズの新右衛門編!いろいろと難航してしまい長引かせてしまいましたがようやく・・・その1話目が完成しました!

これを機にあらすじを変更しようと思うのですが・・・それは後日のお楽しみということでお願いします。

後登場するキャラクターのクランですが、皆さんのイメージと合わないような気はあると思いますが、どうかそれも踏まえてご了承ください。

それでは、記念すべき新右衛門編1話目、どうぞ!


新田新右衛門編
カードキャピタルにようこそ!!


世界のカードゲーム人口は数億人を超え、生活の一部として当たり前のようになっていた。

 

カードファイト!!ヴァンガード・・・世界で最も人気のあるカードゲームだ。

 

遥か先の物語、先導アイチと橘カズヤたちの物語のReLive(リライブ)

 

さらに遥か先の物語、新導クロノと佐倉ユイたちの物語のReLive(リライブ)

 

これはこれらの物語が始まる以前の物語、本当の始まりとされる、ReLive(リライブ)の幕開けなのである。

 

 

 

カードファイト!!ヴァンガード 全ての物語のReLive(リライブ)

 

新田新右衛門編

 

リマインド1「カードキャピタルにようこそ!!」

 

 

 

とあるカードショップへ続く道のり、その道のりを1人の男子中学生がうきうきした様子で走って向かっていた。

 

(どんなショップなんだろう・・・!カードキャピタル・・・!)

 

その少年の名は橘タツヤ。晴海中学校に通う1年生で、最近この街に引っ越してばかりの少年だ。タツヤは今やっているカードゲームを取り扱っている近場のショップの話を聞きつけ、こうして駆け付けている・・・のだが・・・。

 

「え・・・えええええ!!?な、なにこれ・・・!!?」

 

そのカードショップは閉店状態にある。いや、タツヤが驚いているのはそこじゃない。店の周りには『買収断固反対』など、『カードキャピタル絶対死守』などと書かれた看板がいたるところに貼られてる。世間では迷惑極まりない看板を張られたこのショップの名はタツヤが目的としているカードキャピタルで間違いないようだ。

 

「どういうこと・・・?」

 

この非常識な光景にタツヤが戸惑っていると・・・

 

キィィィン・・・

 

突然拡声器の不快な音が聞こえてきた。

 

「こ、今度は何⁉」

 

タツヤがそこに視線を向けるとそこには、ピンク色の長髪をきれいに整えた美しい女性が執事の老人と複数人の黒服を従えて立っていた。

 

「カードキャピタルはすでに私のもの!いつまでも強情張ってないで、すぐに明け渡しなさい!!新田新右衛門君!!」

 

女性はカードキャピタルの中にいるだろう人物に拡声器を使って声を上げている。

 

「!この人・・・日比野エスカだ!」

 

この女性の名は日比野エスカ。品揃えも居心地も最高と有名な大手カードショップエスカを展開する女社長である。ちなみに彼女、エスカは元グラビアアイドルでもある。

 

(そんな人が・・・なぜここに・・・?)

 

かなりの有名人であるエスカが辺鄙な土地、しかもこんな閉店状態のカードショップになぜ来ているのか、疑問に抱くタツヤ。エスカがここに来た目的は1つ、このカードキャピタル買収のためである。

 

「・・・返答なしか・・・。実力行使なさい」

 

「かしこまりました」

 

エスカの指示を聞き、執事の合図で黒服はカードキャピタルの入り口に近づいていく。

 

「え・・・?え・・・?」

 

「邪魔だ」

 

黒服は入り口にいるタツヤを払いのけ、強制的にカードキャピタルの看板を取り除きながら、扉を開けようとする。

 

「・・・ん?」

 

「す・・・すいません・・・」

 

黒服に睨まれ、タツヤは出直そうとその場を離れようとすると、その先には大の大人2人と晴海中学の女子中学生2人が立っていた。タツヤは女子中学生2人には見覚えがあった。

 

「!新導ミクルさん?それに・・・獄平キヤルさん?」

 

薄オレンジの髪の方が新導ミクル、橙色のツインテールの髪の方が獄平キヤル。2人とも晴海中学校に通う中学1年生であり、親友同士。ちなみにキヤルの愛称はキャロ。

 

「え?誰?」

 

「た、橘です!転校生の!」

 

「う~ん・・・ごめーん、あんまり覚えてないやー。ミクルはー?」

 

「ごめん・・・私も・・・」

 

(そんな存在感ないかなぁ・・・僕・・・)ガーンッ

 

転校生とはいえ、全く存在を覚えられてないミクルとキャロにタツヤは涙を流している。

 

「そ、それより、何が起きてるんですか?」

 

「あ!そうだった!ねぇ、ライブさん、お兄ちゃん、新右衛門、どうなっちゃうのかな?」

 

キャロは一緒についてきた大人2人にそう尋ねてきた。ツンツンさせた黒髪の男の方が新導ライブ。黒毛のくせっけでガタイのいい筋肉を持つ大男が佐倉ゲンゾウだ。ミクルとキャロの付き添いでここまできている。ちなみにライブはミクルの、ゲンゾウはキャロの兄だ。

 

「俺たちに聞くな」

 

ライブのその返答にミクルはむっとした表情になる。

 

「新右衛門君にもしものことがあったら、師匠である兄貴のせいだからね!」

 

「ま、落ち着けや、ミクル嬢」

 

怒った様子のミクルにゲンゾウは普段通りの態度で接する。

 

「確かに未熟衛門・・・じぇねぇ。新右衛門はこいつの弟子だ」

 

「けどな、ミクル・・・そいつはヴァンガードの限った話であって・・・」

 

ゲンゾウとライブは口にしようとした時・・・

 

ドドドドド・・・

 

遠くの方から何かが近づいてくる音が聞こえてきた。

 

「?何?」

 

エスカにも音が聞こえたようで、その音の方へと視線を向ける。視線を向けた先には・・・スケボーに乗って何かの粉をばらまきながら近づいてくる緑髪の男子高校生の姿があった。

 

その高校生こそが、先ほどから皆が口々にしている新田新右衛門、カードキャピタルを拠点にしている後江高校3年生の男子高校生である。

 

「えっ⁉」

 

新右衛門が外に出ていたことに驚愕を見せているエスカ。驚愕しているのは周りも同じだ。

 

「新右衛門君⁉」

 

「じゃあ、店内にいるのは・・・」

 

「ワタシデース!」

 

ボフンッ!

