ガンダムビルドダイバーズ Re:スタート   作:aki@ガンプラ

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というわけで、突然の来訪者ラウさんの再びの登場となります。
特別濃いキャラではないのですが、こういう大人なキャラが居ると主人公たちの青臭さが際立って見えるかなー!と期待を込めて作った割と気に入ってるキャラです。

こういうゲームが有ったら絶対いてほしいですよね♪ ガチRP勢!

そんなわけで第三章 2話目でございます


第三章 「戦いのカタチ」 2話目

第3章 「戦いのカタチ」 2話目

 

新たに目的を定めたフォース 「ユグドラシル」 

 だと言うのに、エインヘリヤルの危険性で運営と会談することになったりバトル相手が見つからなかったり、ガンプラを作るための方針も定まらないと・・・全くこれっぽっちも進まない現状の中、今度はフォースに突然の来訪者と来たもんだ・・・

 

そんな事を考えながら、サーニャはその来訪者である「ラウ」の発言の内容の前に聞いておくことがある

 

「・・・えーと、ラウさん?でしたよね、どうしてフォースネストの扉を開けられるんですか?もしかしてアライアンスを組んでいたのでしょうか?・・・すいません、リーダーからは何も聞いていなかったもので・・・!」

 

サーニャの意見はもっともである。なにせ本来フォースに所属していないダイバーは勝手には他のフォースネストの設備を弄ったりセキュリティを突破することは出来ない。

 だとすれば現実的に考えうるのは、ユウジンが彼のフォース 「マスカレード」 とアライアンスの関係になったという事なのだろうが、彼女たちはユウジンからそんな話を一切聞いていなかった

 

「・・・ふむ、ユウジン。流石にそういう事はキチンとフォースのメンバーと共有するべきだよ?彼女が冷静に判断してくれていなかったら私は下手をすればGMに通報されてしまうじゃないか・・・」

 

え?え?って顔をしながら動揺するラウさんを見ながらユウジンは「あ!」と思い出したかのように皆に説明する。当然サーニャ達にお叱りを受けながらであったが、どうにか許してもらえた。

 

アライアンスとは、フォース同士がフレンドのような関係になるシステムである。GBNにはこういったプレイヤー間のつながりを広く持てるような工夫が散りばめられており、その点も人気に拍車をかけている要因であった。

 ユグドラシルは現在、かつてのビルダー連合・・・と言っておこう。正式に名称が有ったわけではないが、皆そう呼んでいたビルダー専フォースの連中とアライアンスを組んでいた。

其処へ新たにアライアンスが加わったのであれば、当然仲間に連絡するのはリーダーの務めであった。コレは反省しないとならない・・・

 

「すいませんでした・・・ラウさん。俺、ドタバタしててついうっかり」

 

ショボーンとしながら再びのおもてなしである。一通り自己紹介を終え、客席でお茶をもらってリラックスしているラウも気にしないでくれと笑顔で返してくれた。まぁ、目元はマスクで分からねーんだけどな!

 

「・・・それで、ラウさん。今回はどうしたんですか?何か手伝ってくれるような事を言ってましたけど?」

 

「実は、折り入って相談があってね・・・?君たちの話を。あぁ、勘違いしないでほしいが盗み聞きをしようとした訳では無いんだ。その話が丁度私の相談と合致したという訳なのさ」

 

ほう・・・と皆がその言葉に関心を向ける。俺達がしていた話となると、つまりは対戦相手がほしいという話に他ならない。もしかしてラウさん達が相手をしてくれるのか!?

ワクワクしながら話の続きを促す。

 

「実はね?私の妹が所属しているフォースが有ってね。そのフォースが君達と交流を持ちたいという話が出ているんだそうだ。私は妹には甘くてね・・・接点が在る事を最大限活用されてしまったのさ♪」

 

ははは♪と笑いながらラウさんは妹自慢を交えながら説明してくれる。いい話じゃないか~♪と浮かれる俺とは対象的に難しい顔をしていたサーニャが質問をする。

 

「・・・ラウさん、そのお話。ホントのところは違いますよね?教えてください、そのフォースは・・・【FAWに参加しているフォース】ですか?」

 

皆が!?と驚く、もしそうなら完全に敵情視察じゃねーか!?

サーニャの言葉に暫くだんまりしていたラウだったが、ふむ・・・とお茶をテーブルに置いて答える。

 

「君はとても賢い、そして勇気のある女性のようだね。ならば私も誠意をもって答えよう・・・そのフォースは先のFAWにて第21位、過去最高順位は9位にまでなったフォース 【スカーレット】 というフォースだ。君達も聞いたことが在るだろう?女性だけで組まれ、4機のみで戦う強豪フォースだよ」

 

スカーレット!?たしかそれって・・・

 

「ソレって、バリバリ敵情視察ですよね!?流石にラウさん、いくらなんでも妹ちゃんに甘々じゃないですかぁ!

