-音ノ木坂大学-
「私、今日は先に帰るわね。」
「どうしたん、にこっち?なんか用事でもあるん?」
「え・・・?ま、まぁそんなところよ・・・!!と、とにかく先に帰るから!」
多少ギクシャクしながらもにこは、走って校門から出ていった。そんな彼女を唖然とした顔で見送る絵理。
「何か変ね・・・・・・・・・・」
「ふ〜ん。」
そしてにこの行動に不信感を感じた希は携帯を取り出し、電話をかける。そして数分後、
「目標発見にゃ!」
希から連絡を受けた穂乃果たちは、すぐに家を飛び出していった。希と絵理がにこを尾行し、今いる位置をLINEのグループトークで随時、連絡していく。
「何処に行くんだろう?」
先ほどから何遍も辺りを見渡すにこ。明らかに挙動不審である。そしてしばらくして小さな喫茶店へと入っていった。穂乃果たちも道路の向かい側からにこをこっそりと観察する。
「お店に入っちゃったよ。」
「なんで後をつけるの?」
「だってあやしいんだもん!」
真紀の言葉に穂乃果がつっこむ。
「まさかここでバイトしてるとか?」
そう言いながら穂乃果たちはにこがこの店(喫茶店)でバイトしている光景を想像する。
「はまりすぎだにゃ〜!」
「待って、違う見たいよ!」
そう言われ、視線を戻すと、にこはウェイトレスに案内された禁煙席に座る。
「なんだ!お客さんとして店に来ただけか!」
何故か心から安心する穂乃果たち。そしてしばらく観察していると、
「誰かと待ち合わせしてるのかな?」
「でもそれだけであんなにコソコソするでしょうか?」
「・・・・そうだね・・・・・・」
「どんな人だろう・・・・?」
穂乃果たちはにこの待ち合わせの人物の事が気になり始めた。
「余程大切な人とか・・・・・」
「どうしても私たちに紹介したくない相手とか・・・・・」
様々な推理が穂乃果たちの頭を駆け巡る。
「いらっしゃいませー!!!」
そんな中で喫茶店に新しい客が入ってくる。
「『「『「『「『「!!!!!!!」』」』」』」』」
その人物に穂乃果たちは思わず驚きの言葉をあげそうになるが、何とか堪えた。見覚えのあるあの姿、頭にヘッドホン、足に木製の便所サンダルを履いた青年、麻倉葉。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
葉は店の中をキョロキョロ見渡すと、禁煙席に座るにこと目があった。
「よぉ!」
葉はニコリと笑うと、にこの向かい側の席に座る。そしてその様子を見ていた真紀たちは
「な、なななななななんであいつがここにいるのよ!!」
「おおお落ち着いてください、真紀!!」
「そ、そうよ!!みんなも冷静になりましょう!!」
興奮を抑えきれずにいた。