カードファイト!!ヴァンガード 全ての物語のReLive 作:先導
えーっと、新右衛門編の話、というか、クランについてですが・・・だいぶ先に発売されるであろうブースターパックのカードも取り入れようかと思っています。せっかくいろいろと出されるのだから、使わない手はないだろうと思います。というより、過去の弾だけでは、中々練ることができそうになかったので・・・(汗)まぁ、それまでは結構時間がかかると思いますけど・・・。
さて、ようやく本編に移れる・・・ようやくです・・・。
それではどうぞ!
フィナとのティーチングファイトを終えたソナタは最近隣に引っ越してきた隣人に引っ越し祝いを届けに来たところ、家に出迎えてくれたのは、カードキャピタルでの騒動で偶然居合わせた橘タツヤだった。そして現在ソナタはタツヤが住んでいる橘家に招かれている。
「えっと・・・粗茶です。よろしければ、どうぞ・・・」
「あ、ありがとう・・・」
ソナタはタツヤが入れた粗茶を受け取った・・・が、その後は2人の会話は全く続かなかった。
(うわぁ・・・どうしよう・・・うちに初めて女の人を入れちゃったぁ・・・。こういう時、なんて話したら・・・)
タツヤはそもそも口達者というわけではないためこういう対人と向き合うことが苦手である。さらに言えばソナタは女性だ。女性が相手ということもあって、タツヤはさらに緊張が増している。
「えっと・・・橘君・・・だっけ?」
「あっ!は、ははは、はい!」
急にソナタに声をかけられ、思わずパニクってしまうタツヤ。
「いや、さっきはごめんね。あの時はちょっとゴタゴタがあって・・・周りがあんまり見えてなかったよ」
「い・・・いえいえ!いいんです!ただ単に・・・僕の存在が薄いだけですから・・・」
気にしているのか自分で言っていてかなり悲しい気持ちになってしまうタツヤ。
「え、えーっと・・・。あ、そうだ!さっきインターホンに出てた声って・・・もしかして、あの子?」
気持ちが沈んでるタツヤに気を利かせ、話題を変えようとする。その際にソナタが指を指したのは、遠くで赤ん坊のお世話をしている赤髪の男子の小学生だった。
「そ、そうです。あの子たちは・・・僕の、弟です」
「へぇ~」
ソナタは粗茶を啜った後、立ち上がって小学生の前まで移動する。小学生は近づいてきたソナタが近づいたのに気づき、顔を向ける。
「初めまして。私はソナタ。緑苑坂ソナタ。君の名前は?」
「・・・橘、カズヤ・・・」
小学生、橘カズヤは名前を尋ねられて一応は返答する。
「カズヤ君っていうのかー・・・。よろしくね。その子は、君とタツヤ君の?」
「・・・弟だ。名前は、アツシ」
「そうなんだ・・・てことは3兄弟ってことなんだ。すごいね!」
ソナタは純粋に橘家の家族構成に関心を持っているが、質問されてるカズヤは非常に鬱陶しそうな顔つきになっている。
「渡すもんは渡したんだろ?これ以上用がないなら、さっさと消えてくれ」
カズヤは赤ん坊、アツシを抱えて立ち上がり、ソナタに向けて辛らつな言葉をかける。辛らつな言葉を受けたソナタは目をぱちくりさせ、その様子を見たタツヤが慌ててカズヤを咎める。
「こ、こら・・・ダメじゃないか、カズヤ君。そんな・・・」
「うっせぇんだよ、弱虫兄貴」
「・・・っ」
だがカズヤがタツヤの痛いところをついてきて、タツヤは急に押し黙る。
「・・・けっ」
カズヤは付き合ってられないと言わんばかりにアツシを連れて自分の部屋に戻っていった。
「・・・タツヤ君、もしかして・・・弟君との関係はうまくいってない?」
「・・・はい・・・お恥ずかしながら・・・」
今の流れを見てソナタは兄弟関係がギクシャクしていることを尋ねてみると、タツヤは顔を沈ませ、肯定している。
「原因はわかってるんです・・・。僕は・・・こんな気が弱いところがありますから・・・プライドが高いカズヤ君とは、全然馴染めなくて・・・」
「そ・・・そっか・・・なんか、悪いこと聞いちゃったね・・・」
聞いてはいけないことなんじゃないかと思い、罰が悪そうな顔になるソナタ。
「で、でも!全部が悪いってわけでもないんです。今では、それなりには、話せていますから」
そんなソナタを気を使ってタツヤは自分の思っていることを話す。
「実は、アツシ君が生まれてから、カズヤ君と一緒にお世話をすることがあるんですが・・・アツシ君と関わっているときだけ、カズヤ君とは、少しですが・・・うまく会話が繋げられてるんです。その時のカズヤ君の顔は・・・笑っていました。その顔を見ているだけで、僕は、嬉しく感じるんです」
そんな話をしているタツヤの顔は、少しうれしそうな顔つきになっていた。
「アツシ君の存在が僕とカズヤ君を繋げてくれたんです。あの子がいなかったら、きっと僕は、もっと臆病になっていたのかもしれません。兄としては、情けない話ですが・・・」