知ってますよ、女性ダイバーのみのフォースで毎回必ず一回は 【防衛ベースアタック】 にチャレンジしてるフォースです!」

 

プンスカと怒るリン、まあ無理もない。説明している際は一言も言わんかったからな。

 

フォース 【スカーレット】 噂にしか聞いたことが無かったが、俺が初めて成し遂げた偉業と称される。防衛ベースのコアを外側から攻撃して通して勝利する戦法 【防衛ベースアタック】 にチャレンジしてきたフォースだ。

 

女性だけのフォースってこともあってか、一部ではファンも多いらしい。ただアイドルのような扱いを受けているって話は聞いたことはない。ソレだけ彼女たちは実力こそを評価されているのだろう・・・それほどの相手が接触してきた。ソレはつまり

 

「・・・防衛ベースアタックを成功させる為に、私が作ったミストルティンの事を知りたいってことですね?あと・・・成し遂げたユウジンの事を」

 

「・・・そういう事になる、君達が思う以上にあの偉業はFAWの根底を塗り替えたのだよ。君達も知っているだろう?FAWは多少では在るが防衛側が有利であるという世論を・・・そして彼女たちは4機だけで勝ち上がろうとしてきた」

 

「つまり、俺と一緒でそのメンツで戦うことに意味があるんですね?その娘達も」

 

頷いて俺の言葉を肯定するラウ。そして更に付け加える

 

「敵情視察という側面があることは否定できない、でも考えてくれ?誰しもメリット無しには動かないし、デメリットを抱えずに何も得るものはない・・・私はそう思う。スカーレットのリーダーのお嬢さんは結構女傑な性格でね?君達にもキチンとメリットのある交流にしてくれると思う・・・まぁ、この部分は私の私感だから信じるかどうかは君達に委ねる」

 

考える一同・・・相手は間違いなく一流のファイター達で、しかも女性だ。同じ女性でならダメ出しもキチンとしてくれるかもしれない。コチラの戦術やらが割れるのは仕方ないが・・・そもバレて困るのは俺のエインヘリヤルだけじゃないか?

なにせ、サーニャとスノウちゃんの機体はコレから造っていくのだから、この交流で相手に流れる情報は少ない・・・唯一の問題は相手が力を小出しにするせいでコチラの実力が測りにくくなることくらいか?

 

サーニャも同じように思ったのか、顔を見合わせ頷き合う。

 

「受けよう、皆。アテがない俺達にとって、たぶんこれ以上の条件は探せない。基本的にモビルスーツ同士の戦いになるだろうし、スレイプニルの性能が割れないだけコッチが有利な筈だ」

 

一同納得してくれる、そんな様子を見ていたラウもつい微笑んでいるようだ。

 

「なるほど・・・このフォースは良いフォースだ。ユウジンが必死に取り戻そうとした理由がわかった気がするよ。ユウジン、私は君を引き入れようと君を傷つけたこともあった・・・ソレを今詫びよう、君は間違いなく果たしているよ。【リーダーとしての務め】をね」

 

人を先導していく事を、君は力でも立場でもない・・・信頼で以て引っ張っていく。ソレこそがリーダーとしての務めなのだから・・・

 そんな思いも知らず、ポカーンとした顔でユウジンは

 

「あ、ありがとうございまず!ラウさん。いやー、こうやって畏まって言われると照れるな!あははは♪」

 

「あ~、センパイ調子乗ってますねぇ?報連相怠ったばっかりなのにー?」

 

ぐぬぬ・・・と唸るユウジン、ぐうの音だけは出たようだ。

 

「コチラこそありがとう、早速妹に連絡をしておくよ。スカーレットのリーダーの連絡先は~・・・うん。サーニャ君に渡しておこう、ソレが良いだろう?」

 

とニヤニヤしながら言うラウ。どういうことなんだろうか?まぁ確かに俺よりサーニャの方が交渉事には向いてるけども・・・

 

「ハイ!それでお願いします!」

「・・・ありがとうございます、ソレでお願いします」

「あははは・・・駄目だなー。この三人」

 

相変わらずな三人を苦笑するスノウドロップであった・・・

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 

サーニャが交渉の窓口に立ち、1週間が経過した。

互いの日程やらスノウちゃんの仮のガンプラの作成やらで少し時間が経ってしまったが、遂に顔合わせと相成った。

 

相手が女性ダイバーだけということも有ってか、俺だけ居心地悪い・・・あぁ、今猛烈に此処に智が居てくれたらと思う俺は、やっぱりガキだなーと思ってしまう。

 

GBNのメインホールの一角、ベンチが在るちょっとした休憩スペースにて集まった一同。

 

ユグドラシルは俺、リン、サーニャ、スノウドロップの4人。ツナギにサイバースーツに軍服に和服

 うーん・・・統一感ねーな!おい

 

対してスカーレットは右から特攻服にミニスカ和服に十二単!?でもって最後は普通に和服!

日本っぽい感在るのに一つ異色が紛れていて困惑する。

 コチラの紹介から始まり、今度はあちら。一番右の人がリーダーらしく、順に自己紹介をしてくれる

 

「アタイがこのスカーレットのリーダー、マイだ。ヨ・ロ・シ・ク!」 となんかレディースっぽい人だな。

 

「ウチが一応副リーダーの明菜ですぅ、よろしくしたってね?」 関西弁?というより漫才弁か、おっとりした人だな。

 

「ハーイ!ワタシがラウの妹のリリィデース!皆仲良くシテネー♪」 すっげーハイテンションな金髪ブロンドヘアーの外人さん・・・十二単なんて着てるからか、なんか京都に旅行に来て和服姿で写真取れる店に居そうな雰囲気だ。

 

そして最後が・・・・なぜか俺の真横でずっと俺をジ~っと見てるんですけど?何、もしかしてガン付けられてるの俺?

あの~・・・と返すとくるりと回って俺の正面にくる彼女・・・

 

「クスクスクス♪始めましてユウジンさん、わたくし、貴方にお会いできて光栄ですわ♪フフフ・・・ミリヤと申します、愛称はミィですわ~ユウジンさんもそう呼んでくださいね?」

 

今、声に出してクスクス言いましたよ?この娘!しかもコッチの女性陣営からもなんか睨まれてるんですが!?

