Lost dream ~超常の目覚め~   作:傍観者改め、介入者

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第一話 姉の想い人

2016年 夏 東京

 

 

2016年五輪サッカーの激闘が終わり、オリンピック代表選手は所属するチームへと戻っていく。

 

オリンピック代表唯一の現役高校生Jリーガーは、3位決定戦に負傷し、このアウェーの試合を現地で見ることが出来なかった。

 

本大会で一躍注目を浴び、黄金世代の一つ下の世代から現れた快足サイドアタッカー。

 

今大会得点王にしてアシストランキング2位。日本人最高の7得点を大きく上回る、10得点をマーク。

 

年上のプレーヤーが大半の世界で、臆せずドリブルを仕掛け続ける彼の姿は、以降の日本サッカーにある変化を齎すことになる。

 

すなわち、デュエルの重要性。1対1で勝つ力を磨くこと。その上でゾーンディフェンスを敷く、反対側はそのディフェンスを突破する。

 

 

日本の若きエース、宮水青葉は日本サッカー界にサイドアタッカーの新たなスタイルとなったのだ。

 

 

しかし、今大会の活躍はブレイクとは言わない。昨年シーズンでJリーグのベストヤングプレーヤー賞を受賞するなど、28試合に出場して26ゴール11アシスト。毎試合得点に絡む活躍を見せ、得点ランキングでも2位につけるなど、新人離れした実力を発揮。

 

 

その彼は現在東京の病院でリハビリを行っている。

 

 

「3位決定戦なのに無茶をするなんて。終了後のリーグ戦があることを考えなかったの? 前からプレスもかけに来なかったし、味方もあまり積極的でもなかったのに」

 

颯は青葉に対して、無茶をする理由があったのかと尋ねる。あの状況下はもう延長戦に突入する流れだった。そういう暗黙の了解のような空気が流れ始めていた。

 

「―――――だからだよ」

 

不敵な笑みで、肉離れを起こした太ももを見つめる青葉。幸いなことに軽度のモノだった為、クラブは万全を期して休養期間を設けている。長くても2週間ほどでリハビリを開始できるだろう。

 

だというのに、彼はその空気があったからこそゴールのチャンスは生まれたのだという。

 

「あのお互いに緩んだ空気。だからこそ相手にも隙が生まれ、味方の驚きがうまく相手をつり出すことにつながった。無謀な特攻ではなく、十分な勝算を考えていたよ」

 

 

 

 

その布石は後半38分。1点ビハインドの1対2の局面。

 

互いに運動量が落ちており、ミスも多くなっている状況下で、ボランチからのロングボールを青葉が受けるところから始まった。

 

『ロングボール、スルー!? ああっとまた抜き!? 躱す!!』

 

3位を争うのは、地元開催国であり、ダークホースのオーストラリアに黒星を喫した王国ブラジル。

 

「なッ!?」

 

トップ下のポジションにいながら自陣に下がってきたレオナルドシルバのプレスをワンタッチで躱した青葉。そのまま相手の前に入る。

 

 

次に待ち構えるのはボランチが横、SBが縦を切るほぼ死角がないゾーンディフェンス。

 

 

この状況下、時間をかければかけるほどシルバをワンタッチで抜いた恩恵が消えていくこの場面で青葉が選択したのは―――――

 

 

『縦に仕掛ける宮水! さぁ、どうしても追いつきたい日本!!』

 

 

選択したのは縦への突破――――――

 

 

 

誰もがそう思っていた。

 

 

『ああっとカットイン!! 躱せるかぁぁ!!』

 

ここで青葉が選択したのは、ボランチとサイドバックの穴を衝いたインサイドステップオーバーの複合技がさく裂。

 

「横だ!! 横を切れペペ!!」

 

後ろからシルバが指示を出す。明らかなインサイドステップオーバー。この終了が迫る時間帯での個人技。

 

しかし―――――

 

「なっ!?」

 

