仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
カリスとパラドキサアンデッドとの戦いから数時間後。BOARDに戻った零と祐輔とスバル、刹那とロックオンとアレルヤはリボンズに呼ばれ社長室に来ていた。理由は勿論、先程の戦闘についてである。因みに稟達は優矢達に連れられ光写真館で休んでもらっている。
リボンズ「黒月君、ナカジマ君、阿南君、Kでありながらアンデッドを倒した君達の力は素晴らしいものだ!これは特別ボーナスだ。受け取りたまえ」
スバル「…ありがとうございます…」
零「……どうもな」
祐輔「…………」
感心したと言うように三人に給料の入った封筒を渡すリボンズ。だが三人は余り嬉しそうな表情を浮かべず、それを受け取るとソファーへと座り込んだ。
リボンズ「ロックオン・ストラトス、君はAから3へと降格。そしてアレルヤ・ハプティズム、君をAチームの隊長に任命する。おめでとう」
アレルヤ「…ありがとう…ございます…」
Aチームの隊長に任命されたアレルヤだが、その表情は複雑なものとなっておりあまり喜んでいるようには見えない。そしてAから3へと降格されたロックオンは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
スバル「あ…あの…社長?その…刹那さんは……」
リボンズ「…あぁ、まだ居たのかい?君はクビだよ。理由は言わなくても分かってるね?早く荷物を纏めて出ていきたまえ」
刹那「…ッ!クッ…!」
パソコンを弄りながら冷たい口調で刹那にクビを告げるリボンズ。刹那はそれを聞いて悔しげに唇を噛み、そのまま社長室を飛び出してしまった。
◆◇◆
社長室から飛び出した刹那は今、社員食堂のロッカールームに来て自分の荷物を纏めていた。自分の荷物を纏めていく刹那の下に、彼を追い掛けてきた零と先程なのは達と共にBOARDへと訪れ、零と合流した優矢がロッカールームにやって来た。
零「…根性のない奴だな。あんな事で簡単に出ていくのか?所詮お前はその程度の男か…」
刹那「ッ…お前に俺の何が分かる…知ったような口を聞くなっ…」
零「あぁ、別にお前みたいな奴を知りたいとも思わないさ…退社祝いだ、俺から最後のプレゼントをやろう」
零はそう言って刹那の社員証を強引に奪ってマジックで何かを書き込み、それを刹那に押し返した。返された社員証には……スペードの"0"という字が大きく書かれていた。
刹那「ッ!貴様ぁ…何処まで俺を馬鹿にすれば気が済むんだ!?」
零に馬鹿にされ今まで抑えていた怒りが遂に爆発し、刹那は零に殴り掛かろうとする。だが、優矢がそれを横から入って押し止めた。
優矢「落ち着け刹那!その数字の意味を良く考えるんだ!!」
刹那「数字の意味だと?!」
優矢「そうだ!お前は全てを失った!だから、それはもう一度0から始めろって意味なんだよ!」
刹那「ッ?!」
0と書かれた数字の意味。優矢から聞かされたそれの本当の意味を知って刹那の怒りは少しずつ治まり始めていく。零はそんな刹那を横目に見つめながら壁に背中を預け、ゆっくりと口を開いた。
零「…前に俺に言ったな?お前はブレイドで有れ続ければそれでいいと。だが、そのブレイドの資格をも無くした今のお前がこの会社を出たところで、一体どうなる?戦う事しか出来ないお前になにが出来る?……だから、そんな自分から変われ、刹那。その数字は…やり直すというだけではなく、新しいお前を見つける為の…俺からの最後のチャンスだ」
刹那「…0からやり直す…新しい…俺を見つける…」
零から渡された社員証をジッと見つめながら呟く刹那。ブレイドで有り続けること。確かにそれも一つの道かもしれないがそれだけで一体何が残る?会社をクビになった今でなくとも、アンデッドを全て封印すればブレイドとしての役目は終わる…そうなれば自分にはもう何も残らない。戦う事以外の新しい可能性を見つける為…そこまで考えて、この男はこれを…
刹那「……お前…」
