チェイテ城は不滅なのよ!   作:麦わらぼうし

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続きを書くつもりは無かったが、どうせ誰も読まないだろうし、適当に書いたのを投稿してみよう。ギャグは、つまらなければ駄文に成り下がるのだ。


チェイテ城は不滅なのよ!2

 季節は秋、正確に言うならばハロウィンの前日である。人類最後のマスターである少年、藤丸立香とカルデアの職員たちにとっては、嵐の前とも言うべき日である。

 ある職員は、特性の耳栓を用意したり、ある職員は明日行われるだろうレイシフトの準備を始めたり、ある職員は死んでも後悔しないようにと好物のムニエルを頬張り、あるサーヴァントはマスターを捕獲するための罠を作り、あるマスターは新しく『風雅たれ』の身代わり礼装を用意したりしていた。

 

 それぞれが明日に備えて、万全の体制に明日を迎えるために眠りにつく。そしてカルデアの時計が12時を指し示した瞬間、それは唐突に訪れた。

 

 

―――BB―チャンネルー!

 

 

 それは藤丸立香が何度か体験している夢ではなく、上級AIからの視界ジャックだった。

 

「悪夢のハロウィンから、こんにちはー! 人類のみなさーん、元気にしていますかー? していますねー?」

 

 自称、小悪魔系後輩ことBBの言葉は疑問形ではあるものの立香は声を発することはできない。どうやら今回の放送において発言権がないようだ。もっとも、そんなことで立香は動揺などしない。200体に届くサーヴァントと円滑にコミュニケーションを取り続けた結果身に着けたオリハルコンの精神だ。

 

 例えサーヴァントが問題を起こしても、諦めずに根気よく付き合っていくことが、魔術もまともに使えない素人のマスターとしてやらなければならないことだと思う。

 

「っと、いつもならセンパイを弄って遊ぶところですが、今回はそうとも言っていられないので単刀直入に言います。ノウムカルデアで、カルデアメンバーと魔術師との間で内部分裂が起こりました」

 

▶ 「……………(唖然)」

 

 立香は、あまりに予想外の言葉に動揺した。

 

「あっ、別に慌てる必要はありませんよ。センパイが居る時間軸では、まだ内部分裂は発生していません」

 

▶「どういうこと?」

 「まだ発生していない?」

 

「はい。この情報は本来、今から約20時間後の未来に存在する物です。彷徨海は神秘が残された島なので、その法則を少し解析して未来の私から現在の私に、この情報を届けたのです」

 

 BBは何でもないことのように言っているが、どう考えても頭のおかしいことを言っていた。

 

「それで送られてきた情報ですが、本日18:00に送られてくるエリザベートさんからのハロウィン招待がボイスメールだったらしく。それも飛び切りの高性能だったので、一緒に添付されていたエリザベートさんの歌がカルデアに響き渡ったのです」

 

 立香は嫌な予感がしてきた。

 

「無辜の怪物によるものとは言え、彼女の息吹は最強の幻想種たる竜のソレ。カルデアの為に多少配慮して障壁を弱くしてくれていた魔術師さんたちの工房を襲い、カルデア内は未曽有の大惨事に襲われたとのことです」

 

 今度は眩暈がしてきた。成程、エリザベートが感じている頭痛はこんな感じなのかとどこか現実逃避気味な感想が浮かんだ。

 

「という訳で、センパイにはいつものように特異点化しているチェイテに向かい、至急エリザベートさんに会ってボイスメールを阻止して下さい。因みに拒否権はありません!」

 

 そう言ってBBは、イイ笑顔で立香をレイシフトした。過去への干渉ができるのだ、レイシフトぐらいできても何も不思議ではない。

 

「あっ、ちゃんと助っ人も送るのでそこは安心してくださいね?」

 

 感覚でレイシフトと理解した立香の耳に、そんな小悪魔のような声が聞こえた。

 

 

 

「――輩、先輩!」

 