 

「あ、あぁ・・・よろしくな、ミィ」

 

引きつった笑いで返す。横からの視線が痛いわけじゃない、なんというかこの娘から【好意】ってものを何故か感じないのだ・・・何ていうの?目が笑ってないんだよ!目が!

 

「こ~ら!ミィ。怖がらせちゃダメだ~YO!」

 

兄がセッティングしてくれた交流会だからなのだろう、間を取り持ってくれるこのリリィって娘はとても良い子だ!

 

「あらあらあら?ワタクシ、怖がらせるつもりなんて有りませんのよぉ?ただ・・・ユウジンさんともっと深くお付き合いできたらな、と思っただけですの~・・・クスクスクス♪」

 

更に増す視線・・・まて、待つんだユグドラレディース。ちゃんと彼女の目見て?目。アレはヤンデレじゃなくてヤンデルですよ!?

 

「まあ、ソイツは置いておいてくれや。いつも女所帯だからテンション上がってるだけだからよ」

 

マイはそう言って俺に握手を求める。リーダーとしてコチラも応じる

 

「ユグドラシルのユウジンだ、よろしく頼むよマイ。今回は渡りに船だった」

 

俺達は弱いという事、強くなるためには対戦相手が必要なこと、そんで女性相手でもダメ出ししてくる存在が必要だということ・・・全てを話していく。腹を割って話すことはこういう場合大事なことだ・・・キリっとした顔を崩さず話せただろうか?

 握手し終わった後、ずっと俺の手を両手で握ってクスクス笑ってるミィが居なければカッコになったかもな!ちくしょう!

 

「おーけー、おーけー。そういう奴はアタイも無碍にはしねー。アタイたちも腹割って話そう」

 

そう言うとスカーレットも事情を説明してくれた。

 

彼女たちはやはり、ミストルティンの事が知りたかったようだ。1装備が戦術ではなく戦略を塗り替える。少ない人数で勝ち上がっていくためにはどうしても必要になってくる。いわゆる秘密兵器が彼女達には要るのだと、そう結論に至ったのだ。

 

実際、彼女達は流出したミストルティンのデータを保有していた。でもどうしても同じ物は作れなかったのだという。

 

「だから、すまんかったサーニャ!アタイはアンタを実は侮ってた!」 

 

急に頭を下げるマイに何事かと驚く一同、突然のその行動に補足を入れてくれるは明菜であった

 

「実はな~?マイはウチに作れんならタダの欠陥品やー!言うてミストルティンを造るのを打ち切ったんよぉ・・・でも誤解せんでなぁ?マイはウチの自信に傷を付けたくなかっただけなんやわ~。ウチがそんくらいでへこたれる訳ないのになぁ?」

 

「クスクスクス♪そうしてたらオリジナルのミストルティンで防衛ベースアタックに成功した殿方が現れたという訳ですの。リーダーも流石に堪えたようでしてよ?人を嘲るのがお嫌いな方ですから」

 

「oh・・・マイは悪いヤツですねぇ♪イイコイイコしてあげますよぉ♪」

 

頭を撫でられながらうぅ・・・と唸るマイ。ソレを見ながら俺ら一同

 

「(コイツラ悪いやつじゃなさそうだな・・・)」 と思った・・・

 

「気にしないでマイさん。アレは欠陥品だったんだよ・・・私自身がそう思い込んで殻に閉じこもってしまった。でもね?その殻はたった一発で砕け散った、だから私はもう何も恐れない・・・私が作った物は、ユウジンが超えていってくれる」

 

自然と皆の中で笑みがこぼれた。お互い腹に有ったモノを吐き出せてスッキリしたのだろう・・・ただ一人、クスクスと笑う彼女を除いて・・・だが

 

「なら早速試合と行こうぜ!アタイ達4機とそっちはどうする?その娘はオペレーターなんだろ?」

 

「あぁ、コッチは3機だ。済まないがスレイプニルは無しで行かせてもらう、勝つことはこの際目的じゃないからな」

 

その言葉にフフン♪と笑うマイ

 

「その言い方じゃ、スレイプニルがアレば勝てるみてーじゃねーか♪良いんだぜ?アタイ達は【アレ】使われてでも勝ってみせらー!」

 

アレ、とはおそらくアームド・アーマーXC:ヴァルハラの事だろう・・・でもあいにくとアレは使えない、少なくとも今は。

 

「アレはマジモンの切り札なんでな、流石に使ってはやれん!すまんな」

 

良いさ良いさと手を振り、コンソールを開いてアライアンスの申請が飛んでくる。

 

「互いに腹割って話したって信じきれない部分も在るだろう、コレが少しでもその助けになればと思う」

 

マイの気遣いに感謝しながら、ユウジンはその申請を受諾。コレでユグドラシルとスカーレットは互いにアライアンス、つまりはライバルであり仲間となったのだ。

 

そのままの足でコンソールを弄ってスカーレットのフォースネストへと飛ぶ、俺達の機体も其処の格納庫へと転送する。

 

格納庫に7機のモビルスーツが並ぶ、こうしてみると全員好きなモノがそれぞれ違うんだなと言うことが分かる

 

ユグドラシル陣営

 

ユウジンの 「ユニコーンガンダム:エインヘリヤル」

 

サーニャの 「ガンダムGNアームズEW:フルシールド」

 

スノウドロップの 「SDガンダムAGEー08」

 

対するスカーレット陣営

 

