仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
ウルフオルフェノクへと姿を変え、渚を守りながらタイガーオルフェノクと戦う岡崎。タイガーオルフェノクは岡崎、ウルフオルフェノクの拳を弾きながら口を開いた。
『クッ!貴様、オルフェノクだったのか?!』
『グゥッ!渚!早く此処から逃げ……ッ?!』
ウルフオルフェノクは渚の方に振り返り逃げろと呼び掛けるが、渚は怯えた瞳でウルフオルフェノクを見つめていた。
渚「……嘘……岡崎さんが……オルフェノクだなんて……」
『……ッ!』
―誰だって嫌いでしょ?人間のフリをしてる怪物なんて。近くにいるってだけで最悪よ―
―オルフェノクは…沢山の人の命をいっぱい奪ってるの…私も嫌いなの…―
―最近じゃ小さな子供まで狙われてきてるみたいだし…どうしてあんな酷い事が出来るんでしょうか…―
怯えた瞳で自分を見つめてくる渚を見てウルフオルフェノクは昨日渚達の言っていた言葉を思い出して顔を俯かせてしまい、その隙をタイガーオルフェノクに突かれて吹き飛んでしまう。そしてその端では…
―ズガガガガガガガガガガガガガガァッ!!―
ディエンド『へぇ、中々やれるようになったじゃないか、零!』
ディケイド『チィ!(これ以上押し切れない!しかも銃の狙いも俺の急所を確実に捉えてきてる上に連射の速度も速い…射撃の腕は奴の方が上か!)』
ファイズギアを奪い取ろうとするディエンドの銃撃を同じように銃撃で反撃するディケイド。だがそんな時、先程ディエンドと戦っていたロブスターオルフェノクが突然ディエンドに掴み掛かり動きを封じてきた。
『貴様!ラッキークローバーに入りたいと言っておきながら!』
ディエンド『オイオイ…まだ分かってないのか?俺の目的は最初っからあれだけさ。君達なんかに用はないんだよ!』
―ズガガガガガァンッ!―
『ウグァッ!?』
ディエンドは呆れたように言いながらロブスターオルフェノクの拘束を無理矢理払い、至近距離からディエンドライバーでロブスターオルフェノクに連射し吹き飛ばしていった。
ディケイド『お前、ファイズのベルトをどうするつもりだ?』
ディエンド『ファイズギア…かつてある企業によって開発された貴重なお宝さ』
ディケイド『…宝だと?』
ディエンド『世界には、俺達の想像を越える素晴らしいお宝が眠っている…俺はそれを全て、この手で手に入れたいのさ。さあ…分かったらそれも渡してくれないかな?』
ディエンドはディケイドに向けて手を差し延べ、ファイズギアを渡せと再度呼び掛けてくる。それを聞いたディケイドは一度溜め息を吐くと…
ディケイド『くだらない…要は泥棒だろう?ならお前にコイツを渡す理由なんて尚更ない…』
ディエンド『…ふぅ…そうかい。なら仕方ないね』
ディケイドの返答にディエンドは溜め息を吐き再びディエンドライバーを構え、ディケイドもライドブッカーGモードを構えて応戦しようとする。だが…
―カチッ…ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!―
『ッ?!』
突如二人の間を遮るように何処からか巨大な砲撃が放たれ、二人はそれによって動きが止まってしまう。そして砲撃が止むと、二人の間には地面が削り取られたような巨大な焼け焦げた跡が残っており、二人はそれから視線を外し砲撃が放たれてきた方へと目を向ける。そこには…
―シュウゥゥゥゥゥゥ……―
『そこまでです…二人共、それ以上の戦闘は止めて下さい』
二人の視線の先…そこにいたのは、銃口から煙を立たせる巨大なライフルを構えた一人のライダーがこちらを見据えて立っていたのだ。それを見たディケイドは驚愕し、ディエンドは目を鋭くさせてそのライダーを睨み付けた。
ディエンド『ルナティック……"神那 紫"か。まさか、貴方がこの世界に来ていたとは…』
ルナティック『えぇ、ちょっとこの世界のディケイドに用がありましてね。でもまさか、この世界に来てるディエンドが貴方だったとは…予想外でした』
