[裏技]仮面ライダーゲンムVS魔法少女おりこ☆マギカ ロンリー・プレイヤー   作:柳川 秀@尾上 愛【新人Vtuber】

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BATTLE 03-02 (side:magi-M.O.)

「猛スピードで車両が歩道に乗り上げてきたため、避けられなかったようです。

 手は尽くしましたが……残念です」

「お、おか――

「うあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!

 由良子!!!! 由良子ォォォ!!!!!!!!!

 君がいなくなったら僕はどうすればいいんだ!!!!!?」

 

ああ、そうだ。

お母様がいなくなったら誰がお父様を支えるのだろう?

誰がいる? 父の兄姉たち? ダメ……あの人たちは恐い。

わたししかいない。だからわたしは泣いてはいけない。

()は、子どもでいてはいけない。

 

泣きじゃくって手が差し伸べられるのを待つだけ。

その手にしがみついて自らはなにもしない。

弱さを盾にした愚か者。私はそうであってはならない。

 

ワルプルギスの夜さえ凌ぐ力を持つ魔女。

ピンク色の魔法少女が変身した、世界の破壊者の誕生。

 

一目見て理解した。これには誰も勝てない。

世界は終わる。父が守ろうとしていたこの見滝原市は滅ぶ。

だが手段はある。()()()()()()()()()()()()()()

 

たったひとりとその他の全ての人々の命。

私の道は示されているハズなのに――

 

「それが本当に正しいのか?」

 

「私に思い出させないで!」

 

「冷淡で人に興味なさそうなのに変なとこ律儀な奴よね」

「それが本当に正しいのか?」

 

「わたしに弱さを思い出させないでっ!!」

 

母の死、父の死、小巻さん、絶望の未来。夢の中で何度も何度も繰り返す。

その度に何かが私の心を蝕んで気が触れそうになる。

いや、もう触れてしまっているのかもしれない。

キリカが壊れたように。

 

しかしだからこそ、私は繰り返すこの終末から退いてはいけない。

2人殺し1人壊した。止まることは許されない。

今止まってしまえば、これまでの全てを……私の全てを否定することになるのだから。

 

先へ、後少し、見付けた、鹿目まどか、早く、すぐに、消してしまわなければ。

 

 

「私たちに接触し(さわら)ないで」

 

 

一瞬で頭を撃ち抜かれる。

鹿目まどかはただの中学生だ。銃を持った護衛がいる身分とは思えない。

私が狙い? 違う。汚職議員の娘のためにわざわざそんなリスクは負わない。

()()を知っている者が他に――鹿目まどかの【守護者】がいる?

 

「だとすれば、私の殺す人間は2人になった」

 

もう一度最初から予知夢を始める。

ワルプルギスの夜の襲来で見滝原が蹂躙される。

見滝原中の制服を着た少女がキュゥべえと契約する。

彼女が魔女になる前に、私が殺そうとする。

頭を撃ち抜かれる。

 

もう一度最初から予知夢を始める。

ワルプルギスの夜の襲来で見滝原が蹂躙され、何人かが挑んで敗れる。

見滝原中の制服を着た少女がキュゥべえと契約する。

彼女が魔女になる前に私が殺そうとして、けど別の方向に顔を向ける。

姿を捉える前に頭を撃ち抜かれる。

 

もう一度最初から予知夢を始める。

ワルプルギスの夜の襲来で見滝原が蹂躙され、1人が挑んで敗れる。

見滝原中の制服を着た少女がキュゥべえと契約する。

彼女が魔女になる前に私が殺そうとして、けど妨げてきた少女に顔を向ける。

彼女に頭を撃ち抜かれる。

 

繰り返す、繰り返す、繰り返す。

何故何度やっても一瞬の内に私は撃たれているの?

まさか……時に関する魔法

 

「見付けた!」

 

黒と紫の魔法少女。終末の守護者……【悪魔】!

貴女の姿を私は目に焼き付け――?

 

「ブェーハッハッハッハッハッハッハ!!!」

 

悪魔の姿にノイズが走る。ブレて別の黒と紫の何かになる。

これは……人? それとも違う存在?

なにより、何故ここに現れているの?

有り得ない……私の予知に介入してきている!?

 

 

「レッツ・ゲ

 

 

ドサドサッ!

 

「っ!?」

 

急な物音で目が覚めてしまった。

全くもう……どうせキリカね。

 

予知に集中し過ぎても魔力をすぐに消耗してしまう。

今回は守護者の姿を掴めただけ、収穫があったと思うことにして。

私は物音がした方に……父の書斎に向かった。

 

「お、織莉子!」

「やっぱり……」

「ご、ごめなさい」

「この部屋には入らないでと言ったハズよ。

 ……間違いは誰にでもあるもの。今後気を付けてね」

「う、うん……」

 

いつもは私の話を(文字通り)食い入るように聞くキリカだけど。

さっきからソワソワしていて――机の引き出しを気にしている?

 

「……ちょっと退いてちょうだい」

「わっ! あっ! 織莉子、お茶にしようよ! 私お腹空いて死んじゃう!」

「どうしちゃったの? ……?」

 

引き出しの中にあったのは、ウサギみたいな可愛いキャラクターのキーホルダー。

お父様の机になんでこんな物が……頂き物かしら?

 

「ふふ。キリカ、これが気になっていたのね。

 いいわ、プレゼントしてあげる。もう他人の机を勝手に開けてはダメよ?」

「……うん!」

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