マイのイフリート改、改造機 「イフリート:ジャガーノート」

明菜のスターゲイザーガンダム改造機 「星読」

 

リリィのウーンドウォート改造機 「リトルバニー」

 

ミリヤのガンダムDX改造機 「ガンダムカマエル」

 

といった具合だ。スノウちゃんの機体もなんとか間に合ってホントにホッとしている。

 サーニャとリンもまだ見ていない正真正銘初のお披露目となった彼女のAGEー08。サーニャも気になってスノウに聞いていく。

 

「・・・スノウちゃんはSDにしたんだね、でもなんで08なの?」

 

「この子のでっかいバックパック!そのバックパックが08小隊に出てきたウェポンコンテナを装備するんです!罠とか仲間の装備や弾薬なんかを運ぶ支援用のモビルスーツなんですよぉ!?」

 

フンス、フンスとテンションが高いスノウドロップ、子供のようにはしゃぐ姿は昔の彼女のままだった。

興奮するのは無理もない、なにせ実質スノウちゃんの 【初めての俺ガン】 となる訳だからな。

 

攻撃用の装備をビームサーベル一本に限定した支援用の特化機体、小回りがきいてすばしっこいSDの特性を利用して戦場を駆け、罠を仕掛け、仲間の補充を行い、何度も何度も前線と補充ベースを行き来する事を前提とした性能。バックパックには装備を懸架するアームも有り、リアルタイプの装備だって余裕で担いで行ける。AGEー1の改造機だ。

 

「ほぇ~・・・おもろい構成やねぇ、バックパックが機体の1.5倍もの高さがあるやないかぁ♪」

 

「でもよ?真面目に武器がアレだけってのは正気じゃねーと思うんだけど、自衛とかどうすんだよ?補給線なんて普通真っ先に潰すぞ?」

 

明菜とマイが私見を示唆してくれる。そう・・・実際まだ未完成というか、まだ【ゴールが分からない】状態なのだ。まあ、その為の試合とも言える。

サーニャの機体に関しては皆一律で 「こんなにビット使えるの?」 だった、まあそう思うよな。

 

 

対して、スカーレット陣営の機体はというと。

ユウジンが気になったのは、マイの「ジャガーノート」だ。イフリート改の全身に紅い追加装甲?を纏った重装型の接近戦機体のように見えるのだが・・・あんな分厚い装甲で敵機にどうやって迫るんだ?・・・

 

「重装甲・・・接近戦?まさかこれ!?【チョバムアーマー】着込んでんのか!?イフリートが!?」

 

アレックスのチョバムアーマーには機動性を殺さないように各部にスラスターが配備された装甲を纏っている。オマケに自ら破損することで本機へのダメージを緩和する機能がある

ソレをジオン系なデザインに変えたようだ。コイツなら、一時とは言えその突破力はGフレームと同等かもしれない・・・

 

「ああ!しかもチョバムアーマーは【タダの装備】だ!本来時間がかかる修復作業も、補充に戻って着込むだけで即戦場に出戻り可能って訳!メンツが少ないアタイ達なりに考えた戦術なのさ♪」

 

おぉ!!と関心するユウジン。まだまだ俺の思いもつかないアイディアが在るもんだな!

 

一方でサーニャはリリィの「リトルバニー」を見ていた・・・ウーンドウォートを薄いピンクで塗装し、ウサミミ?みたいなアンテナを増やしただけの改造機であったが、他の機体と比べて改造具合がとても質素だったからか、気になってしまった・・・というより

 

「あぁ、凄いかわいい・・・・人参のペイントまで施してある・・・」

 

はわわ・・・と可愛いものに悶ていた。

 

「リリィはテクニックで勝負デース♪ブラザーとずっと訓練してきたカラ、そうそう負けないYO!」

 

どうやら、リリィもラウさん同様にビルダーとしての腕よりファイターとしての腕のほうが立つらしい・・・実はこのフォースのエースだったりするのだろうか?

 

そんなほんわか空気とは打って変わって、今にも一触即発といった具合のリンとミリヤ・・・互いに目線を逸らすことなく、身構えている・・・おい?何を始めるつもりですか。喧嘩なら止めてください?

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!とでもいう擬音が響きそうな程の緊張。その膠着を破ったのは我らがマスコット参謀、リン!

 

「私は・・・センパイを守る!アナタは他の三人と違って何か隠してますね!?ファン一号の目の黒いうちは、センパイには近づけさせませんよぉおおお!!」

 

「あらあらあら?一体何から守るというのですぅ?そんな怖い、クマでも出たんですの?わたくし本当に 【ユウジンさんとお近づきになりたい】 ・・・と、ただソレだけですのよ?クスクスクス♪」

 

「その目!ぜんっぜん笑ってないじゃないですかぁ!しかもクスクスって声に出して言うし!絶対怪しいです!」

 

火花散る視線!今此処に竜虎相打つとはこの事かぁああ!!じゃなくて!せめてガンプラの話をして!?俺その娘が怖くて聞けないんだから!

