仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
そして数十分後。朝食を終えた零達一行はこの世界を詳しく調べようと写真館の外へと出ていく。んで…
零「……毎度の事ながら、一体何処から用意されてるんだこの服は…」
なのは「今回もまた…何か個性的な感じだね…」
写真館から外に出た途端、いつものように零達の格好が変わっていたのだ。零の今の格好は白いシャツと中に黒い半袖のシャツ、首元には赤いネクタイと青い長ズボンとなっている。そして、今回零と同行するメンバーは……
ギンガ「今回は、私とフェイトさんが零さんに同行するみたいですね」
フェイト「でもこれって、どう見ても学校の制服だよね?」
そう、今回同行するメンバーは零と同じく服装の変わったフェイトとギンガであった。ちなみに二人の今の格好は白いシャツに青いスカート、胸元には細長い赤のリボンと黒い靴下となっている。
優矢「なんか二人共…様になってるというか…似合い過ぎじゃねぇ?」
ギンガ「そ、そうですか?」
フェイト「ね、ねぇ零…ど、どうかなぁ?似合ってる…かな…?」
零「?…まあ似合ってる…と思うぞ?」
フェイト「あ…ありがとう……」
と顔を真っ赤にして俯いてしまうフェイト。何か可笑しい事でも言っただろうか?と首を傾げるも、何故かギンガやなのは達の方から痛い視線が送られてる気がする。
零「……取りあえず、この世界が何処の世界か調べないとな……ん?」
なのは達からの視線に震えて無視しようと他に手掛かりを探す零は何となしにポケットの中に手を突っ込むと、中に何があるのに気づきそれを取り出す。それは小さな手帳らしく、零は中を開いて調べ、なのは達もそれが気になったのか零を睨むのを止め手帳を覗き込む。
ギンガ「…私立光坂高等学校?」
ティアナ「もしかして、そこに行くことが零さん達のこの世界での役割?」
零「かもしれないな…とにかく、この光坂高校とやらに行ってみるか。そうすればこの世界の事も詳しく分かるかもしれないからな」
フェイト「そうだね。それじゃあ早速…「待って!私も一緒に行く!」…え?」
早速光坂高校に向かおうとフェイトが切り出した瞬間、フェイトの声を遮り写真館の中から一人の少女が勢いよく飛び出してきた。その少女とは…
零「お…お前…?!」
なのは「ヴィ…ヴィヴィオ?!」
そう、写真館から出て来た人物とは写真館で留守番をしていた筈のヴィヴィオだったのだ。だが、その容姿は年端もいかない子供の姿ではなく、髪型はなのはのようなサイドポニーにし、身体は何故か十七~十八ほどの大人の女性の姿…聖王モードとなっていたのだ。しかも、服装はフェイトとギンガと同じ光坂高校の制服姿となっている。
フェイト「ど、どうしたのヴィヴィオ?!その姿は一体?!」
ヴィヴィオ「えへへへ~♪びっくりしたでしょ?何時も留守番ばっかりで嫌だったから、これなら一緒に行っても大丈夫かな~って思って♪」
一同が驚く中、ヴィヴィオはそう言ってその場で踊るように一回転する。その際に胸部の膨らみが揺れ優矢は慌てて視線を外し明後日の方を見た。
零「だ、大丈夫かな~って…というかその姿はどうしたんだ?!一体どうやって…?!」
ヴィヴィオ「これ?えっとね……実は、これを使って大人になりました~♪」
なのは「?それって……Kナンバー?」
そう、ヴィヴィオが懐から取り出した物とは黒い携帯…ナンバーズの変身ツールであるKナンバーだったのだ。何故ヴィヴィオが聖王モードになれたのにKナンバーが関係するのか。イマイチ理解出来ない零達は疑問そうに首を傾げている。そんな時…
『それについては、私達が説明しよう』
『ッ?!え?!』
スバル「け、Kナンバーが…喋ったぁ!?」
突如Kナンバーから少女のような声が聞こえ、Kナンバーをジッと見つめていた零達は驚き思わず身を引いてしまう。だが、Kナンバーから聞こえてきた少女の声はそんな零達の様子に溜め息を吐いていた。
『ハァ…何を言ってるんだお前たちは?私だ、チンクだ』
スバル「…へ?チ、チンク?」
『勿論、アタシ等も一緒ッスよ♪』
ティアナ「ウェ、ウェンディ?」
