霊と戯れるアイドル   作:雛月 加代

15 / 16
第十四廻:事件とにこ

「あの〜」

 

「ん?なんだ?」

 

「いいんですか、あのまま出てきちゃって・・・・」

 

「まあ、何とかなるって!」

 

そう言いながら笑みを浮かべる葉。

 

「ん?」

 

ふとファミレスの前を横切ると、店の中に見知った人物がいた。

 

「(T ^ T)」

 

テーブルでシクシクと泣いている元μのメンバー、矢澤にこ。

 

「よぉ!どうかしたのか?」

 

「にこちゃん?」

 

店に入り、葉と花陽は声をかけるが、にこは顔をあげない。

 

「『???』」

 

訳が分からず、二人は顔を見合わせる。すると花陽のスマホに一本の電話がかかってきた。

 

「はい、もしもし。」

 

『小泉さん?』

 

「あんじゅさん。どうしたんですか?」

 

電話の相手は、あんじゅであった。

 

「ねぇ、ツバサを見ていないかしら?』

 

「ツバサさんですか?見てませんけど・・・・どうかしたんですか?」

 

「ジュースを買いに行ったきり帰って来ないの。さっきから英玲奈が携帯に電話してるんだけど、全然繋がらなくて・・・・今、みんなで探してるの・・・・・』

 

「そ、そんな・・・どうしよう・・・」

 

花陽は、慌て出す。すると天井に視線を向けていた葉は

 

「ちょっと、変わってくれ。」

 

真剣な顔で花陽に詰め寄る。花陽は、葉にスマホを渡すと、

 

「おい、聞こえるか?」

 

「え?君はもしかしてさっきの・・・・・?」

 

「麻倉葉だ。今は説明している時間はねぇ。ツバサはオイラが助け出す、会場にいる奴らにはなんとか誤魔化しといてくれ。」

 

「え!?ちょっと!?」

 

葉はそれだけ言うと、一方的に電話を切ってしまった。

 

「よし、行くぞ!」

 

そう言いながら走り出そうとする。だが

 

「ちょっと!どこに行くの!?」

 

にこに腕を掴まれる。

 

「アイツを助けに行くんだ!」

 

「助けるって・・・・・一体どう言うことよ!?」

 

「心配するなって、何とかなる。」

 

葉はにこの腕を振りほどく、店を出て行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、行っちゃました・・・・・」

 

「本当に何がどうなってるのよ!?」

 

状況が理解できず、二人は混乱する。

 

「ん?」

 

するとにこの視線は、奥のテーブルに座っている三人の男たちに止まる。

 

「!?」

 

にこは、急いで彼らの元に向かう。

 

「ちょっと、アンタたち!!」

 

「『「???」』」

 

テーブルに座っていたのはリーゼントの男、トンガリ頭の少年、黒人系の少年の三人であった。

 

「お!嬢ちゃん!どうしたんだ?」

 

慌ててるにことは反対に三人はのんびりと視線を向ける。

 

「実は・・・・・」

 

にこは急いで状況を説明する。だが

 

「『「そうか(い)。」』」

 

事情を話しても顔色一つ変えず、呑気にコーヒーを飲み出す始末。

 

「何でそんなに落ち着いているのよ!!!!」

 

そんな三人ににこは、声をあげる。だが蓮は、ゆっくりと口を開く。

 

「やかましいぞ、女。大体貴様、一体何者だ?」

 

その言葉ににこは待ってましたとばかりに胸を張る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にっこにっこにー!あなたのハートににっこにっこにー!笑顔を届ける矢澤にこにこー。にこにーって覚えてラブニコ♥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、あのロックボーカリストの!!」

 

ガクッ

 

にこは、その場にずっこける。

 

「違うぜ。ほら、ユーチューバーの・・・・・・・。」

 

「あれは、奈良岡にこだ。」

 

「じゃあ・・・・・・・」

 

三人は、にこに視線を戻す。

 

「『「・・・・・・誰だ、こいつ?」』」

 

 

チーン

 

 

にこはその場に崩れ落ち、

 

「(T ^ T)」

 

シクシク泣き始める。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。