 

はぁ・・・とため息を付きながら白銀の機体を見てみる。

見た感じは大型な翼を持ったDXだ、サテライトキャノンと思わしきモノも翼に隠れてしまってよく見えない・・・あと全体的な機体のデザインがどうにもDXとは違う・・・しかも少し小柄だ。

 

サテライトキャノンが在るということはミィが防衛ベースアタックのアタッカーなのは間違いない、だから俺に興味を持っているんだろう・・・とユウジンは無理くりに納得させることにした。

 

そして、スノウちゃんはというと明菜から色々と話を聞いていた。どうやら彼女の機体も罠を使ったりする後方支援機らしい。

 

「え!?明菜さんってオペレーター兼任なんですか!?そんなのどうやって・・・」

 

「システム的には無理やなぁ、でも抜け穴が在るんやわぁ♪」

 

そういい説明しようとする明菜をマイが慌てて止めに入る

 

「ちょー!明菜、何全部しゃべろうとしてんの!」

 

「せやかてぇ、元々はこの子達のアイディアやし少しくらい教えたったほうがバチ当たらんと違う?」

 

うぅ・・・と唸るマイ。俺達のアイディア?どういう事だろう・・・身に覚えは無いんだが

 

「センパイ・・・?」

「ユウジン・・・?」

「ユジンさん・・・?」

 

流石に今回はスノウドロップもあっち側に付きやがった!?違う違う、ホントに身に覚えはございません!何も教えておりません!

 

「まあ~せやな、ヒントはNPDのこの子とスターゲイザーガンダムやな♪」

 

そう行ってピンク色のハロを手に抱えてくる。SEEDに出てきたラクスのハロだな、アレ?・・・確かレアドロップ品じゃねーか!?そんな品をNPD支援機にしたの?勿体無い!

 

「えーっと・・・つまりAIサポートのオペレーター・・・?」

 

このGBNでは、NPD(ノンプレイヤーダイバー)というAI操作で動かすことが出来る存在が要る。

主にクエストなんかに出てくるエネミーのモビルスーツを動かしているのがコレに該当するのだが、GBN内で飼えるペットやソロプレイヤー用の支援ユニットなんかもこのNPDのAIで動いている。

 しかも、このAIはある程度自分でカスタマイズが可能であり、練習相手や支援機のように使える。ガンダム00のハロみたいな事がホントに出来るようになっているわけだ。しかし・・・当然便利ではあるが実際そう甘くはない。

 

「でも、既存のAIをカスタマイズした程度じゃ索敵包囲網を組むくらいしか出来ないよな?ソレもかなり雑な仕上がりの・・・」

 

そう、ユウジンの言う通りこのカスタマイズで作れる程度のAIでは、出来ることがとても少ないのである。

だから当然使っている人は殆ど居ない・・・中には自分で組んだガチAIを普通にダイバーとして登録して頭数を揃えるソロプレイヤーなんかも居るらしいが、明菜が凄いプログラマーって事はなさそうだ・・・そうやって頭を抱えていると、コクピットを覗いていたリンが答えにたどり着いたようだ。

 

「あー!?そういう事ですかぁ!だから私達って・・・センパーイ!分かりました、スターゲイザーガンダムって最初からコクピットが 【複座型】 じゃないですか?だから出来るんです!」

 

複座型・・・あぁ!そういうことか。

 つまり、彼女は複座のコクピットの半分を 【オペレーターブロック】 として配置しているのだ。

そこにハロを設置し、基本はハロにオペレーターをしてもらいながら此処ぞという時は 【ハロ】 を操作することでオペレーターを兼任しているわけだ、オペレーターブロックを操作出来ないファイターでも、支援ユニットの操作は出来る・・・正にルールの穴を綺麗に付いてきた。

 

しかも、聞くところによると、既に大会運営には通達済みで違反行為ではないと太鼓判を押されているらしい・・・隙きがない。

 

「オペレーターをファイターとおんなじ機体に乗せる事によって情報伝達のラグを無くす・・・な?君らのアイディアやろ♪」

 

まさか、一朝一夕でやってのけた訳では無いはず・・・という事はFAW本戦の前からこの人達はユグドラシルの試合を見ていたって事だ。

 

「やっぱ、この話に乗って良かったよ。最初からほとんど手は割れてるじゃんか」

 

やれやれとユウジンは苦笑する。そりゃそうだ、ラウさんは俺が予選で足掻いてた頃から目をつけてたんだ、その事をリリィにも話してたんだろう・・・ミストルティンも再現しようとしてたって言ってたしな。

 

「YES♪リリィが皆に教えて見に行ったんダヨ!」

 

「フッフッフ~♪つまり!アタイらはアンタ達よりも情報アドバンテージが大きいって訳さ!覚悟しなよぉ?」

 

ニッヒッヒッヒ♪と笑うマイは上機嫌である。でも、俺達だって負けてない事はある!

 

「ならせいぜい油断してくれ、スカーレット!その分盛大にコケさせてやるからよ!」

 

拳を打ち付け合い、互いにバトルの合意と相成った!

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

さぁ、お互い配置に付いた。今回はFAWのようなリソース制の戦闘ではない通常のフォースバトルとなる。ユウジン自身ホントに久方ぶりの完全補充(フルコンディション)での戦いだ・・・とは言え重くなりすぎるからある程度は弾薬を削ってる武装もあるが、それでもFAWの時とは比較にならないほど潤沢なリソースと燃費の設定を使えるとなってはテンションも上がる。

 

舞台は火星圏エリアにあるFAWランカー御用達の演習エリア、キチンと予約を取ってあったからこの場所は貸し切りなうえ部外者は立入禁止!居たせりつくせりである。

宇宙空間であるにも関わらず宙域への侵入規制がされており、外部からの視認にはすべてジャミングがかかるプライベート設定が施してある。

 

そんな模擬戦闘を行うためのフィールドを貸し切れるのも、ユグドラシルとスカーレットがFAWランカーだからこそである、ホント助かる特典だ。

 

互いの陣営が、それぞれカタパルトに機体を乗せてバトルスタートの合図を待つ

 

「では!バトルのデータ収集は私が務めますので、両陣営頑張ってください!個人的にはセンパイだけ応援したいんですけどね!けどね!?」

 

あ、うん・・・そういうのは口に出さないほうが良いんだぞ?リン・・・

 

バトル開始まで残り3・・・2・・・1・・・ バトルスタート!

