チェイテ城は不滅なのよ!   作:麦わらぼうし

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「え? 私の強さですか?
 自己紹介の時に言ったじゃないですか……。
 一言で表すなら『ヘッポコ』です、って。
 そりゃまぁ、聖杯が有れば少しは戦えますよ?
 でも、普段の私では刀の振りも、魔術の発動も遅くて、戦闘しながらとか無理ですから。補助するぐらいが精々です。

 ………いや、確かに奥の手ぐらいはありますけど。
 多元重奏飽和砲撃(クウィンテットフォイア)、って言う魔術は知ってます? 捨て身な技だけあって、アレなら対魔力持ちのサーヴァント相手でも、ダメージを通せるんです。
 特に私は霊基を弄っているので、身体が耐えられる限界ギリギリまで魔力を込めれば、それこそ星の光と撃ち合えるかもしれません。
 まぁ、それも普段の私の魔力量では不可能ですので、机上の空論でしかありませんけどね?

 ……? 仮に聖杯があったら星の光に撃ち勝てるのか、ですか?
 う〜ん、どうでしょう?
 少なくとも、それが出来ると思うぐらい魔力を込めたら、私の身体は確実に砕け散るでしょうね……」


チェイテ城は不滅なのよ!15(勝利シナリオ)

 きれいなエリザとの戦い。

 

 お互いに臨戦態勢を取って、これから始めると言ったところで――

 

▶「待った!」

 

 藤丸立香が、唐突に声を上げた。

 

「………なんでしょうか?」

 

 警戒状態を解かないまま、彼女は立香に応答する。

 

▶「1対1で勝負しよう!」

 

「……巫山戯(ふざけ)てます?」

 

 なにかと思えば、戦い方の提案だった。

 

 いや、今から彼女が暴走した時の想定をして暴れるから、それを止められることを証明するために戦うのに、ルールを決めるとか、どう考えても矛盾した提案なのは立香も分かっている。

 

 しかし、彼らは別に殺し合いをするわけではない。

 

 あくまで、彼女が立香たちの事を信じられないから、納得する為に力を示す。という体裁(ていさい)で戦うのだ。

 

 言い換えれば、試合をするだけ。

 たとえ、彼女の方はそう思ってはいなくても、これは手合わせの範疇でしかないのだ。

 

 ならば、彼女に判断して貰うべきなのは、ただ相性の良いサーヴァントをぶつける事ではなく、彼女の全力を引き出したうえで、それを止めること。

 

 つまり、数の暴力で彼女が十全に動けないように戦うのでは意味がない。

 

 そう、立香は考えたのだ。

 

 ソレを聞かされて、彼女も「(まぁ、理屈は分かるけど……)」と思いはした。

 

 実際のところ、彼女からして見ても、本当に全力で暴れて、それを止められたのなら、仕方ないと観念するしかない。

 

 しかし、彼女が全力で暴れるということは、削ぎ落とした力を取り戻して、現在発動している宝具を解除し、ビーストとして覚醒することを意味する。

 

 それだけはダメだ。

 もう2度と、ビーストには絶対にならない。

 でも、そのことを立香たちに説明するつもりも、彼女には無かった……。

 

「……分かりました、1対1の勝負を受けます」

 

 なので、彼女は立香の提案を了承した。

 

 これで……1対1で戦う以上、マスターを狙うことは出来なくなった。

 マスターが致命傷となる攻撃を受ければ、たとえサーヴァントが戦えようとも敗北なのだ。

 

 そういう意味では、彼女の勝つ手段が1つ減らされたのだが。

 

「(私としても、その方が有り難いです……)」

 

 勝利条件を減らされたにも関わらず、彼女は心の中で安堵していた。

 

 そして立香は、彼女の返答を聞いて、改めてサーヴァント召喚を始める。

 

 マスターが狙われなくなった以上、マシュが守護に回る必要がなくなったので戦ってもらうことも出来るが、一応戦闘の余波を受ける可能性もあるので、召喚したサーヴァントに戦ってもらう。

 