 

皆が驚愕していると、店の中から煙幕の煙が立ち込めてきた。この煙幕の中、店の入り口から出てきたのは、整えられた金髪にちょんまげをし、顎髭を生やした高校生だった。

 

「ちょんまげ⁉」

 

「マーク君だったの⁉」

 

店の中から出てきたのはマーク・ホワイティング。後江高校3年生であり、新右衛門の友人である外国人である。

 

「時間稼ぎは十分だったようデスネ!けほっ・・・けほっ・・・」

 

マークは自分で使った煙幕でむせている。

 

「もう・・・こんな演出して・・・煙幕とかマタタビとか誰が用意したと思ってるのー?けほっ・・・けほっ・・・」

 

店内のさらに奥から、金髪の長髪に緑のリボンでくくったサイドテールが特徴の女子高生が出てきた。

 

「お、女の人⁉」

 

「ソナタ⁉」

 

彼女の名は緑苑坂ソナタ。新右衛門とマークと同じく、後江高校3年生であり、2人の友人である。マークもソナタも、カードキャピタルを守ろうと新右衛門に協力していたようだ。

 

「ごほっ・・・ごほっ・・・煙幕っててめぇら・・・俺様達を巻き込むな・・・ごほっ・・・」

 

「「「「ごほっ・・・ごほっ・・・」」」」

 

マークの使った煙幕が店の周りを立ち込め、タツヤ達まで巻き込ませ、咳き込む。

 

そして粉をばらまきながらエスカに近づいていく新右衛門の後ろには粉に魅かれて何かが大量についてきている。

 

『にゃー!にゃー!にゃー!』

 

その正体は猫だ。新右衛門がばらまいていたのは猫の好物であるマタタビの粉だったのだ。

 

「俺がマタタビの粉を使って町中の猫を集めた理由、お前にはわかるよな!!」

 

「な、なな・・・なんのこと⁉」

 

新右衛門の言葉、そして後ろに連れてきている猫にエスカはかなり動揺している。それもそのはず、エスカは猫嫌いなのだから。

 

「お前が大の猫嫌いだってこと!すっかり調査済みだ!!」

 

新右衛門は猫を引き連れて、エスカに突撃しようすると・・・

 

ガコンッ!

 

「どわあああああ!!?」

 

スケボーのタイヤが小石につまずき、その反動によって新右衛門はバランスを崩して煙幕の中へ入っていった。

 

煙幕が少し晴れると、新右衛門がエスカを押し倒して、覆いかぶさっているような光景が広がっていた。

 

『にやーーー!!』

 

だが猫はそんな状況をお構いなしに新右衛門たちに突撃していった。

 

「いやああああああ!!」

 

猫嫌いのエスカは猫からすぐさま逃げていく。

 

「覚えとけエスカ!キャピタルは、絶対に渡さない!!」

 

「店長もいない店をあなた!どうする気⁉」

 

「店長がいる店・・・だったら!俺が店長だ!!」

 

エスカの問いかけに新右衛門は堂々とそう宣言した。

 

「エスカ様!」

 

エスカはすぐさま車に乗りこみ、運転手である執事は猫の無法地帯から脱出するように車を発車させる。黒服たちも猫に絡まれながらだが、車を追いかけていく。

 

「うまくいったね、新右衛門君!」

 

「作戦成功のようデスネ!」

 

「グッジョブだったぜ!ソナタ、マーク!」

 

マタタビの粉を用意したソナタ、時間稼ぎをしたマーク、そして猫を連れてきた新右衛門の作戦勝ちしたかのように3人は親指をぐっと立てる。

 

「この考えなし衛門!!」

 

そんな中、一部始終を見ていたミクルが文句があるように新右衛門に詰め寄る。

 

「!ミクルちゃんか・・・。誰が考えなし衛門だよ!」

 

「俺が店長だ、はいいけど、先のこと、なんも考えてないでしょ!」

 

「考えて動けなくなるくらいなら、考えずに動く!動けばきっと、何とかなる!」

 

「わぁ・・・興味深い・・・!」

 

ミクルの言葉に新右衛門は負けじと言い返す。新右衛門の考えにタツヤは非常に惹かれている。

 

「あはは!新右衛門らしいー!」

 

「笑い事じゃない!兄貴、ゲンゾウさん、なんか言ってやって!」

 

「「げっ・・・」」

 

キャロは新右衛門に笑っているが、ミクルはご立腹。話を大人であるライブとゲンゾウに振る始末。

 

「・・・おおっと!仕事の時間だ!」

 

「えええ⁉」

 

「新右衛門、適当にがんばれよ!」

 

「あ!ライブ師匠!」

 

ライブはその場から逃げるように新右衛門に後を任せ、せっせと立ち去っていった。

 

「みゃー」

 

その直後、新右衛門の制服の懐から猫の鳴き声が聞こえてきた。新右衛門が懐をまさぐると、とても小さな子猫が出てきた。

 

「ま、まだいたのか・・・」

 

「わー!かわいい!」

 

「そ、そうか?」

 

子猫は猫たちに引っかかれた新右衛門の傷をぺろぺろとなめている。ソナタは子猫を見て、うっとりとした表情になっている。

 

「わぁ・・・!」

 

タツヤは新右衛門にたいして憧れという感情を抱き、笑みを浮かべている。

 

「あらー。また派手にやったわねー」

 

「たく・・・これだから問題起こし衛門は」

 

すると、タツヤの背後に男2人の声が聞こえてきた。タツヤはその男たちの制服を見て驚愕する。

 

「あ・・・あれは・・・!エリートだけが集まるといわれてる名門校、福原高校の制服!そんな人達が何でここに・・・?」

 

タツヤが疑問に抱いている間に、福原高校生の男たちは新右衛門と話しかけてきた。

 

「雷門・・・それに鬼島・・・」

 

「アタシああいう無鉄砲なところ、嫌いじゃないわよ?惚れ直しちゃいそう♡」

 

「・・・っ!」ぞぞぞっ!