 

「ユウジン、ユニコーンガンダム:エインヘリヤル!行くぞぉ!」

「サーニャ・・・ガンダムGNアームズEW、ミッションスタート!」

「スノウドロップ!SDガンダムAGEー08!参ります!!」

 

 

「マイ、イフリート:ジャガーノート!出るよ!」

「は~い、よろしゅうしたってや~♪星読、いっくでー」

「HEY!リトルバニー、テイクオフ!」

「クスクスクス♪さぁ、行きますわよ。ガンダムカマエぇル!」

 

全機のカタパルトが火花を上げて機体を打ち出す!さあ、バトル開始だ!

 

まず、俺達の作戦はとてもシンプルだ。エインヘリヤルが突っ込みジャガーノートと接敵する、そしてGNアームズEWが全ビットを展開してソレを援護。リトルバニーもろとも一端釘付けにする。

 

その間にAGEー08に罠をしかけさせる。その後後退しなければならない事態に成るので、そこで罠に追い込み逆に奇襲を仕掛ける!と言った具合だ!

そして、その初動は完璧だった。

 

「いけ・・・全ビット展開!」

 

ホルスターとライフルのビット、全48枚が宙を舞う!サーニャはビットの操作に専念するため一端後方で待機、レーダー網とカメラからの情報を瞬時に統合し、頭の中で戦略を立てる。

 ユウジンがどう動き、どう援護を行って敵を攻撃するか?何十手先を見通し、ビットを操作する。

その様は正に駒を操る軍師そのものだ。

 

「相変わらず、スッゲーな・・・48枚扱える奴は流石にそう居ねーよ。スノウちゃん!慌てなくていい、時間は十分ある!」

 

は、はい!という返事を聞き届け、エインヘリヤルを前へと進める!いきなりNTーDを使い、取り付けていた9枚のワルキューレをファンネル化!ジャガーノートへと迫る。この時、二枚の「グリムゲルデ」をAGEー08へと渡しておく・・・コレも作戦の内だ。

リソースが潤沢だとこういう事ができて嬉しい、FAWだと燃費の設定が厳しいからな!

 

「いきなり来たか!燃費も実際は相当良いみてーじゃん!リリィ、バックアップ!」

 

ジャガーノートの背中に二本マウントされた大型な鉈のカタチをしたヒートタイプの近接武器「ヒートチョッパー」を抜き、コチラもエインヘリヤルへと迫る。

盾を外した分軽くなったエインヘリヤルと違い、チョバムアーマーを着込んだジャガーノートの質量は桁違いに重い、なのにソレを感じさせないほどの速度で突っ込んでくる。

 

ユウジンはすぐさまビームマグナムブルパップを撃ちながらジャガーノートを起点に一定の距離を保つ。取っ組み合いが強い相手と真面目に戦う理由はない!

 

「気ぃつけてや、マイ!幾らチョバムアーマーでも受けていいモンやない!」

 

はるか後方でカマエルとコチラとの射線を陣取っている星読が、レーダー出力を全開にして周囲を見張り、情報を伝えていく。

 

「わーってるよ♪ッ・・・と!?げぇ!マジで48機使ってやがる。リリィ!回避に専念だ、ビットならリチャージに戻る隙きがある!ソレまで我慢だ」

 

24門のライフルビットからのオールレンジ攻撃、ソレに交えてシールドビットを連結させての圧縮砲も混ざっている中を器用に躱す二機。

 

「oh!ハッポウフサガリよ!・・・うぅん?キキイッパツ?」

 

以外に余裕があるな、あの二人!腕前は確かだ。なら!

 

「火線なら、コッチにもあるぞぉ!」

 

エインヘリヤルがストライクフリーダムよろしくワルキューレを周囲に展開、射撃可能武器を全て起動させてマルチロックオンをかける!

エインヘリヤル式ハイマットフルバーストだ!多種多様な火線全部にどう対応する!?

 

レールキャノン、アームドアーマーBS、ドッズガトリング、ダインスレイヴ、二連装ビーム砲、GNライフル、誘導ミサイル、ビームマグナムブルパップ。その全ての攻撃が多種多様な速度とタイミングで二機に迫る!

 

「Woah!コレはまずいYOマイ!」

 

そう言いとっさにスマートガンの攻撃だけを狙ってコンポジット・シールドブースターを使ってジャガーノートを庇うリトルバニー、回避がより難しいモノを即座に見切ってカバーリングに回ったのか!?

 

「リリィ、コッチだ!」

 

と、今度はダインスレイヴの射線からリトルバニーを強引に引っ張ってジャガーノートが援護する。

なんということだろう・・・とても自然体で連携が成されていく、ソロモンの悪魔戦でも感じたが、やっぱり上に行く連中はそういう部分がとても上手い!

 

「へ!ユウジン、こちとらスレイプニル有りきの火線で構えてるんだぜ?あんま舐めてっと、痛い目見せっぞ~!」

 

そう叫ぶと、リトルバニーが掴まれている手を掴み返してジャガーノートをフルスイングで投げてよこす!咄嗟とはいえユウジンの眼ならば全てスローモーションだ!即座に撃てるジークルーネのドッズガトリングを連射モードで迎撃しながらオルトリンデでビームソードを発生させて迎え撃つ!