タツヤは兄として思うところがあるのか、少しばかり複雑そうな表情をしている。それに対してソナタは少し微笑ましい表情になっている。
「私は1人っ子だから、タツヤ君みたいな考え方はできそうにないな。だから・・・羨ましく思うよ」
「そうですか?」
「うん。・・・ねぇ、もしよかったらなんだけど、またカズヤ君と会わせてくれるかな?」
「え?カズヤ君を・・・ですか?」
ソナタの突然の申し出にタツヤは目を見開く。
「うん。ここで会ったのも何かの縁だし・・・それに・・・あの子、まるで、アツシ君しか、拠り所がなさそうに見えて・・・」
「!・・・鋭いですね・・・」
ソナタの推察にタツヤは目を見開き、後に苦笑いを浮かべる。
「引っ越す前にも、カズヤ君は僕だけじゃなくて、誰とも寄り添わなかったんです。それは今も変わりません。だから少し、心配になってくるんです」
「なるほど・・・」
タツヤの説明にソナタはうんうん納得する。
「・・・会ったばかりでこんなこと頼むのはおこがましいのですが・・・お願いします。毎日、とは言いません。少しでもカズヤ君を気にかけてくれませんか?もう、僕だけでは、どうしようもできなくて・・・誰かの協力が、どうしても必要なんです」
実の弟のために、タツヤは自分に今できることと思い、ソナタにそう頼み込んだ。ソナタとしては、困った人を放っておく事はできず・・・何より、せっかくのお隣のお宅の頼みなのだから、断る理由はなかった。
「もちろん。最初に会わせてって言ったのは私だし・・・何より、そこまで頼まれたら、断れないからね」
「!ありがとうございます」
ソナタの了承を得られて、タツヤはようやく、心の奥底からの笑みを浮かべる。
「さて、と。そろそろ帰らないとお母さんに怒られるし、また明日にでも・・・」
「あ、あの!」
「?どうしたの?」
「じ・・・実は緑苑坂さんをお呼びしたのは、もう1つ、お願いがありまして・・・」
「何かな?」
タツヤはソナタに向かって、お願いしたいことを思いきって口にする。
「緑苑坂さんと一緒にいた方と、会わせていただけないでしょうか!」
「?一緒にいた・・・?それって誰の事・・・?」
一緒にいたと言われてもあの場には多くの知り合いがいたので、ソナタにはあまり特定できない。
「日比野エスカさんを見事に追い払ったあの人のことです!あの、メガネをかけていて、行動力溢れる、というか・・・」
「・・・・・・それって・・・新右衛門君~~~~!!??」
タツヤが会いたがっている人物が、まさかの友人である新右衛門であるということにソナタは驚きを隠しきれず、思わず叫んだのであった。
リマインド2「俺が店長だ!!」
一方その頃新右衛門はソナタたちと別れた後、病院へと赴き、とある少女の病室へと向かっていく。病室にたどり着き、扉を開けると、そこには小さな寝息を立てながら眠っている少女がいる。
少女の名は戸倉ミサキ。今は亡き新右衛門の兄の娘であり、新右衛門の姪っ子でもある。ミサキの両親は、不幸な事故によって亡くなっており、そのトラウマの影響もあってか、現在はこの病院で入院している。新右衛門はそのミサキのお見舞いに来ているのだ。
「・・・ん・・・んん・・・」
「!」
ミサキは悪夢でも見ているのか、うなされている。新右衛門はそれ見て、ミサキの両手を握って、ミサキを落ち着かせる。
「・・・すぅ・・・」
落ち着いたのかミサキはまた静かに寝息を立てた。その様子に新右衛門はひとまずは安心する。今のミサキの様子を見て、新右衛門は昔のことを思い出す。
『新右衛門君がおじ・・・じゃなくてお兄さんになったから、もう前みたいなやんちゃはできませんね』
『そうねぇ。姪っ子のミサキも生まれたんだし、シン君も私に甘えてばかりじゃいられないわよ』
『俺はもう1人前だぜ。これからは、俺が兄貴代わりになって、面倒を見てやるからな。ミサキちゃんが、いつまでも笑顔でいられるように』
『頼りにしております、シン君』
『お前に大それたことできるわけないだろ、バカ衛門』
『なんだと、頭でっかち雷門』
『なんだと?』
『きゃっきゃっ』
『もー・・・ミサキちゃんの目の前で・・・やめなって・・・』
『うふふ・・・』
幼馴染たちと、義姉の思い出を振りえると、新右衛門は少し寂しそうな顔をしながら、窓から外の景色を見つめる。
「・・・来てたんだ」
新右衛門がぼんやりとしていると、ミサキが目を覚ました。
「あ、起きたの、ミサキちゃん」
「にゃ~」
新右衛門がミサキに顔を向けると、突然の猫の鳴き声が聞こえてきた。その声の主は新右衛門の髪から出てきた。
「にゃ!」
「お前・・・そんなところに・・・」
「んにゃ!」
新右衛門は頭に乗っている子猫をそっと抱える。
「どうしたの?その子・・・」
「んにゃぁ~!」
「・・・かわいい・・・」
