仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
数十分後…社員食堂。厨房には刹那を含んだスタッフ達が土台の上に乗る零の前に集まっていた。
零「よし、全員集まったな…本日より階級分けランチを廃止し安くて上手いランチに統一する。そして今日の目標はこの赤字経営からの脱出だ。その為にもお前達の力は必要不可欠だ……皆、頑張ってくれ!」
『はい、チーフ!』
一致団結したスタッフ達は一斉に返事を返していく。そんな彼等からものすごい気迫と迫力を感じ優矢達はすこし驚いてしまう。
優矢「…なぁ零?なんで…俺はホストの格好なんてさせられてんだ?」
ティアナ「私もコック服に着替えさせられてるし…」
なのは「私やフェイトちゃんなんて…メイド服だよ?」
フェイト「うぅ…スカートが短い…////」
そう、何故か零達の様子見に来ていた優矢はホスト風の服、なのはとフェイトはメイド服、ティアナはコックコートに着替えさせられていたのだ。
零「お前達は客寄せだ。優矢となのはとフェイトはチラシ配り、ギンガとスバルとクレフは他のスタッフと一緒にランチ運び、俺とヴィータと祐輔とウェンディと稟とツトムは厨房を回ってそれぞれスタッフ達を手伝う。そしてティアナ…(お前は仕事を手伝いながらなのはとフェイトが絶対厨房に入らないよう見張っておいてくれ。アイツ等が料理なんてすればこの社員食堂…いや、会社そのものが大火事で消え去るとも限らない)」
ティアナ「(いや、それは流石に言い過ぎじゃ……………分かりました)」
な・フェ『?』
厨房の端っこでコソコソと話す零とティアナ。なのはとフェイトはそんな二人を見て怪訝そうに首を傾げる。そして零は一度咳払いをし、再びスタッフ達の前に立った。
零「まぁ取り敢えずだ、この赤字経営から脱出すれば社員食堂の未来は明るい。スタッフ一同一致団結し、今日の売上で黒字を目指すぞ…スタッフ全員、全力で頑張ってくれ!」
『はい、チーフ!!』
スタッフ達はそう答え自分達の持ち場に着いていき、零達も自分の作業に入り、優矢達は流されるままチラシ配りに向かったのであった。
◆◇◆
そして昼休み。優矢達による客寄せの効果が効いたのか、客席は食堂が開いたと同時に満席になり、食堂の外も社員達の列で一杯となっていた。そしてそれにより、厨房内ではスタッフ達が一息吐く間もなく忙しなく動き回り調理を続ける姿があった。
ミレイナ「フェルトさん、これも一緒にお願いしますですぅ!」
フェルト「うん、分かった」
そんな中、フェルトがミレイナから受け取ったランチを客席に運ぼうとスタッフ達の間を急いで抜けて行く。だが…
―…ツルッ―
フェルト「あ…?!」
その途中、フェルトは足を滑らせてバランスを崩してしまい後ろから倒れそうになって思わず目を瞑った。その時…
―ガシッ―
フェルト「……え?」
何故か地面に倒れるような感覚は襲って来ず、代わりに何かによって背中を支えられ、宙に半分浮いているような感覚を感じる。一体何が?とフェルトは疑問を浮かべながらも瞑っていた瞳を開けて顔を上げた。そこには…
刹那「…大丈夫か、フェルト」
フェルト「せ、刹那?」
そう。フェルトを支えてくれたのは、後ろで皿洗いをしていた刹那だったのだ。刹那はフェルトの背中を支え、そのまま元の位置へと身体を戻してあげた。
フェルト「あ、ありがとう刹那」
刹那「いや、怪我がないのならいい……頑張れよ」
フェルト「あ…うん、ありがとう。刹那も、頑張ってね?」
最後にもう一度刹那に微笑と共に礼を言うと、フェルトは再び客席へと向かっていき、それを見送った刹那も再び自分の持ち場に戻り皿洗いを再開する。そこへ…
アレルヤ「――えーと……あ、いた。刹那!」
刹那「!……アレルヤ」
不意に呼び掛けられ刹那はその方に振り返ると、そこには厨房の出入口からアレルヤとロックオンが入って来る姿を見つけた。だが、刹那はそんな二人から顔を背けて皿洗いを再開し作業を行いながら口を開いた。
刹那「……何の用だ。今の俺を笑いにでも来たか?」
アレルヤ「いや、そんなんじゃないよ…実は、今から君とロックオンのバックルを取り返しにカリスを探しに行くんだ。それを君に伝えとこうと思って」
刹那「……だからなんだ。俺はAでなくなりブレイドの資格も剥奪された。だから、あれはもう俺の物じゃない。俺にはもう関係ないことだ」
Aとしてもライダーとしての資格も失った今の自分にはもう関係のない話だと。刹那はそう言って皿洗いを続けるがアレルヤはそれに首を左右に振った。
アレルヤ「そんな事はないさ、僕は今でも君を仲間だと思ってる…実は、もう一つ伝えておきたいことがあるんだ。もしもカリスからライダーシステムを取り戻せたら…僕は社長に、君とロックオンをもう一度Aにしてもらえないか掛け合ってみようと思ってるんだ」
刹那「…ッ?!」