 

ビームガトリングを物ともせず飛び込むジャガーノート!腕のチョバムアーマーが少しづつ自壊しながらダメージを分散し、本体へのダメージを緩和する!

 

「ッラア!!」

「ハァアア!!」

 

バチバチバチ!と火花を散らすヒートチョッパーとビームソード!

やばいやばい!仲間の為の試合だってのに、楽しくてしかたねー♪

 アドレナリン出まくって本来の目的を忘れかけている両リーダー、互いにニヤリとほくそ笑みながら接近戦で切り結ぶ。

 

「あかんわぁ~、案の定こうなってしもた・・・しゃーないウチらも動くで、ミィちゃん」

 

「クスクスクス♪ああやって張り付いていると、ビットの攻撃は全てリリィさんに行ってしまいますからね、援護して差し上げませんと・・・クスクス♪」

 

カマエルの手持ち装備であるビームスナイパーライフルを構えて微笑むミリヤ、その微笑みは可愛いけど不気味だ・・・

 

「せやけど、狙える?」 

 

「エインヘリヤルは無理ですわね・・・マイさんが張り付いていますし、盾が常に一枚射線に居ますわ。ハイメガランチャーでもアレば抜けるかもしれませんけどぉ・・・GNアームズEWも遠すぎますしぃ・・・なので」

 

そう言うや引き金を引く!一筋の光がズドォン!と一基のライフルビットを撃ち抜いてみせた!

 

爆散して大破するライフルビット、サーニャも予想外だったのか驚きを隠せない

 

「あの距離でライフルビットを狙撃したの・・・!?」

 

「クスクスクス♪わたくし、本業は砲撃ではなく狙撃ですのよ?あんまり認知されておりませんけど」

 

サテライトキャノンによる砲撃はあくまでフォース全体の奥の手であり、ソレを使わない間の彼女の仕事はスナイパーと言う訳か・・・先の試合で見た手動による狙撃じゃないみたいだけど、砲戦も狙撃も出来るバランス型のガンナーだ。

 

「ッ・・・!ごめん、ユウジン。ビットの陣形を変えるからちょっとだけ持ちこたえて!」

 

「分かった!スノウちゃん、ソッチはどう?」

 

通信を受けて、最後の罠を設置しているスノウが答える。今、AGEー08はバックパックにワルキューレの一種であるグリムゲルデを二枚譲渡されて装着されている。

本来弾薬なんかを保管するために使うスペースにも罠を搭載し、かなりの量の罠を仕掛けていたのだ。

 

「ハイ!今終わりました。グリムゲルデ2機分の推力が在ったのでかなり早く、広く設置できたはずです!」

 

よし!準備は整った、後はビットの後退まで俺が時間を稼ぐ!

ビームソードでもってジャガーノートを押し返し、一瞬の間を使ってグラムを抜く!対近接戦において、コレほど邪悪な武器は他にあるまい・・・なにせ相当頑丈な実態剣でしか受けれない上に、何度も受けていられない高周波ブレードだ。

 

「コイツはどうする!?ヒート系の武器じゃ耐えようがないぞ!」

 

横薙ぎに振るわれるグラム、ジャガーノートは全力で身を躱しながら左のヒートチョッパーで受ける。受け流そうとしたのかもしれないが、流れる暇すら無くヒートチョッパーが両断されて切っ先が飛んでいく!

 

「ハハハ・・・観戦しながらも思ったけど、マジでやっべーなその剣。でも!やりようはあるんだよぉ!!」

 

更に追撃と言わんばかりに袈裟斬りを行うエインヘリヤル、その刃に対してジャガーノート各部に在るチョバムアーマーの 【トゲ】 の部分で受ける。

ジオン系のモビルスーツには良くある意匠のトゲだが、ただのトゲなどではない!

 

ボォン!!

 

とトゲがグラムに接触したと同時に自ら爆発したのだ!爆発の衝撃でもって押し返されるグラム。何事かと距離をとって肩を見てみても、トゲが無くなっているだけで装甲は無事だ・・・なんてこったい。

 

「局所的にリアクティブアーマー(爆発反応装甲)まで積んでんのかよ、その装甲!」

 

各所のトゲは肩、肘、膝、脛にそれぞれ備わっている、コレ全部がリアクティブアーマーだとしたら、このジャガーノートという機体は指向性爆薬による防御や格闘攻撃が可能ってことだ。予想以上に厄介な性能だぞ・・・コイツ!

 

「フッフッフ・・・やっぱこういう手段でも防げるねぇ?その剣。決して完全最強の魔剣ってわけじゃー・・・無い!」

 

おそらくグラム用に準備していた訳じゃないのだろう・・・自前のカードだけでグラムに対して有効なモノをとっさの判断で試したのだ。

 

なんて度胸だ・・・見ての通りマイはユウジンとは違い此処ぞという勝負強さを持っている。

博打といえば聞こえは悪いかも知れないが、此処ぞという場所で勝負できなければ勝てない場面は多い・・・サーニャとスノウドロップの為の試合と思っていたが、彼自身学ぶことは多い試合だ。

 

遠方からはライフルビットを狙った狙撃、20機以上のオールレンジ攻撃を躱し続ける技量、そして目の前には決して引かないタンクのリーダー・・・そんな全員の得意分野を活かす為に情報を統括する支援機!

 

この4機は、力を合わせる事で4機以上の戦力を引き出している・・・確かに 【スレイプニルが有れば5分以上に戦える】 なんて思っていた俺の考えは完全に甘かったと言わざるを得ない!