 そして、立香が召喚したサーヴァントは―――

 

「召喚ありがとう、マスター。僕を選んでくれた君の信頼に応える為に、全力を()くさせてもらうよ」

 

 フードを被り、風を纏った武器を手にした。最優のセイバーの1人。

 騎士王、アーサー・ペンドラゴンだった。

 

「ッ―――」

 

 その姿を見た途端、今まで無表情だった彼女の顔が少し強張(こわば)る。

 

「(別の世界のアーサー王……ビーストになった私を止めてくれた方たちの1人……)」

 

 顔が隠れていようが関係なく、彼女は召喚されたサーヴァントの真名を看破した。

 

「(彼相手だと、私の投影魔術の武器じゃ役に立たない……)」

 

 騎士王の持つ剣。おそらく世界で最も有名な聖剣に、投影した武器程度では、どれだけ上手く扱っても剣筋を()らすこともできないだろう。

 

「(だったら――)」

 

 お互いに無言のまま時間が流れる。

 

 しかし、見かけは立っているだけであるのに、2人には明確に違いが(あらわ)れている。

 アーサーの方はどこまでも自然体であり、その姿はいつ戦闘が始まっても問題ないと言わんばかりだった。

 

 だが彼女の方は、精神を極限まで研ぎ澄ませており、呼吸が小さく汗が頬を伝っている。

 

 それぞれの実力差が、戦っていないにも関わらず、理解できる様になっていた。

 

 そして――

 

「ッ――」

 

「っ――」

 

 合図もなく。2人は、殆ど同時に動いた。

 

 ―――――パンクラチオン

 

 彼女が霊基の頑丈さにモノを言わせて、近接格闘術を繰り出す。

 武器を投影しても役に立たない以上、まだ弄った霊基でそのまま殴った方がマシだった。

 その証拠に、防御された(こぶし)は少し出血するだけで済んでいる。刀を砕かれて無駄に魔力消費するよりも断然いい。

 

 ―――――硬化、強化、加速、相乗

 

 更にルーン魔術を発動させ、その攻撃性と速度を爆発的に上昇させる。

 いつの間に、そんなルーンを刻んでいたのか? その答えは、先程まで無言で対峙していた時である。

 

 最も、目に見える形で刻んではいない。

 

 彼女がルーンを刻んだのは――体内だ。

 

 霊基を弄る事ができる彼女にとって、痛みを我慢すれば『傷』という形で体内に文字を描くぐらいは出来る。

 

 だが……

 

「(魔力放出もそうですが―――やっぱり直感スキルが強すぎです)」

 

 一工程(シングルアクション)で発動したルーンで攻撃を強くしても、魔力放出で力のアドバンテージが得られない。

 

 圏境を使うことも考えたが、彼女は長時間の使用ができないのだ。なので、アレは前動作を気付かせずに近づく奇襲ぐらいにしか使えない。

 

 だが、騎士王の直感の前では、奇襲は意味を成さない。

 

 同様の理由で固有時制御(タイムアルター)も使えない。アレは、かなりインチキをしてようやく使えるものだ。

 ルーン同様に、僅か時間で発動出来るが、使用後に反動が来るため隙が生まれてしまう。

 

 攻撃が当たる、と相手が確信したタイミングで使って倒せれば問題ないが、騎士王が相手だとカウンターを防がれて反動の間に倒されてしまう。

 

 そして、なにより厄介なのが――

 

「(本当に、凄まじい対魔力です……)」

 

 騎士王の持つ対魔力。

 

 これによって、彼女の扱える魔術では(ほとん)どがダメージを与えられないのである。

 

 発動の早い遠距離魔術では有効打が入らず、強力なモノは直感で避けられるか、切り払われる。

 

 かと言って、接近戦では風で剣筋が見えないから打ち合えず、駆け引きをしても直感で察知される。

 

 つまり、騎士王に勝つには、純粋な実力で圧倒するしか無いのだ。

 

 そして実力において、彼女では騎士王に届かない。

 

「(でも、手が無い訳じゃない……)」

 

