チェイテ城は不滅なのよ!   作:麦わらぼうし

17 / 17
 要望もあったので書きました。
 おまけのバレンタインイベントです。

 では……


甘い予感がする……!



おまけ

 2月14日バレンタイン……の前日のことだった。

 

「マスターさん。今、お時間よろしいでしょうか?」

 

 藤丸立香のマイルームに『きれいなエリザ』改め『エリザベート・バートリー・オルタ・リリィ・ラーヴァ』が訪ねて来た。

 

「こちらのアンケートに、ご協力をお願い出来ますか?」

 

 入って来てそうそう、そんなことを言いながら、1枚の紙を渡してくる。

 受けって見れば、コピー用紙サイズではあるが、3分もしない程度の質問内容しか書かれていない。

 しかし、今日がバレンタイン前日であることを踏まえると、この質問の意図は大体察せられる。

 なので、それに合わせて回答を書こうとして

 

「あっ。言っておきますが、それはチョコ作りの材料にするためのアンケートではありませんからね?」

 

▶「そうなの?」

 

 用紙に『好きな食べ物』などの質問欄があったので、てっきりそうなのだろうと立香は思っていたのだが、予想が外れたらしい。

 

「実際に体験した方が早いですね」

 

 そう言うと、彼女は(ふところ)からクッキーを取り出し、目の前で2つに割って、1つを立香に差し出してきた。

 

「売店のクッキーですので、ご安心を」

 

 言外に『食え』という指示だと判断し、立香は渡されたクッキーを口に運んだ。

 特に変なところもない、甘く美味しい普通のクッキーだった。

 

「では、次は……よしっと」

 

 立香の様子を見たあと、彼女は更に懐から別のモノを取り出した。

 それは張り付くタイプの手袋であり、それをクッキーを持ってない方の手に付ける。そして―――

 

「マスターさん、口をあけてください」

 

 手袋を付けた手でクッキーを持って、立香の顔の前に手を近づけて来た。

 

▶「えっと、自分で食べられるよ?」

 

「いいから、あけてください。早く」

 

 無表情(・・・)ながらも妙な威圧感がしたことで、立香は言われた通りに口をあける。

 すると予想通り、彼女はクッキーを口へ放り込んできた。

 

▶「っ!?」

 

「どうですか?」

 

▶「ラーメン? の味がする!」

 

 思わず、そんな言葉が立香の口から出てしまった。

 目の前で分けられた同じクッキーを食べた筈なのに、味が醤油ラーメンのように変わっていたのだ。

 

「コレは私の発明した『味変手袋』によるモノです。

 明日は、バレンタインでしょう? おそらくマスターさんは、大量にチョコを貰うでしょうから、このようなモノがあった方が良いと思い作ったのです。

 そして変える味は自由に設定出来ますので、そのアンケート用紙をお渡ししたのですよ」

 

▶「なるほど……」

 

「? あぁ、もしかして作ってくれたのだから、味は変えたくないと思ってます?」

 

 立香の僅かな表情の変化を見て、彼女は予想を口にする。

 

「それならば、別にそれで良いのでは? 私は選択肢を増やすだけです。

 『味変しても、最後まで美味しく食べてあげる』か……。

 『相手が自分の為に、頑張って作ってくれたモノを味わう』か……。

 道具を使うかどうかは、マスターさん次第ですよ?」

 

▶「分かった」

 

「よろしい。では、さっさとアンケートにご記入をお願いします」

 

 そう言われて、立香は素直に好きな味や食べ物についてアンケートを書くと、それを彼女に渡した。

 

「はい、確かに受け取りました。ご協力、ありがとうございます。明日までにはお渡ししますので、そのつもりで……それと、今のうちに、こちらをお渡ししておきます」

 

 そう言って彼女は再び懐から、ナニカの錠剤が入ったビンを取り出して立香に渡した。

 

▶「これは?」

 

「こちらは『マイクロブラックホール胃腸薬』です。1錠飲めば、まる一日の間は食事を続けられるようになります。先程、食堂を覗いたとき、必要そうなので急ピッチで作りました」

 

▶「本当にありがとう!」

 

 立香は心から感謝した。

 

「いえ、流石にあの量は心配ですから……では、私はこれで失礼しますね」

 

 そう言って彼女は、マイルームから出ていこうとする。

 

▶「ところで、1つ聞いてもいい?」

 

「? なんでしょうか?」

 

▶「君は……どっちのエリザなの?」

 

「………さぁ? どちらでしょうね」

 

 無表情のまま、彼女は答えをはぐらかした。

 

「明日は、あちらの『私』もプレゼントをするようなので、その時にでも、ご自由に判断してください」

 

 そこまで言って、彼女は部屋を出て行った。

 

 

 

 

 そして、翌日。

 

 立香のマイルームにある机の上には『6つの手袋』と『真っ赤なイチゴのようなチョコ』が置かれていた。




 礼装:イチゴ味じゃないイチゴのチョコレート

 解説:エリザベート・バートリー・オルタ・リリィ・ラーヴァからのバレンタインチョコ。

 彼女もエリザベートであることの証明であるかのように、料理を作ると真っ赤になってしまう。そのことから、いっそのこと赤い食べ物の形で作ったという、立体的なイチゴ型のチョコ。

 食べて見れば、イチゴではない普通のチョコであるのは分かるが、視覚と味覚の違いに脳が混乱する。どうしても無理な場合は、一緒に置いてある手袋で本当のイチゴの味にして食べることはできるが、どうするかはアナタの自由。

 ……ところで、チョコを乗せている水晶で出来たお皿は、何を材質に作られているのだろうか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。