仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二章/クウガ×らき☆すたの世界①

 

栄次郎が操作して現れた背景ロールの絵により、違う世界へと訪れた零達。滅びへと向かう自分達の世界を救う為に彼等が最初に足を踏み入れたのは、未確認と呼ばれる怪人と戦う仮面ライダー、クウガの世界だった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

―光写真館―

 

 

スバル「──此処って、ホントに別世界なんですかね……?」

 

 

なのは「うん、多分……写真館の外も、私達がいたミッドとは全然違うし……」

 

 

零が外に飛び出したのと同じ頃、写真館に残されたなのはとスバルも窓から外を覗いて異常に気付き、滅びを迎える寸前で時が停止していた筈のミッドの街並みから見慣れぬ道路沿いに変わってしまっている外の風景を眺め、困惑を浮かべつつも何とか冷静さを保ち、今の状況を一つ一つ整理していた。其処へ……

 

 

―ガチャッ―

 

 

なのは「……あ、零君帰ってきたのかな──って、へっ?」

 

 

撮影スタジオの扉が開く音を聞き、先程出ていった零が戻ってきたのかと思いなのはとスバルが扉の方に振り返るも、二人の目が点となってしまう。

 

 

それもその筈、何故なら撮影スタジオにいきなり踏み込んできたのは一人の警官であり、何故か深々と帽子を被って不自然に顔を隠した警官は何も言わず二人の下へと近付き、重々しい口調で口を開いた。

 

 

「失礼、此処に凶悪な犯罪者がいると通報があった……署までご同行願おうか?」

 

 

スバル「え、えっ?ちょっ、ま、待って下さいっ!何の話ですかいきなりっ?!」

 

 

突然やって来て無茶苦茶な事を言い出した警官の身に覚えのない話に慌てふためくスバルだが、警官の方はお構い無しにと話をロクに聞かずなのはの腕を掴んでしまう。が直後、なのはは手の返しによって警官の手首を素早く掴み返し、警官の腕を捻って目の前のテーブルの上にねじ伏せてしまった。

 

 

スバル「うぇええええっ?!な、なのはさぁーんっ?!」

 

 

「いだだだだだだだァッ!!バカバカ待て待てっ!!ギブだギブっ、ギブっ!!」

 

 

スバル「……へ?い、今の声って……?」

 

 

警察官相手にいきなり乱暴な手段に出たなのはの行動を前に更に動揺してしまうスバルだったが、なのはの腕を必死にタップする警官の聞き覚えのある声を聞いて頭上に疑問符を浮かべ、そんな彼女の反応を他所になのはは警官をねじ伏せたままその帽子を剥ぎ取ると、素顔を晒した警官……零をジト目を睨み付けた。

 

 

スバル「れ、零さん?!」

 

 

なのは「……それで?急に出てったかと思えばこんな格好で戻ってきた上にいきなり人を悪者扱いしてくれるなんて、一体どういうつもりかなぁ零くんはぁっー?」

 

 

零「グゥッ……ちょっと冗談で驚かしてやろうとしただけだろうに、其処までマジになる事もないだろうがっ……!どうせ最初に入ってきた時点で俺だと気付いてただろっ!」

 

 

なのは「当然でしょ、そうじゃなかったら零君以外の人にこんな手荒な真似はしませんから」

 

 

零「其処は俺も含めろやっ!お前の中での俺の扱いは普通の人間以下かっ!」

 

 

クソッ、思いの外本気でやりおって……!と漸く解放された腕を摩って今更ながら相手が悪過ぎたと後悔してしまう零だが、一方で未だに呆然と固まっていたスバルはハッと我に返り、動揺が収まらないまま零の格好を眺めていく。

 

 

スバル「と、というか零さんっ、どうしたんですかソレっ?!さっきまで普通の格好してましたよねっ?!」

 

 

零「んあっ……?ああ……さあなぁ。外に出たらいつの間にかこの格好になってたんだよ、全くっ」

 

 

何が何だかと、ウンザリした様子で隠していた二眼のレフカメラをテーブルの上に置きながら零が椅子に腰掛けると、生活スペースの方からリモコンを片手に栄次郎が不意に顔を出し、零に呼び掛けた。

 

 

栄次郎「零君零君、ちょっといいかい?今やっとテレビが付いたんだけど、何か可笑しなニュースが流れてるんだよ」

 

 

なのは「?ニュース、ですか……?」

 