ディケイド『か…神那紫?!本当にお前なのか?!というかなんで此処に?!』
ルナティック『はい、お久しぶりです、零さん。ルーフェイさんのインタビュー以来ですね�』
突如現れた仮面ライダー…『ルナティック』の登場にディケイドが驚く中、ルナティックはそれに苦笑しながらディケイドにそう答えるとライフルを構え直し、ディエンドを見据える。
ルナティック『さて、取りあえず此処は引いてくれませんか大輝君?今は貴方に構ってる暇はないので』
ディエンド『それはこっちの台詞ですよ神那さん…俺も今は貴方に用はない。貴方にはコレの相手でもしててもらおう!』
ディエンドはそう言って腰のカードホルダーから二枚のカードを取り出し、それをディエンドライバーへと装填しスライドさせる。
『KAMENRIDE:CANCELA!KAMENRIDE:EXE!』
電子音声と共にディエンドがディエンドライバーの引き金を引くと辺りに残像が走り、それらがそれぞれ一つに重なると侍のような姿をしたライダーとかの騎士王を思わせるような姿をしたライダー…祐輔が変身する仮面ライダーキャンセラーと稟が変身する仮面ライダーエクスが現れ、それぞれ刀と剣を構えながらルナティックに向かって斬り掛かっていった。
ディケイド『キャンセラーとエクス?!あのカードまで持っているのか…?!』
ルナティック『…仕方ありませんね。なら私がお相手しましょう!』
ルナティックはライフルの照準をキャンセラーとエクスに向けて砲撃を放ち、キャンセラーとエクスは器用に立ち回ってそれを回避するとルナティックに向かって斬り掛かり、ルナティックはライフルでそれを弾きながら距離を取りライフルで再び反撃していく。
ディエンド『…さぁ、これで邪魔者はいなくなった。君もそれを渡してもらおうか!』
ディケイド『チィッ!』
ディエンドはディエンドライバーをディケイドに向けて再び連射し、ディケイドはそれをライドブッカーで防ぐとディエンドに向けてライドブッカーガンモードで反撃していく。
ナンバーズ『ッ?!パパ!』
レイス『待っててください!今行きます!』
ディエンドの銃撃に少しずつ圧され始めているディケイドを見て、ナンバーズとレイスはディケイドを援護しようと駆け出す。だが…
『ウガアァァァァァァァッ!!』
ナンバーズ『わあぁっ?!』
レイス『なっ?!』
突然二人の横から先程ディケイド達と共に戦っていたドラゴンオルフェノクが腕を振り上げて奇襲を掛け、レイスとナンバーズはそれをギリギリで回避すると、ドラゴンオルフェノクから距離を取って後退する。
レイス『クッ!邪魔をしないで!』
ナンバーズ『早くそこを退かないと、痛い目みるよ!』
『Style Change!Nove!』
ナンバーズはバックル部分にあるKナンバーを開いて操作すると電子音声が響き、それと共にナンバーズの右腕にノーヴェの固有武装であるガンナックルが装備され、レイスはベルトの両側のボタン状の箇所を同時に押すとベルトの中枢核から剣の柄のような物が出現しレイスはそれを抜くように取り出した。そしてナンバーズは右腕に装備されたガンナックルを、レイスはベルトから取り出した銃剣のような武器…レイスガンブレードを構え、ドラゴンオルフェノクに突っ込んでいった。
ディエンド『フッ!ハアァッ!』
ディケイド『チィ!クッ!』
レイスとナンバーズが戦う横ではディエンドがディケイドに格闘戦を持ち込み、激しい攻防戦を繰り広げていた。だが、ディエンドの得意とするヒット&アウェイによる戦法によりディケイドはディエンドの動きを上手く見切れず翻弄されていた。そして…
ディエンド『フン!ハッ!』
―ズガガガガガガガガガァッ!!―
ディケイド『グッ?!グアァァァァァァァァッ!!!』
ディエンドはディケイドから距離を離してディエンドライバーで乱射し、それを受けたディケイドは耐え切れずに吹き飛び変身が解除されてしまう。そして…
『ヌエェェェェェェェアッ!!』
―ズガアァァァァァアンッ!!―