新右衛門の抱えている猫を見て、ミサキは率直な感想を述べるが、全く笑っていなかった。そして、新右衛門の複数の傷の治療跡に気が付く。
「・・・その傷・・・」
「!」
「・・・また無茶したんでしょ」
ミサキの指摘に新右衛門は慌てふためく。
「あ!いや・・・その・・・。今日も、キャピタルは守り抜いたよ」
「・・・もう、やめてもいいよ」
やめてもいい・・・その言葉の指す意味は、キャピタルは守らなくてもよいということだ。
「何言ってんだよ!キャピタルはミサキちゃんの父さんと母さんが残してくれた、大切な・・・」
「無理してない?」
ミサキの問いかけに新右衛門は少し戸惑いながらも答える。
「し・・・してるもんか!無理なんて・・・全然・・・」
「・・・そう・・・」
新右衛門の答えにミサキは何も言わず、また目を閉じる。新右衛門は少しミサキに思うところがあるのか、顔色が優れなかった。
「・・・じゃあ、また・・・」
とりあえずミサキの顔を見ること、キャピタルについて話し終えたので、新右衛門はミサキの病室から退室する。新右衛門の脳裏に浮かび上がるのは、過去に自分が言った言葉だった。
『ミサキちゃんが、いつまでも笑顔でいられるように』
「・・・くっ・・・」
ミサキは今も笑顔を見せてくれない。新右衛門は自分で言っておきながら、そのことを実現できていないことにたいして、歯がゆく、悔しい気持ちになる。子猫はそんな新右衛門の気持ちを察してか、頬をひと舐めした。
☆
翌日、新右衛門とソナタ、マークが通っている後江高校の放課後、マークはキャピタルへ向かおうと思って新右衛門とソナタと話しているのだが・・・
「居残り?」
「そうなんだ。私、日本史の小テスト、ギリギリ落ちたからさぁ・・・」
「ギリギリならまだマシな方だろ?俺なんて、全滅だったからさぁ・・・」
新右衛門とソナタは先日行われた小テストでいい結果を出せず、居残りが確定しているのだ。
「言ってくれればコーチしたのに・・・日本人のくせに、日本史がダメだなんて、お漬物なのデース」
「お漬物・・・?」
マークの言葉にどういうことか考える新右衛門。それにはソナタが苦笑いで指摘。
「えーっと、もしかして、うつけものじゃないかな?」
「オウ!ソーリー!間違えました!うつけものね!幼い頃の織田信長の呼び名デース」
「それって、信長が秀吉を猿って呼んでた話と似たようなものなの?」
「その逸話は間違いで実際の呼び名は、ハゲネズミだったみたいデスけどね」
「織田信長も日本史は苦手だったのか?」
「信長にしてみれば、現代史デスけどね。先にキャピタルに行ってまーす」
とにもかくにも、2人は居残りというので、マークは先にキャピタルへと向かうことに決めた。
「マーク、忘れもん」
新右衛門はマークにキャピタルを開けるための鍵を渡す。
「2人とも、居残り、頑張るのデスよ」
「ありがとうな」
「道中気を付けてね」
マークは新右衛門とソナタに見送られながら、教室を出て今日もキャピタルへと向かっていく。新右衛門とソナタはこれから始まる日本史の補修を受けるのであった。
☆
キャピタルへ続く道のり、マークはただ1人で歩いていた。そこへ1台のリムジンが通りがかった。マークはリムジンに注目し、リムジンはマークの目の前で止まった。リムジンの窓が開き、顔を見せたのは、カードショップエスカの女社長、日比野エスカだった。
「ご機嫌用、ミスターマーク・ホワイティング」
(!エスカ日比野・・・!本物のうつけものの登場デース・・・)
エスカの顔を見た途端、マークの一気に怪訝な表情を浮かべた。
☆
それから時間が経ち、日本史の補修を終えた新右衛門とソナタはキャピタルへと向かっていた。
「・・・それで?会わせたい奴って誰なんだ?」
「まぁ、待ってよ。一応、キャピタルで待ち合わせってことになってるから」
2人がそんな話をしていると、信号のところで昨日知り合いになったばかりのフィナと鉢合わせた。
「あ・・・おーい!フィナー!」
「あ、ソナタ!それに、新田君!」
「新田ってのは堅苦しいから、新右衛門でいいぜ」
新右衛門とソナタはフィナと出会えて、笑みを浮かべている。
「今日もキャピタルに来てくれるんだ!」
「うん。約束したし・・・それに、ヴァンガードのこと、もっと知りたいし」
「ヴァンガードに興味を持ってくれて、ありがとうね!」
「あれ?雷門と鬼島は一緒じゃないのか?」
話し込んでいると、新右衛門は雷門と鬼島がいないことに疑問を持つ。それにはソナタは呆れてる。
「新右衛門君、今日は2人はアルバイトだよ?来れるわけないでしょ?」
「ああ、そっか・・・」
「そもそも、先輩方は高等部なので、会う機会は少ないんだけどね」
疑問が解消され、新右衛門がうっかりと言わんばかりに頭をかいている。すると・・・
「んぁ~」