 

お姉口調で話す男に新右衛門は得体のしれない寒気に覆われる。このハット帽子をかぶり、顎髭を生やしているお姉口調の男は鬼島ジュウロウタ。福原高校に通う3年生で、れっきとしたおかまだ。

 

「邪魔だ、どけ」

 

「あ・・・す、すみません!」

 

不機嫌を隠しきれてない男に振り払われ、タツヤは後ろに下がった。この雷のように尖った髪が特徴の男の名は雷門ダイスケ。福原高校に通う3年生で、福原高校の中でも成績トップ1を納めている秀才だ。

 

「オウ、雷門、なんかイラついてマス?」

 

「お前らのアホさ加減に、な。ソナタ、お前がついていながらこの有様はなんだ?なぜ新右衛門の策に乗った?」

 

「ご、ごめーん!私だってキャピタルを守りたくて、つい・・・」

 

「なんだよ!キャピタルは守れたんだから別にいいだろ!」

 

不機嫌な様子の雷門にマークとソナタは申し訳ない気分になっているが、新右衛門だけは反発している。

 

「何がキャピタルは守れた、だ。そんなもん一時的の効果でしかない」

 

「だったらまたエスカを追い払えばいいだけだ!」

 

「また街の猫を使ってか?ハッキリ言って迷惑だ。そんなんで店長が務まるとでも思ってるのか?」

 

「務まるに決まってるだろ!店長である俺が言ってんだ!当たり前だろ!」

 

「無理だ。諦めろ」

 

「なんだと!!」

 

「なんだ?」

 

一触即発の雰囲気が漂う新右衛門と雷門に火花が散っている。そして・・・

 

「この野郎!!」

 

「このアホが!!」

 

「え・・・ええええ!!?」

 

子供じみたような取っ組み合いのけんかが始まってしまった。その行為にはタツヤは困惑してしまう。

 

「落ち着くデスネ、新右衛門!」

 

「雷門君もやめて!」

 

「「離せお前ら!!」」

 

マークとソナタが2人のけんかを止めていく。変なところで息があってる新右衛門と雷門。

 

「あらら・・・また始まったのね・・・」

 

「もう!あの2人が絡むといっつもああなんだから!」

 

「お兄ちゃん!あの2人のケンカ止めてきてよー!」

 

鬼島とミクルはこの光景を呆れるような表情をしている。キャロは喧嘩を止めるようゲンゾウにそう言ってきた。

 

「おおおっと!俺様はかわいいかわいい娘のおむつを買わねばならんのだった!!」

 

「えええええ!!?」

 

「新右衛門、小僧!戯れんのもほどほどにな!」

 

「「戯れてない!!」」

 

ゲンゾウはこの場から逃げるようにその場を去っていった。ゲンゾウの一言に憤慨する新右衛門と雷門。やっぱり変に息が合う2人。

 

「あのぅ~・・・」

 

新右衛門と雷門が喧嘩してる中、同じく福原の制服を着こんだ薄ピンクの髪の女子が声をかけてきた。

 

「?誰?福原の制服を着てるけど・・・」

 

「ちょっと鬼島君、この子知り合い?」

 

福原女子に気付いたキャロとミクルは鬼島に尋ねてきた。

 

「もう、ダイちゃん。けんかしてないで、この子を紹介しに来たんでしょ?」

 

「ああ・・・そうだったな。どうでもよすぎてすっかり忘れていた」

 

鬼島の言葉で新右衛門と雷門は喧嘩をやめた。一同は福原女子に視線を向ける。

 

「は、初めまして!フィナっていいます!フィナ・エーデルヴァイデ!」

 

「その名前、外国人か?」

 

「は、はい!」

 

「フィナ殿はワタシたちに何か用デスか?」

 

新右衛門とマークの問いかけに福原女子、フィナ・エーデルヴァイデは心身と頭を下げる。

 

「お願いします!私に、ヴァンガードを教えてください!」

 

フィナがヴァンガードを教えてほしいと頼みごとに一同は目を開き、鬼島と雷門に視線を向ける。

 

「この子、中等部の子らしいんだけど・・・ほら、福原ってお堅いことで有名でしょ?だから福原でやっているといえば・・・アタシ達だけで・・・」

 

「こいつ、どこでその情報を聞きつけてきたのか知らんが、わざわざ高等部まで来て俺たちに尋ねてきたらしい」

 

「へぇ~・・・」

 

鬼島と雷門の説明に新右衛門はフィナに関心をする。

 

「でもねぇ・・・知っての通りアタシ達これからバイトなのよ・・・。教えてあげたいのはやまやまだけど・・・遅れてゲンちゃんに怒鳴られるのはちょっと・・・」

 

「あー・・・お兄ちゃん、ああ見えて時間厳守だからなー・・・」

 

「確かに・・・」

 

ゲンゾウに怒鳴られる未来を想像した一同は苦い顔になっている。

 

「そういうわけだ。ソナタ、お前が教えてやれ」

 

「わ、私⁉」

 

「お、俺じゃ不服だっていうのかよ!」

 

雷門から指名を受けたソナタは目を見開かせる。新右衛門はかなり不服そうだ。

 

「当たり前だ。ミクルとキヤルはそもそもヴァンガードをやってないし、マークの説明は日本史よりだし、新右衛門、お前はバカで頼りないからな」

 

「「うっ・・・」」

 

「うむぅ・・・」

 

「バカとはなんだ!」

 

雷門の言葉にミクルとキャロは何も言えず、マークは自覚があるのか苦い顔をする。新右衛門だけは怒っているが。

 

「そう考えれば必然的にソナタが適任だ。ま、女同士で気負う必要がないのも利点だな」

 

「なるほど・・・さすが雷門、ちゃんと考えていマスね」

 

「お前に気遣いという心があったなんてな・・・」

 

「今すぐそのメガネをかち割ってやってもいいんだぞ」

 

「だから喧嘩はダメだってー!フィナが見てるのに!」

 

