これはオリジナル小説です。まだまだ未熟であり、好みが分かれる物語だとは思いますが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
それでは、どうぞ。
彼女は、天使の様な女の子だった。
私が傷ついている時。辛い時、苦しい時。
彼女はいつでも、あの温かな笑みを私に向け、私の心を癒してくれた。
だが。
私は彼女に、何かしてあげられていただろうか。
今思えば、私は彼女に依存していたのだろう。常に味方であり続けてくれる、常に私の事を好きでいてくれる、彼女に。
彼女は、本当に一途で、純粋だった。
だからこそ、私の自分勝手さや我儘さに次第に苛立つようになった。
当たり前だ。
結局のところ、私は彼女の事を何も知らなかった。彼女の優しさに甘えているだけで、彼女という人間を理解しようとはしていなかった。
そんな私に今まで文句ひとつ言わず付き合ってくれていた彼女には、感謝と後悔の念しか抱けない。
そう。
彼女は、私にはあまりにも勿体無さ過ぎた。
あまりにも性格が良く、完璧だったが故に。
彼女との思い出。
彼女と過ごした日々。
彼女と紡いだ時間。
それらは私の中で、ほろ苦く、だが甘く切ないものとして、今も尚、脳裏に鮮明に焼きついている。
今すぐにでも、謝りたかった。
謝って、謝って、謝って、彼女の許しを求めて、そしてまた以前と変わらぬ幸福を貪って…。
だが、それはただの幻想。
これは、自業自得だ。
私は、最低だ。
どうしようもない、馬鹿だ。
ただの、愚か者だ。
彼女にかけたいと心から願う言葉も、彼女に届ける事すら叶わず。
それも淡い夢に過ぎないのだと悟り。
私は、ただ一人呟いた。
「今でも、大好きだよ…」
と。
✳︎
夢を、見た。
あまりにも幸せな、夢を。
目を覚ました時、それを現実であると錯覚しようとしてしまう自分がいた。
そんな自分に苦笑する。
夢など、所詮夢でしかないのに。
私はいつから、こんな人間になってしまったのだろう。
こんな、弱い人間に…。
「…元々、こうだったんだ」
口から零れ出たか細い声。
それは私の心の声だった。
私は弱くなった訳ではない。
元々弱かった。
それだけの話だ。
なのに、どうして。
この、胸の痛みは。
消える事を、知らないの…?
私は彼の事が好きだった。
大好きだった。
彼以外の男の子に恋をするなど、今でも考えられない。
彼は私にとって、常に希望の光だった。
視界が暗闇に閉ざされても、彼という光が常に私を照らしていてくれたお陰で、未来という壮大な景色へと一歩一歩歩みを進められた。
彼には、感謝しかなかった。
だが、気がつけば。
恋にも似た痛みが身体を走り。
いつしか私は、彼に恋していた。
だから。私は、私は…!
彼の前では、強い自分でいようと決意した。
意図せずとも私を救ってくれた彼に恩を返すために。
そんな、一人よがりな理由で。
そして、今となっても、彼に弱みを見せる事は私自身が許さなくて。
それでも、彼に全てを委ねたいという望みが消える事はなくて。
「今でもあなたは私の光だよ…『奏』…」
第1話、如何でしたか?
自分が納得できる小説作りをしていきますので、これからもこの小説をお読み下さると嬉しいです!
それでは、第2話でお会い致しましょう。
良いお年をお迎えください。