横をケアしていたボランチのペペが驚愕するのも無理はない。青葉の足は縦に向いていたのだから。

 

ここで、ペペは思わずシルバの命令を無視し、ゴール前へのクロスボールを阻止に向かってしまう。

 

その動きを把握していた青葉は信じられない行動に出る。

 

 

「!?」

 

止まったのだ。後ろからシルバがプレスに襲い掛かってくる状況下で、縦と横を封じられた状況下で、彼はここでドリブルをやめるという選択肢を取ったのだ。

 

 

ドリブルに絶対の自信を持つ宮水青葉がドリブルを諦めた。誰もがそう思っていた。

 

 

しかし、青葉の眼光はその先を射抜く。わずかにボールをロールしながら位置を微調整した刹那―――――

 

 

『トォーキックのクロスボールから!!  押しこむぅぅぅ!!!! 同点~~~~!!!』

 

 

サイドバックのヴィヴィが縦を切り過ぎたのだ。その動きに合わせたペペが僅かに穴を作ってしまった。

 

彼らは忘れていないはずだった。否、絶対に忘れてはならなかったのだ。

 

 

宮水青葉はドリブルに強みを持つと同時に、クロスボールの正確性にも優れていることに。

 

彼の左足から放たれたクロスボールは、二人の選手の間を抜く。

 

 

不意を衝かれたブラジル守備陣をしり目に、彼を信じてゴール前に顔を出していた男がいた。

 

 

決めたのは、背番号10にしてこのチームのエース。

 

 

『日本の若きエース、細見圭壱!! 後半38分に宮水のクロスボールに頭で合わせてゴール!!』

 

ダイビングヘッドを決めた彼の下へ駆け寄る日本代表イレブン。

 

 

『日本後半の38分に同点に追いつく!! 右サイド宮水のクロスボールに合わせたのは、背番号10!! 頼れる若き司令塔!  この試合初ゴール!! いやぁぁ、鮮やかなカットインからのクロスと、タイミングのいい飛び出しでしたね!!』

 

この試合細見は1ゴール1アシスト。司令塔の名に恥じない結果を出す。

 

 

後半に追いついた日本。しかし、ここでアクシデント。

 

 

『ああっと、細見選手蹲ってしまった!! いったん試合を止めます!』

 

これが二度目の布石。細見にとっては不本意な出来事だった。

 

全試合フル出場でチームを鼓舞していた司令塔がここで足をつる。プレー続行不可能とされ、交代選手は清水の大谷。

 

誰もがここで日本の勢いは止まったと悟ってしまう。

 

 

しかし、足が止まりだしたブラジル、日本という構図の中で、この状況を好機とみる者がいたのだ。

 

ブラジルの自陣エリアにて、セカンドボールの奪い合いが発生し、そのフライ性のこぼれ球を――――

 

『こぼれ球を拾ったのは日本!! さぁ、これが最後のプレーになるか!?』

 

青葉は乱戦から零れ落ちてくるボールだけに集中していた。ピタリと足の甲で勢いを完全に殺したボールを前にけりだし、連続シザースで横の揺さぶりをかけながらの突進。

 

そして―――――

 

『押し込んだァァァ!!! 日本逆転~~!!! 後半アディショナルタイム!! トラップから怒涛のドリブルでブラジル守備陣を切り裂き、サイドネットにボールをパスするようなシュート!! 日本、この短時間で2ゴールを決め、試合をひっくり返したぁぁ!!』

 

 

 

 

 

お互いに疲労が溜まり始めた後半終了間際の状況下で、一人だけ体力が有り余っていた青葉。

 

相手の意表を突く攻撃的なプレーと、前を向く姿勢―――――

 

 

ボールを持てば前をまず向いてプレーする。その積極性が生んだ青葉の逆転ゴール。

 

そして―――――

 

 

『ここでホイッスルー!! 日本勝った!! 三位決定戦、ブラジルを破り、銅メダル獲得!! これでメキシコオリンピック以来となる銅メダル!! そしてこの瞬間宮水青葉の得点王も確定!! これもメキシコオリンピックに出場した釜本選手以来となる快挙です!!』