「雷門君を逆なですんのやめなさい、この煽り衛門!」

 

新右衛門の発言でこめかみをひくひくする雷門。またけんかになる前にキャロとミクルが2人を止める。

 

「まぁそういうわけだ。後のことは任せるぞ。いくぞ、鬼島」

 

「じゃ、ソナタちゃん、がんばってね~♪ちゅっ♡」

 

「うえぇぇ・・・」ぞぞぞっ・・・

 

雷門はこの場をソナタに任せ、鬼島と共にバイト先へと直行する。去る際に鬼島がソナタに向けて投げキッスをし、ソナタは得体のしれない寒気に襲われる。

 

「え・・・えぇっと・・・フィナ、だっけ?ヴァンガードを教えてほしいんだっけ?」

 

「は、はい!」

 

「安心して!一通りの動かし方ができるように、丁寧に教えてあげるからね!」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「敬語はいいよ。私のことも、ソナタって呼んでもいいから」

 

「う・・・うん!」

 

ソナタの人づきあいのいい性格のおかげでフィナはフレンドリーなしゃべり方になっていく。

 

「まぁ、ここじゃなんだし、中に入れよ」

 

「いいの?」

 

「遠慮はいりません!むしろ大歓迎デース!」

 

「あ、ありがとう!」

 

新右衛門やマークの気遣いもあり、閉店状態の店の中へと入っていくフィナ。それに続くように新右衛門たちも中に入っていく。

 

「ね、君はどうするの?」

 

「えぇ⁉ぼ、僕⁉」

 

「ここに用があるんじゃなかったの?」

 

「え・・・ええっと・・・その・・・」

 

タツヤはもともと自己主張があまり得意な性格ではないのでミクルとキャロの問いに困り果てているタツヤ。すると、タツヤのスマホからメッセージ通知が届く。タツヤはその内容を確認する。

 

〈早く帰ってこい〉

 

「ぼ・・・僕は、遠慮、します!お、弟に呼び出されたので・・・じゃあ!」

 

メッセージを確認した後、タツヤは顔を少し赤くしながらこの場を去っていった。

 

「あ・・・行っちゃった・・・」

 

「なーんか、慌ただしかったねー」

 

タツヤの背中を見送ったミクルとキャロは店の中へと入っていった。

 

 

カードキャピタルの中は閉店の割には中々にカードがきれいにショーケースに並べられている。ファイト台があるスペースにキャンプテントが張ってあること以外は、普通のカードショップと大差変わらなかった。そんな中、ソナタとフィナは普通のテーブルの席でファイトの手順を教えることになる。席に座った後、ソナタはデッキを取り出す。それに合わせ、フィナもデッキを取り出す。

 

「へぇー・・・デッキは持ってるんだ」

 

「うん。セレナ・・・あ!お姉ちゃんに組んでもらったから・・・」

 

「お姉さんがいるの?」

 

「うん。ちょっと、セレナ・・・お姉ちゃんを驚かせたくて・・・迷惑、だった?」

 

「ううん、そんなことないよ。素敵だと思う。それじゃ、説明を始めるね。じゃあさっそく・・・イメージしてみて」

 

「イメージ・・・」

 

ようやくファイトの説明をする際、フィナはソナタに言われた通り目を閉じて、イメージを開始する。すると、意識がイメージの中に入り、目を開けるとどこかの演芸場にいた。

 

「わぁ・・・」

 

「ここは惑星クレイ・・・ファイトの舞台となる地球によく似た惑星だよ。私たちはここの霊体として降り立ったんだ」

 

「惑星クレイ・・・」

 

「何もできない霊体として現れた私たちに持ってる能力は2つ、1つはこの惑星に住む住人を呼び出すことができる能力、コール。それが可能となっているのが、君も持っている、この50枚のカードに集められたユニットたちだよ・・・て、作ってもらったんだから知ってるかな・・・?」

 

「ううん、いいよ。続けて」

 

フィナに言われるがまま、ソナタは説明を続ける。

 

「同じカードは、デッキに4枚まで入れられんだよ。もう1つの能力はライド・・・ユニットたちに自分を憑依させることができる能力だよ。ライドした私たちのことを、ヴァンガードと呼ぶんだよ。その意味は、先導者」

 

「先導者・・・」

 

「まず憑依するために、グレード0のカードを選んで、それを場に伏せるんだよ」

 

「えぇっと・・・あ、これがグレードかなぁ?じゃあ、これを・・・こう?」

 

「そう!いい感じ!」

 

ソナタは説明しながらカードを伏せていく。慣れた手つきを見よう見まねでフィナもカードを伏せていく。

 

「これがFV(ファーストヴァンガード)。これが開かれれば、他の誰でもない、自分自身になるんだ。山札をシャッフルし終えたら、山札の上から5枚、カードを5枚引くんだ」

 

ソナタの動きにならい、フィナも山札の上から丁寧にカードを5枚引く。

 

「ここで1回だけ引き直しができるんだけど、必要かな?」

 

「だ、大丈夫!」

 

「これで準備完了・・・FV(ファーストヴァンガード)が開かれたら、スタンドアップ・ヴァンガードの合図でゲームスタートするよ。準備はいい?」

 

「い、いつでも大丈夫!」

 

お互いに準備を終えて、ティーチングファイトが始まった。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

純朴な贈り物(ピュア・ギフター)アリーチェ!」

 

銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イオネラ!」

 

純朴な贈り物(ピュア・ギフター)アリーチェ  PW6000

 

銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イオネラ  PW6000

 

「本当ならじゃんけんで先攻か後攻を決めるんだけど、説明しやすいように私が先攻で行くね」

 

「う、うん」

 

「まずはこうやって、山札をドローするんだよ」

 

「ふんふん・・・」

 

「自分のターンで1回だけヴァンガードを1つ上のグレードに上げさせることができるんだよ」

 

「ええっと・・・ということは、0から1に上がるってこと・・・かな?」

 

「そういうこと!まぁ、口で言うより実際に見せた方がいいよね。いい?こうするんだよ。一世一代の告白(スペシャル・メッセージ)アウロラにライド!」

 

