「違うわよ!!私は・・・・・・・」
想定外の返答に一瞬言葉を失うにこ。
「お姉さまはスクールアイドルだったのですよ。」
「スクールアイドル?」
こころの説明に首を傾げる青年。
「知らないのですか?」
「ああ・・・・そういえばいたな、そんなの・・・」
「・・・・・・・・・・」
青年の言葉ににこは唖然とする。この街に自分たちを知らない人間がいたなんて、しかもそれが子供や老人ではなく同い年の青年なのだから。にこの様子に青年は申し訳なさそうに
「わりい、さっきは・・・・・・。」
「これ以上何も言わないで!なんかすっごく悲しくなるから!」
口を開く。だがにこは顔を真っ赤にしながら両手で顔を隠す。
「・・・・・・・・・・・・・。」
「それよりあんた、スクールアイドルを知らないなんて時代遅れじゃない?」
にこがジト目で青年に詰め寄ってくる。
「いやー、アイドルとか元々そこまで詳しくなくて。それに高校の時はそれどころじゃなかったし・・・・・。」
「何よ?勉強とか部活で忙しかったとか?」
「いや・・・・修行させられて・・・・」
「修行?」
「いやあれは修行じゃないよな・・・・・修行という名の拷問だ・・・・・」
「どんな高校生活を送ってたのよ・・・・?」
「ハハハ・・・・・・」
にこがそう言うと青年はただただ苦笑いすることしかできなかった。
「それじゃ、またな!!」
「ええ、また会いましょう。」
中華店で食べた後、青年は買い物籠を持って、にこたちに別れを言う。こころ、ここあ、虎太郎も手を振りながら、礼を言う。
「なんか面白い人でしたね。」
「また会えるかな?」
「うん・・・・・・」
そして自分たちもその場から立ち去ろうとしたその時。
「あれ?」
何かが地面に落ちていた。拾ってみるとそれはがま口財布であった。
「あっ、これ。あいつのだ。」
青年がレジでこれを使っているのを思い出すにこ。
そしてその数時間後。人気のない所を歩く元『μ's』のメンバー。数日前、警察に補導されたので親や教師たちにこっ酷く叱られた少女。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
真っ赤な髪色に紫色に輝く吊り上がった目。それは彼女をプライドの高い女性へとイメージさせるのには十分な材料であり、そのイメージは決して間違っておらず、成績は優秀。両親は地元の総合病院の医者。将来は実家の病院を継ぐ予定。
「ヴェエエ!?」
目線の先に見知った顔の青年が立っていた。
(な、な、何であいつがここにいるの!?)
青年は目の前のマンションを興味深かそうに観察する。
「ちょっと!アンタ!!」
「???」
いきなり怒鳴る真紀に対し、青年はゆっくりと振り向く。
「ここに何の用!?事と次第によっちゃ警察・・・・・」
「おめえに用はねえ。オイラは矢澤にこに用があるんだ。」
「にこちゃんに?一体何の・・・・・」
「知り合いなのか?ちょうどいいや、取り次いでくれ!」
カチン
青年の口調に少女の中で何かが爆発する。
「な、な、な、な、な、なんで・・・・・・」
「???」
「何でそんなに偉そうなのよーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!????」
真紀は叫びながら青年の胸をポカポカ叩き出す。
「私たちにあんなことしておいてーーーーーーーーーーーーー!!!!」