 近接格闘で防御されている以上、少なくとも攻撃自体は届いているのだ。直感で察知されて避けられるなら――彼女自身が自爆覚悟で騎士王に効果のある魔術を直接叩き込めばいい。

 

 ―――――呪相・炎天

 

 彼女の拳に炎が(とも)り、叩きつけると共に火炎が放射される。

 

 ―――――呪相・氷天

 

 更に騎士王を逃さないように、彼女を中心とした竜巻を起こした。

 

 これは、呪術である。

 

 もっとも、呪術も魔術の一種であり、普通の呪術では対魔力を持っている騎士王には効果が無い。

 

 しかし、魔術が「そこにあるものを組み替えるプログラム」であるのに対し、この呪術は「自身の肉体を素材にして組み替えるプログラム」である。

 

 つまり、この呪術は、彼女自身の体を使って行われる物理現象なのだ。

 

 ただの物理現象である以上、対魔力では防ぐ事はできない。

 

「ハアッ!」

 

 だが、騎士王は掛け声と共に、炎も竜巻も剣の一振りで()き消した。

 魔力放出による圧倒的なフィジカルが、個人で行使できる物理現象ぐらいでは()じ伏せられてしまう。

 

「(それでも、貴方は私の攻撃に対処する為に、一手を使わなくてはいけません……)」

 

 こうなれば、後は根気比べだ。

 

 彼女が呪術を使い続ける限り、騎士王は攻撃を(さば)き続けなくてはならない。

 近距離で発動することで、炎天を使うたびに彼女は火傷(やけど)し、氷天を使うたびに風で裂傷(れっしょう)を負うが、大量の魔力で身体が勝手に回復する以上、痛いのを我慢すれば、彼女の攻撃は止まらない。

 

 騎士王に隙が生まれるまで、痛みに耐え続ければいいのだ。

 

「っ――」

 

 その行動に対して騎士王は、直感を切って攻撃を受けるギリギリを見切って、彼女に突撃した。

 

 それは、彼女の狙いを理解したから――というのもあるが、別の理由もあった。

 

 実際、騎士王の方は、まだまだ余裕があった。彼女の狙い通り攻撃を捌き続けても、おそらく彼の集中力が切れる前に、彼女に供給される魔力が先に底を尽きていただろう。

 

 彼女自身も、ソレは理解していた。

 しかし、これぐらいしか、今の彼女では騎士王に勝てる可能性が無かったのだ。

 

 そして彼女の取った戦い方は、ただただ彼女が一方的に傷付いて、殆ど存在しない僅かな可能性に掛けるというモノ。

 

 どうして、そこまでして勝ちたいのかは騎士王には分からなかったが、立香からの説明で、この戦いは殺し合いではないと知っている。

 

 ならば、多少攻撃が(かす)ろうとも、早期に決着を付けるべきだと判断したのだ。

 

「(ッ――)」

 

 ―――――錘形(ピュラミーデ)

 

 咄嗟に彼女は、正面に障壁を張る。だが……

 

「ヤアアッ!」

 

 騎士王の攻撃を防ぐどころか反らす事もできず「バキャンッ!」という音と共に砕け散り――

 

「ガッフ――――」

 

 そのまま、障壁で少しだけ勢いが落ちた剣撃によって、後方に吹っ飛ばされた。

 

「ウグッ……」

 

 彼女が霊基を頑丈にしていたこと、硬化のルーンを発動していたこと、直前で障壁を張ったことで衝撃を和らげた事により、騎士王の攻撃は致命傷とはならず、なんとかまだ戦闘続行は可能だった。

 

「もう十分じゃないかい? これ以上は、殺し合いになってしまうよ?」

 

「まだですッ!」

 

 騎士王の言葉を、この特異点に来てから初めて聞いた強い口調で彼女が否定した。

 

「まだ、私は全力を出していません。私が出せる全力の一撃を、今から使います」

 

 そう言って、彼女は自身の霊基を弄り始める。

 

 この間に攻撃してしまえば、騎士王―――つまり立香の勝ちだ。

 

「……マスター」

 