一世一代の告白(スペシャル・メッセージ)アウロラ  PW8000

 

「ユニットにはいろんなスキルがあってね、いろんなタイミングで発動することができるんだよ。

まずはアリーチェはライドされた時、1枚ドロー。

それから、アウロラは登場した時、1枚ドローして、手札を1枚捨てる」

 

「スキル・・・?ここでドロー?1枚・・・捨てる・・・?」

 

「ああ・・・ごめんね。スキルはまだ早すぎたかな?」

 

スキルの発動展開にさっそく疑問符を頭にたくさん浮かべるフィナ。

 

「まぁ、習うより慣れろって奴だ。まずはファイトの流れを慣れればいいさ。スキルの処理は俺に任せてくれ」

 

「ワタシも助太刀いたしマスので、戦に集中してクダサイ」

 

「よ、よろしく!」

 

「結局、みんなで教えることになるんだねー」

 

「まぁ、その方が覚えやすくていいのかもね」

 

ファイトの流れを感じ取ってもらうとためにスキルの処理の方は新右衛門とマークが担当することになった。

 

「じゃあ説明を続けるね。自分のグレード以下のユニットをこの5か所にコールして一緒に戦うことができるんだよ。これをリアガードと呼ぶんだ。リアガードを呼ぶときも、この手札を使って・・・アウロラをコール!」

 

「じゃあ、これを使って、味方を増やすってことかな?」

 

「そういうこと。じゃあこのアウロラで・・・アタック!」

 

「・・・っ!」

 

このままアタックが来ると思い、フィナは思わず身構える。

 

「・・・は、先攻ではできないんだ」

 

「ほっ・・・」

 

先攻では攻撃できないとわかって一安心するフィナ。

 

「あはは・・・ビックリさせちゃったね。これで私のターンは終わりだよ」

 

R アウロラ R

R アウロラ R  ソナタの手札5枚 山札41枚

 

「では、フィナ殿の番デス。さっきと同じ手順でやってみてクダサイ」

 

「えっと、まず・・・ドローして・・・えぇっと・・・じゃあ・・・銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イリナに・・・ライド?」

 

「そう!その調子!」

 

銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イリナ  PW8000

 

「ここでイリナとイオネラのスキルが発動するわけなんだけど・・・せっかくだから、使ってみるか?」

 

「あ・・・じゃあ・・・うん。使ってみる。だから・・・スキルの処理、お願いしてもいいかな?まだスキル覚えきれなくて・・・」

 

「大丈夫だ!誰もがスキルを覚えてるってわけじゃないからな!最初は流れをつかむだけでいい!処理の方は任せとけ!」

 

新右衛門は得意げな表情をして、スキルの発動処理の手助けを行う。

 

「イオネラにはさっきのアリーチェと同じスキルがあるんだ。だからここで、ドローしてもいいんだ」

 

「うぅーん・・・まだいまいちよくわからない・・・」

 

「焦らず、ゆっくりでもいいからね」

 

「さらにイリナは山札の上から2枚見て、1枚をソウルにいれて、残り1枚山札の下に送れるマス」

 

「ソウル?」

 

また新しい単語が出てきて疑問符を浮かべるフィナに新右衛門が説明する。

 

「ヴァンガードの下に重なってるカードがソウルだ。ちなみに、ライドされたユニットも、ソウルになるんだ。こいつは・・・これを入れてくれるか」

 

「う、うん。これを・・・ソウルへ?『ナイトメアドールえりん』残りは・・・山札の下に?うぅ~ん・・・必要なこと・・・かな・・・?」

 

「ああ、必要なことだ。後々に重要なことだからな」

 

「まあ今はファイトに集中してていいよ。さあ、次はメインフェイズだよ。やってみて」

 

「うーん・・・じゃあ、ここは・・・ナイトメアドールいーでぃすをコール?」

 

「よし!いいぞ!」

 

ナイトメアドールいーでぃす  PW8000

 

「メインはこれで・・・いいかな?」

 

「よし。じゃあアタックフェイズについて説明するね。やり方はとっても簡単。場に出ているカードをレスト、つまり、横向きにすればアタックができるんだよ」

 

「さらに後ろにいるグレード1、グレード0は自分のパワーをヴァンガードに上げる能力を備わっていマス。これを、ブーストと言いマス」

 

「ああ・・・足し算をするんだー」

 

「そういうこと。攻撃する?」

 

「うん」

 

「じゃあ、さっき教えたことをやってみて」

 

R  イリナ  R

R いーでぃす R

 

「えっと・・・横向きだから・・・いーでぃすを・・・レストして・・・ブースト・・・イリナをレストして・・・ヴァンガードに、アタック?」

 

「やればできるじゃん!それで、ここでガードをするかしないかっていう選択肢があるんだけど・・・ここはノーガード、攻撃を受けるよ。さあ、今度はドライブチェックをやってみよう!」

 

「ドライブ・・・チェック?」

 

「この山札を1枚めくるのデス」

 

「う、うん」

 

「ここでトリガーユニットが出れば、アイコンが示す効果が発動できる」

 

「ど、ドライブ・・・チェック『ナイトメアドールびばりー』」

 

「トリガーなし・・・何も発動しない」

 

「こうやってヴァンガードが攻撃するたびに新しい仲間が駆け付けてくれる・・・それがドライブチェックだよ。そのカードは、手札に加えて」

 

「あ、増やしていいってこと?」

 

「そう。そして、今の攻撃でダメージを受けた。今度は私が、ダメージチェックをする。これも、山札をめくる『フルフルアピールファルル』トリガーなし。このカードは、ここにあるダメージゾーンに送られるんだ。こうやって相手にダメージを増やしていくんだ。そして、自分のダメージが6になった時が、その人の負けになるんだ」

 

「なるほど・・・ちょっとだけ・・・わかったかも・・・」

 

PW16000➡PW8000  フィナの手札6枚 山札40枚  ソナタのダメージ1枚

 

「よし。じゃあ続けていくよ。スタンド&ドロー。私のグレードは1、さらに1つ上のグレードにライドするよ。甘美なる愛(ショコラヴ・ハート)リーゼロッテにライド!」

 