 

蹲るブラジルの選手たち。まさかといった表情で、スコアを見つめるブラジル代表監督。

 

前半の内に2点先行し、このまま楽勝と思われていた試合。

 

前半終了間際に中盤でボールを奪われた際、青葉にボールを拾われ、3人引き付けられた局面で右サイドバックの綿谷がオーバーラップ。

 

3人青葉に引き付けられた状態のブラジル守備陣とノープレッシャーの綿谷。その二人の崩しからの攻撃が予想された。

 

しかし、そのブラジルサイドのビジョンを覆す、宮水のトラップスルー。

 

その後ろにいたのは日本の司令塔細見圭壱。シュートコースはないが、ほぼノープレッシャーな場所に位置取りをしていた彼に、綿谷からのクロスがやってきた。

 

3人目の動き。現代サッカーにおいて重要視されている基本戦術の一つ。しかし綿谷と細見のイメージはそのはるか先を行く。

 

そう、ここで細見は4人目の動きを創造したのだ。

 

 

細見のヒールパス―――――

 

 

本当のラストパスを受け取ったのは、右サイドから中央に飛び込んできた背番号7、椿大介。

 

彼のダイレクトシュートによって、ブラジルの牙城にひびが入ったのだ。

 

彼の強烈なシュートは日本に勢いを与え、逆転の機運を生み出していた。

 

 

 

 

大の字になってピッチに倒れる青葉に対し、手を差し伸べるのはレオナルドシルバ。

 

 

「君の勝ちだ、アオバ。あの1年、ずっとスグルの幻影を追いかけてきたが、それが間違いだと気づいた」

 

敗戦のエースは、それでも涙を見せずやり切ったという顔をしていた。

 

「俺はあのころからいつかお前と戦いたいと思っていた。お前という頼もしい選手が敵として立ちはだかる。そんな試合をしたいと思っていた」

 

 

「―――――シルバ」

 

 

「俺の眼に狂いはなかった。ドイツとの試合で、カールを相手に同年代でドリブル突破出来た奴は、見たことがない。無論俺も、そしてスグルもだ。」

 

 

準決勝ドイツ戦。その試合で青葉は攻撃陣が封殺された状況下で後半終了間際の同点ゴールと、延長戦後半早々の同点ゴールと気を吐いた。が、結局は3対3の同点で迎えたPK戦で椿大介が外し、カールが決めた。

 

しかし、120分の中でカールを相手にあれだけドリブルやパスを通す選手がどれだけいたか。優勝候補ドイツを最後まで苦しめた国はなかった。

 

彼の必殺の切り札。エラシコフェイントがカールのビジョンを切り裂き続けたのだ。

 

それが彼を本物と認識させる一戦となり、シルバが自身の眼力に間違いはないと確信した瞬間だった。

 

「しかし、オズボーンが半端なドイツを倒す展開は、何か釈然としないが」

そして突然オズボーンの名を告げ、不機嫌になるシルバ。それもそのはずだ。

 

ロビエル・オズボーン。オーストラリアの至宝といわれた彼は、青葉と同年代の選手である。そんな彼はオーストラリア期待の星として活躍。

 

累積、退場などによる出場が不可能となった守備陣が出てしまったドイツは、守備ラインが完全に崩壊。延長戦の疲れもあり、体は重たい状態だった。

 

対するオーストラリアは完全にパワープレーでドイツに襲い掛かる。運要素も大きく絡んだセミファイナルで、悉くこぼれ球がオズボーンの足元へ。

 

「仕方ないさ。勝負は時の運。トーナメントも運要素がある」

 

結局試合終盤で競り負けたドイツ。パワーサッカーと弱者のサッカーに屈したのだった。

 