「あ、ポコ、家にいてって言ったのに・・・」
フィナの髪からひょこっと帽子をかぶったカワウソ出てきた。
「わぁ~!かわいい!このカワウソは?」
「あ、この子はうちで飼ってるカワウソなんだ。名前はポコっていうの」
「へぇ~・・・」
「にゃー」
「お前・・・また・・・」
フィナがカワウソ、ポコを紹介し終えると、新右衛門の髪から子猫が出てきた。その子猫とカワウソはお互いにじゃれあってる。
「ぁー」
「にゃー」
「じゃれあってるね。かわいいなぁ・・・新右衛門君もそう思わない?」
「うーん、そういわれてもなぁ・・・」
子猫とポコがじゃれあってるのを見つめているソナタと新右衛門に、フィナが気になることを問いかけてきた。
「つかのことを聞くんだけど、2人って恋び・・・」
「違うよ」
フィナの問いかけにソナタは即答で否定した。
「でも付き合っ・・・」
「てないよ」
「誤解してるようだから言うけど、俺とソナタはそんな・・・」
「新右衛門くーん!!」
フィナの誤解を解くために新右衛門が口を開いた時、ミクルとキャロがタツヤを連れてやってきた。
「ミクルちゃん。師匠とゲンさんなら、今日は来ないと思うぜ」
「あ、違う違う。お兄ちゃんとライブさんのことじゃなくて・・・」
「この子に君を紹介してくれてって頼まれたから・・・」
新右衛門はタツヤの方に視線を向ける。タツヤは一瞬だがビクッとなる。
「もしかして、紹介したいってのは・・・」
「そう、うちのお隣さんの・・・」
「は・・・初めまして!晴海中1年の橘タツヤっていいます!僕・・・」
タツヤは緊張しているのか、かなりおどおどしている。
「昨日の騒ぎ、見てたんだって」
「昨日・・・?なんかあったっけ?」
「もう忘れてるし・・・」
「新田さんが日比野エスカを退散させた・・・」
昨日の猫騒ぎのことを思い出した新右衛門はなぜかドヤっとした表情になる。
「あ、ああ!そっかぁ・・・でも、新田さんってのは堅苦しいなぁ。新右衛門でいいぜ!」
「は・・・はい!新右衛門さん、かっこよかったです!」
タツヤが新右衛門のことをかっこいいと言い出し、新右衛門をよく知るソナタ、ミクル、キャロは疑問符を浮かべる。フィナは首を傾げている。
「?」
「「「かっこよかったぁ?」」」
「かっこ・・・よかった・・・?」
かっこよかったとは褒められていることだと気づいた新右衛門はにっと笑い、タツヤの背中をバンバンと叩く。
「だろだろ!俺かっこよかっただろ!もっと言っていいんだぜ!」
「あのね、しんえ・・・」
「くはあぁ~、そうかぁ~、見られてたかぁ~。そりゃあ、そうだよなぁ!あんなことしたら、注目浴びちゃうよなぁ!でもさぁ、お前中々見る目あるなぁ~、はっはっは」
新右衛門が調子に乗って背中をぐる~っと曲げていると・・・
グキィ!!
「おおお!!!?ああああああ!!」
ぎっくり腰にあい、痛みで地面をのたうちまわっている。
「「むしろないんじゃないの?」」
「うわ~!あんなに体も曲がるんだぁ!興味深いなぁ!」
「あれ・・・痛がってるんじゃないかなぁ?」
かっこいいとは真逆の光景にミクルとキャロは呆れる。タツヤは変な部分で尊敬をし、フィナは少しずれている発言をしているタツヤに苦笑い。
「もう!何やってるの新右衛門君!」
ソナタは呆れながらも新右衛門に近づき、ぎっくり腰を治していく。
「いい?じっとしててよ?」
「ソナタ?もっと優し・・・いいいいいいい!!いてててててて!!」
そんな様子を見ててタツヤは気になったことを質問する。
「あの・・・緑苑坂さんと新右衛門さんはどういったご関係で・・・」
「あの2人、幼馴染なんだって」
「なんか家族関係で仲良くなったんだって」
「へぇ~・・・通りで・・・」
タツヤの疑問をミクルとキャロが答え、新右衛門とソナタの関係にフィナは納得する。
「これでよし。もうぎっくり腰は起こさないでよ?」
「いてて・・・善処するよ・・・」
新右衛門のぎっくり腰を治したところで一同はようやくたどり着いたキャピタルの中へと入っていく。
「マーク、お待たせ」
「にゃあ」
「ぁー」
「あ、猫ちゃん、ポコ・・・」
店の中に入ったと同時に子猫が新右衛門の髪から、ポコがフィナの髪から出てきた。
「頭の上で飼ってるんですか?」
「飼ってるっというか・・・住みつかれたっていうか・・・」
「本当なら家にいてほしかったんだけど・・・」
子猫とポコは飛び出していき、店の奥に向かって威嚇をしている。
「ぁーー!!」
「しゃー!!」
薄暗い中、威嚇している方向には、後江高校の制服を着て、素顔を兜で隠している男がいた。
「!お前誰だ!!」
「某は!ニンジャマスター!!」
「「ニンジャ・・・」」
「「「マスター?」」」
ニンジャマスターと名乗る男にソナタ、ミクル、キャロはうわっとした顔になる。
(うわ!マーク君じゃん!)