甘美なる愛(ショコラヴ・ハート)リーゼロッテ  PW10000

 

「リーゼロッテのスキルを発動するよ」

 

「またスキル・・・」

 

「山札の1番上を見て、それをコールするかソウルにいれるかを決めるよ。うーん・・・これはソウルに入れよう『ジョイフルアラカルトイルマ(引)』それじゃあ・・・義理の装い(フィーリング・ハイド)リルムをコール!」

 

義理の装い(フィーリング・ハイド)リルム  PW10000

 

リルム リーゼロッテ R

 R   アウロラ  R

 

「さあ、私も攻撃するよ!リルムでヴァンガードにアタック!」

 

「あの・・・ガード・・・防御もできるって言ってたよね?どうすればいいの?」

 

「お、覚えてたね。それは簡単だよ。それも手札を使えばいいんだよ。カードの横についてる数字がシールド値だよ。この数値と自分のヴァンガードのパワーを合わせて、攻撃しているユニットのパワーを上回っていれば、成功になるよ」

 

「なるほど・・・。ということは、リルムのパワーは10000だから・・・こう・・・かな?手札のレインボー・マジシャンでガード」

 

「イエス!パワー10000の攻撃を、レインボー・マジシャンのイリナのパワーと合わせたシールド、13000で受け止めたので、ガード成功デス」

 

「筋がいいじゃないか!」

 

「そ、そうかな・・・?」

 

ソナタの説明に少しずつ理解し、フィナが実践に移せたことにマークと新右衛門がフィナをほめる。フィナは褒められて照れている。

 

「ガードに使ったカードはドロップゾーンに送られるよ」

 

「えっと・・・ここ、かな?」

 

「じゃあ次の攻撃に移るよ!アウロラのブースト、リーゼロッテでヴァンガードにアタック!」

 

「じゃあ次は・・・フープ・マジシャンでガード!」

 

「これも防ぐかぁ・・・。ドライブチェック『恋への憧れ(ラヴァーホープ)リーナ(☆)』」

 

「オウ!ここでクリティカルトリガーデスか!」

 

「クリティカルトリガー?」

 

「あそこにアイコンがあるだろ?あのアイコンのカードが出れば、特別な効果が発動できるんだ。あれはクリティカルトリガー。ユニット1体にパワープラス10000して、相手のダメージを増やすことができるクリティカルも得られるんだ」

 

「効果は全部ヴァンガードに!」

 

「えっと・・・18000の攻撃に10000された・・・てことは・・・」

 

「そっちのシールドは23000、こっちはパワー28000になったから、当然ガードは崩されて、攻撃がヒットするってわけだよ」

 

「えええ⁉」

 

ガードしたはずなのにトリガーによるパワーアップによって攻撃がガードより上回って攻撃がヒットしたことに驚くフィナ。

 

「こうやってギリギリのガード値なら、簡単にガードを突破される可能性があるんだ。だから、ヴァンガードの攻撃に防御する際には、よく考えないといけなんだよ」

 

「そっかぁ・・・奥が深いんだねぇ・・・」

 

「そう。ヴァンガードは奥が深い・・・だから楽しいんだよ!」

 

ソナタの力説に新右衛門とマークは笑みを浮かべている。

 

「ミクルにはわかった?」

 

「さーっぱり」

 

ヴァンガードをやっていないミクルとキャロはなんのことかさっぱりわからないでいる。

 

「じゃあ、ダメージが与えられたってことで・・・2ダメージかな?ダメージチェック『ナイトメアドールありす』2枚目『レインボー・マジシャン(引)』これは?」

 

「ドロートリガーだ。これもユニットにパワープラス10000させられるんだ。さらにこのトリガーが出たら、1枚引くことができるんだ」

 

「これらのトリガーはドライブチェックとダメージチェックで効果を発揮するのデス。だからそのカードの効果は、有効なのデス」

 

「なるほど!じゃあ・・・ヴァンガードにパワーを上げて、1枚ドロー!」

 

「だいぶわかってきたね!これで私のターンは終了だよ」

 

PW10000➡PW8000+SH5000=13000

PW18000(+10000)➡PW8000+SH15000=23000(+10000)  ソナタの手札5枚 山札37枚  フィナのダメージ2枚

 

「よし・・何となく進め方はわかってきた・・・。スタンド&ドロー!ライド!銀の茨の操り人形(シルバーソーン・マリオネット)りりあん!」

 

銀の茨の操り人形(シルバーソーン・マリオネット)りりあん  PW9000

 

「ここで、りりあんとイリナのスキルが発動するわけなんだけど・・・ユニットのスキルの中には、受けたダメージを使って発動させるものもある。こうやって、ダメージを裏返すことを、カウンターブラストっていうんだ」

 

「ああ・・・毒を以て毒を制すってことだね!」

 

「え・・・」

 

フィナの口から出た言語に新右衛門は難しい顔をしている。

 

「へぇー、フィナ、難しい言語を知ってるんだね」

 

「一応、福原に通ってるから・・・これくらいは・・・」

 

「うっ・・・さすがに名門校の人が言うと重みが違う・・・」

 

フィナの何気ない一言にちょこっとだけ心にダメージを受けるミクルとキャロ。

 

「お・・・おほん!スキルを発動するためにも・・・1回デッキを見せてもらってもいいか?」

 

「う、うん。いいよ。はい」

 

新右衛門はフィナの許可をもらい、フィナのデッキを受け取って確認をする。

 

(へぇ・・・結構計算して作られてんじゃないか・・・フィナの姉ちゃん・・・どんな奴なんだろうな・・・)

 

デッキを確認した新右衛門はこのデッキを作ったフィナの姉に興味を抱いた。

 

「ええっと、りりあんのスキルはカウンターブラストしてから、デッキから銀の茨(シルバーソーン)のカードをソウルにいれることができるんだ。とりあえずここは・・・これだな『銀の茨の手品師(シルバーソーン・コンジュラー)ロミー』これをソウルに入れてくれ」

 

「わ、わかった!」

 

「さらにイリナのスキルはライドされた時、山札の上から3枚確認して、銀の茨(シルバーソーン)のカードを望む枚数入れられマス!さ、フィナ殿」

 