『ウグアァァッ!』
タイガーオルフェノクと戦っていたウルフオルフェノクも零の目の前にまで吹き飛ばされてしまい、人間体の岡崎へと戻ってしまった。
零「…ッ?!お前、オルフェノクだったのか?!」
朋也「クッ…グゥッ!」
ウルフオルフェノクの正体が岡崎だと知り零は驚愕の表情を浮かべるが、岡崎はそれに構わず目の前に落ちているファイズギアを手に取りキーを入力をしていく。すると何処からか無人のバイクが走って現れ、無人のバイク…オートバジンは変形してロボットのような姿をしたバトルモードへと変わると左腕の前輪に仕込んだ銃…バスターホイールでタイガーオルフェノクを銃撃していく。
『グゥッ?!ウガアァッ?!』
オートバジンの銃撃を受けてタイガーオルフェノクは吹き飛び、それを確認したオートバジンは一人でに元のバイクの姿…ビークルモードへと戻り、岡崎はすぐさま起き上がってオートバジンへと駆け寄っていく。
朋也「渚ッ!早くコイツに乗れ!」
渚「え…?わ…私は……」
岡崎は渚にオートバジンに乗れと呼び掛けるが、渚は岡崎の正体を知りどうしたらいいのか分からず俯いてしまう。するとそれに痺れを切らした岡崎が渚の手を引いてオートバジンの後ろ側に乗せ、自身もオートバジンに跨がるとアクセルを踏んで何処かへと走り去っていった。
ディエンド『あっ?!待て!俺のお宝!』
零「止めろ海道!」
ファイズギアを持って走り去る岡崎達に向けてディエンドライバーを発砲させようとするディエンドだが、それを零が止めに入る。すると二人の周りをいつの間にかタイガーオルフェノクとラッキークローバー達が囲み、それぞれ自分の武器を構えながら二人にゆっくりと近づいて来ていた。
ディエンド『……どいつもこいつも……俺の邪魔をするなぁッ!』
―ズガガガガガガガガガガガァンッ!!―
『ウグオォッ!?』
ディエンドはタイガーオルフェノク達に向けてディエンドライバーを乱射し、それを受けたタイガーオルフェノク達は勢い良く吹き飛ばされていった。そしてディエンドは左腰のカードホルダーから一枚のカードを取り出し、それをディエンドライバーへと装填しスライドさせる。
『ATTACKRIDE:INVISIBLE!』
電子音声が響くとディエンドの姿が周りの風景に溶け込むかのように徐々に消えていき、完全にその姿が消えてしまった。
零「ッ!消えた……海道の奴、逃げやがったのか…」
零は消えてしまったディエンドの姿を探すように辺りを見回していき、同時に先程吹き飛ばされたラッキークローバー達の姿がない事に気づき顔をしかめる。
零「アイツ等もどさくさに紛れて逃げたのか……いやそれより……何故オルフェノクであるアイツがファイズになってたんだ…?」
「それは多分…彼にも守りたいものがあったからだと思いますよ」
零「ッ!」
オルフェノクである岡崎が何故ファイズとなって仲間のオルフェノク達と戦っていたのか…その疑問を考えていた零の背後から少女の声が聞こえ、零はそれが聞こえてきた方に振り返る。すると其処には一人の少女がこちらに向かってゆっくりと歩いて来ていた。
零「…紫か…それは一体どういう意味だ?」
紫「言葉の通りですよ。彼は守りたいものを守る為、ファイズとして戦っていた…それだけの理由なんですよ、きっと」
まるで何かを知っているように話す"神那紫"の言葉に零は疑問そうに首を傾げ、紫はそんな零の様子に若干苦笑していた。そんな時…
ヴィヴィオ「パパ~!」
ギンガ「零さん!大丈夫でしたか?!」
紫と話をしていると変身を解除したヴィヴィオとギンガが零の下へと小走りで集まってきた。
零「ん?あぁ、何とかな…二人も怪我はないか?」
ヴィヴィオ「大丈夫大丈夫♪全然大した事ないよ♪」
ギンガ「…?あの、零さん?そちらの方は?」
お互いに怪我が無いことに安息する中、ギンガは零の隣に立つ紫の存在に気付いて一体誰なのか問い掛け、それを聞いた紫は一歩前に出るとギンガ達に向けて頭を軽く下げる。
紫「初めまして、こちらの世界のなのはさんと零さん以外の方は始めてですね…私は神那 紫。3代目深淵の神です」