そう、このニンジャマスターの正体は、先にキャピタルに来ていたマークなのだ。きっかけは彼が生やしている顎髭だ。
「お前!エスカの手先だな!!」
「「「えっ!!?」」」
「マークをどこへやった!!」
(((気づいてないのぉ!!?)))ガビーンッ!
新右衛門は全く気が付いてないようだ。
「知りたければ、某に勝つでござる」
マーク、もといニンジャマスターは新右衛門に自身のデッキを突き付ける。ニンジャマスターのデッキを見て新右衛門は目を見開く。
「そのカード!お前それ、マークのデッキだろ!」
「じ!!じま・・・」
「人のデッキを奪うなんて、最低な奴だな!」
「本当ひどい!」
「ぼ・・・僕も、そう思います!」
ニンジャマスターの自前のデッキをマークから奪ったと思い込んでる新右衛門は怒りを覚える。フィナも賛同し、タツヤは戸惑いながらも同意する。
「お前だけは、俺が絶対に倒す!!」
(ウワーオ・・・騙せた・・・)
うまいこと誤魔化せて、新右衛門って案外ちょろいのでは?と感じてしまうニンジャマスター。
「はっはっは!よろしい!ならばこのファイト、何か賭けるでござる!」
「例えば、この店とか?」
「いい勘でござるな。某が勝利すれば、立てこもりはやめてもらうでござる」
「いいぜ、ヴァンガードファイトだ」
ファイトをする際の賭けを新右衛門が了承をし、成立させた。
「キャピタルは俺たちが通う場所!俺たちの遊ぶ場所!そして!この俺が守る場所!俺は新田新右衛門!!心してかかってこい!!」
「なにその口上?」
「恥ずかしい・・・」
「ダサ」
「あはは・・・」
「かっこいい!」
新右衛門の口上にソナタとミクルは呆れ、キャロは辛らつな言葉を放ち、フィナは苦笑い。タツヤだけかっこよく感じている。何はともかく、新右衛門とニンジャマスターはファイトの準備を進める。
「準備はいいか!」
互いに準備を整えて、ファイトが開始される。
「「スタンドアップ・ヴァンガード!!(でござる!)」」
「新風のパーン!」
「
新風のパーン PW6000
「俺の先攻だ!ドロー!ライド!天球のアトラス!」
天球のアトラス PW8000
「パーンのスキルで1枚ドロー!ターンエンドだ!」
R アトラス R
R R R 新右衛門の手札6枚 山札42枚
「某の番でござる!ドロー!ライドの術!
「ウシミツマルのスキルで1枚ドロー!」
R クロギリ R
R R R
「クロギリでヴァンガードに攻撃でござる!」
「ノーガードだ!」
「ドライブトリガー確認『
「ダメージチェック『アンブロジアル・スネーク』」
「某の番、終了でござる!」
PW8000➡PW8000 ニンジャマスターの手札7枚 山札41枚 新右衛門のダメージ1枚
「俺のターンだ!ドロー!ライド!無灯のプロメテウス!」
無灯のプロメテウス PW10000
「プロメテウスのスキル発動!山札の上から2枚見て、1枚をソウルへ『白妙の魔術師コルツ』1枚を山札の上へ!コール!詩聖のパルテノス、月光のダイアナ!」
詩聖のパルテノス PW9000
月光のダイアナ PW8000
R プロメテウス パルテノス
R R ダイアナ
「プロメテウスでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!でござる!」
「ドライブチェック『サイバー・タイガー(☆)』クリティカルトリガー!パワーはパルテノスに、クリティカルはヴァンガードに!」
「ダメージトリガー確認『忍妖タタリブエ』2枚目『千本大刀の忍鬼オボロザクラ』」
「ダイアナのブースト、パルテノスでヴァンガードにアタック!」
「忍法、空蝉の術!『忍竜クロガネ(☆)』『忍竜クロガネ(☆)』」
「ターンエンドだ」
PW10000➡PW8000
PW27000➡PW8000+SH30000=38000 新右衛門の手札5枚 山札38枚 ニンジャマスターのダメージ2枚
「某の番!スタンド&ドロー!ライドの術!
「クロギリのスキル発動でござる。ソウルブラスト『
クロギリが空を飛び立ち、2つの煙玉を地面に叩きつけ、煙を発生させる。煙が晴れた場所には、2体の変わり身人形が置いてあった。
「なんだあれ⁉」
「
「
「それより、トークンって何かな?」
タツヤは見たことないトークンユニットに驚愕し、ヴァンガード初心者であるフィナは首を傾げる。ソナタがトークンについて説明する。
「一部のユニットには、スキルによってデッキには入れられない特殊のユニットをコールすることができる・・・それがトークンユニットだよ。現段階でわかってるのは、プラントトークン、
「へぇ~・・・」
「加えて、コールの術!忍獣チガスミ!クロギリ!」
忍獣チガスミ PW9000
「ザンゲツのスキル発動でござる!さらに
チガスミ ザンゲツ クロギリ
妖魔変幻 妖魔変幻 妖魔変幻
「参るでござる!
