青き稲妻の物語   作:ディア

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はいどうもお久しぶりです。今回は掲示板要素がございますので注意して下さい。


青き馬、予想外

ドバイWCを制したリセットが割って入るようにボルトを煽ったその翌日。掲示板では騒然とし、一時パンクするほどリセットの話題が取り上げられた。その一部を記載する。

 

 

 

【朗報】リセット氏、ボルトチェンジ氏に続いて人間の言葉を話す

 

1: お前らこれ信じられる?

 

 

2: またかよ……今度はマオウが喋りそうな気がする

 

 

5: ≫2 フラグが立ちました。本当にありがとうございます

 

 

12: リセット伝説一覧

・全てのレース出遅れても勝てる

・しかも全てレコード

・リセットが引き離そうとしただけで他の馬がビビって後退する

・他の馬が完璧な状態なのにボテ腹にしているのはハンデ

 

 

19: ≫12 最後のはともかく、他のは真実なんだよな……

 

 

21: ところでリセットってどんな馬なん?

 

 

22: 皐月賞、日本ダービー、菊花賞、JC、そして先日ドバイWCを勝った女の子やで

 

 

29: ≫22 良く牡馬三冠取れたな

 

 

36: ≫29 そもそも牝馬が牡馬混合の三冠の内一つでも制すること自体異例なんだよな。つい最近ダービーを勝ったウオッカにしたって10年以上も前だし

 

 

37: そのウオッカにしたって相手が弱かったから制することが出来たからな。リセットは後のGⅠ馬相手に勝っているから余計に強く感じる

 

 

39: ≫37 ドリームジャーニーのことも思い出して下さい

 

 

40: ドリジャはオルフェが皐月賞で人気を落とすくらい東京苦手だったからしゃーない

 

 

53: そう言えばリセットの血統ってどんなん?

 

 

55: ≫53 父ファイナルキング、母ゲームセット、母父ダイワメジャー

 

 

58: ≫55 サンガツ

 

 

59: 改めてみると酷い血統だw 和製シアトルスルー?

 

 

62: 馬体評価サンデーサイレンス、血統シアトルスルー、レース内容セクレタリアト

 

 

65: ≫62 アメリカの馬ばっかw まあそうとしか言い様がねえけど

 

 

66: ≫65 せやな

 

 

73: おい、お前ら。誰も突っ込んでないけどリセットって、○○バオーの真似だよな

 

 

74: あ゛っ!?

 

 

75: あ゛っ!?

 

 

76: ≫73 あれはどちらかというと○ガロゴスの方だから……

 

 

77: ≫76 んなことはぁ、どうでも良いんだよ! 問題はリセットの脚は無事なのかって話だ

 

 

78: ≫77 普通の馬だったら予後不良になってもおかしくないけど、サラブレッドとは思えないほど骨太で丈夫な為か怪我はしなかったらしい。一応念の為、帰国して秋天まで休養を取るとのことだ

 

 

80: ≫78 有能すぎワロタw

 

 

 

以降も掲示板は続く……

 

 

 

 

掲示板に書かれたようにリセットは骨折こそしなかったが安全の為に半年以上の長期休養を強いられ、復帰レースは天皇賞秋と定められた。

 

それを聞いたアブソルート陣営は邪魔者がいなくなってレースを制する確率が高くなったことに対する喜び半分、ライバルがいなくなって名誉挽回するチャンスが減った悲しみ半分という複雑な感情だった。

 

 

 

「アブソルート、どうやらこれからの海外レースは凱旋門賞までお前が主役のようだ」

『であろうな』

「随分あっさりしているな」

 

『あの女がいない今、あやつを最も追い詰めた馬である某が主役になるのは必然のこと。主役の座を奪い取られるとしたらあの女が復活した時か、某が別の馬に負けた時のみよ。逆に言えば某が勝ち続けることであの女へと手土産となろう。二回負けても最後に勝てば我が祖父アイグリーンスキーがラムタラと同格と認められたように世間が某を認めるようになる。それまでのローテーション任せたぞ』

 

「そのことなんだがアブソルート、リセットはお前よりも下の世代の日本馬をライバル視しているようだ」

『なんだと?』

「どうだアブソルート。その馬と戦ってみないか?」

『良いだろう。但し調教相手とかはなしだぞ?』

「その心配はない」

アブソルートの厩務員がそう笑みを浮かべ、その場を後にする。

 

 

 

その数日後、アブソルートが宝塚記念に出走登録をしたことが日本国内で大ニュースとなった。

 

 

 

「まさかこんなことをしてくるとはな、頭痛えな」

武田が頭を抱え、その新聞記事を握りしめる。

『で、どうするんだ? 風間さんに説得しにいくのか?』

「その事について今朝電話があった。必ず勝てと一言だけな」

『おいおい休む暇すらねえな』

 

「風間さんの横暴は今に始まったことじゃない。ヘレニックイメージを利用して大阪杯のGⅠ昇格を今年になるまで阻止したことを始め、結構……いやかなり我が儘な人なんだ」

『それを我が儘で済ませるか?』

 

「あの人は黒い噂が絶えないからな。キャバクラ嬢を利用してインサイダー取引をしたとか、目的の為なら本職染みたことだってやっているんだ。下手したらその本職ですら手も足も出ないかもしれない」

 

『そんな黒い噂が絶えない奴を馬主登録させてもいいのかよ?』

 

「疑問に思った調査員が何度も調べても何も出なかったからな。あくまで風間さんの黒い噂は噂でしかないという結論に達している。実際に暴力団関係者の弱みを握っているだけで向こうからちょっかい出してこない限りは直接関わらないしな」

『向こうからちょっかい出してきたら関わるのかよ』

「それはそうだ。風間さんにとって馬主業は最大の娯楽だ。それに手を出したバカどものの後始末をするのは当たり前のことだ」

 

 

 

『ビジネスじゃなく娯楽でやっているのかあの人は』

「そうだ。そもそも競走馬の内新馬戦を勝つ馬は6~12頭の中から一頭のみで、17%以下だ。単純計算でも年に1万頭生まれたとするならそのうち1700頭以下しか勝てないんだ。実際にはゲート審査だの気性が荒いだのと様々な理由で競走馬にもなれない奴らがいるからそれよりも数が少ないのは火を見るより明らかだ」

『確かに……』

「そんな低確率の馬主業をこなすには娯楽と捉えるしかない。金を使うことが前提なんだ。ビジネスでやっているような馬主は色々と考えて過ぎて絶対に撤退することになるらしい」

 

『じゃあ、何で俺のローテーションをあんなにきつくするんだよ』

「ボルト、お前当歳の時に脱走しただろう。その際に止める牧場スタッフを引きずり回したのを風間さん見ていたんだぞ。アレくらいのことを仕出かす馬なら春の3歳クラシックと古馬混合レース勝てるだろうと読んだらしい」

『過大評価も嬉しくねえな。例年だったら確かに出来なくもないが、今年の春の三歳クラシックはカムイソード、安田記念はトーマとロレアルゴー、宝塚記念はアブソルートだぜ。どれか一つ落としそうで怖くて仕方ねえ』

「これも自業自得だ。諦めてGⅠ競走5連勝を飾ろうぜ」

武田がそう言ってボルトに優しく触れ、ボルトは仕方ないと言わんばかりにため息を吐いた。




後書きらしい後書き
風間のエピソードがとんでもないことに……どうしてこうなった?


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