零「…先に言っておくが、別にお前の為なんかじゃない。今お前に抜けられたら社員食堂の仕事がキツくなるからそうしただけだ……特別にバイトとして雇ってやるからさっさと着替えて食堂に来い、いいな?」
後半が少し早口になりながらそう言うと零はそのままロッカールームを出て社員食堂へと向かって行った。
優矢「ったく、ホント素直じゃないよな」
刹那「……フッ」
零が出て行った後に優矢は呆れたように笑い、刹那はそんな優矢につられるように微かに笑みを浮かべた。そして刹那はコックコートに着替えると優矢と共に社員食堂へと向かっていった。
◆◇◆
翌日……
時刻は昼前。もうすぐ昼休みが始まり社員食堂が開こうとする頃。刹那達が厨房内で仕込みをしてる中、零達は客席に集まりこの世界にやってきた稟達から事情を聞いていた。
因みになのは達は此処にはいない、理由は勿論……稟の冥王トラウマを再発させない為である。当の本人であるなのはがフェイト達に連れて行かれながら「私だって冥王の被害者なのにぃーーーッ!!!」と叫んでいたのは全くの余談だ。
零「なるほどな…また幸助達の仕業だったか…�」
クレフ「えぇまあ…師匠にいきなり「零達の手伝いに行ってこい」ってだけ言われていきなり転移を…�」
稟「俺もアテナに「時の神が弟子の二人をブレイドの世界に送るみたいだから稟も手伝って来なさい」っていきなり転移させられて…�」
祐輔「皆まで言わなくいいよ…今ので大体分かったから…�」
結論から言ってしまえば、幸助やアテナによって無理矢理こちらに来させられたということらしい。しかもよりによって転移した先が大気圏内ということらしく、三人は死ぬ気で大気圏を抜けてそのまま地上に落っこちて来たらしい。なんと気の毒な……零と祐輔は稟達に同情して深い溜め息を吐いた。
零「まあ、無事に生きててよかったじゃないか。これも幸助の修行の賜物だな」
祐輔「けど…それで人間らしさがなくなるのはちょっとね…�」
ツトム「そうですよね……ところで一つ聞きたいんだけど…僕達のこの格好って一体なんですか?�」
ツトムはそう言って自分が今来ている服…コックコートを見下ろしながら苦笑気味に問い掛けた。そう、何故か稟達はこのBOARDに来た途端服装が変わってしまい、全員零達と似たような格好になってしまったのだ。因みに三人の格好は全員コックコートであり、稟はスペードの5、クレフはスペードの6、ツトムはスペードの7となっている…実に中途半端な数字である。
零「あぁ…それは多分お前達のこの世界での役割なんだろう」
クレフ「役割?」
祐輔「そっ、零さんがこの社員食堂のチーフ。僕達はこの社員食堂で働くコックっていう感じで稟君達にも役割があるみたい」
稟「なるほど、つまり俺達もこの社員食堂で働くコックってことか…」
ツトム「まあ…師匠の特訓に比べたらこっちの方がまだマシですね…�」
それについては同感だ、と零と祐輔は内心苦笑しながら同意する。
祐輔「まあでも、正直来てもらって助かったよ。実はもうすぐ食堂を開かないといけないから人手が欲しかったんだ。もし良かったら皆も手伝ってくれない?」
ツトム「ええ、大丈夫ですよ」
クレフ「そういうことなら幾らでも手伝うよ」
稟「こういうのは得意分野ですし、良かったら厨房の方も見せてくれますか?それとついでに、この世界の事ももっと詳しく…」
零「ああ、分かった」
と、三人は祐輔に案内されて厨房に向かっていくが、何故か零は祐輔達の後を追おうとはせずその場に残り、無言のままポケットから四枚のカードを取り出しそれを眺めた。
零「…まさか、こんなカードまで出てくるとはな…アイツ等がこの世界に来たのと何か関係あるのか?」
零は自身の手に握られている絵柄の消えたシルエットだけのカード…キャンセラー、闘牙、エクス、シヴァのライダーカードを見つめながら疑問そうに呟いた。
零「むぅ…まあ、今考えたところで何か分かる訳でもないし…とにかく俺も仕事に戻るか」
零はそう言ってキャンセラー達のカードをポケットに仕舞って歩き出し、途中で会ったスタッフに食堂を開くように指示を送ると祐輔達が向かった厨房へと向かっていった。