アレルヤの放った予想外の言葉に驚愕し刹那は思わず作業の手を止め、アレルヤはそんな刹那に向けて更に話を続ける。
アレルヤ「あれから色々と考えたんだけど…やっぱり、このままじゃ駄目だと思うんだ。だから、Aの僕からの意向なら社長も聞いてくれるかもしれないし、今までのように二人とやって行きたいっていうのが僕の意思なんだ。必ずライダーシステムは取り戻す…だから、それまで待っていてくれ、刹那」
アレルヤはそう言い残して厨房から出ていき、ロックオンもアレルヤの後を追おうとするが、その前に刹那に向けて喋り始める。
ロックオン「…刹那。今の俺が言えたことじゃないと思うが、一応言っておく。例えお前がどんなに俺達を遠ざけようとも、立場が変わってしまおうとも…俺達はチームであり、仲間だ…そのことを忘れるな」
刹那「………………」
そう言ってロックオンも厨房内から出ていき、残された刹那はロックオンの出ていった入り口を呆然と見ていたが、すぐに自身の手に握られている皿に視線を戻し作業を再開した。
零「……あと一歩……まだ足りないか……」
その様子を物陰から覗いていた零は皿洗いを続ける刹那の背中を見て溜め息混じりにそう呟き、暫くその場で刹那を見続けていると、自身も仕事を再開する為に自分の持ち場へと戻っていった。
◆◇◆
ロックオン「…チッ、やっぱり何の反応もねぇか…」
それから数十分後、街の海岸沿いではアレルヤとロックオンがアンデッドサーチャーを使いカリスを探しに来ていたが、サーチャーは何の反応も示さずただ時間ばかりが過ぎていく次第であった。
アレルヤ「ロックオン、サーチャーに何か反応は?」
ロックオン「…いいや、全く反応無しだ…やっぱり、コイツでカリスを探すのは無理なんじゃないか…?」
ロックオンの放った言葉にアレルヤは少し考え込むように顔を俯かせてしまう。確かにカリスがアンデッドでなければサーチャーでの探索は全くの無意味。このままこのやり方でカリスの探索を続けても時間だけが過ぎていってしまうだろう。ならば一体どうするべきか、二人がそう考えていると……
『…何処を見てるんだい?僕なら此処にいるよ』
『ッ?!』
不意に背後から声が聞こえ二人は慌ててその方へと振り返った。そこには一人のライダー……刹那とロックオンからバックルを奪った本人であるカリスがゆっくりと二人に歩み寄ってきていた。
ロックオン「カリス…!」
アレルヤ「漸く見つけた…刹那達のバックルを返してもらうッ!変身ッ!」
『OPEN UP!』
アレルヤはカリスに向かって走り出し、ポケットから取り出したバックルを腰にセットして開くと目の前に出現したオリハルコンエレメントを潜ってレンゲルに変身する。
レンゲル『デエアァッ!』
カリス『フンッ!ハッ!』
変身したレンゲルはカリスに突っ込みラウザーを使って攻撃を仕掛けるが、カリスはそれを回避しカリスアローでレンゲルに斬り掛かり反撃していく。
レンゲル『うぐあぁっ…!ぐぅっ!』
カリスの反撃を受けレンゲルはバランスを崩して壁にもたれ掛かり、カリスはその隙にレンゲルへと追い撃ちを掛け、レンゲルの腰にあるバックルを掴んで引きはがした。しかし…
レンゲル『ぐっ?!うあぁぁぁぁぁぁ!!!』
―ガキィィィィィンッ!―
カリス『なっ…?!』
レンゲルは最後の力を振り絞ってラウザーを振り回すとそれがカリスのバックルに命中してカリスのバックルが弾けて吹き飛び、互いにバックルを失った二人はバランスを崩しながら倒れ込むと変身が解除されていく。アレルヤは壁にもたれながらなんとか立ち上がろうとするが、その時、アレルヤとロックオンは変身の解けたカリスを見て驚愕する。何故なら…
リボンズ「ッ…フフ…中々やるじゃないか…アレルヤ・ハプティズム…」
ロックオン「?!しゃ…社長?!」
アレルヤ「な、なんで…なんで社長が此処に?!」
そう、カリスの変身者とは二人が働くBOARDの社長、リボンズだったのだ。予想もしなかったカリスの正体を知って二人が戸惑う中、リボンズは怪しく微笑みながら地面に落ちているバックルを拾い腰に装着する。
リボンズ「君達にはもう少し、我社繁栄の為に働いてもらうよ」
『CHANGE!』
リボンズはバックルにハートのエースをスライドさせて再度カリスに変身し、呆然と立ち尽くしているアレルヤに向けて右腕を出しエネルギー弾を放った。
―ズドオォォォォォオンッ!―
アレルヤ「ウグアァァァァァァァァァアッ!!」
ロックオン「ッ?!アレルヤぁッ!!」
カリスの放ったエネルギーを受けてアレルヤは気絶してその場に倒れてしまい、ロックオンはそれを見てアレルヤを助け出そうと慌てて走り出した。しかし…
カリス『フッ…ハァッ!』
―ズドドドドドドドッ!―
ロックオン「グッ?!ウアァァァァァァアッ!!」
カリスはロックオンに向けて再びエネルギー弾を放ち、ロックオンはそれを受けて壁に叩き付けられ気を失ってしまう。そしてカリスは気絶した二人を背負い、何処へと向かって歩き出していった。