完成されており、不完全の魔導書。   作:ゴールド@モーさん好き

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会話文多めで、どのキャラが話してるか分からなかったらすいません。


6話

「無限書庫の、私設武装組織だと?」

「あぁ、人材は我ら陽天の守護騎士でまかなうのでそちらに迷惑はかけない。」

「い、いやそういうことではない!確かにその問題もあるが、その前になぜ必要なのだ。あそこはデータベースであって戦場では──」

「無いとでも言うつもりか?笑わせるなよ”執務官”、あそこは紛れもなく戦場だ。それも激戦区だぞ?何もかも知らないという訳では無いだろ。」

「──!」

 

彼女の冷たく、鋭い瞳に僕は思わず気圧されてしまった。だが、そのままでは前に進まないから口を動かす。

 

「た、確かに開拓作業中に危険な魔導書と遭遇する事もある。だがそれなら開拓作業の際に、何処かの武装隊に護衛申請を送れば済むはずでは?そもそもそういう規定だった筈だ。」

「そうだな、確かに管理局の規定ではそうなっているな。」

「それが分かっているのなら何故─」

「3回。」

「…は?」

「だから3回と言ったのだ。この1年間で通った、武装隊への護衛申請の回数。」

「1年間で…だと?それはおかしい、何故なら奴は一月に2回のペースで開拓作業を行っていたはずだ。」

「そうだそのペースで我が主は無限書庫の開拓を行った。」

「だったら奴は申請が通らなかった時はどうしていたって言うのだ!まさか1人でやっていた訳ではあるまい。」

「いいや、1人でやっていたぞ。開拓から封印、事後報告の為のレポート。何から何まで。」

 

その言葉にクロノは言葉を無くしてしまった。

 

「開拓作業はある意味執務官殿より死が近い、何故だか分かるか?貴様らは次元犯罪者を追っている、脅威の対象が”分かっている”。対して無限書庫の開拓作業員はどうだ?進行先の書庫の広さ、書物の量、無害か有害かの判別。”全てが分からない”!”全てが未知”!そんな場所に赴くというのにこちらの戦力は主のみ……ハッキリ言うが管理局は人1人が死のうがどうでもいいと考えているのか?」

「ち、違う!そんなの考えて等──」

「確かに貴様は考えていないのだろうな、だが組織とは多い方の考えがそのまま組織の考えとなる。今までの対応は主に死ねと言っているのに等しいものだぞ?なんせ手が空いているであろう武装隊が居る時でも申請は中々通らない、手が離せない?タイミングが悪い?それであんなにも拒否されるのなら主の運は管理世界随一で悪いのであろうな。これで分かったろ?私が武装組織を設立させようとした経緯は。」

 

僕は訳が分からなくなっていた。この短い尋問で色々と知って、まだそれが整理出来ていなかったからだ。背中には気持ち悪い汗が、胸の辺りでは何か気持ち悪い物が込み上げてきそうだった。

そして僕はいつの間にか他の局員と尋問を交代していた、恐らくは誰かが僕の様子を見兼ねて指示したのだろう。

彼女は僕が退出する際に何か僕に伝えていた気がする。それは確か──

 

「主について知りたい事があれば湖の騎士に聞くといい、少なくとも君が知らない事を知っているはずだ。」

 

 

♢

 

管理局のある一室、そこには人が集まっていた。集まっていた理由は別室で行われている尋問を見ていたからである。

 

「クロノ執務官、貴方にはただ今より緊急の用事があります。バラム執務官に尋問を引き続ぎした後、指定の部屋に来てください。」

『了解しました、艦長。』

 

そんな中尋問の途中で様子がおかしくなったクロノを見て、リンディはクロノを下げた。どの道あのままだったら尋問も上手く行かないと思われるから良かっただろう。そして少ししたらクロノはその部屋に入ってきた。

 

「お疲れ様クロノ。」

「すいません艦長、尋問の途中で取り乱してしまい…」

「いいのよ、あれくらいの事を言われたら私も動揺すると思うわ。それよりもこれで役者は揃ったわね、話を聞かせて貰ってもよろしいかしら──シャマル先生?」

 

そう今も沈黙を貫いているシャマルに向かって言葉を放つ。

 

