[裏技]仮面ライダーゲンムVS魔法少女おりこ☆マギカ ロンリー・プレイヤー 作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】
(あーあ。あたし死ぬのかな。ニュースとか出るのかな。
名門中学の林間学校で火災! 生徒数名が死亡! とか)
「……私たちを守って」
(え? なに頑張っちゃってんの? ムリだって諦めた方が楽だって。……仕方ないなぁ)
「……あんたが助けてくれたの?」
「廊下に寝てて邪魔だったから退かしただけよ。ふん!」
『君は標準的な人間とは少し判断が違うようだね。大抵は
「私は決めたことは必ずやるの。助かるのも助けるのも私がやるって決めてたのよ。
だから、魔法少女ってのもやってやるわ!」
「また負けたーっ! 美国はホントムカつくわ!
次の期末はぜっっったいに勝ってやるんだから!」
「お姉ちゃん、そんな嫌な人なら無視すればいいじゃん。構ったってイライラするだけだよ」
「なんで私が退かなきゃならないのよ! ムカつく奴は正面からやっつける。これが私の信条よ!
大体ね! 美国は――嫌な奴じゃないわよ……」
「……お姉ちゃんってツンデレ?」
「成金の低俗一家が偉そうに! 私の家は医師なの! 協会の会長だっているんだから!」
「アンタ、すごいヤラしい顔してるよ。
自分のものじゃないもので着飾るのはやめなさいよ。中身が余計に腐って見えるから」
「メッキはいつか剥がれるもの。その時に憫然たる自らに気付くでしょう。
私を見ていてわからなかったの?」
「小巻さんはいつも怒っているようだけど、さっきのようなのは初めて見たわ」
「親のことまで言われたら流石に腹立つわ。会ったこともないクセに」
「……愛しているのね」
(仕方ないなぁ。仕方ないから1回くらいはあんたのために、頑張ってあげようかな)
「小巻!!」
「晶?」
最近、妹の小糸に夜中家を抜け出してることがバレてる気がする。
心配性だからなー。夜遊びしてるとか突飛なこと考えてるんだろうなー。
ううん。そんな風に妄想を暴走させるのは、晶の方か。
そういえば今日、晶にスマートフォンをなんか良くしてもらったんだっけ。
カタカナばかり並べられて何言ってんのかサッパリだったけど、ともかく良くしてくれたらしい。
そうそう、今日は早く帰って数学の予習やらなきゃいけないんだった。
でも魔女の気配がしたから、また仕方なくこっそり抜け出した。
ふわふわ空中に浮いて戦い難かったけど、魔女自体は全然大したことなかったし。
あれ? でも私、その後黒カマキリに襲われて……。
なんとか捕らえたと思ったら反撃されて。
何故か晶が出てきて、私を庇って、傷を負って、私も――そうだ。
「う、あ……」
……生きてる。
脇腹をガッツリ抉り取られたハズなのに生きてる。
「あ、き……」
声も出せた。少しくらいなら体も動かせる。
血がどんどん流れ出てるのはたしか。
でもまだ動けるなら、救急車呼んだり、魔法で晶を回復させたりすることくらい――。
「……あ、き、ら?」
ムリヤリ首を横に捻って見ても、そこに晶はいない。
代わりに見えたのは真っ黒な足と――シュワァという音と一緒に散る機械的なエフェクト。
「姿を取り戻すにはもう1人必要か……」
また少し首を動かせば、ガスマスクをもっとデフォルメしたような顔があった。
何なのかはわからない。魔法少女でもなければ人でもない。
けど、コイツが晶をどうにかして消したってことだけはわかる!
「か――」
返せ。そう言おうとした途端
「ぶァ!」
奇声と同時に、ソイツは私に何かを突き刺した。
紫色の携帯ゲーム? そこから何かが私の中に入ってきて――
「ッ! ア゛ア゛!? う、っぐ……」
熱い。頭が痛い! 喉もお腹も……吐き気も!?
インフルエンザで苦しむ数日間を一気にまとめたような辛さ。
脇腹の傷の痛みなんて思い出す暇もない程、死がすぐそこにいるような怖さ!!
「君の絶望は無駄にはならない」
私は今何をされたって言うの!?
コイツは晶にもこうしてっ!?
「私という存在を蘇らせる、そして世界を救うための尊い生贄となるのだから……!」
蘇らせる? 世界を救う、生贄……!?
「君にもまた、神の恵みたる【究極の救済】が訪れるだろう。心配しなくていい。さァ――」
走るノイズ。消えていく、黒いスーツ姿になった何か。
『これは……?』
キュゥべえの登場は数秒遅かった。
『これは、一体……?』
……伝えなくては。
私は多分ここで終わる。
でも、あの意味不明な悪魔の存在を……他の魔法少女に伝えないと!
次の瞬間、私の意識がプツリと消えた。