[裏技]仮面ライダーゲンムVS魔法少女おりこ☆マギカ ロンリー・プレイヤー 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
BATTLE 02-01 (side:magi-K.K.)
「なんなんだよもう! モグモグ。ホントアイツ、なんなんなんだよっ!!」
こういう時はヤケ食いに限る。モグモグ。
このイチゴパフェおいしい。モグモグ。
あとは、ひたすらゲームしてストレス発散するとかね。
「貴女は今まで通り魔法少女にちょっかいを出して。
それとグリーフシードを大量に調達してちょうだい。
拠点としてこの私の家を使うことは構わないけど、あの部屋には入らないで」
では頑張ってね、キリッ。
貴族か! あ、お嬢様なんだっけ。家も豪邸だったし、通ってるのもお嬢様学校だし。
予知を司る白い魔法少女……美国織莉子は、きっと私とは生きてる世界がそもそも違う。
「アイツ、イマイチ信じらんないんだよなー」
たしかに私はお腹を思いっ切りグチャグチャにされても、
どのくらいまで行くと死んじゃうんだろ? 中身が出るとアウトだろうけど。
ソウルジェムが濁り切ると魔女になるって……中に魔女の素でも入ってんの?
疑問点が多過ぎ。オマケに、人のことコキ使うクセに自分の目的は教えてくんないし。
「ん~~~? もしかして私、騙されてる?」
ていうか、あんまり目立ち過ぎても魔法少女たちに警戒されたらダメかな?
噂されたりバレたりしないように動かないと……めんどくさっ。
あー、なんか【キリサキさん】って怪談思い出した。
夜一人で人気のない場所を歩いてると、突然鈴の音が聞こえてきて。
どこからともなくコートを着た女が現れて、名前を聞いてくる。
で、それに答えるとズタズタに切り殺されちゃう。
うーん……私は絶対に相手の名前聞かないようにしよう!
キリサキさんになんかなってやんないぞー。
まっ、やることはいつもと変わんないんだし。
グリーフシードの取り分が少し減るけど、逆らうよりはマシかな。
それに、不思議な話……織莉子とは初めて会った気がしないんだ。
夢の中で逢ったような――なーんてメルヘンな感じじゃなくて。
頭の中にノイズが掛かってるみたいに、何かが邪魔して思い出せない感じ。
これ自体もすごくイライラする。
だからとりあえず見付けた青い魔法少女を襲ってみた。
ってところまではよかったんだけど――
「鈍くさいなぁ。こんな鈍い魔法少女、初めて見たよ」
困ったな。斧の先に付いてる盾が巨大化して、弾かれて攻撃が届かない。
「そんなペラッペラの刃じゃ私には勝てないわよ!」
煽り返されるし。
ちょっと脅かしてグリーフシード貰うつもりだけだったけど、本気でいかないとマズいかな……。
いくら攻撃しても判定のデカイ盾で防がれるし、一発もらったら即アウトっぽい攻撃を出してくる。
斧といえば近接戦! ……って訳でもなく、地面を崩して飛ばすなんて技まである。
避けてすぐ近付いても、あー、また盾だ。
「無駄よ! この黒カマキリ!」
「クソ……! あとそのあだ名やめてよ! ダサい!」
「ふん、お似合いよ」
それでも、パワー系で硬い敵はガードを解いた瞬間を一気に狙うのが鉄則さ!
「終わりにするよ!」
チャンス! 盾がどっか行った!
……盾はどこへ行った?
「しまっ――」
時既に遅し。私はゴッと生えたドームみたいなのに包まれてしまう。
盾が変化したトラップにまんまと引っ掛かった。
「クソっ、閉じ込められた!?」
「動きは速くても頭は鈍いわね。
アンタのペラい爪じゃこれは壊せない。
宙に高く跳び上がり、隙の多い大技で突進してくる魔法少女。
キミさ……ちょっと私のことナメ過ぎだよ。
「キャァァァァァ!?」
一点に集中させれば私の爪は繋がって遠くまで伸びる。
油断した相手に喰らわせるには充分な速さで、結界を一点だけ突き破るにも足りる威力だ。
「卑怯な……」
「お互い様でしょ」
肩に怪我を負った青い魔法少女は地面に落ちて、崩れる結界の中から踏み出す私を睨んでいた。
「キミ、厄介だね。動けないようにしとくよ」
もう一度立ち上がられたら、次もまた対処できる気がしない。
少なくとも追って来れないくらいにはしとかないと。
だから私はまた爪を伸ばして、脚を傷付ける程度のつもりで攻撃した、のに――
「小巻!!」
「晶?」
ドスッ、グチャ、バシャ。
「えっ、え? え……えっ?」
急に飛び出してきた女の子の背中を刺してしまった。
動かない、動かない、悲鳴すらあげずにその肉体が地面に落ちる。
「ほ、ホント? し……死んじゃったの……?」
彼女を優しく抱きかかえる魔法少女は何も応えない。
ただ斧を手に取って、顔を上げて――。
「あ、ああ……」
本当の本当に誰かから嫌われたことなんてある?
大抵はさ、顔見るだけで腹が立つくらいになっても、そこで終わりかちょっと突っかかるだけ。
もしくは
でも……私の前からいなくなれ、じゃなくて、今ここでお前を消してやる。
そんな目を誰かに向けられたことなんて、ある?
「よくも晶をォォォッ!!」
「アアっ!?」
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
殺した。
殺される。
こわい。
いやだ。
「ヤアアッ!!?」
顔にピッと何かが飛び散って。
叫び声が聞こえなくなって。
目を開けると、思わず突き出した爪の先に、腸が付いていた。