「ガード!『タリスマン・エンジェル(引)』」
「
「ノーガード!」
「ドライブトリガー確認でござる『忍竜ボイドマスター』」
「ダメージチェック『天球のアトラス』」
「
「ノーガード!ダメージチェック『希望の管理人パンドラ』」
「某の番、終了でござる!」
PW13000➡PW9000+SH5000=14000
PW14000➡PW10000
PW14000➡PW10000 ニンジャマスターの手札4枚 山札37枚 新右衛門のダメージ3枚
「俺のスタンド&ドロー!見ろ、俺のグレード3!ライド!眩しい闇、そこには全ての運命が記されている!我はそれを詠む者!推参!!煌天神ウラヌス!!」
煌天神ウラヌス PW13000
「ゲット!イマジナリーギフト・フォースⅠ!!」
イマジナリーギフト・フォースⅠ発動! 対象『煌天神ウラヌス』
「あれ?ソナタとは違うイマジナリーギフト・ギフトだ」
「前に説明したと思うけど、フォースには2つ能力があって、新右衛門君が選んだのはⅠの方。設置した場所にパワープラス10000を得られんだよ」
「10000⁉すごい!」
「でも、イマジナリーギフトは1度選んだらもう片方は選べなくなるから、注意が必要なんです」
「そっかぁー、なるほどー・・・」
フィナの疑問にソナタ、タツヤが回答する。フィナは疑問が解けて、楽しそうにしている。
「ウラヌスのスキル発動!ソウルブラスト『新風のパーン』『天球のアトラス』ゲット!イマジナリーギフト!」
イマジナリーギフト・フォースⅠ発動! 対象『煌天神ウラヌス』
「スキルでイマジナリーギフトを手に入れた⁉」
「これでウラヌスはパワー33000!」
R ウラヌス プロメテウス
R R ダイアナ
「行くぜ!ウラヌスでヴァンガードにアタック!」
「ノーガードでござる!」
「ツインドライブ!ファーストチェック『煌天神ウラヌス』ノートリガー!セカンドチェック『タリスマン・エンジェル(引)』ドロートリガー!パワーはパルテノスに!1枚ドロー!見えた!貴様の運命!!」
ウラヌス(新右衛門)は護符をザンゲツに向けて放った。護符は術が発動し、ザンゲツの動きを封じる。ザンゲツが封じられてる隙にウラヌスが剣による斬撃を放った。
「ダメージトリガー確認『
「ダイアナのブースト、続け!詩聖のパルテノス!ヴァンガードにアタック!
パルテノスのスキル発動!ヴァンガードが星詠でブーストされてアタックした時、カウンターブラストを払う!ゲット!イマジナリーギフト!」
イマジナリーギフト・フォースⅠ発動! 対象『煌天神ウラヌス』
「ヴァンガードサークルに3枚も・・・でも、なぜ・・・?」
「それは、後からのお楽しみだよ。なにせ本当にすごいからね」
「は、はあ・・・」
「忍法、空蝉の術!忍竜ガンバク!そして、
「マークお得意のやつか!お前・・・デッキを奪っただけじゃなく、プレイングまで・・・!くうぅ・・・!」
(((本気で気づいてなーい・・・)))
未だにニンジャマスターがマークであると気づいてない新右衛門にソナタ、ミクル、キャロはもう泣きそうである。
「くっ・・・ターンエンドだ」
PW33000➡PW9000
PW27000➡PW9000+SH20000=29000 新右衛門の手札6枚 山札32枚 ニンジャマスターのダメージ3枚(裏2枚)
「某の番!スタンド&ドロー!ライドの術!
「イマジナリーギフト・プロテクトⅡ!」
イマジナリーギフト・プロテクトⅡ発動! 対象『忍獣チガスミ』
「あれ?フォースとは違うイマジナリーギフトだ」
「イマジナリーギフトには、フォースの他にも3種類あって、各クランによって、得られるイマジナリーギフトが変わってくるんです」
「まー・・・じゃなくて、ニンジャマスターが今使ったのはプロテクト。守り重視の能力を持ってるよ。Ⅱの方は設置した場所にパワープラス5000、シールドプラス10000を得られるんだよ」
「へぇ~・・・私はどんなイマジナリーギフトなんだろう・・・楽しみだな」
フィナは自分の使うデッキのイマジナリーギフトに少なからずワクワクしていた。
「さらに!暁ハンゾウのスキル発動でござる!グレード0である
「新右衛門さんのリアガードが手札に戻された・・・!」
「それだけではない!お主はリアガードを戻された枚数分、つまり、手札を2枚捨てなければならないでござる!」
「な、なんだって⁉」
「・・・・・・」
「さらに、クロギリを後ろに下げ、コールの術!出でよ!ザンゲツ!
ザンゲツのスキル!カウンターブラスト!口寄せの術!
