「あ、あの・・・・お姉さま・・・・」
「どうしたのこころ?」
青ざめた顔をにこに向けるこころ。
「虎太郎が・・・迷子に・・・」
「え・・・!?」
そう言われ、辺りを見渡すと弟の姿が見当たらない。
そしてしばらくデパート内を探索していると・・・・・
「虎太郎!」
「お姉ちゃん・・・・・」
にこは虎太郎を見た瞬間、彼の元に走り、抱き締める。
「・・・・・・・・・・・・。」
「虎太郎。何処に行ってたのよ、心配したんだから!」
「大丈夫だった?」
姉たちの言葉に虎太郎は無言で後ろの人物を持っていたピコピコハンマーで指差した。にこが顔をあげるとそこには
「!?」
その人物ににこは動揺する。頭にヘッドホン、足に木製の便所サンダルを履いた青年。昨日バスの中で目撃し、今の今まで悩んでいた諸悪の根源。青年はにこたちが抱き合っている光景を無表情で見守っていた。
「・・・・・・・・・・・・・。」
そしてここあとこころは青年の元へいくと、お礼を言う。
「『弟を助けてくれて、ありがとうございます!』」
「礼なんていらんよ・・・・。大したことはしてねえからな。」
そう言いながら青年はここあたちの頭を撫で始める。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「お姉さま?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「お姉さま!」
「えっ!?なっ、何!?」
突然声をかけられ、慌てふためくにこ。
「本当に大丈夫ですか?」
再び妹たちは心配そうな顔でにこの顔を覗き込む。
ぐうぅうぅ。
「お腹すいたー。」
虎太郎のお腹がなる。
「そういえばもうお昼ね。どこか空いてる店は・・・・」
そう言いながらデパートの中を見渡すにこ。だが今は丁度お昼時、飲食店が一番込む時間帯なのだ。すると青年は
「近くに知り合いの中華店があるけど、良かったら一緒にどうだ?」
「えっ!?で、でもあんたは・・・?」
「元々そこで食べる予定だったし。い、嫌なら別にいいけど・・・・・」
「いいわ。そこに行きましょう。」
そして場所は変わって中華店。
「じーーーーーーーーーーーーーーっ。」
注文をし終えると、にこは青年の顔をジト目で睨んでいた。
「どうかしたか?」
「単刀直入に聞くわ!」
「???」
「昨夜、何処で何をしていたの?」
「・・・・・?」
突然の質問に青年は首を傾げる。
「それとアンタの右手!!」
「・・・・・・?」
青年は無言で右手を差し出す。にこは彼の右手を掴むと、掌をジロジロと観察し始める。だが特に変わった所は見当たらない。
(そ・・・・そんな・・・・・・)
「もういいか?」
「えっ!?あっ、うん。ありがとう。」
青年は右手を引っ込める。『やっぱりあれは見間違い、もしくは夢』そんな言葉がにこの頭をかけ巡る。すると青年はここでにこに違和感を感じ、彼女の顔に視線を向ける。
「そういえばオメエ、どっかで見たような顔だな。」
その言葉ににこは待ってましたとばかりに胸を張る。
「それはそうよ!だって私は・・・・・」
「さては手配中の被疑者だな。」
「はっ!?」
青年の口から出た言葉ににこは呆然とする。