そう、Kナンバーから聞こえてきた声の正体とはヴィヴィオと共に写真館で留守番をしているチンク、そしてその他の姉妹達だったのだ。何故Kナンバーの中に再びチンク達が?なのは達がその事に戸惑う中、零は落ち着いた様子でKナンバーの中にいるチンク達に語りかける。
零「どういう事だ?何故またお前達がKナンバーに…というか、何故ヴィヴィオはこの姿になってる?」
チンク『うむ。実は…このKナンバーにはナンバーズに変身する機能以外に色々な機能があってな。ヴィヴィオはその中にある機能の一つ、聖王モードへのプロセス機能を使ってこの姿になったんだ』
なのは「聖王モードへの…プロセス機能?」
セイン『そ、簡単に言えばヴィヴィオを子供から大人に早送りするみたいな機能って事。でも、ヴィヴィオを子供から大人にする為に必要なプロセスのエネルギーまではこの携帯にはなかったんだよねぇ。だから、前にこの機能を見付けた時にもなんも出来なくてほっといたんだけど…』
ディエチ『私達がこの携帯に入れば、ヴィヴィオの聖王モードを維持する為に必要なエネルギーの代わりになれるかな?て思って実際にやってみたら、すんなりと出来たんだ』
優矢「そ、そんな事が出来んのかよっ」
零「まあ…アイツ等ならそういうことも出来そうだな…というかあの馬鹿野郎、なんて機能まで付けてんだ…」
ナンバーズ達からの説明を聞き、なのは達は信じられないといった表情でヴィヴィオを見つめ、零は脳裏にスカリエッティの姿を思い浮かべて青筋を浮かべていた。するとヴィヴィオはそんな零に近づき、零の右腕に突然絡み付いてきた。
ヴィヴィオ「ほらパパ!早くその学校に行ってみようよ♪」
零「は?おい、ヴィヴィオ!?」
フェイト「え、えぇッ!?ま、待ってよ二人共~!」
ギンガ「お、置いていかないで下さいよ~!」
ヴィヴィオに引っ張られる形で零達はこの世界のことを調べる為に光坂高校へと向かっていき、写真館の前に残されたなのは達はそんな零達の後ろ姿を呆然と見送ったのだった。
◆◇◆
それから更に十分後。光坂高校に着いた零達は辺りを見回しながら校舎へと向かっていた。辺りには零達のように学校に登校してくる生徒達や、朝練で校内を走り回る生徒達など姿がちらほらと映り、如何にも普通の学園だと認識させられる気分となっていた。
零「ほぉ…なんか懐かしいなぁ…こういうの」
フェイト「うん、中学の頃はよくなのはとはやての四人で学校に行って、アリサとすずかと一緒に勉強をしたりしたよね…」
自分達と同じく登校して来る生徒達の中を歩きながら昔のことを思い出して微笑する零とフェイト。そんな時…
「本当なんですよ!昨日の夜襲われたんです!あの化け物、オルフェノクに!」
「そうですか…分かりました。その件についてはこちらの方で何とかしてみます。夜の巡回の方は別の方達にお任せしますので、貴方は怪我の治療に専念して下さい。では…」
「おいおい…またかよ…」
「最近多いよなぁ…オルフェノクの事件。そういえばこの間のニュースでもさぁ…」
零達が校舎へと向かう途中、一同から離れた場所で腕にギブスを嵌めた男とこの学園の教師らしき男が何かを話し、それを聞いた生徒達も不安げな表情をして何かを話しながら校舎へと向かっていき、それらの会話に出てきたある単語にフェイト達は頭上に疑問符を浮かべていた。
零「オルフェノク…なるほど。此処はファイズの世界ということか…」
フェイト「…ねぇ零。オルフェノクって?」
零「ん?あぁ…確か、死んだ人間が生前より驚異的な力を手に入れた存在…人類の進化形とも呼ばれている怪人達だった筈だ」
ギンガ「死んだ人間が怪人に…何か不気味ですね…」
零「まあ、オルフェノクになれるのも一定の確率とも言われてるみたいだからな…それだけ、奴らの持つ力も驚異的みたいだ」
フェイトとギンガは死んだ人間の蘇った姿、オルフェノクという存在を不気味に感じ、零はライドブッカーから取り出したシルエットだけとなっているファイズのカードを見ながらそう呟いた。
ヴィヴィオ「ん~…オルフェノクとか良く分からないけど、取り敢えず学校に行ってみようよ♪私、ザンクトヒルデ以外の学校は始めてだから楽しみだな~♪」
