チェイテ城は不滅なのよ!   作:麦わらぼうし

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今更、こんな昔に作った設定の話を読む人が居るのだろうか?


チェイテ城は不滅なのよ!3

 人類最後のマスターである少年、藤丸立香は強制的にレイシフトされたチェイテにて、そこの領主であるエリザベート・バートリーに案内された巨大な建物に到着していた。

 

 そこは外から一見すると高層ビルのような場所であったが、中に入れば様々な食料品が所狭しと並べられていて、何人かカルデアのサーヴァントらしき人たちが商品を売買している姿があった。

 

 どうやらここはオフィスビルではなく商業ビル。いや、もっと端的に言えばデパートのような場所であった。さしずめ、ビルの屋上に乗っていたかつてのチェイテピラミッド姫路城は、デパートの屋上にある遊園地と言ったところだろうか?

 

 そんなこんなでデパートに入ると同時に呆然としていた立香とマシュ・キリエライトの前に現れたのは、事前に説明されていた分裂したもう一人のエリザベート・バートリーの姿だった。

 

 もう一人の彼女からしてみれば立香たちは、まだ呼んでも居ないのに勝手に領地にやってきた不法侵入者である。そんな存在が、彼女が邪魔だと追い出した存在であるいつものエリちゃんを連れているのだ。きっと警戒されていることだろう。

 

 その警戒を解くためにも、立香たちは、まずは対話を試みてみようとし―――――

 

 

「なるほど、事情は理解しました。オリジナルの私が出したボイスメールによって、そちらで問題が発生したのですね。

 この度は大変申し開けありませんでした。カルデアへの伝達は別の手段に変更し、本日のエリザベート・バートリーによるライブは中止とさせていただきます」

 

「そんなー!?」

 

 普通に応接室に通されて、事情を説明したら簡単に納得と問題解決されてしまった。

 

 その代償として、約一名のライブ中止という事態になりはしたが、むしろ立香たちからしたら有難い限りであった。

 

「『そんなー!?』ではありません。大体あなたには、最終演目である『ヒーローショー』の舞台があるのに、どうしてもと言うから隙間時間を用意したのですよ? だというのに――(クドクドクド……)」

 

「そんなこと言ったらアンタだって―――(ギャアギャアギャア!)」

 

 クレームを入れるいつものエリちゃんに、もう一人の彼女は理詰めで説き伏せているが、それでも納得いかないエリちゃんが文句を言っている。ぜひとももう一人の彼女には、エリちゃんを説得して欲しいものである。

 

「先輩。早急に懸念事項を解消できましたが、ソレを抜きにしてもこの特異点は異常です。ここ来る時に利用した『宙を浮いて走る無人タクシー(無料)』や『外観に比べて明らかに広すぎる室内』などから魔力が一切計測できませんでした。魔術の形跡もなくこんなことがきる筈がありません」

 

▶「確かに、明らかにおかしいよね」

 「ハロウィンだし、こんなモノじゃない?」

 

 それはそれとして、こちらにレイシフトしてきたことで発覚した新たな問題に立香たちは頭を悩ませていた。魔力の痕跡が無いのにコレほどの光景は実現不可能な筈であった。

 

「ん? ソレは当たり前ですよ、余剰やロスになる魔力を一切出さないような設計で作成したのですから。

 供給魔力の全てを使い切るように稼働させているのだから、計測なんて出来る筈ありません」

 

 だが、そんな疑問も、目の前に居たもう一人の彼女からの説明ですぐに解消されてしまった。

 

「そ、そんなことが可能なんですか!?」

 

「技術力に関しては、私はサーヴァント・ユニバースの技術すら超えています。その代わり戦闘能力はヘッポコですけど……。

 だいたい、今回使っている技術はそんなに複雑ではありませんよ? 聖杯みたいな魔力の集積装置を作って、暗号化した魔力を必要分だけ使わせているだけですから」

 

 魔力の暗号化って何? というか聖杯のような魔力の集積装置を作ったって言ったような? と、立香は宇宙を見た猫のような表情になっていた。

 

「聖杯を、作ったッ!?」

 

「万能の願望機ではなく、ただの魔力を貯蓄できるだけの方ですから、そんなに難しくありませんよ? たぶんカルデアの方でも、その気になれば鋳造ぐらいできるのでは?」

 

