霊と戯れるアイドル   作:雛月 加代

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第十二廻:落し物とコンサート

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

穂乃果たちがいなくなったのを確認すると男は

 

「いきゃしたぜ、旦那。」

 

ベンチの後ろにある草陰に声をかける。

 

ガサゴソ

 

「いや〜、助かったぜ。ありがとな、竜!」

 

「全く。ひどい目にあったわ。」

 

草陰から葉とにこが姿を現す。

 

パッパッ

 

二人は身体中に張り付いた葉っぱやコケなどを払い落す。

 

「しっかし、何で追われてたんですか?」

 

リーゼントの男は心配そうに問いかける。彼の名は梅宮竜之介。『木刀の竜』の通り名を持つベストプレイスを探す永遠の旅人である。

 

「そうよ。あんた一体何したのよ?」

 

竜の言葉ににこも葉に視線を向ける。

 

「う〜ん、オイラにもよく分からねえんだ。」

 

あははと笑いとばす葉。

 

「『・・・・・・・・・・・・。』」

 

そんな彼を呆然としながら見つめる竜とにこ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

 

「ふっふふふふふふふふ。」

 

サングラスとマスクで顔を隠しながら、コンサート会場の列に並ぶにこ。マスクで隠しているものの、その口元は明らかにニヤけている。まさか財布を拾っただけで、こんな美味しい思いができるなんて。やはり人間はコツコツ真面目に生きるべきだ。これは日頃がんばっている自分へのご褒美に違いない。にこは今日初めて神様に感謝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてコンサート会場の駐車場。

 

ブーン

 

ブロロロ

 

「竜、助かったぜ!」

 

「いいってことっすよ!それより急がないと間に合いませんぜ!」

 

「あっ、本当だ!わりい、それじゃあな!!」

 

竜のバイクでコンサート会場に送ってもらった葉。とある用事でにこに連絡をとった葉。だが時は既に遅く、彼女はコンサート会場に出発していたので、こうして彼女を追いかけてきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後。

 

ゴソゴソ

 

「あれ、あれ、あれ?」

 

鞄をお急ぎであさる元μ'sのメンバー、矢澤にこ。

 

ガサゴソ、ガサゴソ。

 

「お客様、どうかしましたか?早くしてください!」

 

昨日、葉から貰ったコンサートチケットを必死に探す。確かに昨日はちゃんとあったはずなのに。

 

「ない、ない、ない。」

 

「困りますよ、お客さん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてさらに数分後。

 

「う〜んと、どこだ?」

 

会場についた葉は大急ぎでにこを探し始める。その手にはにこが落としたライブのチケットが握られていた。

 

「あっ、お客さん!もう始まってますよ!」

 

側にいたスタッフが葉の腕を掴むと、そのまま会場の中へと入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まいったな〜っ。」

 

まさかこんなことになるとは、流石の葉も頭を抱える。なぜかと言うと、会場の中は人混みが多いのでまともにたってもいられない。

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