 とても聞き覚えのある声に、立香は閉じられていた瞳を開く。

 視界に映るのは雲一つない青空と、こちらを覗き込んで来るマシュ・キリエライトの姿があった。

 

「目が覚めたんですね、先輩!」

 

▶「ここは?」

 「ハロウィンで青空は始めてだ」

 

「あっ、目が覚めたのね。子イヌ!」

 

 マシュとは違う。しかし、やはり聞き覚えのある声がした方に目を向ける。

 

「来てくれるのは嬉しいけど、いくらなんでも早過ぎよ。でもリハーサルも済んでないのに会場で待機する気概はファンとして当然よね」

 

 そこには普段の姿をしたエリザベートが居た。だが、その姿を見た立香は、小さな違和感を覚える。

 

「まあ、ライブまでは、まだ時間があるし折角だから案内するわ」

 

 そう言ってこちらに背を向けて歩き出そうとするエリザベート。しかし立香は、その姿には待ったを掛けた。

 

 「なんで泣いているんだ?」

▶「何に震えているんだ?」

 

 その疑問を立香が訪ねる。すると、エリザベートはジワリと瞳に涙を滲ませると、残像ができるような速度で立香に詰め寄った。

 

「うぅっ、うわーん! 子イヌー! 私、仕事の邪魔だからって、チェイテを追い出されちゃったー!」

 

▶「またー!?」

 「またかー」

 

「どうしてそんなことになったんですか? エリザベートさん」

「ハロウィンに向けて仕事の効率化を図ろうとして『もっと私が居ればいいな』って思ったら、私が分裂しちゃったのよー!」

 

 かつてエリザベートは二人で合体した経験があった、そして今回は分離したらしい。もはや何でもありである。

 

「そしてもう一人の私は頭脳担当で、私は労働担当。でも、でもでもでも! 私が直接しないといけないことが今は無くて、手伝おうとしたら追い出されちゃったのよ!」

「エリザベートさん……」

 

 要らない子扱いされたエリザベートの姿に、マシュは何とも言えない表情で呟いた。

 

「だから! 予定より早いけど、客としてきた子イヌたちを案内するのよ! 私だけ休んでいる訳にはいかないのよ!」

「……理由はどうあれ、仕事をしようとするエリザベートさんの姿勢は誠実なモノです。先輩、ここは」

 

 「うん。公園で時間を潰そう」

▶「うん。折角だし、案内してもらおう」

 

「はい!」

 

 マシュの返事に、エリザは顔を綻ばせる。

 

「そうと決まったら、さっそく案内するわ!」

「ありがとうございます。ところで、一つ聞いてもいいでしょうか?」

「なに? 一応案内役を買って出たんだから、ある程度の質問には答えるわよ」

「では、お聞きします。街の姿が明らかに変ですが、エリザベートさんが向かおうとしているのは何処でしょうか?」

 

 マシュは、立香も気になっていた。街のあまりの光景に、いい加減に質問させてもらいたい。

 

「何処って、チェイテ城に決まっているじゃない」

 

 チェイテ城。いや、チェイテピラミッド姫路城に向かうと答えるエリザベート。確かに彼女の進もうとした先にソレはある。ただし――

 

「いえ、そうではなく。チェイテ城の下にある巨大な高層ビルは何ですか!?」

 

 建って居る高度がおかしいのである。あれだけの絵面にインパクトがあるチェイテピラミッド姫路城が小さく見えるほど巨大な高層ビルが建っており、その上にチェイテピラミッド姫路城が載っているのだ。

 

 おまけに街も、かつて見た中世の建物ではなく近未来的なモノになっており、空を車が走っている。もはやここはどこなんだ……。

 

「ああっ、アレね。別にたいしたものじゃないわ、ハロウィンの期間限定でネコメイドが用意してくれたのよ。名前は確か――」

 

 

「N……なんとかデパートって言っていたわね」

 

 

 




♪ 2112年ハロウィン! ♪

~未来都市チェイテデパート~


・メインシナリオをクリアして『きれいなエリザ<ルーラー>』を入手しよう!
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