霊と戯れるアイドル   作:雛月 加代

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第三廻:青年と光

夕方五時、学生や社会人が帰宅するこの時間。彼女はこのバスに乗っていた。名は矢澤にこ、元μ'sのメンバーで、穂乃果たちが通っている音ノ木坂学院の卒業生でもある。

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

大学の授業を終え、妹たちが待つ家に帰宅途中。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

雨が降っているせいか、外は真っ暗。おまけに彼女以外に人は乗っていない。

 

「!?」

 

窓の外に視線を向けると、公園で青年が大勢の不良たちに絡まれていた。

 

(どうしょう!?どうしょう!?)

 

突然の事で彼女は内心焦り出す。だがしばらくすると

 

「!?」

 

何かが青年の後ろで光かりだした。青年は右掌を天高くあげると、光が掌に集まってきた。

 

「くっ・・・・・・・!?」

 

にこは急いで席を立ち、運転手に駆け寄る。

 

「止めて!!!」

 

にこの言葉に運転手は面倒くさそうに

 

「次の停留所はすぐそこだよ!座ってお待ち・・・・」

 

答えた。

 

「いいから止めて!!!!!」

 

運転手の制しを振り切り、にこはその場でバスを降りる。そして来た道をそのまま戻り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後。

 

「あれ!?」

 

やっとのおもいで公園に辿り着いたにこ。だがそこには人どころか、ゴミ一つ落ちていない。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

そのまま辺りを見渡すが特に変わった様子はない。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

夢でも見ていたのか?そんな言葉が頭を横切る。

 

「そんな・・・・・でも私は本当に・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、あるデパートの屋上ではヒーローショーが行われた。

 

「頑張れー!!!!」

 

黒髪の小さな男の子がピコピコハンマーを持って応援していた。そしてその横には左右対称のサイドテールの双子の女の子とツインテールの女の子が座っていた。

 

「虎太郎、喜んでますわね。」

 

「毎週テレビを見てたもんね。」

 

ショーに夢中な三人を尻目ににこは昨日の出来事を思い出す。昨日の頭にヘッドホン、足に木製の便所サンダルを履いた青年。

そして彼の掌に集まった光。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「お姉さま?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「お姉さま!」

 

「えっ!?なっ、何!?」

 

突然声をかけられ、慌てふためくにこ。

 

「どうしたんですか?」

 

「ため息ばかりついて?」

 

「なっ、なんでもないわよ。」

 

そう言いながら苦笑いするにこ。そんな彼女を妹たちは心配そうな顔で覗き込む。

 

(あれは一体、なんだったのかしら・・・?)

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