同じスキルをもう1度!カウンターブラスト!口寄せの術!
「これで6体が並んだ!」
チガスミ 暁ハンゾウ ザンゲツ
妖魔変幻 妖魔変幻 クロギリ
「成敗でござる!クロギリのブースト、ザンゲツでヴァンガードに攻撃でござる!」
「ガード!『月光のダイアナ』」
「
「ノーガード!」
「ツインドライブ!1枚目『忍妖タタリブエ』2枚目『忍竜ガンバク(☆)』まごうことなきクリティカルトリガーでござる!パワーはチガスミに、クリティカルは暁ハンゾウに与えるでござる!」
暁ハンゾウは
「ダメージチェック『詩聖のパルテノス』セカンドチェック『戦巫女ククリヒメ(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部ヴァンガードに!」
「これでダメージ5!」
「
チガスミのスキル発動でござる!手札を1枚捨て、チガスミにパワープラス15000でござる!見えたでござる・・・勝利のイメージ!」
「これって・・・どういうこと?」
「えっと、最初の
「パワー49000のアタックだ!」
「新右衛門君、負けちゃうの?」
「負けないよ、新右衛門君は。絶対に」
負けるかもと心配したミクルだったが、ソナタは新右衛門は負けないと断言した。
「ガード!『サイバー・タイガー(☆)』『大鍋の魔女ローリエ(治)』」
「!くぅ・・・!某の番、終了でござる・・・!」
PW17000➡PW13000+SH10000=23000
PW37000➡PW13000(+10000)
PW49000➡PW23000+SH35000=58000 ニンジャマスターの手札4枚 山札33枚 新右衛門のダメージ5枚(裏1枚)
「今度はこっちの番だ!」
「ぬぅ・・・!」
「もう1度煌天神ウラヌスにライド!!ゲット!イマジナリーギフト!!」
イマジナリーギフト・フォースⅠ発動! 対象『煌天神ウラヌス』
「えっ⁉4枚目⁉」
「ウラヌスのスキル発動!ソウルブラスト『無灯のプロメテウス』『煌天神ウラヌス』ゲット!イマジナリーギフト!」
イマジナリーギフト・フォースⅠ発動! 対象『煌天神ウラヌス』
「5枚目⁉」
「来るよ・・・新右衛門君のとっておきが!」
新右衛門がイマジナリーギフトをヴァンガードに5枚設置した時、真ん中後列のリアガードサークルに変化が起きた。
「な・・・何が起きてるの⁉」
「サークルシフト!!ウラヌスのイマジナリーギフトが5枚になった時、ヴァンガードの後ろのリアガードサークルは、星域となる!!そして・・・星域に立つのは・・・」
ウラヌス(新右衛門)の背後より、巨大な地響きが起こり、地面から何かが出現してきた。その何かは、全てを圧倒させるほどの巨人で、巨人が現れたことにより、城があった場所は神々しい領域、星域と化した。
「イメージを塗り替えろ!!大いなる星詠の守護神!!絶界巨神ヴァルケリオン!!!」
絶界巨神ヴァルケリオン PW70000
「な・・・なんだってー!!?」
「ど、どうしたの⁉」
「あ、あのカード・・・グレード5で、パワー70000⁉」
「あれが・・・新右衛門君の絶対的エースカード・・・星詠の守護神、絶界巨神ヴァルケリオンだよ」
「ヴァル・・・ケリオン・・・」
新右衛門の最強ユニット、ヴァルケリオンの登場にタツヤは心の奥底から、驚く。
「あれ?でもヴァルケリオンはグレード5でグレード3じゃコールできないんじゃあ・・・」
「普通ならね。でもヴァルケリオンは特別なユニット。星域さえ展開できていれば、グレード関係なしに、星域サークルにコールすることができるんだよ」
「すごい!!」
フィナの疑問にソナタが答えると、フィナは心の奥からヴァルケリオンのすごさが伝わった。
「驚くのはまだ早いぜ!星域にいるユニットは、後列からでもアタックできる!」
「「ええええ!!?」」
「ヴァルケリオンのスキル発動!山札の上から5枚を見て、選んだカードのユニットのグレードがドライブチェックの数になる!」
「選ばれたカードは煌天神ウラヌス・・・グレード3・・・だね」
「てことは、トリプルドライブ⁉」
R ウラヌス R
R ヴァルケリオン R
「ヴァルケリオンでヴァンガードをアタック!ヴァルケリオン・・・ゾディアック・ブレーザー!!!」
「ぬぅ・・・ノーガードでござる・・・!」
「トリプルドライブ!ファーストチェック『戦巫女ククリヒメ(☆)』」
「クリティカルトリガー⁉」
「パワーはウラヌスに、クリティカルはヴァルケリオンに!セカンドチェック『詩聖のパルテノス』サードチェック『戦巫女ククリヒメ(☆)』」
「ダブルクリティカル!!?」
「パワーはウラヌスに、クリティカルはヴァルケリオンに!」
ヴァルケリオンは暁ハンゾウに狙いを定め、レーザーピットを操り、全弾を一斉掃射する。対処しきれない暁ハンゾウは成す術もなく、レーザーに飲み込まれていった。