 だが、1人の騎士として、覚悟を持って挑もうとしてくる彼女の思いに応えたかった。

 しかし、今の彼はサーヴァントだ。個人の吟味より、主への勝利を優先するべきである。

 

▶「いいよ」

 

「ありがとう」

 

 そして、そんな心情を察知した立香はノータイムで許可を出した。彼の思いも、彼女の思いも尊重してあげたい。

 その上で、彼が必ず勝つと信じているからこそ、立香は許可を出した。

 

 ―――――筋系・神経系・血管系・リンパ系……擬似魔術回路変換、完了

 

 彼女の背中から巨大なドラゴンを思わせる翼が広がり、そこから溢れ出した魔力の光が羽ばたいた。

 

 そして、ある高度まで(のぼ)ると、彼女は上空(じょうくう)で静止する。

 

「そこに居たら、避けた時にマスターさんへ当たりますよ」

 

「避ける必要はないよ、僕が勝つからね」

 

「最悪の時は、私が受け止めます!」

 

「………そうですか」

 

 一瞬、彼女は目を閉じる。

 信頼し、信頼される、マスターとサーヴァントの関係。

 あぁ………本当に…本当に……。

 

 ―――羨ましい(・・・・)

 

「行きます」

 

「あぁっ!」

 

 魔力回路に、全身の全てに、彼女は魔力を(まわ)し始める。

 

 それに対し、騎士王も全力で彼女に応える。

 

十三拘束解放(シール・サーティーン)円卓議決開始(デシジョン・スタート)

 

 ――承認。ベディヴィエール、ガレス、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド

 

 ――是は、世界を救う戦いである

 

 アーサー」

 

 彼の周りに光が集まり、聖剣の拘束が外れていく。

 

 彼女を中心に光が渦巻き、全身に血が(にじ)んでいく。

 

 ―――――多元重奏(クウィンテット)

 

 

約束された(エクス)―――」

 

 

 

 

 フォイアァアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 

 カリバァアアアアアアアアッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、時間が止まったかのような光景だった。

 

 彼女の魔術は、全て劣化コピーの役立たずである。

 

 その中でもソレは、全身のほぼ全てを疑似的な魔術回路に誤認させることで瞬間的な大出力を放つ魔力砲だ。

 

 全身のいたる箇所に深刻な損傷を発生させ、サーヴァントで無ければ内臓破損や神経断絶によって命を落とす欠陥魔術。

 

 そんな1個人の犠牲程度で放てる魔術で、星の内海で精製された最強の幻想(ラスト・ファンタズム)であるエクスカリバーに勝てる筈は無かったのだ。

 

 そんなことは分かりきっていた。

 

 それでも、彼女は負けられない。負ける訳にはいかない理由があった。

 

 お互いの攻撃が衝突するが、一瞬の拮抗も起こらず、彼女の魔力砲を飲み込みながら、聖剣の光が彼女に迫って行く。

 

「(やっぱり……無理ですよね)」

 

 地獄の時間が続く。

 

 そんな中で、彼女は想う。

 

 この戦いに敗北した後、カルデアに所属することになる未来のことを。

 

「(やだ……)」

 

 そして、マスターさんと共に世界を救いに戦う自分の姿を。

 

「(やだ、やだやだやだやだやだッ!)」

 

 (きし)んでいる霊基へ、更に魔力を回す。

 

 ここで負けるぐらいなら、いっその事―――壊れてもいい。

 

「(あの人(・・・)以外を、マスター(・・・・)扱いするなんて――

 

 絶対にイヤだッ!)」

 

「あ、あぁあああ――!」

 

 既にボロボロになった魔力回路(全身)に、更に魔力を回す。

 

「(ごめんなさい……ごめんなさい……マスター……)」

 

 彼女の瞳から涙が流れる。

 

「(わたしは、守られてばかりだったから――)」

 

 それでも彼女の力では、聖剣の光を止めることは叶わない。

 

「(最後に一度ぐらいは)」

 

 ―――マスターのお役に、立ちたかった

 

