[裏技]仮面ライダーゲンムVS魔法少女おりこ☆マギカ ロンリー・プレイヤー   作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】

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夢を求め、夢に蝕まれ、何を知る?


バトル3『問い質すvoice VS 入り込むnoise』
BATTLE 03-01 (side:magi-K.K.)


私は織莉子のことが好きだ。

ううん、そんな軽々しい言葉じゃ足りない。

好きだの大好きだの、単位で表せるようなものじゃない。

 

織莉子は友人を殺した私を許すと言ってくれた。

私は思ったんだ。あの深く大きな器を満たすためには、たくさんたくさん注がなくては。

この愛に応えるためには、()()()()()()()()()

 

「……変わらなくては?」

 

屋敷の中を歩きながらそんなこと考えてると、ふと違和感を覚えた。

なんだろう……デジャヴ?

私は前にも同じように考えたことがある?

 

 

「なあなあ、帰りなんか食べようぜ。うどんとか」

「あの子さー、既読スルーするんだよー」「マジで? あの2人付き合ってるの?」

「今年の流行はやっぱアレだよね!」「ホントやめてよw」「ねぇ聞いて聞いて!」「それは恋ですなぁ~」

 

 

ガヤガヤガヤガヤ。

愛想笑いして、話合わせて、テキトーなテンションに上っ面の言葉。

ああ……くだらない。つまんない。

 

魔法少女になる前からそんなフンイキの中に溶け込めないでいるのは自覚していた。

でも、別にそれでダメとは思ってなかった気がする。

願いを叶えた後も嫌悪は変わってない。

だから多分、そういう輪に入れない自分を変えたいとは祈ってないんだ。

ならこの違和感はなんだろう?

 

「……あれ? 開いてる?」

 

考え事を止めて足を止めたのは、織莉子に入っちゃダメと言われた部屋の前。

ちゃんとドアを閉めてなかったのか半開きになっていた。

 

……私は織莉子のためにいる。彼女の言う()()()()()を手伝う駒として在る。

隠し事も全部知って役に立ちたい。

だから、ちょっとくらい覗いてもいいよね。

 

「お、お邪魔しまーす」

 

けど、その部屋はただの書斎だった。パパさんの仕事部屋かな?

壁一面の棚にはつまんなそーな本ばかり。

織莉子に関する物なんか1つも――あった。

 

背表紙にはORIKO ALBUMの文字。

子どもの頃の織莉子! きっとお姫様みたいに可愛いんだろうなぁ!

 

「ん? なんか引っ掛かってる。この、このっ、とりゃあああ!」

 

スポーン、ドサドサッ。

勢い余って打ったお尻を撫でて、床に散らばった本の間に引っ掛かってた物を探す。

手帳? グチャグチャじゃん……元からだよね? 織莉子のパパって意外と雑?

う~ん、織莉子の尊敬するパパさんか。政治家だったんだっけ。

 

「まぁ、少しくらい知ってやってもいいかな」

 

 

 


 

嵌められた。

市議会議員で満足していれば良かった。

国会議員の席をほのめかされて、私は犯罪者に貶められてしまった。

八重樫健三郎(やえがしけんざぶろう)は、はじめからそのつもりだった。

政敵である私の兄の公秀(きみひで)を陥れるために、肉親である私に汚職疑惑を被せた。

私はまた捨てられたのだ。

 

 

 

もう疲れた。逃げようと思う。

 


 

 

 

……織莉子は強い。

強くなくては、誰かの命と引き換えに究極の救済をもたらすことなんかできない。

だから織莉子には伝えない。絶対に教えない。知らない方がいい真実もある。

ただ、私は許さない。絶対に完全に一片たりとも許さない!

 

「お前は織莉子の敵だ」

 

過去の願いは忘れちゃったけど、今私は改めてここに祈ろう。

私の全てを砕いて織莉子に捧げる。

それだけじゃない。織莉子のためなら他の誰の何でも捧げてみせる。

 

愛は無限に有限だよ。

私は彼女に無限に尽くす。

たとえ私や彼女のすぐ傍の誰かを犠牲にしても、無限の中の有限に過ぎないんだ。

 

 

 

 

 


 

「やあ美国くん。奇遇だね」

「……どうも、八重樫先生」

「そんな邪険にしないでくれたまえよ。

 袂を分かったとはいえ、君の父上とは長らく戦友だったのだからね。

 しかし――弟の久臣くんは残念だったね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……」

「あの娘さんも可哀想に。ええと……ああ、織莉子くんだ。

 彼女は才がある。是非将来は政をやってもらいたいものだね」

「やめて頂きたい」

「……ん?」

「皆好き勝手を言っているが――彼女は父を亡くし傷付いている、ただの中学生です」

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