PW70000➡PW12000
ダメージチェック『
新右衛門のダメージ5枚 ニンジャマスターのダメージ6枚
「ダメージ、6・・・くうぅ・・・!」
ニンジャマスターは悔しさで思わず後ずさり・・・
コツンッ
「おわわわわ・・・わぁ⁉」
近くに置いてあった段ボールに躓き、盛大に転んだ。その際に兜が外れ、素顔が露になった。
「マーク!!?」
素顔を見たことでようやくニンジャマスターがマークだと気が付く新右衛門。
「どうしてお前が⁉」
「きっと新右衛門に愛想を尽かして、エスカに寝返ったんだよ!」
「ノー!!違いマース!!」
「え?」
キャロの発言にマークは必死に否定し、なぜ変装してまで新右衛門に立てこもりをやめさせようとしたのかを全員に説明する。
「エスカに・・・頼まれた?」
「このまま立てこもらせておくと・・・新右衛門の成績に響くから、と言われました・・・」
「まぁ、あながち間違ってないね」
「確かに、エスカの言うとおりね」
「雷門と違って、新右衛門はバカだからね」
「うぐぐぅ・・・」
つまりマークは新右衛門の成績を落とさせないようにするために立てこもりをやめさせようとしたのだ。正論を言われて新右衛門はぐうの音も出なかった。
「でもそれって逆の言い方をすれば・・・」
「お2人の友情を利用されたってことですよね?」
フィナとタツヤの意見に新右衛門はエスカにたいして激しい怒りを示す。
「俺たちの友情を・・・!なんて女だ、日比野エスカ!!マーク、わかった。今回の件、水に流すぜ」
「オーウ、ワーラースルーデスネ!」
「ちょっと違う気がするけど・・・」
新右衛門はマークの事情を聞き、今回の件を不問にすることにした。
☆
「・・・ずいぶんな言われようね」
エスカはキャピタルにドローン飛ばして、新右衛門たちの行動をお風呂に入りながら見ていた。
『俺はキャピタルを守り抜く!店長として!』
「ふん、何が店長よ。子供のくせに」
新右衛門の店長発言にエスカは鼻で笑い飛ばした。
『にゃー』
『ぁー』
画面を見てみると、子猫とポコがドローンの画面を顔を近づけて見つめている。
「ね、ねこぉ!!?いやあぁ!!」
猫嫌いのエスカは子猫を見て慌てふためいた。
☆
問題が一段落した後、キャピタルのメンバーは新右衛門の今の現状をタツヤとフィナに教えている。
「ええ!!?このお店に住んでるの⁉」
「ああ!エスカに渡さないためにな!」
どうも新右衛門は店をエスカに買収されない目的でキャピタルの中で1人暮らしているようだ。
「学校以外はほぼこれなの。呆れちゃうでしょ?」
「興味深い・・・」
「橘って意外に変人?」
前代未聞と思われるような光景にミクルは呆れ、タツヤは興味津々。そんなタツヤをキャロは訝し気に見つめる。
「?この写真は?」
タツヤが店を探っていると1枚の写真立てを見つける。そこに写っていたのは、新右衛門とミサキ、ミサキの両親と共にカードキャピタルが写されていた。
「ああ!いいじゃねぇか!気にすんな!」
「ああ・・・はい」
これは触れてはいけないものだと思い、タツヤはこの話題に触れないことにした。事情を知っているメンバーたちは、新右衛門の心情を察している。
「晩飯食ってくか?」
「お金ないのに何言ってるの?本当に」
新右衛門は店の中に張ってあるテントに入り、あるものを取り出した。それはインスタント麺であった。
「オーウ!最高峰のジャパニーズフードデスね!」
「わあ、これが噂に聞くインスタントラーメン!」
「わあ!喜んで!」
新右衛門はさっそくインスタント麺の調理をしようとするが・・・
「店内で煮焚きは禁止!!いつも言ってるでしょ!!」
ミクルに咎められてしまう。
「いいじゃねぇか今日くらい!店長の俺がいいって言ってんだ!」
「店長⁉どこにいますか、そんな人が!!」
「なっ!俺が店長だーーーー!!!」
「にゃーーー」
新右衛門の叫びがカードキャピタル中に響いたとさ。ちなみに子猫は店長というワードに反応し、鳴き声を上げたのだった。
to be continued…
ソナタ「マーク君ってニンジャマスターになると口調が変わるんだね」
マーク「オーウ、変わってましたか?ソナタさん」
ミクル「兜被った」
ニンジャマスター「某!ニンジャマスターでござる!」
キャロ「脱いだ」
マーク「私、マーク・ホワイティングで・・・はぁ!本当だ・・・変わってマース」
新右衛門「わかったぜ!この兜には志半ばで亡くなった忍者の怨念が宿ってるんだ!!」
マーク「オウ!そうだったのデスね!」
ソナタ「そんな不気味な兜、どこで手に入れたの?」
マーク「コスプレ用にハンドメイドしました」
ミクル・キャロ「適当なこと言うな、知ったか衛門!!」
リマインド3「エスカへようこそ!!」