霊と戯れるアイドル   作:雛月 加代

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第十一廻:チケットとリーゼント

「わざわざ呼び出してすまねえな!」

 

「いいわよ。予定なかったし・・・・」

 

苦笑いしながらにこに謝る麻倉葉。

 

「すまねえな。」

 

にこから財布を受け取ると、ポケットにしまう。

 

「これは少しばかりの礼だ。」

 

そう言いながら葉は反対のポケットから何かを取り出す。

 

「そ、それは・・・・・・・」

 

それはアイドルコンサートのチケットだった。にこはチケットを葉から受け取る。

 

「う、嘘でしょ・・・・・私だって購入できなかったのに・・・・」

 

アイドル好きのにこにとって、葉がA-RISEのライブのチケットを手に入れたことに驚きを隠すことができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、あんた!!!」

 

「『???』」

 

突然声をかけられふりむくと、そこには

 

「あ、あんたたち・・・?どうして・・・?」

 

無言で殺気を放っている穂乃果たちがおり、それを見たにこは体中から大量の汗を流しながら体を震わせ、少しであるが恐怖していた。一方で葉は動揺することもなく

 

「何だ、おめーら?」

 

呑気に口を開く。

 

コトン

 

すると、当然のことながら、怒りのオーラを纏った希が葉の元に近付いて見覚えのある木刀を彼の目の前に差し出した。

 

「――これが分からないなんて言わんよね?」

 

「???」

 

「よくも身代わりにしてくれたわね!!!」

 

「おかげでこっちはむちゃくちゃよ!!」

 

希に続いて真紀と絵里も声をあげる。

 

「律儀な奴だな・・・・・。木刀返しに来てくれたのか?いいぞ別に、オイラのじゃないし。」

 

ブチッ

 

「違うわよ!!!」

 

 

 

 

 

ガシッ

 

「???」

 

にこは葉の腕を掴むと、

 

「逃げるわよ!」

 

そのまま走り出す。

 

「あっ!逃げた!!」

 

葉はにこに引っ張られながら財布から小銭を取り出すと、

 

チリーン

 

レジの前に放り投げる。

 

「ありがとうございました!!」

 

そして引っ張られながら店を出る。

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後。公園では

 

「あれー?」

 

「いないにゃ!」

 

「どこいったの?」

 

急いで追いかけた穂乃果たちだったが、途中で二人を見失ってしまった。

 

「あっ!」

 

するとベンチに座っている大きなリーゼント頭の男が目にとまる。おそらく公園の入り口に止めてあったバイクも彼の物だろう。

 

「あの〜、すいません!」

 

「ん?なんだい、お嬢ちゃんたち?」

 

「黒いツインテールの女の子と頭にヘッドホンを付けている男の子を見ませんでしたか?」

 

「ああ〜、そいつらならあっちに行ったぜ!!」

 

男は駅の方を指差した。

 

「本当ですか?」

 

「よし!行こう!!」

 

「うん!」

 

穂乃果たちは互いを見つめ合い、頷くと。

 

「『「『「『「『ありがとうございました!!!』」』」』」』」

 

礼を言い、去って行った。

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