 そんな馬鹿なことがある訳ないと、この時の立香は思っていた。

 

「………ちなみにですが、その聖杯はどうするつもりなのでしょうか?」

 

 少し警戒を持ちながら、マシュはもう一人の彼女に尋ねる。しかし―――

 

「本日のハロウィンイベントが終わり次第、聖杯に鋳造してマスターさんに譲渡する予定です」

 

「へ?」

 

 あまりに、あっけらかんと言われた内容にマシュはつい、気の抜けた声を漏らしてしまった。

 

「なぜ、そんな簡単に、集めたリソースを譲り渡すのか疑問に思うでしょうが、それは私の誕生に理由があるのです」

 

 そう言って彼女は、淡々と言葉を続けた。

 

「私、エリザベート・バートリーは……この言い方だと、もう一人の私と区別がつきませんね。

 

 そうですね……私のことは『きれいなエリザ』とでもお呼びください」

 

「ちょっとッ!? それだと私が汚いみたいじゃないッ!」

 

 あまりの扱いに、いつものエリちゃんが吠えた(ちなみにさっきまでの話し合いの最中もずっと騒いでいたが、無視されていた)

 

「違います。私の『きれいな』というのは、不純物が無いということです」

 

「私が『不純物だらけ』って言いたいのッ!?」

 

「そうではありません。私には『余分』が無いんです『遊び』がないんです。私は――このハロウィンが終わると同時に、消えてしまうだけのサーヴァントもどきなんです」

 

「―――へ?」

 

 今度は、エリちゃんが気の抜けた声を漏らした。

 

「マスターさん。あなたは、英霊がどのような存在か理解していますか?」

 

▶「たしか、過去に偉業を成した英雄が、人々の信仰によって精霊化したモノ?」

 「たしか、人々の思いが形作ったモノが『座』に登録されたモノ?」

 

 突然された質問に、立香はしどろもどろに答えた。

 

「間違ってはいませんね。正確に言うと異なりますが、今はいいでしょう。

 重要なのは多くの人の願いによって、法螺話や概念的な存在すら英霊になることです。私はそんな願い―――『藤丸立香』の助けになって欲しいと言う願いから生まれた存在なのです」

 

▶「……はぃ?」

 

 とうとう立香も気の抜けた声を出してしまった。

 

「ど、どういうことでしょうか? いったい誰が、そんな願いを?」

 

「マシュさんは普段からマスターさんの側にいるのに、本当に分からないのですか? 沢山居るでしょう、ただの一般人である彼の境遇を見て憂いてくれる()たちが」

 

 いつも側にいる……一般人の立香を見てくれている沢山のダレカ。

 200体―――いや、200()に届くサーヴァントと契約している、立香を見てくれているダレカ、それは……

 

「まさかッ!? いえ、そんなこと、在り得る筈がッ!」

 

「そう。普通なら在り得ない、だけどそれを受けいれる存在があった。それが『エリザ粒子』です」

 

 「ここでまさかのッ!?」

▶「というか『エリザ粒子』ってなんなのッ!?」

 

「それを説明するのは可能ですが、説明し終える前にハロウィンが終わってしまいます。どうか私の残された時間を『エリザ粒子』の解説で終わらせるのは、勘弁してください……」

 

▶「あっ、はい」

 「アッ、ハイ」

 

 それを言われたら何も言えない立香だった。

 

「とにかく重要なのは、私はマスターさんを助けるために願われて生まれたサーヴァントなのです。ですが、私は霊基も不安定で、仮契約どころか宝具すら使えない身、なので私ができる限りのモノが、聖杯を鋳造してお渡しすることなのです。

 どうか、お受け取りください。マスターさんの役に立つことが、私の存在理由なのです」

 

 

▶「そういうことなら、まぁ……」

 「……………」

 

 そういうと、彼女は儚くも、優しく微笑んだ。これで受け取らないという選択肢は、彼らにはなかったのだ。

 

 

「ふざけんな―――ッ!」

 

 

 だが、そんなことで納得がいかないモノも、この場には居た。

 

「そんな簡単に消えることを受け入れるんじゃないわよッ! アンタがそんな―――バグったプログラムみたいな存在でも、ちゃんと生きているんでしょうがッ!?」

 