「う、うん。3枚確認・・・」

 

「うむ・・・これでしたら、この2枚デスね『銀の茨(シルバーソーン)バーキング・ドラゴン(☆)』『銀の茨の操り人形(シルバーソーン・マリオネット)りりあん』」

 

「2枚くらいソウルに入ったから、1枚引くことができるぞ」

 

「さ・・・さすが、やり慣れてる人は違うね・・・えっと、ソウルに2枚入れて、1枚ドロー・・・」

 

「うん、これでスキルの処理が終わったね。さ、メインフェイズを続けて」

 

「よーし・・・ブースト役のナイトメアドールびばりーを2体と・・・攻撃役のりりあんと・・・それから、ナイトメアドールろーだをコール!」

 

ナイトメアドールろーだ  PW9000

ナイトメアドールびばりー  PW7000

 

「びばりーは同じ縦列に登場したワーカロイドにパワープラス5000し、さらになおかつろーだは他のワーカロイドの数だけパワープラス2000しマスね」

 

「他のワーカロイドは前もってコールしたのが5体だから・・・プラス10000かぁ・・・」

 

「しかもこれ・・・見た感じどうも無意識に揃えてるみたいだからなおすげぇよ・・・」

 

ろーだ  りりあん  りりあん

びばりー いーでぃす びばりー

 

「じゃあ、行くね?びばりーのブーストをつけて、りりあんでヴァンガードにアタック!」

 

「りりあんはソウルに銀の茨(シルバーソーン)のカードが4種類あればパワープラス10000できるぜ」

 

「様々なスキルを駆使してソウルを溜めたので、銀の茨(シルバーソーン)のカードは4種類、条件は満たしてマス」

 

「31000かぁ・・・なら、ガード!『恋への憧れ(ラヴァーホープ)リーナ(☆)』『恋への憧れ(ラヴァーホープ)リーナ(☆)』」

 

「むむむ・・・なら、いーでぃすのブーストをつけてヴァンガードにアタック!」

 

「それはノーガードだよ」

 

「ドライブチェック『銀の茨(シルバーソーン)バーキング・ドラゴン(☆)』あ!やったぁ!クリティカルトリガーだぁ!パワーはろーだに上げて、クリティカルはヴァンガードに上げるよ!」

 

「あぁ・・・やられたぁ・・・。ダメージチェック『甘美なる愛(ショコラヴ・ハート)リーゼロッテ』2枚目『コンシールドビターエネス』2枚ともノートリガー・・・」

 

「よし!そのままソナタに5ダメージ目だ!」

 

「うん!びばりーのブースト、ろーだでヴァンガードにアタック!」

 

「これもノーガードしかないなぁ・・・。ダメージチェック『手作りの愛情(ハンドメイド・ラヴァー)エレナ(治)』ヒールトリガー!」

 

「ヒール・・・トリガー?」

 

また違うトリガーが出てきて首を傾げるフィナ。

 

「これにもパワープラス10000ができて、なおかつ、ダメージが相手と同じか上回ってるならダメージを1枚回復できるんだよ。だから、パワーをヴァンガードに上げて、回復っと」

 

「それってさっきの攻撃はプラマイゼロってこと?なんかずるいよ・・・」

 

「ず、ずるくないよ!こういうルールなんだし!」

 

「でも・・・ふふふ・・・ヴァンガード・・・初めてで不安だったけど・・・すごく楽しいよ・・・とっても!」

 

ヴァンガードを楽しく感じてもらえている様子を見て、ここにいる一同は笑みを浮かべている。

 

「じゃあ、ターンエンドってことでいいかな?」

 

「うん。ターンエンドです」

 

PW31000➡PW10000+SH20000=33000

PW17000➡PW13000

PW41000➡PW13000(+10000)  フィナの手札2枚 山札30枚  ソナタのダメージ4枚

 

「よーし!私も負けてられない!スタンド&ドロー!さあ、イメージして!」

 

「!」

 

りりあんとして惑星クレイの演芸場をイメージしているフィナは目の前にあるプールサイドに輝きを放っている光景を目撃する。

 

「これが私の輝き!イメージを塗り替えろ!ライド!フルフルアピールファルル!!」

 

フルフルアピールファルル  PW13000

 

「・・・きれい・・・」

 

「ゲット!イマジナリーギフト・フォースⅡ!」

 

イマジナリーギフト・フォースⅡ発動!  対象『フルフルアピールファルル』

 

「イマジナリーギフト?」

 

「特定のグレード3のユニットが、グレード3になったことを祝福して、ユニットたちから贈られる力のことだよ。このイマジナリーギフト・フォースにも2つ能力があってね、私が選んだのはⅡの方。これを設置することで、ユニットの元のクリティカルは2になるんだ」

 

「クリティカルが・・・?」

 

「つまり、ファルルの攻撃をくらえば、ダメージが2つ与えられるってことだよ!」

 

「えええ⁉」

 

「さらにコールするよ!無邪気な博愛(エニバディ・ライク)ラーティ、あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ、コンシールドビターエネスをコール!」

 

無邪気な博愛(エニバディ・ライク)ラーティ  PW8000

あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ(☆)  PW5000

コンシールドビターエネス  PW9000

 

「ラーティのスキル!リルムにパワープラス5000!

エネスのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『純朴な贈り物(ピュア・ギフター)アリーチェ』」

 

「ソウルブラスト?」

 

「ああやってソウルにたまったカードをドロップゾーンに送ることをソウルブラストっていうんだ」

 

「あ、重要なことってこういうことだったんだ」

 

「エネスにパワープラス5000!他のリアガードをコールしてたら1枚ドロー!

そして、ファルルのスキル!このターンでリアガードをコールしてたらパワープラス5000!

