「あの〜」
「ん?なんだ?」
「いいんですか、あのまま出てきちゃって・・・・」
「まあ、何とかなるって!」
そう言いながら笑みを浮かべる葉。
「ん?」
ふとファミレスの前を横切ると、店の中に見知った人物がいた。
「(T ^ T)」
テーブルでシクシクと泣いている元μのメンバー、矢澤にこ。
「よぉ!どうかしたのか?」
「にこちゃん?」
店に入り、葉と花陽は声をかけるが、にこは顔をあげない。
「『???』」
訳が分からず、二人は顔を見合わせる。すると花陽のスマホに一本の電話がかかってきた。
「はい、もしもし。」
『小泉さん?』
「あんじゅさん。どうしたんですか?」
電話の相手は、あんじゅであった。
「ねぇ、ツバサを見ていないかしら?』
「ツバサさんですか?見てませんけど・・・・どうかしたんですか?」
「ジュースを買いに行ったきり帰って来ないの。さっきから英玲奈が携帯に電話してるんだけど、全然繋がらなくて・・・・今、みんなで探してるの・・・・・』
「そ、そんな・・・どうしよう・・・」
花陽は、慌て出す。すると天井に視線を向けていた葉は
「ちょっと、変わってくれ。」
真剣な顔で花陽に詰め寄る。花陽は、葉にスマホを渡すと、
「おい、聞こえるか?」
「え?君はもしかしてさっきの・・・・・?」
「麻倉葉だ。今は説明している時間はねぇ。ツバサはオイラが助け出す、会場にいる奴らにはなんとか誤魔化しといてくれ。」
「え!?ちょっと!?」
葉はそれだけ言うと、一方的に電話を切ってしまった。
「よし、行くぞ!」
そう言いながら走り出そうとする。だが
「ちょっと!どこに行くの!?」
にこに腕を掴まれる。
「アイツを助けに行くんだ!」
「助けるって・・・・・一体どう言うことよ!?」
「心配するなって、何とかなる。」
葉はにこの腕を振りほどく、店を出て行く。
「い、行っちゃました・・・・・」
「本当に何がどうなってるのよ!?」
状況が理解できず、二人は混乱する。
「ん?」
するとにこの視線は、奥のテーブルに座っている三人の男たちに止まる。
「!?」
にこは、急いで彼らの元に向かう。
「ちょっと、アンタたち!!」
「『「???」』」
テーブルに座っていたのはリーゼントの男、トンガリ頭の少年、黒人系の少年の三人であった。
「お!嬢ちゃん!どうしたんだ?」
慌ててるにことは反対に三人はのんびりと視線を向ける。
「実は・・・・・」
にこは急いで状況を説明する。だが
「『「そうか(い)。」』」
事情を話しても顔色一つ変えず、呑気にコーヒーを飲み出す始末。
「何でそんなに落ち着いているのよ!!!!」
そんな三人ににこは、声をあげる。だが蓮は、ゆっくりと口を開く。
「やかましいぞ、女。大体貴様、一体何者だ?」
その言葉ににこは待ってましたとばかりに胸を張る。
「にっこにっこにー!あなたのハートににっこにっこにー!笑顔を届ける矢澤にこにこー。にこにーって覚えてラブニコ♥」
「あー、あのロックボーカリストの!!」
ガクッ
にこは、その場にずっこける。
「違うぜ。ほら、ユーチューバーの・・・・・・・。」
「あれは、奈良岡にこだ。」
「じゃあ・・・・・・・」
三人は、にこに視線を戻す。
「『「・・・・・・誰だ、こいつ?」』」
チーン
にこはその場に崩れ落ち、
「(T ^ T)」
シクシク泣き始める。