霊と戯れるアイドル   作:雛月 加代

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第七廻:希と不良

「ふぅー、何とか撒いた見てえだな。」

 

そう言いながら青年はその場で腰を下ろす。激闘、五時間半。ついに地上最強の鬼ごっこにピリオドが打たれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かに思われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見〜つけた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ

 

「!?」

 

後ろで声がしたと同時に腕を掴まれる。

 

「さあ、大人しく訳を聞かせて!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、路地裏では。

 

「なあなあ、暇なら俺らと一緒に遊ぼうぜ?」

 

「・・・・・結構です。私たち、ちょっと急いでるんでこれで失礼します!!」

 

青年を追いかけていた真紀と絵里。だが不運にも彼女たちは三人の不良高校生達に遭遇してしまった。真紀は何とか不良達の横を通り抜けようとする。

 

「そんなこと言わないでさぁ」

 

ガシッ

 

だが、不良の一人に腕を掴まれてしまう。

 

「やめて!離してよ!」

 

「いやいや!誰か助けて!」

 

泣き叫ぶ彼女たちだったが、人気がないせいか誰も駆けつけて来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぷー、ぷー。

 

「おっかしいな。」

 

携帯で絵里たちに連絡するが一向に繋がらない。

 

「オイラ、ちょっと用事があるんだけど・・・・」

 

そう言うと青年はその場から去ろうとするが

 

ガシッ

 

腕を強く掴まれていて逃げられない。そんな青年を無視し、もう一度電話をかける希。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後。

 

真紀と絵里はどこかの倉庫に連れてこられ、縛られて椅子に座らされていた。そんな彼女たちを見ながら、いやらしい顔をした不良が口を開く。




 

「おい、見ろよ!!こいつらμ'sの西木野真姫と絢瀬絵里だぜ!」

 

「マジ!?うわ、本物だ!?」

 




不良たちが彼女たちを見て驚きの顔をする。

 

「ごめん、エリー 巻き込んじゃって。」




 

「大丈夫、気にしてないわよ。」




 

(何でこんな事になっちゃったのよ。元はと言えば全部あいつが悪いんじゃない。)

 

責任を一方的にこの場にいない青年に押し付ける真紀。すると不良たちはニヤけた顔で真紀たちに歩み寄る。

 

「ひっ!?いや!来ないで!!」

 

「いや!!誰か助けて!!」

 

「バーカ、そんなんで助けがくる訳ねーだろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると後ろで声がした。

 

「真姫ちゃん!!えりち!!」

 

そこには見知った顔が二人立っていた。

 

「何だ、お前たちは・・・?」

 

「オッス!オイラは麻倉葉。で、こっちが友だちの東條希。」

 

「なっ!?・・・・・・・ど、どうも。」

 

いきなり自分が紹介され、不法いながらもぺこりと頭を下げる希。

 

「そこの二人を迎えに来たんだ。」

 

「迎えに?お前たち二人でか?」

 

そう言いながらゲラゲラと笑う不良たち。そして各々の武器を構える。

 

「希、ちょっと下がっててくれ。」

 

「???」

 

言われるがまま希は青年と距離を取っていく。

 

「ちょ、ちょっと何やってんのよ!?早く逃げなさい!!」

 

慌てふためく真紀に比べ青年はどっしりと構えている。

 

「だから大丈夫だって・・・・・・」

 

「無茶よ!あなた一人じゃあ・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一人じゃ、ないさ!!!」

 

 

 

その言葉を合図に青年の背中に巨大な光が現れる。

 


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