♢

 

(とうとうこの事を皆に言う時が来ちゃいましたか…本人は未だ”適合”の時のダメージで眠っていますが…仕方ありませんね。)

「分かりました、先程融合機さんからも許しが貰えましたのでお話致します。ユーノ君が何故あそこまで”がむしゃら迄に”無限書庫で働いていたのか。ですが少々ショッキングな内容もありますのでお覚悟を──」

 

そう前置きをし、湖の騎士シャマルは彼について話し始めた。

 

「まず初めに言っておきますと、昨日までは”彼が大人になる事”はまず不可能だった事ですかね。」

「な?!」

「嘘でしょ?!」

 

この言葉の真意を直ぐに汲み取れたのは、年長者であるシグナム、そしてリンディであった。そしてほかの面々もその言葉に気づき始める……ある者を除けば。

 

「シャマルさん、それはどういう事ですか?それではあたかもユーノ君が早死する様に聞き取れるのですが。」

「聞き取れるも何もその通りです、リンディ艦長。彼、ユーノ・スクライアは昨日までの診察結果で大人になる事は不可能…いや、いつ死んでもおかしく無かったのですから。」

「原因は一体なんだ?お前程の医者が治せない事柄だ、余程の事なのであろう?」

「そうね。皆さん、魔導書で物を出し入れさせれるのはご存知ですよね。」

「も、勿論や。転移系か、それとも魔力変換系かはさておきそういう事をできる事は知ってるで。シャマル達やってその1種やないか。」

「正解ですはやてちゃん。それでは他にも質問です…”もしもロストロギアが魔導書に収納されてる事を知らずに近づいた場合”、どうなると思いますか?」

 

その言葉に、彼が何故死に瀕しているかを皆が察してしまった。

 

「それは…」

「その魔導書の中に収納されていたロストロギアの名前は…”時の杭”。」

「時の杭だって?!」

「知ってるの、クロノ君。」

「あぁ、それは僕が以前ユーノに調査依頼をした代物だ。」

「じゃあユーノ君がこうなったのは!」

「待ってなのはちゃん、ねぇクロノ君。それを依頼したのはいつ頃?」

「…先月です。」

「そう、それなら大丈夫よ。時の杭は打ち込まれたのは半年前、君が悔やむべき事では無いわよ。」

「ですが!それだとしてもユーノに残された時間は余りにも短い!そもそも今生きてること自体が奇跡に等しくなる!」

「それはどういう事なのクロノ。」

「フェイト、それにアースラにいなかった皆は知らないと思うが時の杭と言うロストロギアには2つの効果が有るんだ。1つは対象者の心臓に寄生し、その機能を少しずつ蝕み死にいた占める事。そして──」

「そして魔力使用に伴いその効果は強まる、ですよねクロノ君。」

「…はい、その通りです。」

「待って、その話が本当だったらユーノは…」

「死ぬのを覚悟してあの過酷な職場にい続けたって事になりますね。」

 

その結果に誰もが頭を悩ました、それもそうだろう。誰がすき好んで自分の命を削るような真似をする。もし居るとすれば余程の馬鹿か余程──

 

「狂ってる。」

 

そんな言葉をヴィータが零した。

 

「ヴィータ…」

「だってよシグナム、コレが本当ならあいつはなんでここに居るんだよ!自分の命が惜しくなかったのかよ!」

「そうだよ。」

 

ここでずっと静寂を保っていた狼の使い魔──アルフが口を開いた。

 

「アルフ?」

 

♢

 

「どういう事だよ…」

 

まぁそれが普通の反応だよな、あたしだってそうだったし。

 

「その通りだ、あいつは…ユーノ・スクライアって人間は自分の命なんか捨て駒程度にしか考えていないのさ。」

「ふざけるな!あいつ程優しい奴が命の大切さを知らないわけが無いだろ!」

「あぁ、知っているよ。命の大切さを、だけどそれは”自分以外の命”であって、自身は含まれていないんだよ。」

「どういう事、アルフ。」

「そのまんまさフェイト、あいつは誰にも”大切にされた事が無く”育てられたからさ。」

 

悪いねユーノ、流石にここまで来たら全部話すよ。だから後でちゃんと謝るよ。

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