[裏技]仮面ライダーゲンムVS魔法少女おりこ☆マギカ ロンリー・プレイヤー   作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】

6 / 15
BATTLE 02-02 (side:magi-M.O.)

キリカの様子が変だ。

 

昨日の夜、急に血相を変えて訪れてきた。

体の震えを止めることができなくて、ずっと毛布に包まって部屋にいる。

何があったのか話そうとしないけど、無理に聞き出そうとしても悪化させてしまうだろう。

 

食事の用意をしに行こうとしただけで

 

「ホントに? ホントにどこにも行かない? 私をひとりにしない!?」

 

そう縋りついて何回も確認してくるし、食事を持って戻れば

 

「あっ、あそこに人が! 人が立ってる!!」

 

誰もいない場所を指差して飛びついてくる。

この様子じゃ今日は学校に行けそうもない。もうお昼過ぎだし。

あまり普段と違う行動をして目立ちたくはないのだけれど……。

特に、小巻さんに怪しまれると厄介だもの。

 

でも……キリカが怯えている理由は、洗い物中にやってきたキュゥべえの言葉でわかった。

 

『魔法少女が殺されたんだ。

 ただ、僕が駆け付けた時には、魔女にやられたにしてはまだ意識も身体も残っていた。

 犯人の手掛かりはその子が遺した()()だけ。君も気を付けてほしい』

「……ええ。わかったわ」

 

ああ、なるほど。キリカは人を殺めたのか。

 

「容易く人に()()とか()()とか言ってはいけない。

 命が……とても重いものが軽く見えてしまうから」

 

いつか母にそう言われたことを思い出す。

キリカは死を軽く口に出す子だったけれど、今まで本当に殺したことはなかった。

 

酷な話……たった一人殺した程度で心が潰れてしまうなら私の駒には使えない。

私の世界を守るために、少なくとも()()は必ず殺さねばならないのだから。

 

 

「それが本当に正しいのか?」

 

 

ドンっ。

キッチンから部屋に戻る途中、何かが床に崩れるような音がした。

玄関前の廊下に行ってみると、尻餅をついたキリカと落ちたプリントを見付ける。

 

「ヒッ」

「どうしたの? 私が離れている間に、誰か来ていたの……?」

 

チラッと窓から外を見てみると、知っている子が高級車に乗り込む姿があった。

 

「長月さん? わざわざプリントを持ってきてくれたのかしら」

「おっ、おり、織莉子ォ……!」

「キリカ、また幻でも――」

 

拾ったプリントの中、その名前はすぐ私の目に留まった。

 

 

 


 

保護者の皆様へ

白羽女学院学長

本学生徒が行方不明となっている事件及び休校について

 

 昨日20時頃から本学3年生の浅古小巻さんが行方不明となっており、御家族から相談を受けた本学3年生の行方晶さんが捜索していましたが、22時頃に五郷工業工場跡にて血痕及び体の一部が発見され、通報を受けた警察により本日11時頃にDNAが御二人の物と一致する可能性が高いと報告を受けました。

 このことを受けて本日及び明日は急遽休学としました。保護者の皆様におかれましては、急な下校及び送迎の対応をして頂き感謝申し上げます。

 警察は事件とみて捜査を進めています。本学としても非常に胸の痛む事件であり、御二人が無事に発見されることを祈ると同時に、警察への協力を惜しまない姿勢です。

 保護者の皆様におかれましては、お子様のメンタルケア及び捜査へのご協力、事件解決までの登下校の送迎を宜しくお願い致します。また、報道関係者からの取材が予想されますが、事件の重大性及び本学生徒への影響から、なるべく応じないようにお願い致します。

 詳細につきましては、警察と情報を共有した上で、明日説明会を行います。

 

     日時:10時から。2時間を予定しています。

     場所:本学第一講堂。下記の地図を参照してください。

     ※資料を配布致します。

     ※報道関係者には別個会見を開きます。

     ※撮影・録音・資料の二次配布はご遠慮ください。

 


 

 

 

「う、うあああああああああああ!!

 知らなかったんだよぉ! 織莉子の知り合いなんて!!!」

 

発狂としか言い様のないパニック状態。

目を見開いて、零れる唾液にも溢れる汗にも構わず、髪を掻き毟り、喉が潰れそうな声を出す。

 

「許して……許して……! ごめんなさい! 助けて!!」

「キリカ! 落ち着きなさい!」

 

キリカのソウルジェムが危険だ。

穢れを溜め込んで今にも孵化しそうになっている。

どうすれば、どうする、正しいのは――

 

「許すわ」

 

その日初めて、私は人を呪った。

 

「貴女を許す。私はその罪を受け入れ、未来へ繋ぐ。

 だから、終わった過ちを責めるより、これからの功績を期待するわ。

 私の役に立てば……貴女は許され続けるのよ」

 

心を硬くしなければならない。

罪の重さに潰されてしまわないように。

 

 

「それが本当に正しいのか?」

 

 

 

 

 

「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」「それが本当に正しいのか?」

 

 

 

 

 

あるいは、ああ、もう壊れてしまっているのかもしれない。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。