さらに、ファルルのもう1つのスキル発動!カウンターブラスト!パワープラス15000!そして、リアガードが5枚以上なら1枚ドロー!」

 

リルム  ファルル エネス

パーシュ アウロラ ラーティ

 

「さあ、行くよ!パーシュのブースト、リルムでヴァンガードにアタック!」

 

「こ、ここはガードするよ!『銀の茨(シルバーソーン)バーキング・ドラゴン(☆)』」

 

「アウロラのブースト、ファルルでヴァンガードにアタック!」

 

「の、ノーガード・・・」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ(☆)』クリティカルトリガー!パワーはエネス、クリティカルはヴァンガードに!セカンドアタック『あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ(☆)』クリティカルトリガー!パワーはエネス、クリティカルはヴァンガードに!」

 

ファルル(ソナタ)はプールに潜り、勢いをつけてプールから飛び上がっていく。飛び上がったファルル(ソナタ)は尾びれを使って、りりあんに攻撃を放った。りりあんはその反動によって倒れていった。

 

PW20000➡PW9000+SH15000=24000

PW41000➡PW9000

 

ダメージチェック『ナイトメアドールありす』『ナイトメアドールいーでぃす』『ナイトメアドールいーでぃす』『フープ・マジシャン(前)』

 

ソナタのダメージ4枚  フィナのダメージ6枚  勝者ソナタ

 

「ダメージ6・・・もしかして・・・もう終わり・・・なの?」

 

イマジナリーギフト・フォースの能力、そしてダブルクリティカルでダメージ6になったことでフィナの負けとなった。そのことで新右衛門とマークがソナタにダメだししている。

 

「何本気だしてんだよ⁉フィナは初めてのファイトだったんだぞ⁉」

 

「いや・・・思った以上に強かったからつい・・・」

 

「ここでフォースⅡとクリティカルを出すなんて信じられません。しかもダブルで」

 

「それは引いたんだから仕方ないでしょ⁉」

 

「・・・はぁ~・・・」

 

早めに終わったからか、負けたからかはわからないがフィナはため息をついた。そこにずっとファイトを見ていたキャロとミクルがフィナを励ます。

 

「大丈夫だって!今回は負けたけど、次はきっと勝てるから!ね?」

 

「そうそう。もっと練習して、ソナタちゃんどころか、新右衛門君やマーク君にも勝っちゃいましょう。フィナちゃんならできる!」

 

「・・・うん!ありがとう!今度は1人でもスキルの処理ができるように頑張るよ!」

 

励まされてフィナは元気を取り戻した。元気になったとたん、時計を見た瞬間思い出したような顔になる。

 

「あ!もうこんな時間!今日はスーパーの特売日だった!ごめん、今日はもう帰るね!」

 

スーパーの特売日を思い出してフィナはデッキを片付けて店を出ていこうとする。すると店の出口で立ち止まり、新右衛門たちに顔を向ける。

 

「あの・・・明日もここに来ていいかな・・・?」

 

「ああ!もちろんさ!なあ!」

 

フィナの問いに新右衛門は即答で答え、みんなも同意見で首を縦に頷き、フィナに顔を向ける。

 

『ようこそ!カードキャピタルへ!』

 

このティーチングファイトを経て、フィナは新右衛門たちのいる店、カードキャピタルの仲間となったのだった。

 

 

ティーチングファイトを終えた後、ソナタは新右衛門たちと別れて、自分の家へと帰宅していく。その表情は嬉々としている。

 

「ふぅ・・・今日は楽しかったなー。最近はエスカさんといろいろとあったからなー・・・」

 

いろいろとぶつぶつとつぶやいていると、ソナタの家まで辿り着いた。そこでソナタはふとあることを思い出した。

 

「あ、そういえばお母さんからお隣さんに引っ越し祝いを渡しといてって頼まれてるんだった。早く渡しちゃお」

 

ソナタは自分の家から離れて、隣の家まで移動していく。隣の家まで辿り着いたソナタはインターホンを押す。

 

ピンポーン

 

≪・・・誰?母ちゃんは留守だけど≫

 

「あ、お隣の緑苑坂です!今日はご挨拶と思ってお尋ねしました!あ、引っ越し祝いのお蕎麦も持ってきてます!」

 

≪・・・ちょっと待ってろ≫

 

用件を聞いた声の主はいったんインターホンを切った。ソナタは声の主の正体はずいぶん幼い声だから小学生かなと考え始める。そんな風に考えてる間に家の扉が開いた。扉から出てきたのは・・・

 

「お待たせしてすみません。先日ここに越してきた、橘です」

 

あのカードキャピタルの猫騒動の時に偶然居合わせた橘タツヤだった。

 

「て、ああ!あなたはキャピタルにいた・・・!」

 

タツヤはソナタの顔を覚えていたようで、その人がうちに来たことに驚いている。

 

「え?君は・・・?」

 

「ほら!猫で日比野エスカを追い払った時にいた・・・」

 

タツヤの説明でソナタあの時起きた出来事を思い出そうとしているが・・・

 

「・・・ごめん!覚えてないや」

 

(やっぱり僕って・・・存在感ないのかなぁ・・・)ガーンッ

 

いろいろありすぎたおかげでタツヤのことは全く頭に入っていなかったようだ。今日であった隣人でさえ存在を忘れられてタツヤはショックで涙を流した。

 

この少年、橘タツヤの出会いによって、この物語の本当のスタートが始まったのであった。

 

to be continued…




新右衛門「なあソナタ、マタタビとか煙幕とかってそういうの持ってきてもらったけど・・・それ、どこで仕入れてきたんだ?」

ソナタ「ああ、それ?うちのお父さん、ちょっとマニアが行きそうなお店の従業員で、ちょっと頼んで売ってもらったんだ。後、払ったの私のお金なんだからね?」

新右衛門「マニアって・・・例えばどんなもんを売ってるんだ?」

ソナタ「例えば・・・?うーん・・・私も詳しくは知らないんだけど・・・戦国時代で使ってる兜とか・・・刀のレプリカとか?」

新右衛門「なんか、マークが喜びそうなものばかりだな・・・」

ソナタ「後は・・・うーん・・・ちょっと耳を貸して」

新右衛門「ん?」

ごにょごにょごにょ

新右衛門「て、おい!!それはマニアックすぎるだろ!!」

ソナタ「あーもう!言わないでってば!私だって恥ずかしいのに・・・あー言わなきゃよかったー!!」

リマインド2「俺が店長だ!!」
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