 そして彼女は、全ての魔力(自分にとどめ)

 

 

 

 ――――――とん

 

 

「(えっ…?)」

 

 

 その時、横から身体を押された。

 

 想定外のことに、彼女は自分を押された場所に目を向ける。

 

 そこには――

 

「(お母さん(お姉ちゃん)ッ!?)」

 

 いつもの――本物のエリザベートが、優しい笑顔で彼女に手を突き出して。

 

 次の瞬間、聖剣の光に飲み込まれていった。

 

 

 

 

「………………」

 

「ッ――――!」

 

 ―――トサッ

 

 あの後、聖剣に焼かれて落下していくエリザベートを、彼女は急いで空中で受け止めた。

 

「なんで――なんで、こんなことを……」

 

「あ、はは……戦闘続行スキルがあるから、行けると思って」

 

 ボロボロになったエリザベートは、そんな風に答えた。

 

「そうじゃ、なくて……」

 

 悲痛そうな顔で、彼女は泣いていた。

 そんな彼女の頬に、エリザベートは優しく手を添える。

 

「だって、私………『お姉ちゃん』なんでしょ?」

 

「えっ……」

 

「だったら……お姉ちゃんなら、妹を守らなくっちゃ……」

 

「なん、で……」

 

 エリザベートが、お姉ちゃんと呼ばれていたことを、知っている筈がない。

 だって、この周回では、彼女は一度もエリザベートを『お姉ちゃん』とは、呼んでいないのだ。

 

「あぁ、そっか……アンタ。2000年間、一睡もしたことないから、忘れていたのね」

 

「あっ………」

 

 それを言われて、彼女はようやく理解が追い付いた。

 

「ごめんね? 最初に(・・・)私がデパートを開きたいって言ったから、ずっと成功させようと頑張ってくれてたのに。結局、私が台無しにしちゃった」

 

「ッ―――そんなこと、ないです。私こそ、なんの役にも立てなくて――たったの一回も、お役に立てなくて……」

 

 彼女はエリザベートを()らさないように、涙を止めようとするが、彼女の意思に反して涙は流れ続けた。

 

「そうね。でも、失敗は誰にでもあるわ。だからね、次に頑張ればいいの。

 その為にもお願い。

 

 私と一緒に、これからも生きて」

 

 それは、呪いの言葉だった。

 2000年以上、頑張り続けた彼女に、これからも頑張り続けろという呪い。

 

 彼女は、既に十分だと思っていた。

 

 そう、思いたかったのだ………。

 

「分かり、ました……」

 

 だが、そんな言い訳(理由)を作られてしまったら……。

 

「どうか……アナタの居る、この世界で、一緒に居させてください」

 

「えぇ……『さよなら』まで、一緒に居ましょう」

 

 

 

 

 

 

「エリザさん! エリザベートさん! お二人とも大丈夫ですか?」

 

 いつものエリちゃんを、お姫様抱きして降りてきたエリザの2人に向かって、マシュが心配そうに尋ねる。

 

「大丈夫です。オリジナルも、ダメージが大きかったので気を失っていますが、消滅する心配はありません」

 

▶「良かった……」

 

 彼女の言葉を聞いて、安堵の息をした立香。

 そんな彼の様子を見て、彼女は頭を下げる。

 

「戦闘は、私の負けです。そして、どうかお願いします。私が暴走してしまった時は、私を止めてください」

 

「それではッ!」

 

「はい。これから、よろしくお願いしますね。マスターさん(・・・・・・)

 

 戦いに負けた以上、支配者(ルーラー)である彼女は、立香との約束を守る。

 

 本当に暴走した自身を止められるかは分からないが、完全に負けたのだから納得するしかない。

 

 そう、完全に、彼女は負けたのだ。

 

 どれだけサーヴァントが戦えようとも、マスター(・・・・)が致命傷となる攻撃を受けたのだから、彼女の敗北なのである。

 




 勝利シナリオ
 「ゲームセット」

 報酬
 ・聖杯✕1
 ・きれいなエリザ?✕1

 ※次回、最終回「エピローグ」
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