「まあいいさ。レオがそう思うのは仕方ない。オズボーンも、そして俺も、すぐにそっちに行くから。だから、おれもアイツも、レオやカール相手に、白黒つけに行くよ」

そんな気軽な感じで出てきた海外挑戦の意志表明。シルバは目を見開くが、落ち着きを取り戻す。

 

「—————お前は、お前たちは、あと何年でこっちに来る?」

 

己に比肩する実力の持ち主であり、日本の失われた至宝に成り代わる逸材は、いつ最高峰の舞台に乗り込むのか、彼はそれが気になって仕方がない。

 

「割と早く乗りこむつもりだよ。3年以内にスペインに挑戦するつもり」

 

 

「ふっ、大した自信だ」

 

がっちりと握手をしたシルバと青葉。お互いに検討を誓い合い、ピッチを後にする二人。

 

 

東京蹴球高校時代のコンビは、こうして再戦を誓い合った。

 

 

 

しかし、そんな大活躍をした立役者の細見と青葉はそろって負傷。しかしどちらも軽度の肉離れと診断され、シーズンを棒に振るようなことはなかった。

 

それから彼らは日本に銅メダルを齎して、それぞれの戦場へと帰っていくのだった。

 

「――――けど、後悔していない。あの試合に勝たないと、もやもやが少しも晴れないまま終わりそうだったから」

 

「それにしたって無茶しすぎ。今はもう、日本のサッカーファンの夢を乗せているってこと、自覚してほしいな」

 

慈しむ様に、青葉の足を撫でる颯。

 

「今シーズンだって、得点ランキング独走中だったじゃない」

 

 

第1ステージでは17試合すべてに出場し、20ゴールを挙げる大活躍。アシストも9アシストと、リーグ最多得点数を支える攻撃の要となっていた青葉。

 

東京ヴィクトリーの前半戦首位ターンに大きく貢献。後半戦でも第5節まで5試合連続ゴールを決め、7得点と爆発。2アシストとしっかりと得点源として機能し、これでリーグ戦22試合無敗記録を作っていた。

 

途中リオ五輪代表に召集され、結果は銅メダルと、更なる飛躍を期待されていた。

 

 

もはや海外移籍が秒読み状態と言われている青葉。おそらく高校卒業とともに本格的に海外移籍に向けて動き出すであろうと予想されている。

 

 

「けど、9月かぁ。高校生活もあと少しで終わりそうだ。蹴球に来てからの年月は本当に早いなぁ。」

 

東京蹴球高校。サッカーで世界に通用する人材を輩出するために開校された教育施設。最初は何を馬鹿な、と考えていたが、充実した施設と彼が思い浮かべていた練習環境を整えているこの場所に目を惹かれ、さらには身寄りのない青葉と颯のための支援も約束した。

 

当時の彗星の破片が落下した悲劇の際、この二人を保護し、同時にこのサッカーの才能に溢れる逸材を擁することで、イメージアップを狙っていた節があったが、二人が否と言える状況ではなかった。

 

「いろいろな思惑があったにせよ、俺はこの学校に来てよかったと思う。颯にもいっぱい友達が出来てよかった」

 

最初は右足首を失った彼女が虐められないか心配していたが、向上心に溢れる人間ばかりが集うこの場所でそう言ったことはなかった。

 

逆に、ナンパを仕掛けてくるアルゼンチンの巨漢がいたりと、逆に困惑する展開となったが。

 

「うん。さすがに現役は無理でも、指導者として私のサッカー観を他の人に伝えることはできると思う。」

 

颯は大学に進学し、教育者としての道を歩む。自分が叶えることのできなかった女子ワールドカップ優勝という夢を、次の世代に託すために。

 

「そっちも、一色さんの後の世代があの小悪魔だけだときついよなぁ。とてもではないが、周りを引っ張るタイプではないぞ」

 

 

「大丈夫。あの子、本当は優しい子よ。それに、人懐っこいもの。サッカーでは自分の考えをストレートに主張することが何よりも重要で、円滑に主張できる青葉が上手いだけで、あの子は当たり前のことをしているだけなのよ」