 心の中で舌打ちを打ちながら、それでも前へと出てサーニャの合図を待つ。真正面から戦うのが苦手な仲間の為に自分も引けない!

 

「・・・よし、この布陣なら!ユウジン下がって。一度リチャージする」

 

ビットを狙う狙撃が目に見えて減ったのを確認すると、サーニャは此処で後退を合図する。

どうやら、狙撃しにくい手を読み切ったようだ!ホント対局を見ることに関してはサーニャは才人だ。

 

「わかった!スノウちゃん、罠の位置を送信してくれ。利用しながら下がる!」

 

スノウの返事を聞きながらレーダーを確認しながら戻る。

ジャガーノートとリトルバニーはコレに追撃の為追いかけてくる、狙い通りだ!

 

「・・・!?マイ、STOP!深追いはマズイYO」

「まじか!?短時間でどんだけ仕掛けやがった?」

 

様々な方向から起動して2機に襲いかかるワイヤーやジャミング、捕獲用のネットなどのトラップの数々・・・スノウドロップが自ら作った罠で、基本的に足止めやレーダー性能の低下など、デバフ系の罠が多い。

ただ、下手に積んでた罠が攻撃系じゃ無かったのが今回は功を奏した。ジャガーノートの突破力だと下手したら足止めにならなかっただろう。

 

「今だスノウちゃん!」

 

ユウジンはスノウドロップに合図を送りながらミストルティンを構える!

 

「はい!」

 

合図に合わせるようにとある罠を起動させるスノウドロップ、追ってくる2機の付近で急にパァン!!と弾けるように閃光が彼女達の視界を奪う。

ソレに合わせてミストルティンを撃つ!掠っただけでもモビルスーツを破壊する一撃はジャガーノートを完全に捉えた!

 

「マイ!右に全力回避やでぇ!」

 

はるか遠方から見ている明菜が代わりに目となり、出す指示に即座に反応して回避するマイ。掠ったミストルティンの威力を物語るかのようにチョバムアーマーの左半身が自壊!ダメージをほぼ0に抑え込む。

掠っただけでチョバムアーマーの半分をだめにされる、彼女達はこれ以上距離をとった戦いは不利になるだけだと即座に判断したようだ。

 

「やるじゃねーか!でも今ので落とせなかったのは失敗だったな、仕掛けるぞリリィ!」

 

「OK!いっくよぉ~♪」

 

窮地に置かれながら、此処をチャンスに変えてみせると言うマイ。

ガシャガシャ!とチョバムアーマーが可動したかと思うと、全てのチョバムアーマーを四方八方にパージして飛ばす!

 

「コイツにはこういう使い方もある!」

 

各部に付いているリアクティブアーマーが一斉に起爆!パージ時にはこの起爆に反応して装甲も同時に自壊!爆発の勢いで広範囲に装甲片を撒き散らす。

その装甲片に罠が勝手に起動して不発させられてしまうではないか!?

 

「GOGOGOGO!!」

 

リリィは罠の布陣に空いた空白の隙きを見逃さない!ウーンドウォートの巡航形態に変形させ、最大速度で戦線を突破する!

狙いは数の差を埋めてくる後方支援砲撃機!

 

「流石にすんなり通す訳にはいかない!」

 

ユウジンはエインヘリヤルをリトルバニーへの向け足止めをしようとするが・・・

 

「当然!コッチもすんなり通させる!EXAM!!」

 

その叫びと共にジャガーノートのモノアイが赤く光る!数ある機体性能を向上させるシステムの一つであるEXAMシステムを此処で使ってきた。

 

「イフリート改だから有ると思ってたけど、此処でか!」

 

チョバムアーマーをパージし、更にEXAMまで使ったジャガーノートの機動性はNTーDを発動させたユニコーンガンダムにだって負けてはいない・・・だが!

 

「エインヘリヤルのNTーDをタダのユニコーンと一緒と思うなよ!スノウちゃんはサーニャの援護に行ってくれ!」

 

緑色の光を放ち、ジャガーノートへと向かっていく!リアクティブアーマー無しではグラムは受けられない。

シールドファンネルを操作し、ワルキューレの一枚であるドッズガトリングの「ジークルーネ」をAGEー08に譲渡し、グリムゲルデを一枚代わりに回収する。

 

正直、渡したは良いが・・・スノウちゃんはたぶんコレをリトルバニーに向かっては撃てないだろう・・・それでも無いよりはマシなはずだ。俺もコレの相手をしないとならないしな!

 

EXAMとNTーDの近接戦はソレはソレはもう・・・流星のぶつかり合いのようなモノだ。限界まで引き上げられた機動性と速度は、S・Aの時のような加速特化の戦いとはまた勝手が違う。

 

お互いに最高速度を維持しながらのヒットアンドアウェイの繰り返し、攻守を入れかえる打ち込み合いのような戦いになる。一回の切り結びを一合として、数秒の間に8合は打ち合うのだ。

 

だが、やはり相手にグラムを受ける手段はない!ヒートチョッパーに始まり、打ち込む度にチョバムアーマーの内側に隠してあったイフリート:シュナイドのヒートダートを使い捨てていく!

コッチはなんとかなりそうだ・・・踏ん張れよ!二人共。

 

始まったスカーレット戦・・・サーニャはいったいどう戦うだろうか?俺達の本来の目的である二人の実力調査、願わくばこの戦いで彼女達の【弱い理由】に近づければ良いのだが・・・

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