零「……それもそうだな。とにかく今は、この学園の事を調べることが先決だ。先を急ぐか」
フェイト「そうだね。それじゃあ……えい!」
零「ん?うおぉっ?!」
ギンガ「なっ…!」
零が先を急ごうと歩き出すと、フェイトが突然零の右腕に絡み付いてきた。フェイトの突然の行動に零は驚き、ギンガはそんな光景に言葉を失っている。
零「…おいフェイト…一体何の真似だ」
フェイト「フフ♪だって、また零とこうして学校に行けるだなんて思ってなかったんだもん。何か嬉しくて♪」
零「嬉しいからって何故腕に絡み付く?離せ、周りの生徒が見ているだろう」
フェイト「気にしない気にしない♪」
むしろ見せびらかしてしまえ、といった感じでフェイトはより一層と零の腕に絡み付いてくる。何なんだコイツは…と零は内心溜め息を吐きながら呟く。こんな状態でこんな場所を歩くのはゴメンだ。周りの生徒達からもの凄く見られてるし……しかも、何故かギンガからももの凄い歪のオーラを感じる。
零「気にするだろう普通…いいから離れてくれ。動きずらいし歩きずらい」
こんな状態でいる時は決まって自分に被害が降り懸かって来る。また前のように肉体的にも精神的にもズタズタにされるのはゴメンだ。だから何とかフェイトを引き離そうと試みる。だが……
フェイト「……零は……私とくっつくのがそんなに嫌…?」
零「うっ………」
うるうると、まるで捨てられた子犬のような瞳でフェイトが見つめてきた。何故そうなるんだ…と零はそんなフェイトから少し目を外しながらそう思う。どうも自分はこういう目で見られるのが苦手だ。何と言うかこう……自分がまるで悪いことをしているような気分にさせられるのだ。こんな目で見られて嫌だと言えるハズもなく……
零「…………好きにしろ。俺はもう何も言わん…」
フェイト「うん♪じゃあ好きにするね♪」
零の言葉にフェイトの気分は一気に上機嫌。零の腕に絡み付きながら鼻歌を歌って校舎へと向かい、零は諦めたかのように深い溜め息を吐いてこれ以上はなにも起こらないようにと心の中で祈る。だが…
―ムギュッ…―
零「……は?」
不意に左腕に柔らかい何かが絡み付いてきた。突然の感覚に戸惑いながらも零はそちらの方に目を向ける。そこには…
ギンガ「む~……」
零「………ギンガ?」
零の腕に絡み付き、何故か頬を膨らまして零を睨んでくるギンガがいた。はて…これは一体どういう事か?イマイチ状況が理解出来ない零は怪訝そうな顔をしてギンガの以外な行動に少し戸惑っていた。
零「…あの…ギンガ?一体何を……?」
ギンガ「…零さん…フェイトさんにばかり甘いです…ズルイです…贔屓です…」
零「いやあの……一体何の話しだかサッパリなんだが……」
ヴィヴィオ「あぁっ!ギンガお姉ちゃんズルイ!私も一緒にくっつく~!」
零「…はッ?!ま、待てヴィヴィ…ウグゥッ?!」
ヴィヴィオの言葉に戸惑いながらも慌てて制止の言葉を放つが、ヴィヴィオはそれよりも早く零の背中にガッシリと引っ付いてきた。
零「ちょ、重っ?!は、離れろ!余計に動きずらいじゃないか!!」
ヴィヴィオ「わ~い♪パパの背中大きい~♪」
ギンガ「零さんの腕…以外と筋肉質でガッチリとしてるんですね~」
零「話聞いてねぇ!?」
フェイト「ほらほら、早く行こう?急がないと授業が始まっちゃう」
零「いやそれよりもコイツ等をどうにか…ってフェイト引っ張るなぁ!!ちょ、取りあえずお前等人の話を聞けぇ!!」
フェイト「ふふふ♪」
いくらなんでもこの状態で歩くのだけは嫌だ…というかこのことをなのは辺りに知られたら何をされるのか分かったもんじゃない。何とか離れてくれるようにと説得を試みるが失敗。結局零はこの状態のままフェイトに引っ張れて校舎の中へと向かったのだった。
なのは「……ちょっと目を離した隙に…またフェイトちゃん達とイチャイチャとぉ~…」
優矢「ひえっ……」
一方校門前。零達が気になってこっそりとついてきたなのはと優矢は物陰に隠れてその様子をしっかりと見ていた。その光景になのはからドス黒いオーラが噴出し、隣にいる優矢はそれにより震えてしまい、登校してくる生徒や警備員すらもそんな彼女が恐ろしく近づこうとしなかったとか……。