 

やたらと小悪魔のことを擁護する颯。友人の偏見も入っているのではないかと青葉は思うが、彼の目線でも彼女は根が真っ直ぐな素直な子だと思う。

 

「群咲がどこまで日本を背負えるか。前途多難だ。けど、だからこそあの子のことを頼むよ」

 

 

「任せて。あ、そういえば今日試合があるんだったわね」

 

忘れていた、と颯は慌ててテレビのチャンネルを変える。すると―――――

 

 

『試合終了~~~!!! ダブルエースの宮水、持田を欠く東京ヴィクトリー!! 後半戦初黒星! 前半の2ゴールで先行するも、後半立て続けに失点!! 勝ち点3が零れ落ちました!!』

 

 

テレビの向こう側では、所属するクラブチームがETU相手に逆転負けを喫し、後半戦初の黒星に終わったチームの姿があった。

 

「うわぁ、マジか。サイドやられすぎだろ――――」

 

宮水不在の右サイドに入った20歳の藤田がボールロストしてから流れが一変。集中的に右サイドを狙われ、失点要因となってしまったこの試合。

 

 

―――――これではだめだ。

 

このままスランプに彼を陥らせると不味い。そろそろ実戦復帰が可能とは言え、彼が自信喪失でもしたらチームに与える影響は無視できない。

 

 

意を決して青葉は監督の平泉に連絡を入れようとした矢先――――

 

 

コンコンコン、

 

 

「? どうぞ」

 

青葉と颯の病室を訪ねるノックの持ち主が現れた。扉が開かれた先にいたのは

 

――――えっと、知り合い?

 

――――おや、あの子は……

 

年若い、青葉と同年代くらいの高校生と思わしき男子学生がなぜこのタイミングでここを訪れるのか。颯には疑問が残る。

 

しかし、青葉には面識があるようだった。

 

 

「―――――あ、あの」

 

彼が口を開く。しかしつらそうな声色で言いにくそうだった。

 

「どうかしたかい、えっと君は――――」

 

 

「はい!! 立花瀧です! すいません、休養中に――――」

 

瀧と名乗る少年は、どうやらファンではなさそうだ。スケッチブックのようなものを持っているが、あれは断じてサインを強請るためのものではない。

 

「いきなり名乗られても、というより青葉の知り合いなの?」

不審な目で瀧を見つめる颯。

 

しかし、青葉は瀧を見てもニコニコの笑顔を崩さない。むしろ、何かに納得しているようだった。

 

 

―――――俺が君の名を忘れるはずがない。あんな出会い方では、嫌でも記憶に残る

 

 

あれほど奇天烈な現象を、忘れるはずがない。

 

 

 

 

「その―――――この風景に、見覚えはありませんか?」

 

 

「!!!」

 

眼を見開く。忘れるはずがない。忘れてはならない風景だ。

 

 

「糸守町――――――貴方は、あの町を――――――」

 

 

颯は信じられないほど精巧に描かれたかつての故郷を見て、驚きを隠せない。

 

「——————なるほどな」

青葉はひとり呟く。そういうことだったのかと。

 

彼に、そこまでの技量があったことは驚いた。3年前の忌まわしい記憶のさなかにある、一瞬の夢。

 

――――そうか、二人の入れ替わりは、この年から始まっていたな

 

 

実際に、あの町に行かなければまず不可能だ。そして、あの絵心を生み出せるセンスが必要だ。その条件を彼はどちらとも満たし、その証拠は青葉である。

 

 

青葉は、彼の名前を、彼の存在を3年前から知っている。

 

 

「俺を、覚えていますか?」

 

 

颯はこのころから、胸騒ぎを覚えていた。立花瀧と宮水青葉。よくよく考えれば縁がないとは言い切れない二人の関係性。

 

 

しかし、その当時の彼女にはどうすることもできなかったのだ。

 

 




時間軸がずれているのは、説明するまでもありませんが、本作は少し設定を弄っています。
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