 

何だ?と揃って不思議そうに首を傾げながら、三人は生活スペースの方に足を踏み入れ栄次郎が指すテレビの画面に目を向けていく。

 

 

其処には彼の言う通り、何やら緊迫した様子のアナウンサーが何処かの事件現場を中継する映像が映し出されており、カメラが必死に追い掛ける画面の中で、謎の赤い戦士と異形が警官隊に囲まれながら激闘を繰り広げる姿があった。

 

 

スバル「あれって……?」

 

 

零「……『未確認生命体4号』、か……成る程、それがこの世界での仮面ライダーの呼び名らしい」

 

 

なのは「え?」

 

 

緊張感が伝わるカメラの向こうで殴り合う異形同士の戦いになのは達が釘付けになる中、二人の背後で部屋の隅に束になって重なっていた新聞の山から一枚手に取った零がそう呟き、振り返ったなのはとスバルに読んでいた新聞を手渡していく。

 

 

其処に書かれているのは、未確認生命体と呼ばれる謎の怪人達が人を襲い殺害してるという事件の事細かな詳細と、その未確認生命体と戦う謎の戦士、今もテレビに映る未確認生命体4号と呼ばれる仮面ライダーの記事の内容が記載されていた。

 

 

なのは「未確認生命、学者はグロンギと呼んでいるって……」

 

 

スバル「私達の世界に現れたのと同じ怪物が、この世界にもいるって事ですか……?」

 

 

零「みたいだな……。で、この世界ではその怪物、未確認とやらが現れ、それと警察が戦っていると言う訳か」

 

 

そう言いながら今もテレビで流れる緊迫した現場のニュース……未確認同士の戦いの陰に映る警官達を見つめる零の言葉を聞き、新聞から目を離したなのはも同様にテレビを見て複雑げに眉を寄せていく。

 

 

なのは「この世界は確かに、私達がいた世界とは違う……それは分かったけど、でも、其処から先はどうするの?私達の世界を救うには九つの世界を巡らなきゃいけないって言ってたけど、此処で何をすれば……」

 

 

そう、そもそもの話、世界を巡った先で自分達は一体何を果たせばいいのかを聞かされていないのだ。

 

 

この世界での目的が分からず、何をするべきなのかも分からないなのは達が俯き悩む中、そんな二人の様子を見て零も僅かに思考する素振りを見せた後、不意に何かを閃いたかのように胸ポケットを漁り、警察手帳と証明写真を取り出し二人に見せていく。

 

 

スバル「?それって……」

 

 

零「巡査、黒月零。恐らくそれがこの世界での俺の役割って奴なんだろう」

 

 

なのは「役割って……警察になる事が?」

 

 

零「この世界じゃ警察は未確認生命体、グロンギって連中と戦ってるんだろう?なら話は簡単だ、奴らと戦ってみてこの世界でやるべき事を探ってみればいい。その中で奴らを潰せば、それが正解って可能性もあるしな」

 

 

スバル「ええっ……?そ、そんな適当で良いんですかっ?」

 

 

零「大丈夫だ、任せておけ。取り敢えず俺はそのテレビに映ってる現場に行ってみる。その間、お前達も出来るだけこの世界での情報を集めてみてくれ。頼んだぞ?」

 

 

なのは「えっ、ちょ、そんなこといきなり言われても……!零君ってばー!」

 

 

テーブルの上のカメラを掴みながら軽く手を振って写真館を出ていく零の後を追い掛けるも、外に出た二人が追い付いた時には既に零は表に停めてあった警ら用の自転車に乗り、テレビに映っていた現場に向かって走り去っていた後だった。

 

 

なのは「ああ、もうっ……!相変わらず人の話を待たずに先に行っちゃうんだから……!」

 

 

スバル「あははっ……でもなんて言うか、違う世界に来ても零さんが相変わらずだと逆に安心感ありますよね。今は私達しかいないから特、に──って、なのはさん?!」

 

 

なのは「え?……え、スバル、その格好……って、何これぇええっ?!」

 

 

人の話も聞かずに先に行ってしまった零の身勝手さに憤るなのはを宥めようとするも、何故か突然驚愕し出したスバルの反応で振り返り、彼女と、自分の今の格好……いつの間にか何処かの学校の制服姿に変わってしまっている自分達の姿を見て、なのはとスバルの驚倒の悲鳴が写真館の前で木霊したのであった。

 

 

 

 

 


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