ギンガ「?深淵の神って…確か…」
零「前に話しただろう?時の神と呼ばれる天満 幸助と七柱神のこと。紫はその七柱神の一人だった外史の2代目深淵の神の"エウレッタ・エルドラント"から神権を譲り受け、三代目の深淵の神となったらしい。んで、俺となのはは以前ルーフェイとか言う奴のインタビューを受けた時に紫と出会ったんだ」
紫「アハハ…あの時は本当に凄かったですよね…�」
まあ確かに、途中で乱入してきたなのはの砲撃を受けて吐血しまくったし…最後辺りは悲惨な目にあって体中包帯だらけになったし…思い出しただけでもその時の傷が疼くよ…
零「…まあそんな事は置いといて…何故お前がファイズの世界にいるんだ?しかもそんな制服まで着て…何かあったのか?」
紫「あぁいえ、そんな大した用事じゃないですよ?ただ皆さんのお手伝いとこの前渡しそびれた物を届けに来ただけですから」
零「渡しそびれた物…?」
紫の言う渡し物という言葉に零は不思議そうに聞き返し、紫はそれに頷いて返すとポケットから一枚のカードを取り出し零に見せる。紫の取り出したカードとは…『KAMENRIDE:LUNATIC』と書かれたカードであった…
◆◆◇
一方その頃、ラッキークローバー達から逃れた岡崎は渚を古河パンに送る為オートバジンを走らせていた。しかし…
渚「……岡崎さん…止めて下さい……」
朋也「え…?なぎ……」
渚「お願い……します……止めて下さいっ……」
震えた口調で此処で止めて欲しいと言い出した渚。岡崎はそれに戸惑いながらも仕方なくオートバジンを止め、渚はオートバジンから下りると近くのフェイスに力無く寄り掛かった。
朋也「…な、渚?大丈…」
渚「ッ?!嫌っ!」
朋也「ッ!?」
フェイスに寄り掛かる渚を心配して近づく岡崎だが、渚は怯えた様子でそれを強く拒絶してしまい、それを見た岡崎はショックを受けて渚から数歩後ずさってしまう。渚はそんな岡崎の様子を見て自分が言ってはいけない事を口にした事に気付き、身体を震わせながらもなんとか謝ろうとする。
渚「……ごめん…なさい…ごめんなさい…岡崎さんっ……」
だが渚はどうやって謝ればいいのか分からず泣きながら岡崎に謝罪し、そんな渚の姿が逆に岡崎の胸を締め付けていた。
朋也「………仕方ないさ。俺……オルフェノクだからさ……当然だ……」
渚「っ……何時からっ……何時からっ……オルフェノクだったんですかっ…?」
朋也「…お前達と出会う前…学園に入る前から…」
渚「……どうして……どうして何も言ってくれなかったんですか!?どうして!」
あらゆる事が一度に起きてしまい、更には今まで自分と一緒に居てくれた岡崎が怪物というショックのせいか渚は混乱して涙でぐちゃぐちゃになり、それでも大声を上げて岡崎にそう問い掛ける。岡崎はそんな渚から背中を向けて弱々しい声で答えた。
朋也「……学園に居たかったんだ……どうしても……ごめんな……渚………」
渚「ひぐっ…うぐっ…岡崎…さんっ……」
渚は泣き崩れるようにその場に座り込み、岡崎は今にも泣き出してしまいそうな顔を浮かべてオートバジンに乗り、渚を残して何処かへと走り去ってしまった。
◆◇◆
渚と別れた後、岡崎は一人茜色に染まった川が流れる橋の上に立っていた。岡崎はそこでファイズギアなどが入ったトランクケースを開き、悲しげな表情をしてそれを見つめている。
朋也「俺は…オルフェノクなんだ…だから…渚達の側には…もういられない……ならこんな物……もう意味なんてないんだ……」
トランクケースに仕舞われたファイズギア等を見ながら岡崎は悲しげに呟き、トランクケースを閉じる。そして…
―…ブンッ!バシャァンッ!―
岡崎はトランクケースを川に向けて力の限り投げ付け、そのまま何処かへと走り去ってしまった。
零「……チッ……一々面倒の掛かる奴だ……」
その様子を陰で見ていた零は舌打ちしながらそう呟き、羽織っていたコートを脱いでディケイダーに掛けると冷たい川の中へと足を踏み入れていった。