 そんな結末は受け入れられないと、彼女が吠えた。

 

「その頭のおかしい技術力でなんとかなんないの? というか、貯まった魔力を使えば存在を固定化するぐらいッ―――」

 

「マスターの役に立つのが存在理由の私が、譲渡品を使用したら自己矛盾が起きて消えますよ?」

 

「――――」

 

 何でもないように問題点を指摘され、絶句するエリちゃん。しかし―――

 

 

「でも――それでもッ!」

 

 

 やはり諦めきれないのか、感情だけで吠える姿は、どこか痛々しかった。そんなエリちゃんに、彼女は諭すように言葉を続けた。

 

「たしかに大量の魔力を利用できれば、技術的にマスターを要石にすれば現界し続けることは可能です。

 しかし、この施設の魔力収集システムで回収できる魔力は、招待したサーヴァントたちが今日一日を利用して、ちょうど聖杯が鋳造できるように調整してあります。余分となる魔力は存在しません」

 

「う……ぐぐぐ」

 

 全てが計算済みであり、魔力に余裕なんてない。そう言い聞かせる彼女。だが―――

 

 

「あっ」

 

「?」

 

 そこでマシュが、何かに気づいたような声を上げる。どうしたのだろうか?

 

「先輩。きれいなエリザさんは、全てを計算して余剰魔力が出ないようにしていると言っていました。

 しかし、私たちは本来もっと後の時間にこの特異点を訪れる筈だったのです。つまり現在の私たちの来訪は想定されてない、だったらッ!」

 

 「――――ッ!」

▶「こっちで余剰分の魔力を作り出してあげればッ!」

 

 光明が見えた、と思った。しかし―――

 

「それはマスターさんに多大な負荷をしいることになりますよ? 分かりやすく言うと果てのない周回をするようなモノです」

 

「つまり『いつものこと』と言うことですねッ!」

 

「…………今の言葉で、早急にカルデアでの労働環境を改善することを推奨します」

 

 人理が白紙化しているカルデアに労基は存在しないのである。

 

「ほら、子イヌがアンタを助けようとして困っているわよ。なんとかしないの?」

 

 そんなエリちゃんの言葉を聞いて、彼女は少し何かを考えるようなそぶりを見せる。

 

 

「そんなに私に現界していて欲しいのですか?」

 

 

▶「もちろん」

 「カルデアは常時人手不足だよ?」

 

 

「………分かりました。ですが、私は先程も申しました通り非力なサーヴァントもどきです。ハロウィンが終了するまで、あなたの周回をサポートしましょう。

 火力もなく、宝具も使えませんが、スキルぐらいなら使えます。あなたを助けるために生まれた存在なので、多少の力添えぐらいはできるでしょう。

 私の性能を知って、それでも苦行をしてでも現界してほしいを思うのならば、どうかこの身をお使いください」

 

 そう言う彼女は、どこか嬉しそうに微笑んでいた。

 




・メインシナリオをクリアするまでの間、サポート欄に『きれいなエリザ<ルーラー>』が追加されます。


真名 きれいなエリザ

クラス ルーラー

Rare 4

Cost 12

コマンドコード Quick 1 Arts 3 Buster 1

能力値 Lv. 80 HP 20000 ATK 0

属性 中立 中庸 女性 人 人型 竜

宝具 <現在使用できません>

Skill1:これがあなたの望んだモノ(CT99)

    先頭のサーヴァントのNPを増やす(NP+30)
    &宝具演出スキップ状態を付与(3T)

Skill2:これがあなたの求めたモノ(CT99)

    先頭のサーヴァントのNPを増やす(NP+50)
    &宝具使用後NPを最大まで増やす状態を付与(2T)

Skill3:私以外に不要なサーヴァントは居ない(CT99)

    先頭のサーヴァントのNPを増やす(NP+20)
    &先頭のサーヴァントの宝具性能をアップする<敵単体に超強力な攻撃 を 敵全体に()強力な攻撃に変更>(3T)
    &自身を控えに退避する<フィールドにいる味方が1騎のみの時は退避不能>

 クラススキル

 ??? NPが100チャージされた状態で戦闘を開始する

 対魔力 EX 自身の弱体耐性アップ

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